53 / 280
子猫の雨月と男の子の雨月
48
しおりを挟む
玄関近くまで行くとドアに体当たりしながら泣きまくってる雨月の声が聞こえてくる。
廊下には隣に住んでいる女性が立っていた。私より一回り年上のOLさんです。
仁王立ちとまではいかないまでも……多少お怒りのようです。
「中川さん、こんにちは。ご迷惑……お掛けしたみたいですよね?」
「私は……別にいいんだけど。可哀想でしょ?星野さん、ペット飼い始めたのね……」
「はい……」
「賃貸のわりのはここのマンション防音もちゃんとしてるけど……流石にこれ程泣かれると……隣でも聞こえちゃうのよね。気をつけてくれないかしら?」
「はい……。本当に申し訳ありませんでした!」
逸る気持ちを押さえつつ、頭を下げて丁寧に謝罪した。
「ペット可とはいっても騒音は気にして欲しいわ。この泣き声じゃあ……下手をすると虐待と間違われて通報されちゃうわよ。それだけ!じゃあ、以後気を付けてね!」
あ……。
それを教えてくれたんだ……。
もう玄関の中に入っていった見えなくなった女性にもう一度頭を下げた。
まだ体当たりの音が聞こえる。私は直ぐに鍵を開けてドアを……
「ギャァアアアアアアアア!」
泣き叫びながら子猫の雨月が私に飛びついてきたのであった。
寂しかったのか悲しかったのか……
無意識なのか……
「雨月、待って!ダメ、ダメだってば!」
お怒りらしい子猫の雨月は私に飛びつくなり私の服に思いっきり爪をたてて何度も引っ掻いたのであった。
廊下には隣に住んでいる女性が立っていた。私より一回り年上のOLさんです。
仁王立ちとまではいかないまでも……多少お怒りのようです。
「中川さん、こんにちは。ご迷惑……お掛けしたみたいですよね?」
「私は……別にいいんだけど。可哀想でしょ?星野さん、ペット飼い始めたのね……」
「はい……」
「賃貸のわりのはここのマンション防音もちゃんとしてるけど……流石にこれ程泣かれると……隣でも聞こえちゃうのよね。気をつけてくれないかしら?」
「はい……。本当に申し訳ありませんでした!」
逸る気持ちを押さえつつ、頭を下げて丁寧に謝罪した。
「ペット可とはいっても騒音は気にして欲しいわ。この泣き声じゃあ……下手をすると虐待と間違われて通報されちゃうわよ。それだけ!じゃあ、以後気を付けてね!」
あ……。
それを教えてくれたんだ……。
もう玄関の中に入っていった見えなくなった女性にもう一度頭を下げた。
まだ体当たりの音が聞こえる。私は直ぐに鍵を開けてドアを……
「ギャァアアアアアアアア!」
泣き叫びながら子猫の雨月が私に飛びついてきたのであった。
寂しかったのか悲しかったのか……
無意識なのか……
「雨月、待って!ダメ、ダメだってば!」
お怒りらしい子猫の雨月は私に飛びつくなり私の服に思いっきり爪をたてて何度も引っ掻いたのであった。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
チョイス伯爵家のお嬢さま
cyaru
恋愛
チョイス伯爵家のご令嬢には迂闊に人に言えない加護があります。
ポンタ王国はその昔、精霊に愛されし加護の国と呼ばれておりましたがそれももう昔の話。
今では普通の王国ですが、伯爵家に生まれたご令嬢は数百年ぶりに加護持ちでした。
産まれた時は誰にも気が付かなかった【営んだ相手がタグとなって確認できる】トンデモナイ加護でした。
4歳で決まった侯爵令息との婚約は苦痛ばかり。
そんな時、令嬢の言葉が引き金になって令嬢の両親である伯爵夫妻は離婚。
婚約も解消となってしまいます。
元伯爵夫人は娘を連れて実家のある領地に引きこもりました。
5年後、王太子殿下の側近となった元婚約者の侯爵令息は視察に来た伯爵領でご令嬢とと再会します。
さて・・・どうなる?
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
今更困りますわね、廃妃の私に戻ってきて欲しいだなんて
nanahi
恋愛
陰謀により廃妃となったカーラ。最愛の王と会えないまま、ランダム転送により異世界【日本国】へ流罪となる。ところがある日、元の世界から迎えの使者がやって来た。盾の神獣の加護を受けるカーラがいなくなったことで、王国の守りの力が弱まり、凶悪モンスターが大繁殖。王国を救うため、カーラに戻ってきてほしいと言うのだ。カーラは日本の便利グッズを手にチート能力でモンスターと戦うのだが…
王妃から夜伽を命じられたメイドのささやかな復讐
当麻月菜
恋愛
没落した貴族令嬢という過去を隠して、ロッタは王宮でメイドとして日々業務に勤しむ毎日。
でもある日、子宝に恵まれない王妃のマルガリータから国王との夜伽を命じられてしまう。
その理由は、ロッタとマルガリータの髪と目の色が同じという至極単純なもの。
ただし、夜伽を務めてもらうが側室として召し上げることは無い。所謂、使い捨ての世継ぎ製造機になれと言われたのだ。
馬鹿馬鹿しい話であるが、これは王命─── 断れば即、極刑。逃げても、極刑。
途方に暮れたロッタだけれど、そこに友人のアサギが現れて、この危機を切り抜けるとんでもない策を教えてくれるのだが……。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる