私が拾ったのは子猫なんですけど！そして私は男じゃない！

子猫の雨月と男の子の雨月

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「あ、あの……夏川上司？」
「ああ、今日午前中出来る所迄だけでいいから。どう見ても一週間軽くかかるでしょ？全部君の担当でお願い出来るかな？引き継いでやり直しは避けたいんだ」

　はい……。
　一週間でも厳しいと思います。

「営業の奴ら、外回りだけすればいいと思っているのかねぇ……それもこの量」

　夏川上司でさえ、流石にちょっとお怒りなのかも。
　私はさっさと仕事を開始することにした。

　仕事を持ち込んできた人間は営業の今川さんでした。
　私の席に突然現れ、話をし始めた。

「星野さんが担当してくれるんだね！休日出勤までしてくれて申し訳ない。美馬君がミスっちゃって、全部やり直さなきゃいけなくなったんだ。彼女、落ち込んでて昨日会社休んじゃって……」

　へ？
　そんなことで会社休まないでしょ？普通。
　だから女性は……って、言われちゃうのに、わかってないんだから！
　美馬さんは抜擢されて営業に配属されたって聞いてるのに。
　残念だわ……。美馬さん。

　あ、考え事はやめて集中しなきゃ！
　午前中出来る限り済ませて気持ちよーく帰宅したいんだから。
　可愛い雨月が待っているんだもん！

「私、午前中だけですから」
「じゃあ、午後から一緒にお食事でもどう？この前のお礼もまだしてないし、ね？」

　嬉しいお誘いには違いないけど……
　天秤にかけても可愛い雨月が家に待ってると思うと全然なんてことはない！

「今日は用事があるので、また別の日にでも誘って下さい」

　完全に……定型文だわ！
　……なんて思いつつ、今川さんのお誘いを簡単にお断りした。