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運命?

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 お風呂から上がった私はバスタオルでしっかり身体を拭き、いつものようにロングTシャツを着る。急いでたので今日は髪の毛を洗うことは諦めた。
 私の身長だとおしりまで完全に隠れるものになかなか出合わないのでメンズになっちゃう。そこまで完全に隠したいのは……内緒だけど寝る時はノーパンなの。
 締め付けがないって身体がとっても楽で一度冗談半分でしてみたら……思いの外、嵌まってしまった。誰にも言えない秘密です。今はちゃんとショーツ履いてるけどね。寝る時に脱いじゃいます。

 湯上がりに水分補給をするために冷蔵庫から麦茶を出して飲み、子猫のところへ行く。
 子猫の顔を覗き込むとまだすやすや眠っている。
 その寝顔が安心しきってるようで、心がジンと暖かくなった。

「やっぱり可愛いー!」

 明日、仕事帰りにペットショップに寄って子猫用の食事を購入しよう。
 首輪……どうしよっかな?
 真っ赤な首輪も可愛いかもだけど、黒猫に赤の首輪って……ありきたりだよね。
 そもそも、首輪……可哀想かな?
 
 どうしよう?

 そんなことを思案しつつ、今日の晩御飯は簡単に済ませた。
 ご飯と味噌汁のみ。いつもならもうちょっと違うんだけど。
 だって、子猫に食べさせてあげられるものは何もなかったから。

 はちみつはあるし子猫にいいみたいだけど、元気な場合のみって書いてあった。
 衰弱?してるかもしれない子猫にはあげられない……。

 ご飯をさっさと食べ終えて子猫のもとへ。
 自分一人だけご飯を食べてしまったことに罪悪感。
 目と目があった。なんだか気まずい。

「ニ、ニャァ……」

 子猫はそうひと泣きして、くるめているバスタオルの中から出ようと前足をちょこちょこ動かしてるみたいに見える。

 そんな仕草もめっちゃ可愛いんですけど。

 こっちに来たいのかな?

 子猫をひょいっと抱き上げて膝の上に乗せて首元を撫でてみた。
 撫でる手に体重を乗せてすり寄ってくる。反対の手は背中を撫でてあげることにした。

 コロコロコロコロコロコロ  音がする。

 子猫の喉が鳴ってる気がする。
 な、なついてくれてるのかな?
 もう……可愛くって可愛くって……

 思わず……

「うちの子になる?」

 なんて、言ってしまった。

「ニャァアア!」

 あ、喜んでくれてるのかな?
 言葉、わかるのかな?

 
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