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辺境の村、ローレン
不祥事です
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「貴族のご子息?!移住??!」
村長らしき老人が目を剥き出して驚く。
「どどど、どういうことかね」
ちなみに震え出す。
老人支える、息子さんも何故か怯えている。
「あの、実は…恥ずかしながら…王都を追放されまして」
実質、追放。
二度近づくな、と言われた上でここに来た。
追放と聞いて、聞き耳を立ててる村人たちがざわめく。
家、というか小屋のような住居のため、人の気配がかなりする。
村長と息子さんは、犯罪を犯してここに捨てられたと思ったらしく視線も厳しくなる。
「私は第二王子の婚約者でした。婚約破棄され、ラディウス侯爵の恥晒しになってしまった私は家を出ることになりました。
二度と王都に近づくな、と言われてしまったので私の中では実質追放と…」
「婚約破棄って何をしてそんなことに」
ほんと、ナニをしてこんなことになったのか…。
気が遠くなる。
「王都からの話題はどのくらいでこちらに届きますか?」
「え、ああ。約半年くらいかな」
息子さんが新聞がそのくらいの日付だといった。
情報が半年遅れか…、まあ、いいか。と、私は村長に、
「第二王子 が 御懐妊されたのです」
「?」
「婚約者の第二王子が、婚約者である私以外の種で、子供を宿したのです。本来は私が、王子の種を宿すはずでしたから、王室は阿鼻叫喚です」
本来、神殿で<祝福の儀式>をしなければ男性の体に子宮はできない。授かることのできない子を第二王子が孕んだ。いまや、王室は第二王子のスキャンダルをもみ消すために必死だが、第二王子は大勢の目の前で懐妊宣言をしたのだ。
そして、私は婚約を寝取られた男となった。
ポカンと口を開ける村長親子に、私は肩をすくめた。
「そこからは、王室の対面を守るために私にありもしない不貞をでっちあげ、婚約者を寝取られた私は家門の恥晒しとされました。
私としては、まさか、王子が懐妊されるとは…思わないじゃないですか」
王子妃教育や祝福の儀式〉を受けるために準備していた私は、天と地がひっくり返った瞬間だった。
村長親子はなんと答えていいのか分からず、狼狽えていると扉が乱暴に開かれた。ちなみに勢いで傾いた。
「つまり、浮気された上に親に家を出されたってことじゃない!!」
恰幅の良い女性が、肩を怒らせ、
「かわいそうにっ!こんなド田舎に捨てられて。荷物だって鞄ひとつ!こんなナヨナヨした男が魔獣だっているこんな場所に!」
ナヨナヨ…。
私だって筋肉に憧れていた。だけど、王子妃として、子をなす予定だったため、両親が身体を鍛えることを良しとせず、女性のような華奢さを求めた。
「ヨナおばさん、落ち着いて!」
息子さんが女性-ヨナさんに駆け寄り、扉の外から顔を覗かせる村人たちに帰った帰った!と声を上げる。
「村長、この子はアタシが面倒をみるよ!
気がついたら死んでそうな気がするからね」
「この村で生きて行くには確かになぁ…」
ヨナさんの言葉に、村長が同意する。
つま先から頭を眺め、
「わしはこの村で村長みたいなことをしているが一昨年、腰をやってから皆の面倒を見ることができなくなってるな…。こんな辺鄙な村だから皆、助け合って生きている。ジーク様、我々と助け合って生きていけますか?」
村長の真摯な言葉に、私は深く頷き、
「いたらぬ若輩ものですが、ローレン村の皆さんと共に暮らしていけたらと思います。村でのこと、ご教授ご鞭撻いただければ幸いです。よろしくお願いいたします」
深々頭を下げた。
村長らしき老人が目を剥き出して驚く。
「どどど、どういうことかね」
ちなみに震え出す。
老人支える、息子さんも何故か怯えている。
「あの、実は…恥ずかしながら…王都を追放されまして」
実質、追放。
二度近づくな、と言われた上でここに来た。
追放と聞いて、聞き耳を立ててる村人たちがざわめく。
家、というか小屋のような住居のため、人の気配がかなりする。
村長と息子さんは、犯罪を犯してここに捨てられたと思ったらしく視線も厳しくなる。
「私は第二王子の婚約者でした。婚約破棄され、ラディウス侯爵の恥晒しになってしまった私は家を出ることになりました。
二度と王都に近づくな、と言われてしまったので私の中では実質追放と…」
「婚約破棄って何をしてそんなことに」
ほんと、ナニをしてこんなことになったのか…。
気が遠くなる。
「王都からの話題はどのくらいでこちらに届きますか?」
「え、ああ。約半年くらいかな」
息子さんが新聞がそのくらいの日付だといった。
情報が半年遅れか…、まあ、いいか。と、私は村長に、
「第二王子 が 御懐妊されたのです」
「?」
「婚約者の第二王子が、婚約者である私以外の種で、子供を宿したのです。本来は私が、王子の種を宿すはずでしたから、王室は阿鼻叫喚です」
本来、神殿で<祝福の儀式>をしなければ男性の体に子宮はできない。授かることのできない子を第二王子が孕んだ。いまや、王室は第二王子のスキャンダルをもみ消すために必死だが、第二王子は大勢の目の前で懐妊宣言をしたのだ。
そして、私は婚約を寝取られた男となった。
ポカンと口を開ける村長親子に、私は肩をすくめた。
「そこからは、王室の対面を守るために私にありもしない不貞をでっちあげ、婚約者を寝取られた私は家門の恥晒しとされました。
私としては、まさか、王子が懐妊されるとは…思わないじゃないですか」
王子妃教育や祝福の儀式〉を受けるために準備していた私は、天と地がひっくり返った瞬間だった。
村長親子はなんと答えていいのか分からず、狼狽えていると扉が乱暴に開かれた。ちなみに勢いで傾いた。
「つまり、浮気された上に親に家を出されたってことじゃない!!」
恰幅の良い女性が、肩を怒らせ、
「かわいそうにっ!こんなド田舎に捨てられて。荷物だって鞄ひとつ!こんなナヨナヨした男が魔獣だっているこんな場所に!」
ナヨナヨ…。
私だって筋肉に憧れていた。だけど、王子妃として、子をなす予定だったため、両親が身体を鍛えることを良しとせず、女性のような華奢さを求めた。
「ヨナおばさん、落ち着いて!」
息子さんが女性-ヨナさんに駆け寄り、扉の外から顔を覗かせる村人たちに帰った帰った!と声を上げる。
「村長、この子はアタシが面倒をみるよ!
気がついたら死んでそうな気がするからね」
「この村で生きて行くには確かになぁ…」
ヨナさんの言葉に、村長が同意する。
つま先から頭を眺め、
「わしはこの村で村長みたいなことをしているが一昨年、腰をやってから皆の面倒を見ることができなくなってるな…。こんな辺鄙な村だから皆、助け合って生きている。ジーク様、我々と助け合って生きていけますか?」
村長の真摯な言葉に、私は深く頷き、
「いたらぬ若輩ものですが、ローレン村の皆さんと共に暮らしていけたらと思います。村でのこと、ご教授ご鞭撻いただければ幸いです。よろしくお願いいたします」
深々頭を下げた。
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