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第一章 【山を繋ぐ大橋】
第九節 【オーク・ロード】
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巨大なオークの鳴き声がこだまする。
「な、なんだこいつは」
流石のエルも衝撃を受けていた。
それもそのはずでこのオークは通常の約五倍、十メートル位ある超大型の固体だ。
こいつがこのオークの群れの親玉、さしずめオーク・ロードと言ったところだろうか。
「皆さん、戦闘態勢に入ってください!」
アイリスはすぐに冷静な指示を飛ばし、オークに魔法を飛ばして準備をする時間を稼いだ。
その魔法のおかげでルーンたちはすぐに戦闘準備を整えることができた。
四人はそれぞれ近接格闘系職、斥候職、盾職、僧侶系職となっていて、前衛と後衛で半々というバランスが良いパーティーになった。
「こうならやるっきゃねえぜ!」
エルはそう叫ぶとオークの元へと突っ込んだ、それを盾職の男が追う。
「ストーンシールド!」
盾職の男は叫んだ。
これは武器を使うときに技として使うもの【技能】と呼ばれている。
魔法使い職が使う魔法みたいなもので、それぞれ対応した技能が発動する。
これまで見なかったのは、ルーンは狩猟用、エルは作業用にそれぞれの武器を使っていた為、魔物に対して使う技能を習得してないからだ。
盾職の男が使った【ストーンシールド】は相手の魔物の攻撃対象を半永久的に自分に向けさせる技能であり、盾職において一番基本となる技能だ。
「うらぁ!」
盾職の男が技能を発動している間に、エルは攻撃を叩き込む。
だがこの技能も完璧に意識を向けさせるものではなく、攻撃を与えたら勿論攻撃対象は移ってしまう。
オークはエルへと強靭な拳を振り落とした、
「させないぞ!」
いつの間にか後ろに回っていた、近接職と斥候職の男がオークに切りかかる。
そのおかげでエルは攻撃を受けずに済んだ。
「ぐあああぁぁぁ!」
オークは悲痛に満ちた声を上げる。
その隙を見てさらに攻撃を加える前衛職たち、それを確認した後衛職はおのおの攻撃魔法や弓矢を繰り出し攻撃をする。
前衛がオークの攻撃を食らうと僧侶系職の男が回復魔法を発動し回復する。
だが、オークは一向に倒せる気配ではない。
そんな時、いきなりアイリスが撃ち続けていた魔法を止めた。
「すみません、今から発動まで時間がかかるタイプの魔法を発動します。少しの間耐えてください!」
そう言ったアイリスは、魔力を溜める態勢に入った、
「私が魔法を放った瞬間、皆さんはすぐにオークから離れてください!」
その言葉に対して全員が返事をする。
そして魔力が溜まり終わったアイリスは詠唱を始めた。
「水の書氷の章、第七節。【ブリザードタイフーン】」
アイリスが叫んだ瞬間、突如アイリスの前に氷のつぶてをまとった台風が出現し、オークへと迫った。
前衛職は一斉に後ろへと飛びオークから距離をとった。
魔法がオークに当たると、氷のつぶてがオークの体に降り注ぐ。
「ぐぎゃあああぁぁぁぁぁ!」
風の力によって威力を増した氷はオークの体に深々と突き刺さる。
痛々しい光景を眺めていると、流石の巨大なオークも絶命した。
「アイリス!」
アイリスは魔法が終了したと同時に倒れた、体内にあった魔力をすべて使ってしまったのだろう。
これだけ大きな魔法だ、並みの魔法使いでは命も危うくなるようなものだろう。
ルーンたちも重症ではないがそれなりのダメージは負っている、賢者系職の男が全員に回復魔法を使うが体への疲労は取れない。
「皆さん、今回は本当にありがとうございます」
近接職の男が傷だらけの体を起こしていった。
「いえ、皆さんのおかげで倒せました。こちらこそありがとうございます」
ルーンは頭を下げながらそう言って、
「まずは休息をとりましょう。エル、アイリスをお願いできる?」
「任せてくれ」
ルーンではアイリスを担いで戻ることはできないので、エルに任せた。
八人はオークの巣穴を後にし、エルの小屋へと戻った。
「な、なんだこいつは」
流石のエルも衝撃を受けていた。
それもそのはずでこのオークは通常の約五倍、十メートル位ある超大型の固体だ。
こいつがこのオークの群れの親玉、さしずめオーク・ロードと言ったところだろうか。
「皆さん、戦闘態勢に入ってください!」
アイリスはすぐに冷静な指示を飛ばし、オークに魔法を飛ばして準備をする時間を稼いだ。
その魔法のおかげでルーンたちはすぐに戦闘準備を整えることができた。
四人はそれぞれ近接格闘系職、斥候職、盾職、僧侶系職となっていて、前衛と後衛で半々というバランスが良いパーティーになった。
「こうならやるっきゃねえぜ!」
エルはそう叫ぶとオークの元へと突っ込んだ、それを盾職の男が追う。
「ストーンシールド!」
盾職の男は叫んだ。
これは武器を使うときに技として使うもの【技能】と呼ばれている。
魔法使い職が使う魔法みたいなもので、それぞれ対応した技能が発動する。
これまで見なかったのは、ルーンは狩猟用、エルは作業用にそれぞれの武器を使っていた為、魔物に対して使う技能を習得してないからだ。
盾職の男が使った【ストーンシールド】は相手の魔物の攻撃対象を半永久的に自分に向けさせる技能であり、盾職において一番基本となる技能だ。
「うらぁ!」
盾職の男が技能を発動している間に、エルは攻撃を叩き込む。
だがこの技能も完璧に意識を向けさせるものではなく、攻撃を与えたら勿論攻撃対象は移ってしまう。
オークはエルへと強靭な拳を振り落とした、
「させないぞ!」
いつの間にか後ろに回っていた、近接職と斥候職の男がオークに切りかかる。
そのおかげでエルは攻撃を受けずに済んだ。
「ぐあああぁぁぁ!」
オークは悲痛に満ちた声を上げる。
その隙を見てさらに攻撃を加える前衛職たち、それを確認した後衛職はおのおの攻撃魔法や弓矢を繰り出し攻撃をする。
前衛がオークの攻撃を食らうと僧侶系職の男が回復魔法を発動し回復する。
だが、オークは一向に倒せる気配ではない。
そんな時、いきなりアイリスが撃ち続けていた魔法を止めた。
「すみません、今から発動まで時間がかかるタイプの魔法を発動します。少しの間耐えてください!」
そう言ったアイリスは、魔力を溜める態勢に入った、
「私が魔法を放った瞬間、皆さんはすぐにオークから離れてください!」
その言葉に対して全員が返事をする。
そして魔力が溜まり終わったアイリスは詠唱を始めた。
「水の書氷の章、第七節。【ブリザードタイフーン】」
アイリスが叫んだ瞬間、突如アイリスの前に氷のつぶてをまとった台風が出現し、オークへと迫った。
前衛職は一斉に後ろへと飛びオークから距離をとった。
魔法がオークに当たると、氷のつぶてがオークの体に降り注ぐ。
「ぐぎゃあああぁぁぁぁぁ!」
風の力によって威力を増した氷はオークの体に深々と突き刺さる。
痛々しい光景を眺めていると、流石の巨大なオークも絶命した。
「アイリス!」
アイリスは魔法が終了したと同時に倒れた、体内にあった魔力をすべて使ってしまったのだろう。
これだけ大きな魔法だ、並みの魔法使いでは命も危うくなるようなものだろう。
ルーンたちも重症ではないがそれなりのダメージは負っている、賢者系職の男が全員に回復魔法を使うが体への疲労は取れない。
「皆さん、今回は本当にありがとうございます」
近接職の男が傷だらけの体を起こしていった。
「いえ、皆さんのおかげで倒せました。こちらこそありがとうございます」
ルーンは頭を下げながらそう言って、
「まずは休息をとりましょう。エル、アイリスをお願いできる?」
「任せてくれ」
ルーンではアイリスを担いで戻ることはできないので、エルに任せた。
八人はオークの巣穴を後にし、エルの小屋へと戻った。
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