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第5章 なんか同居することになりました
【side:ブラッド_2】
しおりを挟むレイラを先頭として、ブラッド達の一行はとある山岳地帯にある洞窟の前まで来ていた。
レイラが前を向いたまま言う。
「この洞窟を超えれば、ウタがむかし使っていた小屋の、山の麓だ」
「今回もハズレ引きでは無かろうな」
ブラッドはそう言ってふん、と鼻を鳴らした。
黒染の森、遺跡、ランプリット、どこかの田舎町。
レイラの案内に従って、全員でウタがいそうな場所を捜索したが、すべて成果なしに終わっていたからだ。
パーティーを先導するレイラは、松明を灯しながら答える。
「かもしれない。だが、心当たりはもう、ここしかない。むかし、ウタにその小屋を貸したことがあってな」
「なにか、事情があるのか?」
「……ほんとうはわたしの旧友をかくまっていた場所なんだ」
「レイラ――まだあの時のことを……」
カティアが何が言おうとするのをさえぎり、レイラは言葉を選ぶようにして言った。
「これ以上はノーコメントよ、お姉ちゃん。ただ、私には、あの山で隠れるようにして住んでた旧友がいて、それが最後の手がかり。できれば行きたくない場所。それだけよ」
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