転移先は薬師が少ない世界でした

饕餮

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番外編

ある日のにゃーたち(レン視点)

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 リンがエアハルトと婚姻して三ヶ月がたったころにゃ。エアハルトたちはダンジョンに潜っていていにゃいし、眷属たちがリンと遊びたいと言ってきたにゃ。
 だから、快く送りだしたにゃ。
 そしてリンが眷属たちと一緒に遊びに行ったころ、にゃーたちはロキを筆頭に、のんびりする……にゃんてことはにゃかったにゃ。にゃにせ未だに情報に疎い貴族がいるにゃ、そいつらを王に渡す作業が待っているにゃ。

<今日はどこのオバカがいたにゃ?>
<男爵家と伯爵家だそうよ。ワタシの子どもが教えてくれたの>
<少し調べれば、王家と侯爵家、公爵家の後ろ盾があることと、リンがエアハルトと婚姻したことがわかるんだがな>
<バカだよね、その家のお嬢様と当主は>
<政治に関わってないキゾクなんて、そんなものにゃ>

 スミレの子どもたちが教えてくれたはにゃしによると、男爵家の当主とお嬢様、そして伯爵家の兄と妹がリンとエアハルトを狙っているというにゃ。しかも、情報収集をまったくしていにゃいし、国からも必要にゃいと思われている家みたいにゃ、情報が三年前で止まっているらしいにゃ。
 しかも、どちらも不正しまくっている家だというにゃ。アホにゃ。
 常にスミレの子どもがあちこちで情報収集をして、リンとエアハルトに近づこうとしている輩を教えてくれるにゃ。一度失敗して、二度とリンに近づけさせにゃいと誓ったにゃーたちが、そんな輩を見逃すわけにゃいにゃ。
 後ろ盾の話がまだ広まっていにゃかったころは、にゃーたちが全部屠っていたにゃ。けど、王から「そういった輩は殺さずに引き渡してほしい」とお願いされてからは、引き渡すようにしているにゃ。
 できれば、見せしめのために殺したいにゃ。けど、それをするとリンが悪く言われると王に言われてしまったら、諦めるしかにゃい。

<不正の証拠はどこに隠してあるって言っていた?>
<机だそうよ>
<そんなところにあったら、ラズは簡単に持ってこれるよ>
<ラズ、お願いしてもいいか?>
<もちろん! すぐに行動する?>
<そのほうがいいだろう>

 ロキとラズ、にゃーとスミレ、シマで話し合いをした結果、みんなでその男爵家と伯爵家に行くことになったにゃ。不正の証拠を持って、王に会うにゃ。
 まずは男爵家に行くにゃ。隠蔽を使えば簡単に家の中に入れるにゃ。
 本来は犯罪にゃんだろうけど、リンにさえ知られにゃければ問題にゃい。リンだけが大事にゃんであって、他はどうでもいいと考えるのが、リンの従魔ににゃった我らの考えにゃ。
 エアハルトを筆頭に『フライハイト』や『アーミーズ』をリンが大事に、そして大切にしているから、ダンジョンで一緒に戦闘しているにゃ。けど、それだけにゃ。
 〝リンが大事に、そして大切にしているから〟〝リンを護る〟というのが重要であって、それ以外は本当にどうでもいいと考える、自分勝手にゃ存在がにゃーたちにゃ。
 あっという間に男爵家に着いたにゃ。さくっと門を飛び越え、開いていた窓から侵入すると、そこはスミレから教えられた場所だったにゃ。誰もいにゃいことから、ラズが触手を出して机の引き出しを開けると、その中に入っていた紙の束を取り出すラズ。
 鍵がかかっていたって? そんにゃの、ラズには関係にゃいにゃ。触手で鍵を壊してしまえばいいだけにゃと、ラズが悪そうな顔をして簡単に鍵を壊していたにゃ。
 にゃーたちにはどれが不正の証拠とかはわからにゃいにゃ。だから、鍵がかかっていた引き出しの書類すべてを【無限収納インベントリ】ににゃっているバッグにしまう、ラズ。
 このバッグも、リンやみんなとお揃いにゃ。だから気に入っているし、大切にするにゃ。

<全部集めたよ>
<よし、次は伯爵家だな>
<誰かが近づいてくる前に、さっさと移動するにゃ>

 にゃーがそういうと、みんにゃが頷く。にゃにごともにゃかったかのように引き出しを元に戻したラズは、すぐににゃーの背中に飛び乗ったにゃ。それを合図に全員で窓から外に飛び出すと、伯爵家に移動したにゃ。
 そして伯爵家でも同じ行動をしたあと、すぐに王のところに行ったにゃ。にゃーたちが来たことを驚いていたにゃ、けどすぐに宰相を呼んで王と宰相だけににゃったにゃ。

「神獣たち、今日はどうされたのかね?」
<リンとエアハルトが婚姻したこと、そして王家や宰相が後ろ盾になっていることを未だに知らないキゾクの家があってな>
<リンとエアハルトを狙っているという情報を得たから、その家の不正の証拠を持ってきたよ>
「「なんと……」」

 ロキとラズの説明を聞いて、王と宰相が絶句したあと、溜息をついたにゃ。まあ、気持ちはわかるにゃ。

<どれが不正の証拠かというのは、ラズにはわからない。だからそのまま全部持ってきた>
「でしたら、証拠それはわたくしにくださいますか?」
<うん>

 書類を宰相に渡すと、ざっと目を通す。その顔がどんどん歪んでいったから、相当悪どいことをしていたんだろうということがわかるにゃ。

「陛下、不正の証拠はわたくしが精査してからお見せします」
「頼む。神獣たちよ、ありがとう」
<そういう約束だったからな>
<これ以上リンに迷惑をかけるようなら、問答無用で殺るにゃ>
「相わかった」

 書類を渡せば、あとは王と宰相の仕事にゃ。にゃーたちはもう関係にゃいから、城をあとにしたにゃ。
 ……実は、にゃーたちの家と店を探っている輩がいたけど、そいつらはガウティーノ家の奴が殺ったって知ったら、王はにゃんていうかにゃ? 聞かれなかったから話さなかったにゃ。
 リンたちに仇にゃすにゃら容赦しにゃいと、その男も言ってたにゃ。平民ににゃったとはいえ、エアハルトはガウティーノ家の長子にゃ。
 ひっそりと護衛がついているのは当然にゃ。
 そのつがいとにゃったリンも一緒に護るのは当然と、その男が言ってたにゃ。
 キゾクって大変にゃんだにゃー。

 まあ、にゃーたち従魔たちと眷属たちには関係にゃいにゃ。ずっとずっと、優しくて、あたたかくて、ほわほわするリンと一緒がいいにゃ。

 それはにゃーたちが死んでからも一緒だったにゃ。神様ににゃったリンのお手伝いができるにゃ、とても嬉しいにゃ。
 下界に下りて、ダンジョンに行ってリンと採取もしたいにゃー。

 まあ、結局は自分の孫やひ孫とそんなことをするリンが見れるんだけど、それはリンが神様ににゃってからのはにゃしにゃ。

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