フォーチュンリング

ゲームや本だけの世界だと思ってた。
自分の身におきるなんて、考えてもいなかった。

ある日、家族が事故に巻き込まれ、両親と兄が死んだ。祖父母はその遺体確認のために出掛け、私は一人、庭に出てホタルブクロを見ていた。母の大好きだったホタルブクロを。
その時突然ホタルブクロが光り、「助けて」と言う声と共に、私の魂はその光に導かれるように過去へと飛ばされ、運命の出逢いを果たした。そして使命を果たすものの、結局は別れる事になった。


『瀬を早み
岩にせかるる
滝川の 

われてもすゑに
あはむとぞおもふ』

それは、叶う事のない約束。
逢いたい、でも、逢えない。

出逢うはずのない魂は出逢い、出逢うはずのない魂は別れた。

――定めのままに。


そして再び出逢うはずのない魂が出逢った時――

運命の輪が、廻りだす――


★処女作であり、習作です。
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