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葎視点
Ulysses
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『僕もバカで最低だけど、あんたたちはもっとバカで最低だよ!』
『葎!』
『もう一度、中学の理科を勉強し直したら?!』
『どう言う意味だ!』
『教科書開いて自分で考えろ!』
そう言うと、通勤で使っているビジネスバッグを持ち上げて足音も荒く玄関に向かう。答えなんか簡単には教えてやらない。
『どこに行く?!』
『どこに行こうと、僕の勝手でしょ!』
必要な荷物は既に車に積んである。尤も自分の荷物は私服やスーツや靴、パソコンやゲーム機、財布や貯金通帳、携帯や充電器、小さいころ圭にもらった誕生日プレゼントくらいしかない。車は四駆のハイラックスサーフなので易々と積めた。
祖父の家で衝撃的な話を聞いた一ヶ月後。圭と話したかったけど、圭は長期間の出張に出てしまったために、未だに話すことができないでいた。
家を出るための部屋探しをしてはいるものの、『これ!』と思う物件がなかなかなかった。最近は、部屋探しの傍らで祖父の家に行っては一緒にご飯を食べたり、膝の悪い祖母の買い物を手伝ったり、バリアフリーに改装中の部屋の家具の移動を手伝ったり、曾祖母や祖父母しか知らない圭の話を聞くようになった。家や学校で笑わなくなった圭は、ここでもだんだん笑わなくなったという。
『これはって思う部屋ってなかなか見つからないんだね……。じいちゃんちなら、家より会社に近くていいんだけどな……』
愚痴を溢すようにそう言った僕に、『親不孝者め』と言った曾祖母が『だったら、うちに来るか?』と言ってくれた。
『でも……』
『うちなら部屋はたくさんあるし、ちょうど改装中で一部屋をフローリングに変えることなど容易いしの』
『ひいばあちゃん……』
『それに、正直に言うと、膝の悪い私には若い男手があるとすごく助かるの。特に、買い物は本当に楽だったのよ?』
祖母の言葉が嬉しい。僕がここに来た時は、必ず一緒に買い物に行っていたから。
『ばあちゃん……』
『圭にとっては、多分ここのほうがいい。……葎、来るか?』
『……いいの?』
『構わん。但し、改装が終わったあとになるがの』
『うん! それでいい!』
ばあちゃんたちを手伝うよ……そう言った僕に、食費もきっちり出せと祖父に言われた。もちろん、そうするつもりでいる。
先に一部屋改装し終わったと聞いた僕は、先にベッドや寝具、テレビやエアコンを新たに買ってその部屋に持ち込み、テレビを新しくしたいと言った祖父に、僕が買うからと言ってついでに居間のテレビも大型のものに買い換えた。箪笥は亡くなった曾祖父の桐箪笥をくれるというのでそれをもらうと言うと、曾祖母は削りに出してくれた。他に必要なのが出て来たら、また買い足せばいい。
着々と準備を進めて……
――そして、五月の半ばになったころ、僕はあの家を出た。曾祖母や祖父母と住むために。圭と仲直りした時、こっちに来やすいように……。
***
まだ不安が残るものの、一人で仕事をこなすことにもだいぶ慣れ、政之だけでなく、たまに他の部長の秘書につくようになった九月の半ば。普段は企画室にいる三島先輩が、慌てた様子で秘書課に来た。
「羽多野、在沢を知らないか?」
「在沢さんなら、コーヒーを淹れに……あ、戻って来ましたよ」
「お! サンキュー! おーい、在沢!」
コーヒーを持って来た圭に、三島先輩は慌てて駆け寄り、何かを伝えていた。
「真葵さんは?」
「美作は石川室長の通訳でクライアントと商談中だし、在沢室長も部長会議中でいないだろ? 俺は他に喋れる人間を知らないし……在沢、頼む!」
「……喋るのはあまり得意ではないのですが……。お二人がいないなら仕方がないですね。何番ですか?」
喋るってなに? と思いつつも、そう言った圭は、外線の番号を聞いたあとで電話に出た。
「《大変お待たせいたしました。お電話代わりました》」
……出たけど、それは日本語じゃなかった。僕にはどこの国の言葉かさっぱりわからない。
「《はい、確認いたします。少々お待ちいただけますか?》」
ポカンといている僕を他所に、「三島さん、書類の確認をしたいと言ってますが」と圭は言った。圭の側に行った三島先輩は、圭と二人でやり取りをしながら、圭はまた電話に出る。
「何語だよ……」
「スペイン語だ。相変わらず流暢に喋る。あれで『得意じゃない』って言われてもなぁ……」
圭の電話を聞きながらぼそりと呟くと、会議から戻って来たのか、在沢室長が僕の横に立ってそう言った。
「スペイン語?!」
「俺、ポルトガル語かと思った!」
「あー……。まあ。どっちも似てるからな。日本語で言うなら、標準語と関西弁くらいの差しかないし」
驚いた僕と別の秘書課の先輩の言葉に、在沢室長はさらっと流す。
「圭はそれだけ頑張ったんだよ……寝る間も惜しんでな。羽多野は圭のことを本当にわかっているか?」
「……え?」
「圭に甘えてないか? ……ってことに」
「えっ?!」
耳元で囁かれた室長の言葉に驚き、手が止まる。
「《失礼いたします》」
「すまん! 助かった! さすが室長の娘!」
「そんな、大袈裟ですよ」
「おお、三島、よくわかってるじゃないか。だが、俺が認めない限り、嫁にはやらんぞ?」
「室長……一体何のお話ですか……」
三人のやり取りを聞いて、頭が真っ白になった。
圭が室長の……娘?
『甘えてないか? 双子の弟ってことに』
室長に言われた言葉。
なんで?
どうして?
またもや、その言葉が頭を駆け巡る。
「羽多野! 手が止まってるぞ! 頼んだ文書はできたのか?!」
在沢室長のその言葉に我に返り、「申し訳ありません!」と言って慌てて途中だった文書作成に取りかかる。
――結局、圭にも室長にも理由を問う暇もないまま時間だけが過ぎ、圭が穂積エンタープライズに転籍する時にもらったUSBで、初めてその理由を知ることになる。
『葎!』
『もう一度、中学の理科を勉強し直したら?!』
『どう言う意味だ!』
『教科書開いて自分で考えろ!』
そう言うと、通勤で使っているビジネスバッグを持ち上げて足音も荒く玄関に向かう。答えなんか簡単には教えてやらない。
『どこに行く?!』
『どこに行こうと、僕の勝手でしょ!』
必要な荷物は既に車に積んである。尤も自分の荷物は私服やスーツや靴、パソコンやゲーム機、財布や貯金通帳、携帯や充電器、小さいころ圭にもらった誕生日プレゼントくらいしかない。車は四駆のハイラックスサーフなので易々と積めた。
祖父の家で衝撃的な話を聞いた一ヶ月後。圭と話したかったけど、圭は長期間の出張に出てしまったために、未だに話すことができないでいた。
家を出るための部屋探しをしてはいるものの、『これ!』と思う物件がなかなかなかった。最近は、部屋探しの傍らで祖父の家に行っては一緒にご飯を食べたり、膝の悪い祖母の買い物を手伝ったり、バリアフリーに改装中の部屋の家具の移動を手伝ったり、曾祖母や祖父母しか知らない圭の話を聞くようになった。家や学校で笑わなくなった圭は、ここでもだんだん笑わなくなったという。
『これはって思う部屋ってなかなか見つからないんだね……。じいちゃんちなら、家より会社に近くていいんだけどな……』
愚痴を溢すようにそう言った僕に、『親不孝者め』と言った曾祖母が『だったら、うちに来るか?』と言ってくれた。
『でも……』
『うちなら部屋はたくさんあるし、ちょうど改装中で一部屋をフローリングに変えることなど容易いしの』
『ひいばあちゃん……』
『それに、正直に言うと、膝の悪い私には若い男手があるとすごく助かるの。特に、買い物は本当に楽だったのよ?』
祖母の言葉が嬉しい。僕がここに来た時は、必ず一緒に買い物に行っていたから。
『ばあちゃん……』
『圭にとっては、多分ここのほうがいい。……葎、来るか?』
『……いいの?』
『構わん。但し、改装が終わったあとになるがの』
『うん! それでいい!』
ばあちゃんたちを手伝うよ……そう言った僕に、食費もきっちり出せと祖父に言われた。もちろん、そうするつもりでいる。
先に一部屋改装し終わったと聞いた僕は、先にベッドや寝具、テレビやエアコンを新たに買ってその部屋に持ち込み、テレビを新しくしたいと言った祖父に、僕が買うからと言ってついでに居間のテレビも大型のものに買い換えた。箪笥は亡くなった曾祖父の桐箪笥をくれるというのでそれをもらうと言うと、曾祖母は削りに出してくれた。他に必要なのが出て来たら、また買い足せばいい。
着々と準備を進めて……
――そして、五月の半ばになったころ、僕はあの家を出た。曾祖母や祖父母と住むために。圭と仲直りした時、こっちに来やすいように……。
***
まだ不安が残るものの、一人で仕事をこなすことにもだいぶ慣れ、政之だけでなく、たまに他の部長の秘書につくようになった九月の半ば。普段は企画室にいる三島先輩が、慌てた様子で秘書課に来た。
「羽多野、在沢を知らないか?」
「在沢さんなら、コーヒーを淹れに……あ、戻って来ましたよ」
「お! サンキュー! おーい、在沢!」
コーヒーを持って来た圭に、三島先輩は慌てて駆け寄り、何かを伝えていた。
「真葵さんは?」
「美作は石川室長の通訳でクライアントと商談中だし、在沢室長も部長会議中でいないだろ? 俺は他に喋れる人間を知らないし……在沢、頼む!」
「……喋るのはあまり得意ではないのですが……。お二人がいないなら仕方がないですね。何番ですか?」
喋るってなに? と思いつつも、そう言った圭は、外線の番号を聞いたあとで電話に出た。
「《大変お待たせいたしました。お電話代わりました》」
……出たけど、それは日本語じゃなかった。僕にはどこの国の言葉かさっぱりわからない。
「《はい、確認いたします。少々お待ちいただけますか?》」
ポカンといている僕を他所に、「三島さん、書類の確認をしたいと言ってますが」と圭は言った。圭の側に行った三島先輩は、圭と二人でやり取りをしながら、圭はまた電話に出る。
「何語だよ……」
「スペイン語だ。相変わらず流暢に喋る。あれで『得意じゃない』って言われてもなぁ……」
圭の電話を聞きながらぼそりと呟くと、会議から戻って来たのか、在沢室長が僕の横に立ってそう言った。
「スペイン語?!」
「俺、ポルトガル語かと思った!」
「あー……。まあ。どっちも似てるからな。日本語で言うなら、標準語と関西弁くらいの差しかないし」
驚いた僕と別の秘書課の先輩の言葉に、在沢室長はさらっと流す。
「圭はそれだけ頑張ったんだよ……寝る間も惜しんでな。羽多野は圭のことを本当にわかっているか?」
「……え?」
「圭に甘えてないか? ……ってことに」
「えっ?!」
耳元で囁かれた室長の言葉に驚き、手が止まる。
「《失礼いたします》」
「すまん! 助かった! さすが室長の娘!」
「そんな、大袈裟ですよ」
「おお、三島、よくわかってるじゃないか。だが、俺が認めない限り、嫁にはやらんぞ?」
「室長……一体何のお話ですか……」
三人のやり取りを聞いて、頭が真っ白になった。
圭が室長の……娘?
『甘えてないか? 双子の弟ってことに』
室長に言われた言葉。
なんで?
どうして?
またもや、その言葉が頭を駆け巡る。
「羽多野! 手が止まってるぞ! 頼んだ文書はできたのか?!」
在沢室長のその言葉に我に返り、「申し訳ありません!」と言って慌てて途中だった文書作成に取りかかる。
――結局、圭にも室長にも理由を問う暇もないまま時間だけが過ぎ、圭が穂積エンタープライズに転籍する時にもらったUSBで、初めてその理由を知ることになる。
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