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従魔専用レベル上げダンジョン編
第205話 不思議なダンジョン 4
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晩ご飯の支度を始めたものの、何を作ろうかと悩んでいると、誰もいないからカレーが食べたいとリクエストをもらったので、カレーを作ることに。肉はどうするか……と考え、一番量の多いボアを使うことにした。
「肉はブロックと薄切り、どっちがいい?」
『ブロック!』
「お、おう」
従魔たちも含めた全員一致で、ブロックになったのだった。
私が肉を切っている間に、ヤミンとヤナもニンジンや玉ねぎ、ジャガイモの皮むきやカットを手伝ってくれる。あと、米研ぎも。
野菜のカットが終わったら大きめの鍋を出し、どちらかに炒めてもらっている間に、ストックしてあった玉ねぎをみじん切りにして飴色になるまで炒めたものをフライパンに入れ、温める。温まってきたら小麦粉を焦がすように炒め、ある程度混ざりあったところでお手製のカレー粉を入れ炒め、カレールゥにしていく。
「「<<<<いい匂い!>>>>」」
<<<<<お腹がすく!>>>>>
スンスンと鼻を動かして匂いを嗅ぐ従魔たちと、食べるからと人型になっているヤミンとヤナも、背後にハートを飛ばしている。
カレーってお腹がすく匂いだもんな。気持ちはわかる。
特にヤミンとヤナの従魔たちは初めて食べる味だ。なので、今回は辛さを控えめにして甘口にしてみた。
あく取りをして野菜が煮えたところで、ルゥを投入。その時にすり下ろしたリンゴとはちみつを加え、辛さを調節。とろみがつくまで煮込む。
同時進行で土鍋で炊いたご飯もいい感じに仕上がる。
「そろそろできそうだから、サラダの用意をお願い」
「「はーい!」」
ヤミンとヤナにサラダを任せている間に、深皿にご飯を盛り付ける。カレーをよそい、飲み物として水を含めた数種類を用意し、どれがいいか選んでもらった。
あとはそれぞれの前にカレーとサラダ、飲み物を出し、いただきます!
一口食べてはちみつを入れすぎたかな? と思ったけれど、初めて食べる従魔たちにとっては物足りなかったようで。次はもう少し辛くてもいいと、なんとも剛毅なことを言ってヤミンとヤナを驚かせた。
それでも嬉しそうな顔をしていたが。
「俺、できれば週に一回は食いたいな」
「「海自かよ!」」
「……元海自なんだよ、俺。だから、どうにも週に一回食べないと、落ち着かないというか……」
目を泳がせつつも、珍しく自分の前世を語るヤナに、ヤミンと揃って突っ込みを入れたら、まんまな答えが返ってきて驚く。若干呆れながらも元本職なら仕方がないかと思ってしまった。
「へえ、ヤナは海自だったんだ。ボク、空自にいた」
「「は?」」
「Fー15乗りでさ」
「え? アグレスにいたのか!?」
「うん。って、海自でもわかるか」
「当然だろ!」
私にはさっぱりわからん話をしているし。アグレスってなにさ。
そう聞いたら、アグレッサー――要は戦闘機の訓練において敵を演じる専門の部隊の通称で、正式には飛行教導隊というそうだ。戦闘機パイロットの訓練のために、仮想敵となって指導し、技術の向上をはかる部隊なんだと。
マークはドクロとコブラだそうだ。
……さっぱりわからん。
「ブルーインパルスにも搭乗したよ。だからボクは、カレーよりも唐揚げが食べたいかな」
「「マジかー!」」
こっちも元職かよ! もちろんヤナと揃って突っ込みを入れたとも!
しかもブルーインパルスに搭乗してただと!? 兄弟たちと一緒に一番近い基地で行われた航空祭に行って、ブルーインパルスを見たことがあるが、とても感動したことを憶えている。
珍しく四人で興奮したんだよなあ。
そんなことを思い出している横で、ヤミンとヤナは、SNSで海自と空自の食べ物対決をやってたとか、陸は他の食べ物だったとか話している。私自身はそこまで興味なかったから、SNSのアカウントは持っていても、自衛隊関連のものはフォローしなかったのだ。
ただ、どうも話を聞く限り、私が死んだあとの話っぽいんだよなあ……。
時間軸はどうなってるんだ! と考えたところで、私にはさっぱりわからない。なにせ、私よりもあとに死んだらしいルードルフたちが、先にこの世界に転生しているくらいだし。
それを考えると、ヤミンとヤナを含めた転生者たちが、私よりもあとに死んだ可能性もあるわけで……。
…………あー、やめやめ。神でもない私が考えることじゃない。
現在をとても楽しそうにしているんだから、それでいいよね。
そんなことを考えている間も、ヤミンとヤナは上官に対する愚痴やらどこそこの基地のご飯が美味しかっただの、横須賀のカレーフェスタに行きたかっただのと、生前の話をしていたのだった。
なし崩し的に、私も生前のルードルフたちがどうだったかや私の話をする羽目になり、会社で扱っていた商品を知っていてその裏情報を暴露して盛り上がったりしているうちに、夜は更けていった。
魔物が出るようなダンジョンではないけれど、それでも警戒は怠らない。寝る前にもう一度結界を張り直し、見張りを立てるとこなく、ぐっすりと寝たのだった。
翌朝は残ったカレーを食べ、それぞれ行動を開始。ヤミンとヤナと彼らの従魔たちはレベリングに出かけ、私の従魔たちもその指導で一緒に行った。
それを見送った私は、昨日に引き続き安価で買えるような防御系アクセサリーの制作に勤しむ。その息抜きで私たちの従魔用のアクセを全員分作ったり、鳥ハムやベーコンの下拵えをしたり。
あとはオークのもも肉を使ってボンレスハム作りに挑戦したり、大量のゆで卵を作ってチーズと一緒に燻製にしたりと、自重せずやりたい放題しまくった。もちろん、ホタテやサーモン、サケマスも燻製にしてみたり、大豆を使って豆腐を作ったりと、なかなか有意義に過ごした。
そしてなんだかんだと五日間滞在した私たちだが。
最終的にヤミンとヤナの従魔たちはレベル380を超えた。そのあたりになると私の従魔たちと一緒に私も戦闘に加わり、久しぶりだからとしっかり連携訓練をした。
まあ、私は倒すことができないので戦う動きだけして、とどめは従魔たちがするということを繰り返した。
もちろんそれはヤミンとヤナも同じで、この機会にとゲイ・ボルグとソウルイーターを使いこなせるよう訓練した結果。二人は見事に使いこなせるようになった。
そんなこんなでヤミンとヤナは、しっかり従魔たちのレベルを上げ、従魔たちと一緒に喜んだ。
「じゃあ、帰りますか!」
「アリサ、漁港に寄ってから村に戻ろうよ」
「俺も漁港で魚貝を買いたい」
「帝国から離れることになるけど、いいの?」
「うん」
「漁港から村に帰ればいいじゃん」
「二人がそれでいいならそうしようか」
「「やったー!」」
てなわけで、私がよくいく漁港に行くべくダンジョンをあとにすると、セガルラ国に向かって移動を始めた。
*******
レジーナのサイトに書影が出ました!
「自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ」ですが、本日出荷日でした。
早ければ明日以降に書店さんに並ぶと思います。
Twitterに書店さんにて予約や取り寄せできる画像及び書影を公開していますので、そちらもよろしくお願いいたします。
みんな可愛くてカッコいいでしょ~?
書店さんなどで見かけたら、ぜひお手に取ってください。
よろしくお願いいたします!٩(ˊᗜˋ*)و
「肉はブロックと薄切り、どっちがいい?」
『ブロック!』
「お、おう」
従魔たちも含めた全員一致で、ブロックになったのだった。
私が肉を切っている間に、ヤミンとヤナもニンジンや玉ねぎ、ジャガイモの皮むきやカットを手伝ってくれる。あと、米研ぎも。
野菜のカットが終わったら大きめの鍋を出し、どちらかに炒めてもらっている間に、ストックしてあった玉ねぎをみじん切りにして飴色になるまで炒めたものをフライパンに入れ、温める。温まってきたら小麦粉を焦がすように炒め、ある程度混ざりあったところでお手製のカレー粉を入れ炒め、カレールゥにしていく。
「「<<<<いい匂い!>>>>」」
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スンスンと鼻を動かして匂いを嗅ぐ従魔たちと、食べるからと人型になっているヤミンとヤナも、背後にハートを飛ばしている。
カレーってお腹がすく匂いだもんな。気持ちはわかる。
特にヤミンとヤナの従魔たちは初めて食べる味だ。なので、今回は辛さを控えめにして甘口にしてみた。
あく取りをして野菜が煮えたところで、ルゥを投入。その時にすり下ろしたリンゴとはちみつを加え、辛さを調節。とろみがつくまで煮込む。
同時進行で土鍋で炊いたご飯もいい感じに仕上がる。
「そろそろできそうだから、サラダの用意をお願い」
「「はーい!」」
ヤミンとヤナにサラダを任せている間に、深皿にご飯を盛り付ける。カレーをよそい、飲み物として水を含めた数種類を用意し、どれがいいか選んでもらった。
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それでも嬉しそうな顔をしていたが。
「俺、できれば週に一回は食いたいな」
「「海自かよ!」」
「……元海自なんだよ、俺。だから、どうにも週に一回食べないと、落ち着かないというか……」
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「へえ、ヤナは海自だったんだ。ボク、空自にいた」
「「は?」」
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「え? アグレスにいたのか!?」
「うん。って、海自でもわかるか」
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珍しく四人で興奮したんだよなあ。
そんなことを思い出している横で、ヤミンとヤナは、SNSで海自と空自の食べ物対決をやってたとか、陸は他の食べ物だったとか話している。私自身はそこまで興味なかったから、SNSのアカウントは持っていても、自衛隊関連のものはフォローしなかったのだ。
ただ、どうも話を聞く限り、私が死んだあとの話っぽいんだよなあ……。
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もちろんそれはヤミンとヤナも同じで、この機会にとゲイ・ボルグとソウルイーターを使いこなせるよう訓練した結果。二人は見事に使いこなせるようになった。
そんなこんなでヤミンとヤナは、しっかり従魔たちのレベルを上げ、従魔たちと一緒に喜んだ。
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「帝国から離れることになるけど、いいの?」
「うん」
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