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ファウルハーバー領編
第184話 獣人の村再建 その2
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昼食を終え、また作業に戻る住人たち。柵作り自体はほぼ終わり、これから土壁の外側に埋めていくという。
ただし、ルードルフの指示があって土壁から五メートルほど離して設置するそうなので、何かやるんだろう。いったい何をやるのかな?
まあ、普通に考えたら、野菜や果物を植えるんだろうけれど……ルードルフは何を考えているのやら。
畑のほうは午前中にかき集めた腐葉土を、これから畑に混ぜていくという。ただ、芽が出ている野菜の畑もあることから、それらは一旦撤去して別のところに置いておき、混ぜ終わったらまた戻すんだと。
そのあとは私とヤミンの出番かな。
川では、浅瀬で罠を設置したあと、深いところでは投網による漁をするという。午前中は蔦で投網を作っていたそうで、これからそれらを試すそうだ。
たくさん獲れるといいね。
狩猟と腐葉土集め班も、午前中は腐葉土と果物や野草の採取に専念していたらしく、これから狩りをするらしい。こっちもある程度間引きできるといいなあ。
そして我ら大工班だが。
「そのまま持っててくれ!」
「おう!」
「ここはこうしたほうがいいな」
「俺は屋根に上るから、板を渡してくれ」
「あいよっ!」
「……」
私の手を借りず、壁と屋根、内装を手分けしてやり始めた。しかも、村長の家を修理したことが自信に繋がっているようで、五人で話し合ってあれこれ決めているのが凄い。
私も手伝うって言ったんだよ? だけど、一回自分たちだけでやってみたいから、わからなかったら教えてくれという。なので、現場監督よろしく、彼らの動きを見ているのだ。
それにしても。
「すげぇ……」
動きが早い。そして格段に丁寧になった。
屋根も、自分で錬成した防水シートを板張りの上にかけてから、切妻にしているのだ。窓枠もしっかりと設置しているし、壁も土魔法を使ったりなど、今まで他の村の獣人たちに教えた方法を、自分たちなりに解釈して作り上げていく。
そして二時間後。彼らは自分たちの手でやりきった。
「おめでとう! しっかりできてるわよ」
「おお、やった!」
「じゃあ、次に行くか!」
「その前に、先に全部調べてから、順番を決めていったほうがよくねえか?」
「そうだな。特に屋根が落ちてるとこを最優先しねぇと」
「雨が降ってこられても困るしな」
などと、自分たちで意見を出し合い、手分けして各家の状態を調べに行ってしまった。
お~い、私の手はいらんかね~?
どうやらいらないらしい。これなら彼らに任せても大丈夫だろうと、保存食作りのための準備をしよう。
その前に、鍬などの農具が必要かな。ルードルフに聞いてみるか。
てなわけで、畑で作業をしているルードルフの下へ向かう。
「ルードルフ、今すぐ必要な農具はある?」
「そうだな……。鍬と鋤、大量のザルかな。というか、家のほうはどうした」
「職人たちが自発的にやり始めて、私の手は必要ない、だとさ」
「ほう? さすがだな。なら、申し訳ないが、今言った農具を作ってくれ」
「はいよー」
ルードルフからも許可が出たことだしと、壊れてしまった農具が集められている場所に案内してもらい、それらを眺める。傍には鍛冶職人なのかドワーフが二人、途方に暮れていた。
そんな彼らに声をかけ、折れてしまった柄の部分と金属に分けてもらう。
「それをどうするんだ?」
「一回インゴットに変えて、錬成し直すわ。その時に柄も一緒にくっつけるつもり」
「錬成? ってことは、錬金術か!」
「ええ。足りない金属はある? ほとんどの金属のインゴットがあるし、付与もできるわよ?」
「な、なら、鉄とミスリルがあれば頼む」
おお、それくらいならいくらでもあるよ~。どれくらいの量が欲しいか聞いたあと、言われたものをポンポン出す。
ドワーフたちが唖然としていたけれど、知らんがな。
彼らが自分の工房にインゴットを運んでいる間に、鍬と鋤を錬成した。そして壊れているザルも錬成し直した。
それらを持ってルードルフのところへ戻ると、柵に立てかける。
「さすが、早いな……」
「足りなければ作るけど」
「いや、大丈夫だ。それはドワーフに任せている」
「なるほどね」
他にもいろいろと指示を出して鍛冶職人に作らせているし、脱穀機などは今は必要ないから、住宅が終わってから大工たちに作ってもらうほうがいい。
そう言ったルードルフは、土魔法で畑の土を攪拌していた村人を呼び、それぞれ農具を渡していく。あとは畝を作って植え替えたり、種を蒔けばいいだけだ。
そんな様子を眺めていると、あっという間に畝が作られて植え替えが終わり、畑に水が撒かれる。
「アリサ、一回成長させてくれるか?」
「いいわよ」
緑の手を使い、植え替えたものを一気に成長させる。植えていたものはトマトとキュウリ、ナスなどの夏野菜だったらしい。
一気に実をつけた野菜たちに唖然とする村人たち。
「さあ、このザルと籠を持って、どんどん収穫してください! それが終わったら、次の種を蒔きますよ!」
「はっ、はいっ!」
この時期に食べられるはずのない野菜たち。ルードルフは、多少なりとも腹の足しになればと思ったんだろう。
きちんと考えているんだなあ。
収穫した野菜は各家庭に配れるように分配し、残りのうちいくつかは種を取り出しておく。他はルードルフの指示の下に作った貯蔵庫行きだ。
夏野菜の収穫が終わったら、私の手持ちにじゃがいもやさつまいもとキャベツ、レタスやほうれん草などの種があったのでそれらを成長させて収穫し、種芋や種を収穫。じゃがいもとさつまいもに関しては、子どもたちや女性たちに収穫体験をさせたいからともう一度植えられ、掘り起こせる状態にまで成長させた。
それが終わったら腐葉土を蒔き、夏野菜の種を植え、芽が出るまで成長させて終了。そのあとは保存食作りのための燻製窯を作り、村人にやり方を説明。
このあたりにもヒッコリーがあり、そのほとんどが家の木材として使われているという。今回も一部の木材にはヒッコリーが使われていて、その残りをスモークチップとして使うことにしたのだ。
扱い慣れているもののほうがいいしね。
肉に関しては、このあたりで狩れる、ボアとディアを使用。
マジックバッグに残っていた、使い勝手の悪い少量のボアとディアを使ってベーコンのような燻製肉と、チーズやゆで卵の燻製を作った。あとは昨日エバが獲ってきたサケマスを三枚に下ろし、それを燻製にしてみた。
鮭っぽい味の魚だから、スモークサーモンのような味になると考えたのだ。それは見事に当たりで、味見をしたところ、なかなかいい味になっていた。
ただ、季節的に身に油が乗っていないからか微妙に味がぼやけた感じになっていたが、それでも充分に美味しいもので。これはミショの実を使ってヅケにしたらいいかもしれないと思った。
よし、夜はスモークサーモンもどきのヅケ丼にしよう。
てなわけで、夕飯の準備に取り掛かる。そのころには全員戻ってきて、それぞれが収穫してきたものを見せ合っている。
まずは解体できる村人にスキルになっていることを教え、スキルでさっさと解体してもらったあと、それらは各家庭に行き渡るよう分配。魚はサケマスを三十匹ほど獲ってきたそうで、それらは全部スモークサーモンにすることにした。
罠はそのままにして仕掛けたままだそうなので、明日確認に行くという。
ヤナは「ウナギもどきが獲れるといいな」なんて言っていたけれど……どうかな。
戻ってきた女性たちがご飯の炊き方を教えてくれというので、米の研ぎ方から土鍋での炊き方まで伝授。この村でも土鍋を作ったよ……。
他にもミショの実をすり下ろしてもらい、液体と搾りかすに分けてもらう。絞った醤油に乾燥させたシイタケで出汁を取り、出汁醤油を作り、それでヅケにしてみた。
絞ったものでシイタケや他のキノコを足し、キノコの味噌汁を作る。
この村でも採取できる食材で料理した形だ。
「できたわよ~」
女性たちの声に、男たちや子どもたちが反応して寄って来る。まずは丼、そして味噌汁を手渡された。
他にもポテトサラダを作ったから、たぶん足りるだろう。
まあ、ヅケもご飯もまだたくさんあるから、おかわりは自由だ!
さて、実験で作ったスモークサーモンのヅケ丼。どんな味かな?
ただし、ルードルフの指示があって土壁から五メートルほど離して設置するそうなので、何かやるんだろう。いったい何をやるのかな?
まあ、普通に考えたら、野菜や果物を植えるんだろうけれど……ルードルフは何を考えているのやら。
畑のほうは午前中にかき集めた腐葉土を、これから畑に混ぜていくという。ただ、芽が出ている野菜の畑もあることから、それらは一旦撤去して別のところに置いておき、混ぜ終わったらまた戻すんだと。
そのあとは私とヤミンの出番かな。
川では、浅瀬で罠を設置したあと、深いところでは投網による漁をするという。午前中は蔦で投網を作っていたそうで、これからそれらを試すそうだ。
たくさん獲れるといいね。
狩猟と腐葉土集め班も、午前中は腐葉土と果物や野草の採取に専念していたらしく、これから狩りをするらしい。こっちもある程度間引きできるといいなあ。
そして我ら大工班だが。
「そのまま持っててくれ!」
「おう!」
「ここはこうしたほうがいいな」
「俺は屋根に上るから、板を渡してくれ」
「あいよっ!」
「……」
私の手を借りず、壁と屋根、内装を手分けしてやり始めた。しかも、村長の家を修理したことが自信に繋がっているようで、五人で話し合ってあれこれ決めているのが凄い。
私も手伝うって言ったんだよ? だけど、一回自分たちだけでやってみたいから、わからなかったら教えてくれという。なので、現場監督よろしく、彼らの動きを見ているのだ。
それにしても。
「すげぇ……」
動きが早い。そして格段に丁寧になった。
屋根も、自分で錬成した防水シートを板張りの上にかけてから、切妻にしているのだ。窓枠もしっかりと設置しているし、壁も土魔法を使ったりなど、今まで他の村の獣人たちに教えた方法を、自分たちなりに解釈して作り上げていく。
そして二時間後。彼らは自分たちの手でやりきった。
「おめでとう! しっかりできてるわよ」
「おお、やった!」
「じゃあ、次に行くか!」
「その前に、先に全部調べてから、順番を決めていったほうがよくねえか?」
「そうだな。特に屋根が落ちてるとこを最優先しねぇと」
「雨が降ってこられても困るしな」
などと、自分たちで意見を出し合い、手分けして各家の状態を調べに行ってしまった。
お~い、私の手はいらんかね~?
どうやらいらないらしい。これなら彼らに任せても大丈夫だろうと、保存食作りのための準備をしよう。
その前に、鍬などの農具が必要かな。ルードルフに聞いてみるか。
てなわけで、畑で作業をしているルードルフの下へ向かう。
「ルードルフ、今すぐ必要な農具はある?」
「そうだな……。鍬と鋤、大量のザルかな。というか、家のほうはどうした」
「職人たちが自発的にやり始めて、私の手は必要ない、だとさ」
「ほう? さすがだな。なら、申し訳ないが、今言った農具を作ってくれ」
「はいよー」
ルードルフからも許可が出たことだしと、壊れてしまった農具が集められている場所に案内してもらい、それらを眺める。傍には鍛冶職人なのかドワーフが二人、途方に暮れていた。
そんな彼らに声をかけ、折れてしまった柄の部分と金属に分けてもらう。
「それをどうするんだ?」
「一回インゴットに変えて、錬成し直すわ。その時に柄も一緒にくっつけるつもり」
「錬成? ってことは、錬金術か!」
「ええ。足りない金属はある? ほとんどの金属のインゴットがあるし、付与もできるわよ?」
「な、なら、鉄とミスリルがあれば頼む」
おお、それくらいならいくらでもあるよ~。どれくらいの量が欲しいか聞いたあと、言われたものをポンポン出す。
ドワーフたちが唖然としていたけれど、知らんがな。
彼らが自分の工房にインゴットを運んでいる間に、鍬と鋤を錬成した。そして壊れているザルも錬成し直した。
それらを持ってルードルフのところへ戻ると、柵に立てかける。
「さすが、早いな……」
「足りなければ作るけど」
「いや、大丈夫だ。それはドワーフに任せている」
「なるほどね」
他にもいろいろと指示を出して鍛冶職人に作らせているし、脱穀機などは今は必要ないから、住宅が終わってから大工たちに作ってもらうほうがいい。
そう言ったルードルフは、土魔法で畑の土を攪拌していた村人を呼び、それぞれ農具を渡していく。あとは畝を作って植え替えたり、種を蒔けばいいだけだ。
そんな様子を眺めていると、あっという間に畝が作られて植え替えが終わり、畑に水が撒かれる。
「アリサ、一回成長させてくれるか?」
「いいわよ」
緑の手を使い、植え替えたものを一気に成長させる。植えていたものはトマトとキュウリ、ナスなどの夏野菜だったらしい。
一気に実をつけた野菜たちに唖然とする村人たち。
「さあ、このザルと籠を持って、どんどん収穫してください! それが終わったら、次の種を蒔きますよ!」
「はっ、はいっ!」
この時期に食べられるはずのない野菜たち。ルードルフは、多少なりとも腹の足しになればと思ったんだろう。
きちんと考えているんだなあ。
収穫した野菜は各家庭に配れるように分配し、残りのうちいくつかは種を取り出しておく。他はルードルフの指示の下に作った貯蔵庫行きだ。
夏野菜の収穫が終わったら、私の手持ちにじゃがいもやさつまいもとキャベツ、レタスやほうれん草などの種があったのでそれらを成長させて収穫し、種芋や種を収穫。じゃがいもとさつまいもに関しては、子どもたちや女性たちに収穫体験をさせたいからともう一度植えられ、掘り起こせる状態にまで成長させた。
それが終わったら腐葉土を蒔き、夏野菜の種を植え、芽が出るまで成長させて終了。そのあとは保存食作りのための燻製窯を作り、村人にやり方を説明。
このあたりにもヒッコリーがあり、そのほとんどが家の木材として使われているという。今回も一部の木材にはヒッコリーが使われていて、その残りをスモークチップとして使うことにしたのだ。
扱い慣れているもののほうがいいしね。
肉に関しては、このあたりで狩れる、ボアとディアを使用。
マジックバッグに残っていた、使い勝手の悪い少量のボアとディアを使ってベーコンのような燻製肉と、チーズやゆで卵の燻製を作った。あとは昨日エバが獲ってきたサケマスを三枚に下ろし、それを燻製にしてみた。
鮭っぽい味の魚だから、スモークサーモンのような味になると考えたのだ。それは見事に当たりで、味見をしたところ、なかなかいい味になっていた。
ただ、季節的に身に油が乗っていないからか微妙に味がぼやけた感じになっていたが、それでも充分に美味しいもので。これはミショの実を使ってヅケにしたらいいかもしれないと思った。
よし、夜はスモークサーモンもどきのヅケ丼にしよう。
てなわけで、夕飯の準備に取り掛かる。そのころには全員戻ってきて、それぞれが収穫してきたものを見せ合っている。
まずは解体できる村人にスキルになっていることを教え、スキルでさっさと解体してもらったあと、それらは各家庭に行き渡るよう分配。魚はサケマスを三十匹ほど獲ってきたそうで、それらは全部スモークサーモンにすることにした。
罠はそのままにして仕掛けたままだそうなので、明日確認に行くという。
ヤナは「ウナギもどきが獲れるといいな」なんて言っていたけれど……どうかな。
戻ってきた女性たちがご飯の炊き方を教えてくれというので、米の研ぎ方から土鍋での炊き方まで伝授。この村でも土鍋を作ったよ……。
他にもミショの実をすり下ろしてもらい、液体と搾りかすに分けてもらう。絞った醤油に乾燥させたシイタケで出汁を取り、出汁醤油を作り、それでヅケにしてみた。
絞ったものでシイタケや他のキノコを足し、キノコの味噌汁を作る。
この村でも採取できる食材で料理した形だ。
「できたわよ~」
女性たちの声に、男たちや子どもたちが反応して寄って来る。まずは丼、そして味噌汁を手渡された。
他にもポテトサラダを作ったから、たぶん足りるだろう。
まあ、ヅケもご飯もまだたくさんあるから、おかわりは自由だ!
さて、実験で作ったスモークサーモンのヅケ丼。どんな味かな?
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・「転移先は薬師が少ない世界でした」1~6巻、文庫版1~2巻発売中。こちらは本編完結。
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
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