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ファウルハーバー領編
第180話 獣人の村再建
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米が炊き上がったので薄く塩で味付けし、溶き卵を混ぜてからしらすとネギを散らせば、おかゆの完成。本当はガッツリと肉か魚を食べてもらいたいところだけれど、どう見てもしらすやネギ、卵以上の固形物を食べられるような状態じゃない。
なので、今日一日はおかゆだ。様子を見て、夜に魚を出すくらいか。
近くに川があるらしく、その影響なのか若干風が冷たい。なのでキャンプファイヤーのように大きな焚火を作り、その周囲に車座になって座らせ、食べてもらっている。
久しぶりの温かい食事だったんだろう……全員涙を流しながら食べていた。
その状態に、ルードルフもロジーネも、痛ましそうな顔をしている。
その時に村長を中心に、次代の面々を交えてルードルフが話を聞き出したのだが。
盗賊たちがこの村を襲ったのは、およそ一月《ひとつき》前。多少なりともまだ雪が残っていた時期だそうだ。
寝静まっている夜中に襲撃され、抵抗する間もなく次々と囚われた。盗賊の仲間に女がいたからなのか、あるいは獣人だからなのか、若い女性が犯されるようなことはなかった。
だが、子どもと老人を人質にとられ、食料も全て奪われたという。
そこからは地獄にも等しい扱いを受けた。盗賊たちがあちこちから奪ってきた食料を使って料理しろと脅された。
自分たちはたらふく食べるが、逃げられないようにするためなのか、村人たちにはお椀一杯ほどの食事しかさせなかったという。
食料がない時は水だけで生活させていたというんだから、かなり悪質な輩だったと言えるだろう。
村人たちもそろそろ限界にきていたし、囚われていた人の中には風邪を含めた病気になってしまった人もいた。訴えたところで盗賊たちが治すはずもなく……。
そろそろ死人が出そうだと懸念していたところに、ヤミンとヤナたちが救出したそうだ。現在はノンがかけた回復魔法で、病気は治っている。
そんなノンは、あちこち移動しては、村人たちに拝まれていた。
さすが我らがアイドル、神獣にゃんこスライム黒ヴァージョン。獣人たちにも大人気だ。下手すると人間よりも拝まれているかもしれん。
内心でほっこりしつつ、彼らの話を聞いていたわけだが、沈痛な面持ちになるのかと思いきや、ルードルフもロジーネも表面は冷静だ。こういったところは元王族と貴族令嬢だと感服する。
「公爵様、村はどうなるのでしょう……」
「できる限りのことはするつもりです。ただ、それには村人たちも協力していただかなければ」
「はい、それはもちろんです。お腹をすかせて動けないだけですから、明日には動けるようになると思います」
「わかりました。それと、家の補修はどうしますか?」
「大工が何人かおります。彼らの体力が戻れば、なんとかなります。ですが、木材が……」
ルードルフと村長が話し合いをし、いろいろと話を進めるルードルフ。
つうか、明日には動けるようになるのかよ。さすがは獣人たちだ。
木材と言った村長の言葉に、ちらりと私を見るルードルフ。へいへい、倒木なりなんなり、木材を用意しろってことですね。ヤミンを連れて伐採してくるとも。
そんな気持ちで頷く。
「木材や再建に関しては、こちらの女性が手伝ってくださいます。その間に私たちは盗賊を引き渡してこようかと」
「アリサよ。よろしく」
「おお、ありがとうございます! ん? アリサ? どこかで……」
ルードルフ自ら盗賊を引き渡しに行くのかよ! 確かに、今日一日は何もできないから仕方がないとはいえ、マジで公爵自ら行く?
それとも、ルードルフだからこそ、話が早くすむとか?
そのあたりのことはさっぱりわからないけれど、どのみち誰かが騎士がいる町に連行しないといけないのは確かだ。そこは適材適所として諦めよう。
護衛にヤナとピオかエバをつければいいか。
で、私の名前を聞いて、村長が首を捻る。
「ああ、思い出しました! 隣国の親戚から聞いた名前です!」
「は? 隣国?」
「ええ。パンブロナとセガルラで、獣人の村の手助けをしませんでしたか? 私の親戚が、どちらの村にもいるのです」
「ああ、なるほど!」
あの村か~! この世界の獣人は動物が二足歩行しているような見た目だから、「この人が親戚です」と言われても見分けがつかん。なので、曖昧に笑って誤魔化した。
それ以降は早かった。村長だけじゃなく、村人にも彼らの親戚がいたのだ。
中にはネズミ獣人の村出身の人もいて、世間は狭いというか、獣人ネットワークの凄さを垣間見た。
とりあえず、今日一日は休んでもらい、動ける私たちが動く。
まず、今日中に村に戻ってきてもらうために、ヤナとピオをつけてルードルフたちを送り出した。護送車は騎士たちが乗っている馬が引いてくれることになっている。
犯罪者を引き渡したら、残った護送車はヤナの判断に任せることに。一応、ヤナと一緒にルードルフにも護送車の値段を教えているので、買えないようであれば、ヤナのマジックバッグにしまっておくようにお願いした。
彼らを見送ったあとはリコとジル、エバに村の警戒をお願いし、その間にヤミンと一緒に倒木や不必要な木を探す。それを持って帰ってきたあと、先に魔物除けを作った。
もちろん、リコが張り切って壁を作っていたよ!
柵は明日村人たちを交えて作るからとりあえずはこのまま放置。あとは、草ぼうぼうになっている場所をリコとジルにお願いしてふかふかにしてもらっている間に、エバには肉の調達をお願いする。
村人たちの話を聞く限り、盗賊たちのせいで狩りができなくなり、ボアとディアが増え過ぎて困っているんだと。なので、保存食を作る意味でも、明日の食料確保の意味でも、エバに間引きをお願いした。
解体は村でやるから、そのまま持ってきてもらう。
そうこうするうちに夕暮れになり、そろそろご飯の時間だ。この村に来たのがお昼直前だったから、かなりバタバタしてたことになる。
しかも、来た時はすんごくぐったりしてたのに、今は元気に歩き回ってるんだぜ?
本当にお腹をすかせていただけなのかと、唖然とする。痩せ細っていても、しっかり動いてるんだもの。
ノンが魔法をかけたからなのか、あるいはノンにいいところを見せたいだけなのかは知らないが、それでも元気になったのであればよかった。
それでも、さすがにまだ肉は出せないけどな!
エバが肉だけじゃなくて川魚も獲って来てくれたので、それを使った料理にしよう。とはいえ、魚はサケマスと、見た目はウナギっぽい何か。
ブルツという名前のウナギもどきなんだけれど、鑑定の説明を読む限り、どうもウナギっぽいんだよね。しかも、一匹の長さが三メートルもあるから、捌くのも一苦労しそうだ。
とはいえ、そこはスキル任せで背開きにし、私がタレを作っている間にヤミンに焼いてもらう。もちろん、白焼きからだ。
骨切りもしたしヤミンと一緒に端っこを味見してみたけれど、どちらかといえばハモに近い食感だった。それなら半分は蒲焼きにして、残りは吸い物と卵焼きかな。
固形物はきついかと思っていたのに、村長をはじめとした村人全員に、「しっかりしたものが食べたい!」と雁首揃えて言われてしまったのだ。それだけ元気なら大丈夫かと思い、しっかりお腹にたまる献立にした。
米を洗っているとルードルフたちが帰ってきた。
さて、どんな話が聞けるかな?
なので、今日一日はおかゆだ。様子を見て、夜に魚を出すくらいか。
近くに川があるらしく、その影響なのか若干風が冷たい。なのでキャンプファイヤーのように大きな焚火を作り、その周囲に車座になって座らせ、食べてもらっている。
久しぶりの温かい食事だったんだろう……全員涙を流しながら食べていた。
その状態に、ルードルフもロジーネも、痛ましそうな顔をしている。
その時に村長を中心に、次代の面々を交えてルードルフが話を聞き出したのだが。
盗賊たちがこの村を襲ったのは、およそ一月《ひとつき》前。多少なりともまだ雪が残っていた時期だそうだ。
寝静まっている夜中に襲撃され、抵抗する間もなく次々と囚われた。盗賊の仲間に女がいたからなのか、あるいは獣人だからなのか、若い女性が犯されるようなことはなかった。
だが、子どもと老人を人質にとられ、食料も全て奪われたという。
そこからは地獄にも等しい扱いを受けた。盗賊たちがあちこちから奪ってきた食料を使って料理しろと脅された。
自分たちはたらふく食べるが、逃げられないようにするためなのか、村人たちにはお椀一杯ほどの食事しかさせなかったという。
食料がない時は水だけで生活させていたというんだから、かなり悪質な輩だったと言えるだろう。
村人たちもそろそろ限界にきていたし、囚われていた人の中には風邪を含めた病気になってしまった人もいた。訴えたところで盗賊たちが治すはずもなく……。
そろそろ死人が出そうだと懸念していたところに、ヤミンとヤナたちが救出したそうだ。現在はノンがかけた回復魔法で、病気は治っている。
そんなノンは、あちこち移動しては、村人たちに拝まれていた。
さすが我らがアイドル、神獣にゃんこスライム黒ヴァージョン。獣人たちにも大人気だ。下手すると人間よりも拝まれているかもしれん。
内心でほっこりしつつ、彼らの話を聞いていたわけだが、沈痛な面持ちになるのかと思いきや、ルードルフもロジーネも表面は冷静だ。こういったところは元王族と貴族令嬢だと感服する。
「公爵様、村はどうなるのでしょう……」
「できる限りのことはするつもりです。ただ、それには村人たちも協力していただかなければ」
「はい、それはもちろんです。お腹をすかせて動けないだけですから、明日には動けるようになると思います」
「わかりました。それと、家の補修はどうしますか?」
「大工が何人かおります。彼らの体力が戻れば、なんとかなります。ですが、木材が……」
ルードルフと村長が話し合いをし、いろいろと話を進めるルードルフ。
つうか、明日には動けるようになるのかよ。さすがは獣人たちだ。
木材と言った村長の言葉に、ちらりと私を見るルードルフ。へいへい、倒木なりなんなり、木材を用意しろってことですね。ヤミンを連れて伐採してくるとも。
そんな気持ちで頷く。
「木材や再建に関しては、こちらの女性が手伝ってくださいます。その間に私たちは盗賊を引き渡してこようかと」
「アリサよ。よろしく」
「おお、ありがとうございます! ん? アリサ? どこかで……」
ルードルフ自ら盗賊を引き渡しに行くのかよ! 確かに、今日一日は何もできないから仕方がないとはいえ、マジで公爵自ら行く?
それとも、ルードルフだからこそ、話が早くすむとか?
そのあたりのことはさっぱりわからないけれど、どのみち誰かが騎士がいる町に連行しないといけないのは確かだ。そこは適材適所として諦めよう。
護衛にヤナとピオかエバをつければいいか。
で、私の名前を聞いて、村長が首を捻る。
「ああ、思い出しました! 隣国の親戚から聞いた名前です!」
「は? 隣国?」
「ええ。パンブロナとセガルラで、獣人の村の手助けをしませんでしたか? 私の親戚が、どちらの村にもいるのです」
「ああ、なるほど!」
あの村か~! この世界の獣人は動物が二足歩行しているような見た目だから、「この人が親戚です」と言われても見分けがつかん。なので、曖昧に笑って誤魔化した。
それ以降は早かった。村長だけじゃなく、村人にも彼らの親戚がいたのだ。
中にはネズミ獣人の村出身の人もいて、世間は狭いというか、獣人ネットワークの凄さを垣間見た。
とりあえず、今日一日は休んでもらい、動ける私たちが動く。
まず、今日中に村に戻ってきてもらうために、ヤナとピオをつけてルードルフたちを送り出した。護送車は騎士たちが乗っている馬が引いてくれることになっている。
犯罪者を引き渡したら、残った護送車はヤナの判断に任せることに。一応、ヤナと一緒にルードルフにも護送車の値段を教えているので、買えないようであれば、ヤナのマジックバッグにしまっておくようにお願いした。
彼らを見送ったあとはリコとジル、エバに村の警戒をお願いし、その間にヤミンと一緒に倒木や不必要な木を探す。それを持って帰ってきたあと、先に魔物除けを作った。
もちろん、リコが張り切って壁を作っていたよ!
柵は明日村人たちを交えて作るからとりあえずはこのまま放置。あとは、草ぼうぼうになっている場所をリコとジルにお願いしてふかふかにしてもらっている間に、エバには肉の調達をお願いする。
村人たちの話を聞く限り、盗賊たちのせいで狩りができなくなり、ボアとディアが増え過ぎて困っているんだと。なので、保存食を作る意味でも、明日の食料確保の意味でも、エバに間引きをお願いした。
解体は村でやるから、そのまま持ってきてもらう。
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ノンが魔法をかけたからなのか、あるいはノンにいいところを見せたいだけなのかは知らないが、それでも元気になったのであればよかった。
それでも、さすがにまだ肉は出せないけどな!
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とはいえ、そこはスキル任せで背開きにし、私がタレを作っている間にヤミンに焼いてもらう。もちろん、白焼きからだ。
骨切りもしたしヤミンと一緒に端っこを味見してみたけれど、どちらかといえばハモに近い食感だった。それなら半分は蒲焼きにして、残りは吸い物と卵焼きかな。
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を連載中です。よろしくお願いします!
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