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ドルト村の春編
第168話 不届き者
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甜菜とビーツの栽培方法を教えたあと、ようやく説明が終わった。その後は私が出したクッキーなどのお菓子を帝国側の人に食べてもらい、お土産としてアップルパイも持たせる。
もちろん、今日出したお菓子に関してはレシピ付き。
砂糖とフルーツの値段を考慮しているが、クッキーは既に市井に出回り始めている。とはいえ、輸入に頼っている状態なので、裕福な家庭か商人、貴族くらいにしかレシピは出回っていないだろう。
レシピは「せめて、クッキーだけでも!」とランツに懇願されましたが、なにか。それほどに帝国に出回っているクッキーとは違う、柔らかい食感だったらしい。
ケーキと違ってクッキーならそんなに砂糖を使わないし、ハチミツで作る代用品も一緒に登録している。なので、庶民にはハチミツのレシピが出回っていると思う。
値段もハチミツのほうが断然安いしね。
そんな感じでレベッカと皇后陛下、若い女性に説明しつつ、男性たちもお菓子を頬張って談笑していたら、外が騒がしくなってくる。何やら近衛と言い争っているようだ。
「……何やら不審者のようですが」
「ハァ……。まだ諦めておらぬのか、あの愚息は」
意味不明だぞ、皇帝陛下。説明プリーズ!
そんな気持ちで見つめていたら、溜息をつきながら教えてくれた。
簡単に言ってしまえば、さして突出した能力がない第三王子が、第四王子が賜った領地と地位を自分によこせ、側近候補を返せと言っているらしい。本来は自分が賜るはずだったのだと主張して。
ただし、それは本人だけの評価であり、親である皇帝も側妃も、皇后も重鎮たちも認めていない。本来であれば側近なりその候補がいるはずなのだが、彼の暴力的で横柄な態度故に全員離れてしまい、年齢的にも第四王子のほうが近いこともあり、彼の側近に収まったらしい。
「それも原因のひとつではないのですか?」
「そうであろうな。だが、それを王として提示したのは我であり、受け入れたのは彼らとここにいるルードルフだ。それを逆恨みしたところで、覆ることはない」
「でしょうね」
王としてと強調している以上、父としての提案ではない。そしてあくまでも提示なのであって、強要ではないのだ。
もし断ったとしても、彼らの能力に見合った場所を紹介するつもりだったと、皇帝自身が告げたことから、彼ら自身が吟味して選んだ結果、第四王子――ルードルフの側近になることを決めたという。
当時、ルードルフ自身には側近がおらず、貴族院という貴族の子女が通う学校で側近を探している途中だった。年齢もルードルフと同じかひとつ上の者ばかりで、同じ学校に通っていたことから次第に仲良くなった。
けれど、彼らは兄の側近候補。彼ら以外の者を探さねばならない。そんな苦悩をしているところに皇帝から提示があり、彼らにも確認をとって候補をすっ飛ばし、側近に決めたそうだ。
決断力が早いな。さすがは王族といったところか。
まあ、実力主義らしいからね、帝国は。なんの功績もないのであれば、たとえ王子といえども中枢に食い込むことも、爵位や領地を賜ることもないというんだから凄い。
そんなルードルフだが、実験場ではあるが学生時代に農地改革を成功させているそうだ。その功績で現在の地位と領地、今回の甜菜とビーツ栽培を任されたというんだから、その実力と手腕がわかるだろう。
そんな弟の功績を妬み、そのまま奪ってしまえば自分の手柄になると浅はかな考えを持ったのが、第三王子らしい。
……バカじゃね?
「何の功績も実力も示していないというに、あの愚息は……」
「他になにかできそうなことはないのですか?」
「ない」
きっぱり言いやがったよ、皇帝。
「そろそろ扉が破られそうだ。アリサ、すまぬが叩きのめしてくれぬか」
「よろしいのですか?」
「構わぬ。武器があるのであれば、持つことを許可しよう」
「かしこまりました。ヘラルド、みんなを怪我させたくないから、テーブルと椅子ごと奥に引っ込めて。そのあと結界を張るから」
「ああ」
最高責任者と宰相、大臣と公爵夫妻がいるもんな。最優先で護るとも。
皇帝の許可も出たことだし、ポケットから槍を出す。もちろん、刃先はカバーをしたままだ。
リュミエール謹製の切れ味抜群なヤツだからなあ。間違って真っ二つにしたらヤバイし。
ヘラルドたちが扉から一番遠い場所に避難し、結界を張ったと同時に扉が勢いよく開かれる。そこに現れたのは赤毛でブルーの瞳、ガタイはいいが騎士や冒険者に比べたら貧相ともいえる男が入ってきた。
そのうしろには貴族の装いをしているが、柄の悪そうな人相の男たちが五人いる。さらにそのうしろに騎士たちがいるものの、強行突破されたからなのか、非常に申し訳なさそうな顔をして青ざめている。
「父上! ルードルフ! 俺に貴様の領地と爵位をよこせ!」
「何の功績も実績も実力もない者になど、授けるわけないだろう」
「煩い! おとなしくよこせばいいんだよ!」
「アリサ、頼む」
「承知いたしました」
おい、一応公共の場だぞ? なんで父上と呼ぶ? そこは親子であろうとも、陛下だろうに……。これじゃあ皇帝が愚息と宣うのも納得だわ。
内心で溜息をついていると、皇帝から頼むと言われたので、槍を構える。そこで初めて、私が中央に立っていることに気づいたらしい、第三王子。
「なんだ、お前。……ふうん、いい女だな。俺の女になれよ。贅沢し放題だぞ?」
「たとえ王族といえど、貧弱な男はお断りよ。私に勝ってから言いなさい。それにお金ならたくさん持っているから必要ないわね」
「ほざけ! これでも俺は、Cランク冒険者と渡り合えるほど強いんだぞ! 吠え面かかせてやる! やっちまえ!」
「「「「「おお!」」」」」
「たかがCランクごときで粋がってんじゃないわよ!」
Aランクに認められたとかならともかく、Cランクかよ! ショボいぞ、第三王子!
面倒だと威圧と共に殺気を放ち、男たちの足を止める。王子を含め、男たちの顔色が白くなり、うしろにいた騎士が殺気に反応して、剣を構えた。
おお、さすが近衛騎士。それくらいの気概を見せろや、クズ男ども。
私も伊達にAランク冒険者やってないし、レベルカンストしてないぞ?
「くっ、こ。これしきのことで! うおぉぉぉっ!」
「「「「「うおりゃああ!」」」」」
「はいはい、弱い犬ほどよく吠える、ってね」
「なんだとっ⁉ ぐえっ! ぐほぅっ!」
「「ぐあっ!」」
「「ぐえっ!」」
「ぎゃあああ!」
なんとか体を動かし、剣を抜いて向かってくる第三王子。それに鼓舞されたのか、男たちも走ってくる。その勢いのままに石突を王子の腹に決めたあと、槍を振って壁に吹き飛ばし、続いて襲ってきたやつらも石突を使って次々に殴り、壁に吹っ飛ばしていく。
呆気にとられる騎士たちと両陛下、宰相と大臣、公爵夫妻。
見た目は可愛らしい少女だもんな、私の容姿って。冒険者としか言ってないから、ここまで強いと思わなかったんだろう。
「はっ! なにがCランク冒険者と渡り合っただって? 実力はEランクくらいしかないじゃない! 本物のCランクはもっと強いわよ」
「なんだと⁉」
「女の細腕で、しかも石突に吹っ飛ばされる程度の実力しかないじゃない」
「ぐっ……!」
この程度で黙るだと? マジで弱いんだが!
一緒にいる男たちは動くことすらできず、お腹を押さえて蹲り、うめいているだけだ。なんと情けない。
そんな中でもお腹を押さえつつ話すことができるだけ、まだマシなほうじゃないかな、第三王子は。悔しさからか、私を睨みつけてるんだから。
「そ、そういうお前はなんなんだよ!」
「ヘラルドたちの護衛よ。これでもAランク冒険者で、SSSランク冒険者に勝ったこともあるし、Sランクに昇格しろと言われてるんだけど?」
「な……っ⁉」
サーっと青ざめていく王子たち不届き者たち六人。騎士たちと村の住人たち以外の面々は、私のランクや話に驚いている。
「衛兵! マックスたちを捕えよ! そのまま地下牢に閉じ込めておけ!」
「「はっ!」」
皇帝の言葉に近衛が動き、王子と愉快な仲間たち(笑)を捕えてゆく。王子が抵抗しても貧弱な体ではこれといった抵抗もできず、うめいている男たち同様に手かせを嵌められた。
「ち、父上!? なぜだ!」
「なぜ? ここは公共の場であり、客人がいる。護衛の近衛を押しのけ、賊のようにふるまったのだ。当然であろう」
「な、え……、え?」
皇帝の言葉にギョッとして室内を見回すおバカ六人。王子以外は顔色を真っ白にしてガタガタ震え、王子も奥にいるヘラルドたちを見てやっと状況を把握したのか、顔色を白く染めていく。
「のちほど、そなたたちの処罰を言い渡す。連れて行け!」
皇帝の合図で賊に堕ちた六人が連れていかれる。処罰すると言われた王子も、茫然としたまま駆け付けた騎士たちに連行されていった。
「怪我人はいるか?」
「小さな切り傷と足を捻ったものがおります」
「恐れながら、陛下。発言をしてもよろしいかしら」
「構わぬ。レベッカ様、どうなされた」
「怪我人がいるとのこと。わたくしが治癒してもよろしいかしら」
「頼んでもよいか」
「はい」
レベッカは薬師であり医師だもんね。欠損していなければ治せるらしいから、手を挙げたんだろう。
欠損を治すポーションは作れるが、今回は持って来ていないと言っていたしね。
その後、結界を解いたあと、レベッカは持っていたポーションで騎士たちの怪我を治す。その間に私とヘラルド、ゲレオンでテーブルや椅子の位置を直した。
なんというか……ゴタゴタはあったものの、なんとか役目を果たせたかな?
もちろん、今日出したお菓子に関してはレシピ付き。
砂糖とフルーツの値段を考慮しているが、クッキーは既に市井に出回り始めている。とはいえ、輸入に頼っている状態なので、裕福な家庭か商人、貴族くらいにしかレシピは出回っていないだろう。
レシピは「せめて、クッキーだけでも!」とランツに懇願されましたが、なにか。それほどに帝国に出回っているクッキーとは違う、柔らかい食感だったらしい。
ケーキと違ってクッキーならそんなに砂糖を使わないし、ハチミツで作る代用品も一緒に登録している。なので、庶民にはハチミツのレシピが出回っていると思う。
値段もハチミツのほうが断然安いしね。
そんな感じでレベッカと皇后陛下、若い女性に説明しつつ、男性たちもお菓子を頬張って談笑していたら、外が騒がしくなってくる。何やら近衛と言い争っているようだ。
「……何やら不審者のようですが」
「ハァ……。まだ諦めておらぬのか、あの愚息は」
意味不明だぞ、皇帝陛下。説明プリーズ!
そんな気持ちで見つめていたら、溜息をつきながら教えてくれた。
簡単に言ってしまえば、さして突出した能力がない第三王子が、第四王子が賜った領地と地位を自分によこせ、側近候補を返せと言っているらしい。本来は自分が賜るはずだったのだと主張して。
ただし、それは本人だけの評価であり、親である皇帝も側妃も、皇后も重鎮たちも認めていない。本来であれば側近なりその候補がいるはずなのだが、彼の暴力的で横柄な態度故に全員離れてしまい、年齢的にも第四王子のほうが近いこともあり、彼の側近に収まったらしい。
「それも原因のひとつではないのですか?」
「そうであろうな。だが、それを王として提示したのは我であり、受け入れたのは彼らとここにいるルードルフだ。それを逆恨みしたところで、覆ることはない」
「でしょうね」
王としてと強調している以上、父としての提案ではない。そしてあくまでも提示なのであって、強要ではないのだ。
もし断ったとしても、彼らの能力に見合った場所を紹介するつもりだったと、皇帝自身が告げたことから、彼ら自身が吟味して選んだ結果、第四王子――ルードルフの側近になることを決めたという。
当時、ルードルフ自身には側近がおらず、貴族院という貴族の子女が通う学校で側近を探している途中だった。年齢もルードルフと同じかひとつ上の者ばかりで、同じ学校に通っていたことから次第に仲良くなった。
けれど、彼らは兄の側近候補。彼ら以外の者を探さねばならない。そんな苦悩をしているところに皇帝から提示があり、彼らにも確認をとって候補をすっ飛ばし、側近に決めたそうだ。
決断力が早いな。さすがは王族といったところか。
まあ、実力主義らしいからね、帝国は。なんの功績もないのであれば、たとえ王子といえども中枢に食い込むことも、爵位や領地を賜ることもないというんだから凄い。
そんなルードルフだが、実験場ではあるが学生時代に農地改革を成功させているそうだ。その功績で現在の地位と領地、今回の甜菜とビーツ栽培を任されたというんだから、その実力と手腕がわかるだろう。
そんな弟の功績を妬み、そのまま奪ってしまえば自分の手柄になると浅はかな考えを持ったのが、第三王子らしい。
……バカじゃね?
「何の功績も実力も示していないというに、あの愚息は……」
「他になにかできそうなことはないのですか?」
「ない」
きっぱり言いやがったよ、皇帝。
「そろそろ扉が破られそうだ。アリサ、すまぬが叩きのめしてくれぬか」
「よろしいのですか?」
「構わぬ。武器があるのであれば、持つことを許可しよう」
「かしこまりました。ヘラルド、みんなを怪我させたくないから、テーブルと椅子ごと奥に引っ込めて。そのあと結界を張るから」
「ああ」
最高責任者と宰相、大臣と公爵夫妻がいるもんな。最優先で護るとも。
皇帝の許可も出たことだし、ポケットから槍を出す。もちろん、刃先はカバーをしたままだ。
リュミエール謹製の切れ味抜群なヤツだからなあ。間違って真っ二つにしたらヤバイし。
ヘラルドたちが扉から一番遠い場所に避難し、結界を張ったと同時に扉が勢いよく開かれる。そこに現れたのは赤毛でブルーの瞳、ガタイはいいが騎士や冒険者に比べたら貧相ともいえる男が入ってきた。
そのうしろには貴族の装いをしているが、柄の悪そうな人相の男たちが五人いる。さらにそのうしろに騎士たちがいるものの、強行突破されたからなのか、非常に申し訳なさそうな顔をして青ざめている。
「父上! ルードルフ! 俺に貴様の領地と爵位をよこせ!」
「何の功績も実績も実力もない者になど、授けるわけないだろう」
「煩い! おとなしくよこせばいいんだよ!」
「アリサ、頼む」
「承知いたしました」
おい、一応公共の場だぞ? なんで父上と呼ぶ? そこは親子であろうとも、陛下だろうに……。これじゃあ皇帝が愚息と宣うのも納得だわ。
内心で溜息をついていると、皇帝から頼むと言われたので、槍を構える。そこで初めて、私が中央に立っていることに気づいたらしい、第三王子。
「なんだ、お前。……ふうん、いい女だな。俺の女になれよ。贅沢し放題だぞ?」
「たとえ王族といえど、貧弱な男はお断りよ。私に勝ってから言いなさい。それにお金ならたくさん持っているから必要ないわね」
「ほざけ! これでも俺は、Cランク冒険者と渡り合えるほど強いんだぞ! 吠え面かかせてやる! やっちまえ!」
「「「「「おお!」」」」」
「たかがCランクごときで粋がってんじゃないわよ!」
Aランクに認められたとかならともかく、Cランクかよ! ショボいぞ、第三王子!
面倒だと威圧と共に殺気を放ち、男たちの足を止める。王子を含め、男たちの顔色が白くなり、うしろにいた騎士が殺気に反応して、剣を構えた。
おお、さすが近衛騎士。それくらいの気概を見せろや、クズ男ども。
私も伊達にAランク冒険者やってないし、レベルカンストしてないぞ?
「くっ、こ。これしきのことで! うおぉぉぉっ!」
「「「「「うおりゃああ!」」」」」
「はいはい、弱い犬ほどよく吠える、ってね」
「なんだとっ⁉ ぐえっ! ぐほぅっ!」
「「ぐあっ!」」
「「ぐえっ!」」
「ぎゃあああ!」
なんとか体を動かし、剣を抜いて向かってくる第三王子。それに鼓舞されたのか、男たちも走ってくる。その勢いのままに石突を王子の腹に決めたあと、槍を振って壁に吹き飛ばし、続いて襲ってきたやつらも石突を使って次々に殴り、壁に吹っ飛ばしていく。
呆気にとられる騎士たちと両陛下、宰相と大臣、公爵夫妻。
見た目は可愛らしい少女だもんな、私の容姿って。冒険者としか言ってないから、ここまで強いと思わなかったんだろう。
「はっ! なにがCランク冒険者と渡り合っただって? 実力はEランクくらいしかないじゃない! 本物のCランクはもっと強いわよ」
「なんだと⁉」
「女の細腕で、しかも石突に吹っ飛ばされる程度の実力しかないじゃない」
「ぐっ……!」
この程度で黙るだと? マジで弱いんだが!
一緒にいる男たちは動くことすらできず、お腹を押さえて蹲り、うめいているだけだ。なんと情けない。
そんな中でもお腹を押さえつつ話すことができるだけ、まだマシなほうじゃないかな、第三王子は。悔しさからか、私を睨みつけてるんだから。
「そ、そういうお前はなんなんだよ!」
「ヘラルドたちの護衛よ。これでもAランク冒険者で、SSSランク冒険者に勝ったこともあるし、Sランクに昇格しろと言われてるんだけど?」
「な……っ⁉」
サーっと青ざめていく王子たち不届き者たち六人。騎士たちと村の住人たち以外の面々は、私のランクや話に驚いている。
「衛兵! マックスたちを捕えよ! そのまま地下牢に閉じ込めておけ!」
「「はっ!」」
皇帝の言葉に近衛が動き、王子と愉快な仲間たち(笑)を捕えてゆく。王子が抵抗しても貧弱な体ではこれといった抵抗もできず、うめいている男たち同様に手かせを嵌められた。
「ち、父上!? なぜだ!」
「なぜ? ここは公共の場であり、客人がいる。護衛の近衛を押しのけ、賊のようにふるまったのだ。当然であろう」
「な、え……、え?」
皇帝の言葉にギョッとして室内を見回すおバカ六人。王子以外は顔色を真っ白にしてガタガタ震え、王子も奥にいるヘラルドたちを見てやっと状況を把握したのか、顔色を白く染めていく。
「のちほど、そなたたちの処罰を言い渡す。連れて行け!」
皇帝の合図で賊に堕ちた六人が連れていかれる。処罰すると言われた王子も、茫然としたまま駆け付けた騎士たちに連行されていった。
「怪我人はいるか?」
「小さな切り傷と足を捻ったものがおります」
「恐れながら、陛下。発言をしてもよろしいかしら」
「構わぬ。レベッカ様、どうなされた」
「怪我人がいるとのこと。わたくしが治癒してもよろしいかしら」
「頼んでもよいか」
「はい」
レベッカは薬師であり医師だもんね。欠損していなければ治せるらしいから、手を挙げたんだろう。
欠損を治すポーションは作れるが、今回は持って来ていないと言っていたしね。
その後、結界を解いたあと、レベッカは持っていたポーションで騎士たちの怪我を治す。その間に私とヘラルド、ゲレオンでテーブルや椅子の位置を直した。
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