139 / 190
ドルト村の冬編
第155話 ダンジョン攻略 16
しおりを挟む
さて、五十八階層だが、草原と林がある風景に、オークキングとジェネラルオーガがひしめき合っている階層だった。それまでの階層にあった薬草や果物はあるが、これといった特筆すべき薬草や食べ物などはなく、有効な素材はオークの肉と魔石、オーガが落とす武器と防具と魔石という、食材ダンジョンにしてはなんとも微妙なものばかり。
ただ、ジェネラルオーガが落とす武器と防具はかなりいいものが多く、BランクやAランク冒険者が扱っているような耐久性と強度、切れ味や防御力が優れているものばかりだった。レアなものもあるようで、それはSランク以上が持っているものと遜色ないものばかりだと、ヴィンが驚いていた。
「ここまでいいものを作れる鍛冶師はそういない」
「そうですね。この弓もここまでいいものではないですし」
「大剣もだな」
セーフティーエリアでドロップ品を出し、あれこれと品定めをしているヴィンとランツ。もちろん、私も含めて全員で確認してはいるけれど、ぶっちゃけた話私には必要ないんだな、これが。
リュミエールにもらったもの以上のものなんて、この世界にはないからね。なので、従魔たちが欲しいと言ったものは私がもらったけれど、他は自分たちが使えそうなもので外に出回っていないものはメンバーでもらうことにし、残りは全て冒険者ギルドに売ることになった。
商業ギルドには必要ないしね。
まあ、私たちがいただいもののほとんどがレアドロップなのが笑えるが。
残ったレアドロップはオークションにかけるかもしれないと、ヴィンが言っている。
「その場合のお金ってどうなるの?」
「この場にいる全員で山分けだな」
「なるほどね」
パーティーで行動している以上、当然ではあるか。
ただね……オーク肉がすでに飽和状態に近いんだよ。これを冒険者と商業の両ギルドに売るとなると、確実に値段が暴落する。
なので、これに関して半分は村へ持ち帰り、保存食を作ることに決めた。残りは両ギルドに売るか、ランツが懇意にしている商会に話し、他国に売ってもらうかするという。
国によってはオーク自体の数が少なく、肉が出回らないところがあるらしい。特に帝国の北側に位置する国々はオークがほとんどいないそうで、ワイバーンよりも高級品扱いになっているらしい。
……なんとも面白いなあ。その国にも行ってみたいな。
それはともかく。そんな五十八階層は半日だけ滞在し、五十九階層へ。
ここも特筆すべきものはなく、村の北側にあるような湖と森林があるだけのフロアだった。ただし、湖は凍っているわ、周囲は常時雪が降っているわで、碌なフロアじゃなかった。
薬草はなかったけれど椿があり、花だけじゃなくて種もあったのは驚いた。これなら椿油が採れるかもしれないと、お願いして種だけを大量に採取してもらったのだ。
食用にしてもよし、髪に塗ってもよし、荒れた手に塗ってもよしといろいろ使えるし、手荒れを気にしていた村の女性たちにハンドクリームを作ってもいいかもしれない。
こればかりは錬金術を使っていろいろと実験してみないとわからないけれど、日ごろからお世話になっているんだから、それくらいはプレゼントしたい。できればシャンプーやリンス、トリートメントも作ってみたいしね。
この世界にもあるにはあるけれど、日本のものと比べたら劣るものばかりだ。それでもそれなりに髪が輝いているんだから、この世界の人がどれだけ研究してきたのかが窺える。
もしかしたら転生者が頑張った可能性もあるが。
まあ、日本にあったものと比べたらダメだけれど、それでもそれに近いものは作れるんじゃないかとは思っている。実験あるのみだけどね。
で、このフロアにいた魔物は上にいたものと同じだったので割愛。ここのセーフティーエリアで一泊することになり、作った小屋が大活躍だった。
そして翌日、六十階層。
「……ボスだな」
「……ボスですね」
この階層は予測通りボスだった。思ったよりも疲れていないからと、装備の点検をしてからボス部屋へ。
「ここに来てこれか……」
「ドラゴンゾンビとは……」
「面倒だなあ……」
「俺たちで倒せますかね、父さん」
心配そうにランツに話す息子二人。それに対し、私とヤミンとヤナは首を傾げる。
「え? 簡単でしょ?」
「簡単だよね」
「簡単だよな」
「「「「え?」」」」
「「「え?」」」
ボスはドラゴンゾンビが一体。ただし、レベルはそれほど高くない。
ただ、この世界の骸骨系は体力バカが多いので、ガチの戦闘だと面倒なのだよ。聖水があれば簡単に倒せるというのがこの世界の常識。だからヴィンとランツは苦い顔をしている。
だけどね?
「「「だって、ノンがいるじゃない」」」
「「「「あーーー!」」」」
ですよねー!
ノンは神獣であ~る。なので神聖魔法が使いたい放題であ~る。
てなわけで。
「ノン先生、サクッとやってね、サクッと」
<はーい! ホーリークロス、それからホーリーレインなのー>
ノンがサクッと魔法を唱えると、十字になっている槍が十本出てドラゴンゾンビに突き刺さり、あとを追うように雨が降り注ぐ。ただし、この雨は聖水なので私たちは回復し、ドラゴンゾンビには致命傷なわけで。
戦闘を開始して10秒も経たず、ノンにより戦闘を終了した。
パッカーンと口を開けて戦闘を見ていたヴィンとランツ親子。ぶっちゃけた話、ノンの戦闘力だとオーバーキルだ。
<アリサ、終わったのー>
「ありがとう。お疲れ様!」
<うん!>
ぴょんぴょん跳ねて嬉しさと表現するノン。尻尾もピーンと立ってるし、よっぽど嬉しいみたい。
ドロップは骨と真っ黒い鱗、そして大きな魔石。そして各種属性がついている魔石もあった。
宝箱の中身は同じく各種属性がついている魔石と、それぞれが得意としている武器と防具だった。もちろん、私の前に現れた宝箱には、従魔たちの分も入っている。
「伝説級か……」
「オーガのレアドロップが古代級か世界級ですから、破格ですね」
「そうだな」
ヴィンとランツは絶句しつつも、かなりいいものが出たと喜んでいる。
この世界の鍛冶師の腕前は、かなり高い。この世界の現代において、現在最高峰の武器や防具を作れるのは、ごく稀に古代級か世界級、ほとんどが希少級だ。この呼び方は鍛冶師の間で呼ばれているもので、普通は素材と同じBとかAランクと呼ばれている。
SSSは創世級と神話級、SSは伝説級と古代級、Sは世界級と秘宝級、Aは希少級、Bは製作級、Cは一般級、それ以下は粗悪品扱いになる。
ただし、素材はこれに適応されないという、なんとも形容し難いというか複雑というか、誰がこんな面倒なシステムを考えたんだという頭が痛くなるようなものになっているのだ。
ただ、ヴィンやランツによると、それだと素材はSランクなのに武器や防具はBランクに下がってしまうというなんとも不思議な状態になってしまうので、二十年ほど前から素材のランクに統一しようという動きが出て、今はそれが当たり前になって来ているという。
それでもダンジョンから出るものを鑑定するとSだのAだのとは出ず、昔の呼び方のままのほうが多いらしい。
ちなみに、私の宝箱から出たのは刀と弓、従魔たちの物理と魔法両方の防御力と攻撃力や素早さが上がる腕輪や首輪、リボンだった。そしてなぜか外神話級。
リュミエールうぅぅぅ! やりやがったな! ヴィンたちに見せられないじゃないか!
内心で頭を抱えつつ、すぐにアイテムボックスへとしまったのだった。
その後、下へと向かう階段を発見してからボス部屋手前の場所に戻ったあと、ボスが固定なのかの確認。結果的に人数を変えようが何しようが、ドラゴンゾンビ一体の固定だった。
その時に確かめたいことがあると回復魔法やポーションを使ってみたところ、どれも倒せたのだ。もちろん、属性魔法についているどの回復魔法でも三発で倒せたのだから、聖水や神聖魔法がなくとも倒せることがわかっただけでもいい情報になるだろう。
それはドラゴンゾンビに限らず、他の骸骨系にも有効かもしれないという、希望が持てるからだ。
なにせ、聖水は神殿に属する巫女や神官、聖女や神子など、神聖魔法が使える人間にしか作れないうえ、値段もバカ高い。それだったら神殿に願い出て彼らを派遣してもらい、骸骨系を浄化したほうが安いくらいだ。
それを考えると、値段が一番安いポーションや回復魔法で倒せるのは、とても画期的だと言えるだろう。
まあ、それもきちんと検証したうえで冒険者たちに通達するだろうけれど、それを検証するのはギルドの役目なので、私の関与することではないとはヴィンの弁だ。
「よし。ここまでにして帰るか」
「そうですね」
残り五日ほどを残し、このダンジョンを出ることになった。
ただ、ジェネラルオーガが落とす武器と防具はかなりいいものが多く、BランクやAランク冒険者が扱っているような耐久性と強度、切れ味や防御力が優れているものばかりだった。レアなものもあるようで、それはSランク以上が持っているものと遜色ないものばかりだと、ヴィンが驚いていた。
「ここまでいいものを作れる鍛冶師はそういない」
「そうですね。この弓もここまでいいものではないですし」
「大剣もだな」
セーフティーエリアでドロップ品を出し、あれこれと品定めをしているヴィンとランツ。もちろん、私も含めて全員で確認してはいるけれど、ぶっちゃけた話私には必要ないんだな、これが。
リュミエールにもらったもの以上のものなんて、この世界にはないからね。なので、従魔たちが欲しいと言ったものは私がもらったけれど、他は自分たちが使えそうなもので外に出回っていないものはメンバーでもらうことにし、残りは全て冒険者ギルドに売ることになった。
商業ギルドには必要ないしね。
まあ、私たちがいただいもののほとんどがレアドロップなのが笑えるが。
残ったレアドロップはオークションにかけるかもしれないと、ヴィンが言っている。
「その場合のお金ってどうなるの?」
「この場にいる全員で山分けだな」
「なるほどね」
パーティーで行動している以上、当然ではあるか。
ただね……オーク肉がすでに飽和状態に近いんだよ。これを冒険者と商業の両ギルドに売るとなると、確実に値段が暴落する。
なので、これに関して半分は村へ持ち帰り、保存食を作ることに決めた。残りは両ギルドに売るか、ランツが懇意にしている商会に話し、他国に売ってもらうかするという。
国によってはオーク自体の数が少なく、肉が出回らないところがあるらしい。特に帝国の北側に位置する国々はオークがほとんどいないそうで、ワイバーンよりも高級品扱いになっているらしい。
……なんとも面白いなあ。その国にも行ってみたいな。
それはともかく。そんな五十八階層は半日だけ滞在し、五十九階層へ。
ここも特筆すべきものはなく、村の北側にあるような湖と森林があるだけのフロアだった。ただし、湖は凍っているわ、周囲は常時雪が降っているわで、碌なフロアじゃなかった。
薬草はなかったけれど椿があり、花だけじゃなくて種もあったのは驚いた。これなら椿油が採れるかもしれないと、お願いして種だけを大量に採取してもらったのだ。
食用にしてもよし、髪に塗ってもよし、荒れた手に塗ってもよしといろいろ使えるし、手荒れを気にしていた村の女性たちにハンドクリームを作ってもいいかもしれない。
こればかりは錬金術を使っていろいろと実験してみないとわからないけれど、日ごろからお世話になっているんだから、それくらいはプレゼントしたい。できればシャンプーやリンス、トリートメントも作ってみたいしね。
この世界にもあるにはあるけれど、日本のものと比べたら劣るものばかりだ。それでもそれなりに髪が輝いているんだから、この世界の人がどれだけ研究してきたのかが窺える。
もしかしたら転生者が頑張った可能性もあるが。
まあ、日本にあったものと比べたらダメだけれど、それでもそれに近いものは作れるんじゃないかとは思っている。実験あるのみだけどね。
で、このフロアにいた魔物は上にいたものと同じだったので割愛。ここのセーフティーエリアで一泊することになり、作った小屋が大活躍だった。
そして翌日、六十階層。
「……ボスだな」
「……ボスですね」
この階層は予測通りボスだった。思ったよりも疲れていないからと、装備の点検をしてからボス部屋へ。
「ここに来てこれか……」
「ドラゴンゾンビとは……」
「面倒だなあ……」
「俺たちで倒せますかね、父さん」
心配そうにランツに話す息子二人。それに対し、私とヤミンとヤナは首を傾げる。
「え? 簡単でしょ?」
「簡単だよね」
「簡単だよな」
「「「「え?」」」」
「「「え?」」」
ボスはドラゴンゾンビが一体。ただし、レベルはそれほど高くない。
ただ、この世界の骸骨系は体力バカが多いので、ガチの戦闘だと面倒なのだよ。聖水があれば簡単に倒せるというのがこの世界の常識。だからヴィンとランツは苦い顔をしている。
だけどね?
「「「だって、ノンがいるじゃない」」」
「「「「あーーー!」」」」
ですよねー!
ノンは神獣であ~る。なので神聖魔法が使いたい放題であ~る。
てなわけで。
「ノン先生、サクッとやってね、サクッと」
<はーい! ホーリークロス、それからホーリーレインなのー>
ノンがサクッと魔法を唱えると、十字になっている槍が十本出てドラゴンゾンビに突き刺さり、あとを追うように雨が降り注ぐ。ただし、この雨は聖水なので私たちは回復し、ドラゴンゾンビには致命傷なわけで。
戦闘を開始して10秒も経たず、ノンにより戦闘を終了した。
パッカーンと口を開けて戦闘を見ていたヴィンとランツ親子。ぶっちゃけた話、ノンの戦闘力だとオーバーキルだ。
<アリサ、終わったのー>
「ありがとう。お疲れ様!」
<うん!>
ぴょんぴょん跳ねて嬉しさと表現するノン。尻尾もピーンと立ってるし、よっぽど嬉しいみたい。
ドロップは骨と真っ黒い鱗、そして大きな魔石。そして各種属性がついている魔石もあった。
宝箱の中身は同じく各種属性がついている魔石と、それぞれが得意としている武器と防具だった。もちろん、私の前に現れた宝箱には、従魔たちの分も入っている。
「伝説級か……」
「オーガのレアドロップが古代級か世界級ですから、破格ですね」
「そうだな」
ヴィンとランツは絶句しつつも、かなりいいものが出たと喜んでいる。
この世界の鍛冶師の腕前は、かなり高い。この世界の現代において、現在最高峰の武器や防具を作れるのは、ごく稀に古代級か世界級、ほとんどが希少級だ。この呼び方は鍛冶師の間で呼ばれているもので、普通は素材と同じBとかAランクと呼ばれている。
SSSは創世級と神話級、SSは伝説級と古代級、Sは世界級と秘宝級、Aは希少級、Bは製作級、Cは一般級、それ以下は粗悪品扱いになる。
ただし、素材はこれに適応されないという、なんとも形容し難いというか複雑というか、誰がこんな面倒なシステムを考えたんだという頭が痛くなるようなものになっているのだ。
ただ、ヴィンやランツによると、それだと素材はSランクなのに武器や防具はBランクに下がってしまうというなんとも不思議な状態になってしまうので、二十年ほど前から素材のランクに統一しようという動きが出て、今はそれが当たり前になって来ているという。
それでもダンジョンから出るものを鑑定するとSだのAだのとは出ず、昔の呼び方のままのほうが多いらしい。
ちなみに、私の宝箱から出たのは刀と弓、従魔たちの物理と魔法両方の防御力と攻撃力や素早さが上がる腕輪や首輪、リボンだった。そしてなぜか外神話級。
リュミエールうぅぅぅ! やりやがったな! ヴィンたちに見せられないじゃないか!
内心で頭を抱えつつ、すぐにアイテムボックスへとしまったのだった。
その後、下へと向かう階段を発見してからボス部屋手前の場所に戻ったあと、ボスが固定なのかの確認。結果的に人数を変えようが何しようが、ドラゴンゾンビ一体の固定だった。
その時に確かめたいことがあると回復魔法やポーションを使ってみたところ、どれも倒せたのだ。もちろん、属性魔法についているどの回復魔法でも三発で倒せたのだから、聖水や神聖魔法がなくとも倒せることがわかっただけでもいい情報になるだろう。
それはドラゴンゾンビに限らず、他の骸骨系にも有効かもしれないという、希望が持てるからだ。
なにせ、聖水は神殿に属する巫女や神官、聖女や神子など、神聖魔法が使える人間にしか作れないうえ、値段もバカ高い。それだったら神殿に願い出て彼らを派遣してもらい、骸骨系を浄化したほうが安いくらいだ。
それを考えると、値段が一番安いポーションや回復魔法で倒せるのは、とても画期的だと言えるだろう。
まあ、それもきちんと検証したうえで冒険者たちに通達するだろうけれど、それを検証するのはギルドの役目なので、私の関与することではないとはヴィンの弁だ。
「よし。ここまでにして帰るか」
「そうですね」
残り五日ほどを残し、このダンジョンを出ることになった。
110
・「転移先は薬師が少ない世界でした」1~6巻、文庫版1~2巻発売中。こちらは本編完結。
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
お気に入りに追加
8,883
あなたにおすすめの小説
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。
レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。
【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。
そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。

姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。