自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ

饕餮

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ドルト村編

第112話 コカトリス

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 依頼を請けたからと、さっそく村から南下する。途中で襲ってくる蜘蛛やサル、ボアやロック鳥を倒しつつ、鑑定を駆使して植生を確かめる。
 このあたりはリンゴが多いみたい。樹には小さな実がたくさん生っているのだ。あと一ヶ月もすれば大きく、そして赤くなるんじゃなかろうか。
 もちろんここにも草蜘蛛グラススパイダーがいて、リンゴについた虫を美味しい美味しいって言いながら食べている。こういう時、全種族言語理解があると不便だなあとも思うけれど、敵味方を見分ける意味では助かっている。
 敵だと声として繋がらないというか、話すことすらできないんだよ。なんとも不思議なスキルではあるが、もしかしたらリュミエールが多少改変しているかもしれないと感じている。
 リンゴの次に見つけたのはアンズの樹。これは終わっているのか、実はなかった。アンズの旬って初夏だったっけか? まあ、今は植生を調べているだけだからあまり気にしていないし、一年、二年と住んでいくうちに、どの季節に花が咲いて実をつけるのかわかるようになるだろう。
 つーかね……本当に纏まりがないなあ、この世界の植生って。ある程度ではあるけれど、暑い地域でしか採取できないスパイスや特定の果物などは地球に似たところもあるが、そうじゃないものもある。
 季節感を無視し、一年中生るミショの実がいい例だ。私が知らないだけで、きっと他にもあるんじゃないかな、一年中生る果物や野菜が。
 そんなことを考えながら歩いていると、「コケエェェェェッ!」と声を発し、魔物が襲ってきた。見た目は鶏で灰色の体、真っ赤な鶏冠に黄色のクチバシ。そして後ろにある尾羽の間からヘビが生え、鶏冠までの体高が3メートルはあろうかという魔物――コカトリスが飛び出してきた。
 若干目が血走っていることから、餌を欲してるんだろうというのが窺える。その目がしっかり私にロックオンしているあたり、本当に人間=餌と認識しているのがわかる。
 もうじき街道に出るところとはいえ、まだまだ森の中。村の住人も帝都の人間も、滅多にここまでくることがないから、余計に餌が手に入りにくい状況だ。
 そんな中、一人とはいえ人間が来たら、目が血走るよねぇ……なんて暢気に考え、刀から槍に装備を変える。そしてコカトリスが石化ブレスを吐く前にその首を落とした。

「やっと一羽かあ……」
<我が探そうか?>
「お願いできる? ジル」
<任せておけ>

 ジルはウルフ種なだけあって嗅覚が凄いからね~。しっかりとお願いした。
 あちこち動いて匂いを嗅いだジルは、<こっちだ>と私たちを誘導する。その先にいたのはコカトリスの群れで、全部で三十五羽いた。
 おおう……さすがにこれは数が多すぎて、看過できない!
 てなわけで全員でサクッと殲滅して解体したあと、卵を鑑定していく。コカトリスの卵を持ち帰って食べることもできるけれど、有精卵にはなぜか毒がある。
 その毒は割って焼こうが茹でようが消えることはないので、置いて帰るのが鉄則なのだ。恐らく、種の存続的な何かが働いているのではないかというのが、研究者による一般的な解釈だと聞いて、なんだか納得した。
 面倒だと思いつつも毒に中って死にたくはないのでしっかりと鑑定し、無精卵だけを籠に入れていく。卵自体は全部で五十個ほどあったが、有精卵は五個だった。
 放置しておけばいつの間にか別のコカトリスが卵を温めに来ているし、場合によっては同じ毒持ちのヘビが卵を食べるので、そのままにしておく。どうも、毒持ちがコカトリスの卵を食べたとしても、中ることはないみたいだしね。
 これも自然の摂理かねぇ……なんて遠い目をし、早々に依頼達成の数が揃ったので、そのまま東へと向かう。ロック鳥を五羽狩り、その途中でお茶の木を見つけた。

「……ずいぶんデカいなあ」

 育ち過ぎたのか、目の前に聳え立つお茶の木は2メートルの高さがある。これでは新茶を作るのは難しいと考え、お茶の実と零れ落ちた実から出たらしい双葉の苗をいくつか植木鉢に植え替え、アイテムボックスにしまう。
 これで緑茶が飲めるといいな♪
 新芽が出る季節じゃないから摘み取ったりしなかったけれど、錬金すればそれなりに飲めるお茶くらいは作れるかもしれないからと、できるだけ上のほうにある葉っぱを摘むことに。
 ここではノンとピオとエバが大活躍だった!
 その途中で山ぶどうやアケビを見つけたノンが食べたり、むかごと山芋を見つけて掘ったり。まったりのんびり散歩気分で依頼を終え、村に帰ってきたのは三時過ぎだった。

「ただいまー」
「「おかえりなさい! 依頼の進捗はどう?」」
「達成よ! どこに持っていく?」
「「なら、倉庫に」」
「はいよ~。あ、そうだ。報告したいことがあるから、ギルマスを呼んでくれる?」

 ギルドに行くと双子を出迎えてくれた。ええ、ええ。依頼はバッチリですぜ!
 コカトリスの数のことを話しておかないといけないからとヴィンフリートとランツを呼んでもらっている間に倉庫へと行くと、依頼された素材をどんどん出していく。コカトリスを出している途中でギルマスたちが来たので、説明。

「三十五……」
「卵も五十とは多いですね」
「ええ。だからその場にいた親鳥は殲滅してきたわ。卵は有精卵が五個だったから、そのまま放置してきた」
「ああ、それで構わない。無精卵は?」
「持ってきたわ。どうする? 半分ギルドに渡す?」
「いや、大丈夫だ。鮮度のいいうちに食っちまったほうがいい」

 コカトリスの状況を聞いて、考え込むギルマス二人。殲滅したと聞いて驚いた顔をしたものの、特に何も言われなかった。
 卵についてもそれでいいとのことだし、無精卵については村で食べてしまったほうが鮮度が落ちないとのこと。ランツが配ってくれるというので一人一個で渡し、残りは私が持って帰ることになった。
 コカトリスの卵ってどんな味なのかな。
 大きさとしては、ダチョウの卵をさらに二回りほど大きくしたもので、外敵に見つからないための工夫なのか、こげ茶色をしている。ヴィンフリートによると卵の殻は硬いので、金づちで割ったりするらしい。
 ……どんだけ硬いんだよ。それを確かめるのは家に帰ってからにするとして。

「ランツ、ヴィンフリート。家はどうするか決まった?」
「ええ。ヘラルド様に場所を聞いていますよ」
「俺はやつら二人が残していった家で構わないと言ってあるが、狭いからなあ」
「ランツは新たに作るのね。なら、あとで設計図を渡して。で、ヴィンフリートは――」
「ヴィンでいい」
「ありがとう。ヴィンは冒険者たちの家でいいけど、狭いと。なら、空間拡張する?」
「できんのか? って、愚問だな。この倉庫が空間拡張されてるんだから」

 うん、めっちゃ拡張されてるよね。外からの見た目は、車が三台横並びなら――八畳くらいの大きさしかない。けれど実際は体育館くらいの広さがあるんだから、納得できるんだろう。
 ランツの家を作る前にさっさと依頼達成にしてもらい、全額貯金。それからランツとヴィンを伴って、まずはランツの家の建築予定地へと向かう。
 といっても、冒険者たちの家の隣しか空いてないんだけどね。
 そこにダンジョン産の木材を出しているとヘラルドが来て、ランツに木材の説明をしたら、ランツとヴィンから呆れたような視線と顔をいただいた。作っている間に畳職人と屋根職人に話をして作ってもらう。
 二時間ほどで作り上げたら、唖然というか愕然というか、そんな顔をされてしまった。

「……ヘラルド様が頭痛を覚えると言った意味がわかりました」
「……俺も」
「スキルがカンストしてんだから、別に問題ないでしょ? で、家具はどうするの? 箪笥やチェスト、ベッドも作れるわよ?」
「では――」

 ランツの希望を聞いて家具を作っている間に畳を敷いてもらい、村人に手伝ってもらいながらできた家具をどんどん中へと運んでいく。それが終わった段階で水道やお風呂、トイレなど魔道具になっているものの使い方を説明した。
 それが終わるとヴィンが使う家へと行き、リフォームするかどうか聞くと、やはり竜人も靴を脱ぐ習慣はないので、このままでいいと教えてくれた。各部屋に暖炉があるのもいいと、嬉しそうにしているヴィン。

「部屋の拡張とベッドを大きくしてくれれば問題ない」
「んー、それだと全室拡張になっちゃうから、解体して作り直そうか。そうすれば、希望の部屋も作れるわよ?」
「そうしてくれると俺も助かるが……いいのか?」
「もちろん。ただし、それは明日にしましょう。暗いから作業するのもつらいし」
「おお、それで構わない!」

 どんな部屋にするのか明日教えてほしいとお願いし、そこで解散。まだギルマスの仕事があるからと、ランツとヴィンはギルドがある建物に戻った。

 翌日は依頼がある程度消化されたから明日でも大丈夫だというので、今日は休養日にすることにした。従魔たちに教えると喜び、それぞれやりたいことをやると言って村の外に出たり家に戻ったりした。
 私はといえばヴィンから設計図をもらい、まずは家を解体。その木材も使いつつ、ヴィンの設計図通りに部屋割りをして、各家にある貯蔵庫もしっかり拡張した。
 お風呂に関しては部屋を拡張したし、湯舟自体も大きくしたのは言うまでもない。

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