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ドルト村編
第92話 装飾品の話をしよう
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ついでだからとアクセサリーの話をしてみる。使うのは宝石たちだ。
まずはディエゴたちのように、カットした宝石を三人に見せると、食いついたのはやっぱりハビエルだった。
「こ、こんなに綺麗な形があるのか……!」
「ええ。この村に来る前にディエゴの工房を覗いてきたけど、セシリオは無理だと言っていたの。それと同時に、彼の師匠であるハビエルならできるかもしれない、とも」
「なるほど……。それでセシリオの手紙と、儂のところに来たのか」
「ええ」
見た目が三十代だから、〝儂〟と言われるとすんごい違和感があるが。
カットに魅了されたのか宝石をひとつ手に取り、真剣な眼差しで、そして丁寧に眺めるハビエル。それを全種類見たあと、席を立って魔石を持って来たハビエルは、比較的簡単なシングルカットをその魔石に施す。
カットは錬金でやったようで、一瞬にしてその形を変えた。さすがですな!
「「おお~」」
「ふむ……やろうと思えばできるが、確かにこれは難しいの」
「そうね。それはシングルカットと呼ばれるものだけど、カットした面が17しかないから簡単な部類に入るわ。一番面が多いのは、ダイヤに使われているブリリアントカットで、少なくても58面、多いと144面にもなるわ」
「「「はっ!?」」」
「見比べたほうがわかるかな?」
彼らに見せているダイヤのブリリアントカットは58面のものだ。テーブルの上にあるイエローダイヤの原石を使い、144面のブリリアントカットを錬成すると、それが三個できた。
ダイヤ自体の大きさは直径2センチほどだからかなり大きい部類に入る。58面のも2センチほどの大きさだが、58面とは明らかに違う輝きを放つイエローダイヤに、三人が息を呑む。
「お、同じダイヤでも、こ、こんなに違うのか……!」
「ええ。もちろん、宝石の種類によって輝きが違うからこそ、その宝石に合わせたカットが必要になるわ」
「なるほど……」
「だからこんなにも数があるのか」
「それに、どれもその宝石に相応しいものですね」
ひとつひとつ宝石を眺め、感嘆の息を吐く三人。宝石によって石の強度が違うと話すと、それすらも驚いていた。
一番硬いのはダイヤモンド。次がルビーとサファイア。そこからトパーズ、エメラルド、アメジストと続く。カットされている中で一番柔らかいのは琥珀だ。持っているものを含めると、真珠も柔らかい部類に入る。
強度があってもエメラルドのように割れやすい石があるから、それらも考慮してカットしないと、石自体がどんどん小さくなることも付け加えるとハビエルが唸った。
「ここにあるのだって極一部なの。カットしていない原石もあるし、別の用途に使えるようにしたものもあるわ」
「たとえば?」
「クォーツ――水晶がそうね。形状によっては集中力を高めてくれたり、浄化作用があったりといろいろよ」
「浄化作用……」
水晶は万能の石と言われる。他の石との調和に使われることもあるし、他の石が穢れた場合の浄化にも使われる。浄化作用があることから、魔除けやお守りとして使われることもあるし、精神集中するための道具として使われることもある。
古代ではお金の代わりとして使われていたこともあるそうだから、身近な宝石ともいえるだろう。まあ、それは地球での話だが。
「水晶は色によっても意味があるの。だから、その意味を持たせて売りだせば、貴族だけじゃなくて庶民も買えると思うわ。それくらい簡単に掘り出せたから」
「「「……」」」
「で、ここから本題なんだけど。ハビエルは宝石をカットして売るつもりはある?」
「それは……! だが、儂でいいのか? アリサはカットせんのか?」
「私はどっちでもいいわよ? 腕輪や指輪、耳飾りにしたっていいんだもの。髪飾りとかね」
装飾品に馴染みがないからか、三人そろって首を傾げる。
「「「腕輪と指輪?」」」
「そう。どれも装飾品よ」
まずはビーズで作ったものと水晶とビーズ、真珠を組み合わせた腕輪の三種類と、カットした際に出た小さな石を使って作った指輪を見せる。髪飾りはプラチナとミスリルのインゴットを出し、宝石と組み合わせ、その場で作った。
形はバレッタだ。無難に真珠を一列に並べただけのものにしてみる。あとは、長方形の形に丸みを持たせ、唐草模様やバラを彫っただけのものも錬成してみる。
「これが腕輪でこっちが指輪、こっちが耳飾りでこれが髪飾り」
真珠で作ったイヤリングとピアスも一緒に置くと、三人が息を呑む。シンプルではあるけれど、見たことがない人からすると、華やかに見えるだろう。
ついでにカフスと三種類のネクタイピンを錬成すると、これについては三人とも食いついてきた。袖口やネクタイを飾るおしゃれだものね。
せいぜい、リボンとネックレス、ドレスの色とデザイン、髪型でおしゃれするしかないのだよ、この世界の貴族女性は。だからこそ、リュミエールはアクセサリーを広めてほしいと願った。
剣の装飾品だなんて勿体ないじゃん。しかも、剣につけたとしても付与が施されているわけではないから、ぶっちゃけ邪魔なだけだし、割れたら交換しないといけないんだよね。
だから、儀式に使うような剣にしか宝石は使われず、ごくたまに金持ちの冒険者が装飾アリの剣を作らせるくらいしか使い道がないのだ。
そんな宝石を、装飾品として売る。今まではカボションカットしかなかったんだから、画期的な宝石のカットになるだろう。その分、宝石の大きさとカットによっては、値段が跳ね上がるだろうけれど。
そんな話をヘラルドとゲレオンにして、ハビエルには注文を受注にしてはどうかと提案してみた。その数によっては私も手伝うと言って。
「ふむ……。儂ですら、ダイヤのカットはこの58面か? これが限界だ」
「なら、他の面は私がやるわ。あとは特殊な形のものね」
「たとえば?」
「ティアドロップ――雫の形ね」
プラチナとピンクダイヤを使い、ティアドロップ型のイヤリングとネックレスを錬成する。ネックレスは米粒サイズの透明なダイヤを周囲に散りばめるデザインにしてみた。
男性たちですらその美しさに息を呑んでいるんだから、女性ならもっと魅了されるだろう。
他にも、特殊な形のペンダントトップとしてミスリルで猫を作り、目の部分をルビーにしてみたり、にゃんすらを作って同じように目をエメラルドにしてみたり。これくらいの小さな石であれば、ちょっと無理をすれば庶民でも買える値段になると思う。
「にゃんすら様の形は可愛らしいですね」
「ちょっとした付与を施せば、売れるんじゃないか?」
「んー、実験してみるか。〝防御力上昇を付与〟って、あら? 簡単に付与できたわね……」
「恐らくミスリルだからだな。ミスリルは魔法との相性がいいし」
「なるほどね」
ハビエルの説明に納得する。ミスリルは魔力を帯びた銀だから、相性がいいんだろう。試しにプラチナでもやってみたけれど、こっちは付与できなかった。
宝石自体にも付与はできなかったけれど、魔石には付与ができたから、こっちに変更してもいいかもしれない。
そんなわけで、ミスリルは冒険者や庶民、プラチナは貴族に売ってはどうかという話に。ただ、もし貴族から付与されたものが欲しいと言われたら、その場合は金属がミスリルに、プラチナの場合は魔石になることを伝え、納得してもらったうえで作ったほうがいいだろうとも言われた。
いずれにせよ、宝石を使った装飾品は私とハビエルが作ることになり、宝石を使わない庶民向けのデザインについてはレシピ化し、ギルドに登録することに。真珠に関しては工房にお願いしているから、それ以外のものでってことで。
ビーズアクセは漁村でも作っているから、もしかしたら先にレシピの登録がされている可能性もあるしね。だから真珠だけにした。
といっても、ビーズも真珠もレシピが登録されているか、商業ギルドに確認してからだね。登録されていたとしても、他にもアイデアはある。
ふふふ……ビーズにもいろいろあるからね~。アクセだけじゃないぞう?
それは追々やるとして。
工房の人たちにはハビエルが話してくれるというのでお願いした。
まずはディエゴたちのように、カットした宝石を三人に見せると、食いついたのはやっぱりハビエルだった。
「こ、こんなに綺麗な形があるのか……!」
「ええ。この村に来る前にディエゴの工房を覗いてきたけど、セシリオは無理だと言っていたの。それと同時に、彼の師匠であるハビエルならできるかもしれない、とも」
「なるほど……。それでセシリオの手紙と、儂のところに来たのか」
「ええ」
見た目が三十代だから、〝儂〟と言われるとすんごい違和感があるが。
カットに魅了されたのか宝石をひとつ手に取り、真剣な眼差しで、そして丁寧に眺めるハビエル。それを全種類見たあと、席を立って魔石を持って来たハビエルは、比較的簡単なシングルカットをその魔石に施す。
カットは錬金でやったようで、一瞬にしてその形を変えた。さすがですな!
「「おお~」」
「ふむ……やろうと思えばできるが、確かにこれは難しいの」
「そうね。それはシングルカットと呼ばれるものだけど、カットした面が17しかないから簡単な部類に入るわ。一番面が多いのは、ダイヤに使われているブリリアントカットで、少なくても58面、多いと144面にもなるわ」
「「「はっ!?」」」
「見比べたほうがわかるかな?」
彼らに見せているダイヤのブリリアントカットは58面のものだ。テーブルの上にあるイエローダイヤの原石を使い、144面のブリリアントカットを錬成すると、それが三個できた。
ダイヤ自体の大きさは直径2センチほどだからかなり大きい部類に入る。58面のも2センチほどの大きさだが、58面とは明らかに違う輝きを放つイエローダイヤに、三人が息を呑む。
「お、同じダイヤでも、こ、こんなに違うのか……!」
「ええ。もちろん、宝石の種類によって輝きが違うからこそ、その宝石に合わせたカットが必要になるわ」
「なるほど……」
「だからこんなにも数があるのか」
「それに、どれもその宝石に相応しいものですね」
ひとつひとつ宝石を眺め、感嘆の息を吐く三人。宝石によって石の強度が違うと話すと、それすらも驚いていた。
一番硬いのはダイヤモンド。次がルビーとサファイア。そこからトパーズ、エメラルド、アメジストと続く。カットされている中で一番柔らかいのは琥珀だ。持っているものを含めると、真珠も柔らかい部類に入る。
強度があってもエメラルドのように割れやすい石があるから、それらも考慮してカットしないと、石自体がどんどん小さくなることも付け加えるとハビエルが唸った。
「ここにあるのだって極一部なの。カットしていない原石もあるし、別の用途に使えるようにしたものもあるわ」
「たとえば?」
「クォーツ――水晶がそうね。形状によっては集中力を高めてくれたり、浄化作用があったりといろいろよ」
「浄化作用……」
水晶は万能の石と言われる。他の石との調和に使われることもあるし、他の石が穢れた場合の浄化にも使われる。浄化作用があることから、魔除けやお守りとして使われることもあるし、精神集中するための道具として使われることもある。
古代ではお金の代わりとして使われていたこともあるそうだから、身近な宝石ともいえるだろう。まあ、それは地球での話だが。
「水晶は色によっても意味があるの。だから、その意味を持たせて売りだせば、貴族だけじゃなくて庶民も買えると思うわ。それくらい簡単に掘り出せたから」
「「「……」」」
「で、ここから本題なんだけど。ハビエルは宝石をカットして売るつもりはある?」
「それは……! だが、儂でいいのか? アリサはカットせんのか?」
「私はどっちでもいいわよ? 腕輪や指輪、耳飾りにしたっていいんだもの。髪飾りとかね」
装飾品に馴染みがないからか、三人そろって首を傾げる。
「「「腕輪と指輪?」」」
「そう。どれも装飾品よ」
まずはビーズで作ったものと水晶とビーズ、真珠を組み合わせた腕輪の三種類と、カットした際に出た小さな石を使って作った指輪を見せる。髪飾りはプラチナとミスリルのインゴットを出し、宝石と組み合わせ、その場で作った。
形はバレッタだ。無難に真珠を一列に並べただけのものにしてみる。あとは、長方形の形に丸みを持たせ、唐草模様やバラを彫っただけのものも錬成してみる。
「これが腕輪でこっちが指輪、こっちが耳飾りでこれが髪飾り」
真珠で作ったイヤリングとピアスも一緒に置くと、三人が息を呑む。シンプルではあるけれど、見たことがない人からすると、華やかに見えるだろう。
ついでにカフスと三種類のネクタイピンを錬成すると、これについては三人とも食いついてきた。袖口やネクタイを飾るおしゃれだものね。
せいぜい、リボンとネックレス、ドレスの色とデザイン、髪型でおしゃれするしかないのだよ、この世界の貴族女性は。だからこそ、リュミエールはアクセサリーを広めてほしいと願った。
剣の装飾品だなんて勿体ないじゃん。しかも、剣につけたとしても付与が施されているわけではないから、ぶっちゃけ邪魔なだけだし、割れたら交換しないといけないんだよね。
だから、儀式に使うような剣にしか宝石は使われず、ごくたまに金持ちの冒険者が装飾アリの剣を作らせるくらいしか使い道がないのだ。
そんな宝石を、装飾品として売る。今まではカボションカットしかなかったんだから、画期的な宝石のカットになるだろう。その分、宝石の大きさとカットによっては、値段が跳ね上がるだろうけれど。
そんな話をヘラルドとゲレオンにして、ハビエルには注文を受注にしてはどうかと提案してみた。その数によっては私も手伝うと言って。
「ふむ……。儂ですら、ダイヤのカットはこの58面か? これが限界だ」
「なら、他の面は私がやるわ。あとは特殊な形のものね」
「たとえば?」
「ティアドロップ――雫の形ね」
プラチナとピンクダイヤを使い、ティアドロップ型のイヤリングとネックレスを錬成する。ネックレスは米粒サイズの透明なダイヤを周囲に散りばめるデザインにしてみた。
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「にゃんすら様の形は可愛らしいですね」
「ちょっとした付与を施せば、売れるんじゃないか?」
「んー、実験してみるか。〝防御力上昇を付与〟って、あら? 簡単に付与できたわね……」
「恐らくミスリルだからだな。ミスリルは魔法との相性がいいし」
「なるほどね」
ハビエルの説明に納得する。ミスリルは魔力を帯びた銀だから、相性がいいんだろう。試しにプラチナでもやってみたけれど、こっちは付与できなかった。
宝石自体にも付与はできなかったけれど、魔石には付与ができたから、こっちに変更してもいいかもしれない。
そんなわけで、ミスリルは冒険者や庶民、プラチナは貴族に売ってはどうかという話に。ただ、もし貴族から付与されたものが欲しいと言われたら、その場合は金属がミスリルに、プラチナの場合は魔石になることを伝え、納得してもらったうえで作ったほうがいいだろうとも言われた。
いずれにせよ、宝石を使った装飾品は私とハビエルが作ることになり、宝石を使わない庶民向けのデザインについてはレシピ化し、ギルドに登録することに。真珠に関しては工房にお願いしているから、それ以外のものでってことで。
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・「転移先は薬師が少ない世界でした」1~6巻、文庫版1~2巻発売中。こちらは本編完結。
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
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