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セガルラ国編
第45話 港町にて 前編
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値段も決まったところで、次は屋台を借りることと場所の話し合いだ。といっても、屋台の場所は中央広場と決まっているようで、その一角に出店することになる。
そして商品が売れた場合は税金を払うことになっているのはどこも同じなんだけれど、それに同意するという署名するのに渡された紙には、売上の一割をギルドに支払うと書いてある。それは妥当なんだけれど……。
「九割をギルドって……それはいくらなんでも!」
「嫌ならお帰りください」
「へえ? そんなこと言っていいの? 間違っているのは貴女なのに」
「え……?」
「え、じゃないでしょ? 貴女、きちんとこの文章を読んでいるの? ここには、税金は売上の一割をギルドに納品って書いてあるけど?」
私の指摘に、青ざめる女性のギルド職員。
おいおい、今までずっとそういう話をしていたんじゃないだろうな? もしくは、場合によっては文字が読めない人がいることから、私たちも読めないと思われていた可能性が高い。
だから私の指摘に、職員は青ざめたんだろう。
「まさか、他の人にも同じ説明をしていた、なんて言わないわよね?」
「……っ」
「ふーん……、そう。なら、今日あたり、商業の神から神罰が下されるかもしれないわね」
「そ、そんな!」
「当たり前じゃない。貴女がやっているのは詐欺よ? その九割のお金は、いったいどこに消えたのかしらねぇ?」
ギルマスを呼ぶように話すと、抵抗する女性。逆に覚えていてそう話していたのか、或いは知っていてそう伝えていたのかは知らないが、彼女の態度からわざと逆に伝えて一割はギルドに渡し、残りは自分の懐に入れていた可能性が高い。
だからこそ、抵抗しているんだろう。だったら、私がさっさと席を立ち、扉を開けて叫ぶ。
「すみません、誰かギルドマスターを呼んで!」
「や、やめて!」
「やめないわ。不正をしていたんだもの、罰せられるのは当たり前でしょ!」
「不正って言葉が聞こえたが……なんだ、どうした!」
近くにいた人が反応してくれて、ギルマスを呼んでくれるという。ただ、不正の話が気になるのか、私に先を促すような目で見てくるが、ギルマスが来るまで話すつもりはない。
女性自身も逃げたいんだろうけれど、私が入口に立っていて逃げられないことと、獣人の男性と女性四人に睨まれていることで、顔色を真っ青にしたまま動けないようだ。
そこに、真っ白い髭を生やしたお爺さんが登場。
「儂を呼んでくれと聞いたんじゃが……お嬢さんがそう言ったのかの?」
「ええ。貴方がギルマス、でいいのかしら。私はアリサ、彼らの村に滞在している冒険者よ」
「おお、アリサ殿か。例の町の件と数日前のレシピの件を聞いておるぞ。して、どうしたんじゃ?」
立ち話で話せる内容ではないからとギルマスにも中に入ってもらうと、もう一人中に入ってきた。その人物は眼鏡をかけている四十代後半の男性で、サブマスだという。
よし、お偉いさんが二人揃っているならいいだろう。もしこの二人もグルだとしたら、暴れるかしらばっくれた瞬間に神罰が下るだろうし。
そんなことを考えたあと、彼女から話された内容とこの契約書に書かれている内容が真逆だったことを伝えると、ギルマスとサブマス揃って彼女を睨みつけた。
「どういうことじゃ? ギルドには一割の税金が入っていたのは確かじゃ」
「ええ。こちらの帳簿にもそう書かれております」
「なら、残りの八割はどこに消えたのかしら? 普通に考えて、彼女自身が着服したと思うのが一般的よね。それって、詐欺や横領という犯罪なんだけど? そしてとても穿った見方をすると、彼女に指示を出した人間がいる可能性もあるわね」
「商業の神に誓って、儂はそういうことはしとらん」
「僕も同じく、商業の神に誓って、指示しておりません」
ギルマスとサブマスが神に誓ってと宣言する。もしこの宣言が間違いや嘘だった場合、商業の神からなんらかの神罰が下る。だが、彼らにはそういった兆候はなかった。
それを受け、全員で女性のほうを見る。すると、彼女は何かを言おうとするものの、体が震えて話ができない状況だ。
これは彼女が犯人で確定、かな? ただ、彼女自身が考えてやったことなのか、背後に誰かいるのかわからないが、それは私が追及するべきことではなく、ギルマスとサブマスの仕事だ。
そう伝えると彼らは頷き、あとでしっかりと調べると言ってくれた。その言葉に、彼女は顔色を青から白に変えて、泣こうとしている。
「泣いても無駄よ? 神が監視している契約を無視して、勝手なことをしたのは貴女だもの。神が女の涙に騙されるとでも? もちろん、この場にいる男性たちや女性たちもね」
「……っ」
「そうじゃな。使い込んだ分は、きっちり返してもらうぞ。それらは、間違って払ってしまった者らに返金する予定じゃからの」
「全額一括ですよ。できなければ、犯罪奴隷及び、借金奴隷落ちです」
「ひ……っ」
小さな悲鳴を上げた女性職員。おいおい、当たり前じゃない。詐欺と横領をしたんだから、犯罪奴隷になるのは当然でしょうに。
そのあたりもしっかりとギルマスたちに話してもらおうじゃないか。
それらは彼らに任せ、私たちは屋台を借りたいと話をする。すぐに手配してくれたのはいいけれど、ギルマスもサブマスも、興味津々でこっちを見る。
「どのようなものを売るのですか?」
「装飾品です。腕輪とネックレス、イヤリングですね」
「このように身に着けます」
「ふむ……。他にもあるのなら、見せてもらってもいいかの?」
「はい」
見本として身に着けていた村の男女四人と私。アクセを見たギルマスとサブマスが、興味を示した。
うん、いいんでないかい?
彼らが作ったものを一通り見せ、これを見本として店先に出し、その場で作る方法を取ると話す彼ら。その商売方法に関心を示したギルマスが、許可を与えていた。
念のため値段についても相談したが、これは彼女と話したことと内容が一致していたので特に問題とならないことから、売り上げの一割を支払うという書類にサインをして、ギルドをあとにした。
それから渡された紙の場所に行き、指定された場所に置いてある屋台を借りて設営をしていく。
化粧箱の中に入った真珠のアクセの他に、腕の形をした木にビーズアクセが嵌っている。
屋台の下は一段低くなっていて、そこに貸し出されている計算機代わりのそろばんとおつりや売り上げを入れる木箱を置くと、つり銭を入れた。地面にマジックバッグを置いてから、テーブルと五人分の椅子を出す。テーブルの上には、作成に使う色とりどりのビーズや糸、小さな木材が重ねられる。
もちろん、材料はまだまだマジックバッグの中に入っている。
その様子を見ていた小さな子ども――女の子と、興味を示した女性が近寄って来た。
「あの……すみません。ここはどんな屋台ですか?」
「ここは装飾品を売る屋台です」
「装飾品……。高い、ですよね……」
「そんなことはないですよ? 今、値段表を出しますので、お待ちください」
「はい」
まだ準備段階だったにも拘わらず来てしまったと気づいた女性は、女の子の手を握ったまま恐縮している。よし、彼女にはサクラと宣伝になってもらおうではないか。
そんなことを考えていると、女の子と目が合った。
「お姉ちゃん、そうしょくひんってなあに?」
「そうね……おしゃれを楽しむ小道具、かな」
腕や耳に着けているものを見せると、女の子もその母親も、キラキラとした目で見てくる。やっぱりおしゃれに敏感だよね、女性は。
とくに女の子はリボンくらいしかおしゃれアイテムがないんだから、余計新鮮に感じるんだろう。
「わー! 綺麗! あたしでも買える?」
「貴女の年齢だと大銅貨三枚だから、もしそのお金を持っているなら、買えるわ」
「え……そんなに安いんですか⁉」
「はい。子どもの値段と大人の値段、そして使う材料によって値段が違ってしまうんですけど……」
男性一人とアクセを身に着けている女性が、母親と子ども相手に、商品見本を見せながら丁寧に説明している。そんな彼らを見ながら、私は後ろで準備をしていた。
今日は私も手伝うからね~。準備をしつつ、猫やウサギ、イルカや星、葉っぱや花などを、木材を使って錬金しているのだ。それを見た女の子が、キラキラした目で「お姉ちゃん、すごーい!」と褒めてくれる。
「ママ、買ってもいい?」
「そうねぇ……大銅貨三枚だし、私も銀貨一枚だもの。お揃いのものを作る?」
「うん!」
「ありがとうございます。色はどれがいいですか? 言っていただければ、この場で作りますから」
「やった! ママ、あたし、にゃんすら様の形のがいい!」
「あら、素敵ね! 色は?」
「うーん……ピンク!」
「じゃあ、ママは緑にするわ」
そんな話をしながら、これがいいと決める親子。しかも、いきなりにゃんすらと来たもんだ。
いいとも。幸運のお守り代わりに、にゃんすらを作ろうじゃないか。
ノンを見ながら、白いにゃんすらを錬成する。もちろん、目と口がついている。それを錬金術を使って作る彼らに渡すと、指定された色のビーズ、糸を使って女の子と女性の手首に合わせた大きさの腕輪を錬成する。
もちろん、彼らも伸縮自在と状態維持が使えるようになっていて、その魔法をかけている。
「まあ! 錬金術なのね」
「ええ。だから早いんです」
「お兄ちゃんすごい!」
「ありがとう。銀貨一枚と大銅貨三枚になります」
腕輪を嵌めてもらった女の子は、腕を上に上げてキラキラとした目で、にゃんすらがぶら下がっている腕輪を見つめる。その顔はとても幸せそうに輝いていた。
「大事にしてね。もし別のものが欲しかったら、村で売っていますから」
「ありがとう。他にも欲しいものができたら、また行くわ」
「お待ちしていますね」
母親と腕輪をしている女性たちが話をしている。どれも素敵だと褒めたついでに、しっかりと村に来てほしいと誘致しているのが凄い。
もちろん、村の名前を言って宣伝していたのは、言うまでもない。
そして商品が売れた場合は税金を払うことになっているのはどこも同じなんだけれど、それに同意するという署名するのに渡された紙には、売上の一割をギルドに支払うと書いてある。それは妥当なんだけれど……。
「九割をギルドって……それはいくらなんでも!」
「嫌ならお帰りください」
「へえ? そんなこと言っていいの? 間違っているのは貴女なのに」
「え……?」
「え、じゃないでしょ? 貴女、きちんとこの文章を読んでいるの? ここには、税金は売上の一割をギルドに納品って書いてあるけど?」
私の指摘に、青ざめる女性のギルド職員。
おいおい、今までずっとそういう話をしていたんじゃないだろうな? もしくは、場合によっては文字が読めない人がいることから、私たちも読めないと思われていた可能性が高い。
だから私の指摘に、職員は青ざめたんだろう。
「まさか、他の人にも同じ説明をしていた、なんて言わないわよね?」
「……っ」
「ふーん……、そう。なら、今日あたり、商業の神から神罰が下されるかもしれないわね」
「そ、そんな!」
「当たり前じゃない。貴女がやっているのは詐欺よ? その九割のお金は、いったいどこに消えたのかしらねぇ?」
ギルマスを呼ぶように話すと、抵抗する女性。逆に覚えていてそう話していたのか、或いは知っていてそう伝えていたのかは知らないが、彼女の態度からわざと逆に伝えて一割はギルドに渡し、残りは自分の懐に入れていた可能性が高い。
だからこそ、抵抗しているんだろう。だったら、私がさっさと席を立ち、扉を開けて叫ぶ。
「すみません、誰かギルドマスターを呼んで!」
「や、やめて!」
「やめないわ。不正をしていたんだもの、罰せられるのは当たり前でしょ!」
「不正って言葉が聞こえたが……なんだ、どうした!」
近くにいた人が反応してくれて、ギルマスを呼んでくれるという。ただ、不正の話が気になるのか、私に先を促すような目で見てくるが、ギルマスが来るまで話すつもりはない。
女性自身も逃げたいんだろうけれど、私が入口に立っていて逃げられないことと、獣人の男性と女性四人に睨まれていることで、顔色を真っ青にしたまま動けないようだ。
そこに、真っ白い髭を生やしたお爺さんが登場。
「儂を呼んでくれと聞いたんじゃが……お嬢さんがそう言ったのかの?」
「ええ。貴方がギルマス、でいいのかしら。私はアリサ、彼らの村に滞在している冒険者よ」
「おお、アリサ殿か。例の町の件と数日前のレシピの件を聞いておるぞ。して、どうしたんじゃ?」
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よし、お偉いさんが二人揃っているならいいだろう。もしこの二人もグルだとしたら、暴れるかしらばっくれた瞬間に神罰が下るだろうし。
そんなことを考えたあと、彼女から話された内容とこの契約書に書かれている内容が真逆だったことを伝えると、ギルマスとサブマス揃って彼女を睨みつけた。
「どういうことじゃ? ギルドには一割の税金が入っていたのは確かじゃ」
「ええ。こちらの帳簿にもそう書かれております」
「なら、残りの八割はどこに消えたのかしら? 普通に考えて、彼女自身が着服したと思うのが一般的よね。それって、詐欺や横領という犯罪なんだけど? そしてとても穿った見方をすると、彼女に指示を出した人間がいる可能性もあるわね」
「商業の神に誓って、儂はそういうことはしとらん」
「僕も同じく、商業の神に誓って、指示しておりません」
ギルマスとサブマスが神に誓ってと宣言する。もしこの宣言が間違いや嘘だった場合、商業の神からなんらかの神罰が下る。だが、彼らにはそういった兆候はなかった。
それを受け、全員で女性のほうを見る。すると、彼女は何かを言おうとするものの、体が震えて話ができない状況だ。
これは彼女が犯人で確定、かな? ただ、彼女自身が考えてやったことなのか、背後に誰かいるのかわからないが、それは私が追及するべきことではなく、ギルマスとサブマスの仕事だ。
そう伝えると彼らは頷き、あとでしっかりと調べると言ってくれた。その言葉に、彼女は顔色を青から白に変えて、泣こうとしている。
「泣いても無駄よ? 神が監視している契約を無視して、勝手なことをしたのは貴女だもの。神が女の涙に騙されるとでも? もちろん、この場にいる男性たちや女性たちもね」
「……っ」
「そうじゃな。使い込んだ分は、きっちり返してもらうぞ。それらは、間違って払ってしまった者らに返金する予定じゃからの」
「全額一括ですよ。できなければ、犯罪奴隷及び、借金奴隷落ちです」
「ひ……っ」
小さな悲鳴を上げた女性職員。おいおい、当たり前じゃない。詐欺と横領をしたんだから、犯罪奴隷になるのは当然でしょうに。
そのあたりもしっかりとギルマスたちに話してもらおうじゃないか。
それらは彼らに任せ、私たちは屋台を借りたいと話をする。すぐに手配してくれたのはいいけれど、ギルマスもサブマスも、興味津々でこっちを見る。
「どのようなものを売るのですか?」
「装飾品です。腕輪とネックレス、イヤリングですね」
「このように身に着けます」
「ふむ……。他にもあるのなら、見せてもらってもいいかの?」
「はい」
見本として身に着けていた村の男女四人と私。アクセを見たギルマスとサブマスが、興味を示した。
うん、いいんでないかい?
彼らが作ったものを一通り見せ、これを見本として店先に出し、その場で作る方法を取ると話す彼ら。その商売方法に関心を示したギルマスが、許可を与えていた。
念のため値段についても相談したが、これは彼女と話したことと内容が一致していたので特に問題とならないことから、売り上げの一割を支払うという書類にサインをして、ギルドをあとにした。
それから渡された紙の場所に行き、指定された場所に置いてある屋台を借りて設営をしていく。
化粧箱の中に入った真珠のアクセの他に、腕の形をした木にビーズアクセが嵌っている。
屋台の下は一段低くなっていて、そこに貸し出されている計算機代わりのそろばんとおつりや売り上げを入れる木箱を置くと、つり銭を入れた。地面にマジックバッグを置いてから、テーブルと五人分の椅子を出す。テーブルの上には、作成に使う色とりどりのビーズや糸、小さな木材が重ねられる。
もちろん、材料はまだまだマジックバッグの中に入っている。
その様子を見ていた小さな子ども――女の子と、興味を示した女性が近寄って来た。
「あの……すみません。ここはどんな屋台ですか?」
「ここは装飾品を売る屋台です」
「装飾品……。高い、ですよね……」
「そんなことはないですよ? 今、値段表を出しますので、お待ちください」
「はい」
まだ準備段階だったにも拘わらず来てしまったと気づいた女性は、女の子の手を握ったまま恐縮している。よし、彼女にはサクラと宣伝になってもらおうではないか。
そんなことを考えていると、女の子と目が合った。
「お姉ちゃん、そうしょくひんってなあに?」
「そうね……おしゃれを楽しむ小道具、かな」
腕や耳に着けているものを見せると、女の子もその母親も、キラキラとした目で見てくる。やっぱりおしゃれに敏感だよね、女性は。
とくに女の子はリボンくらいしかおしゃれアイテムがないんだから、余計新鮮に感じるんだろう。
「わー! 綺麗! あたしでも買える?」
「貴女の年齢だと大銅貨三枚だから、もしそのお金を持っているなら、買えるわ」
「え……そんなに安いんですか⁉」
「はい。子どもの値段と大人の値段、そして使う材料によって値段が違ってしまうんですけど……」
男性一人とアクセを身に着けている女性が、母親と子ども相手に、商品見本を見せながら丁寧に説明している。そんな彼らを見ながら、私は後ろで準備をしていた。
今日は私も手伝うからね~。準備をしつつ、猫やウサギ、イルカや星、葉っぱや花などを、木材を使って錬金しているのだ。それを見た女の子が、キラキラした目で「お姉ちゃん、すごーい!」と褒めてくれる。
「ママ、買ってもいい?」
「そうねぇ……大銅貨三枚だし、私も銀貨一枚だもの。お揃いのものを作る?」
「うん!」
「ありがとうございます。色はどれがいいですか? 言っていただければ、この場で作りますから」
「やった! ママ、あたし、にゃんすら様の形のがいい!」
「あら、素敵ね! 色は?」
「うーん……ピンク!」
「じゃあ、ママは緑にするわ」
そんな話をしながら、これがいいと決める親子。しかも、いきなりにゃんすらと来たもんだ。
いいとも。幸運のお守り代わりに、にゃんすらを作ろうじゃないか。
ノンを見ながら、白いにゃんすらを錬成する。もちろん、目と口がついている。それを錬金術を使って作る彼らに渡すと、指定された色のビーズ、糸を使って女の子と女性の手首に合わせた大きさの腕輪を錬成する。
もちろん、彼らも伸縮自在と状態維持が使えるようになっていて、その魔法をかけている。
「まあ! 錬金術なのね」
「ええ。だから早いんです」
「お兄ちゃんすごい!」
「ありがとう。銀貨一枚と大銅貨三枚になります」
腕輪を嵌めてもらった女の子は、腕を上に上げてキラキラとした目で、にゃんすらがぶら下がっている腕輪を見つめる。その顔はとても幸せそうに輝いていた。
「大事にしてね。もし別のものが欲しかったら、村で売っていますから」
「ありがとう。他にも欲しいものができたら、また行くわ」
「お待ちしていますね」
母親と腕輪をしている女性たちが話をしている。どれも素敵だと褒めたついでに、しっかりと村に来てほしいと誘致しているのが凄い。
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