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セガルラ国編
第42話 村をビフォーアフター 3
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採れたての野菜を使った昼食を食べたあと、先にアクセの作り方を伝授する。土台作りはきちんと作れるようになっていたので、今度は鎖を作る練習。
これも私が作ってから構造を教え、その練習だ。いきなり小さいものを作れというのは無理があるから、大きなものを使ってそれを見ながら練習してもらい、徐々に輪っかを小さくしていってもらう。
手作業でするわけじゃないから、どんなに小さな鎖でも錬金術ならお手の物だと思うんだよね。他にも、蛇腹のような鎖も教えたから、それも練習だね。
その間に、今度は大工さんたちと一緒に家の補修。
まずは村長の家の修理。ここも屋根は切妻だったのでこれも段々になるように板を張り、木の釘で打っていく。金属を使いたいところだけれど、この村は海風があるからね~。そこから腐ってしまったら張り替えが面倒なので、木の釘にしてみた。
もちろん雨漏り防止として、皮のシートには防水加工と塩害にならないよう状態維持をかけて一枚のシートに錬成し、それを屋根の下に敷いている。
壁はあの獣人の村と同じように、内側に木を使って張り合わせ、外側を漆喰のような形にする。これだけでも、温度や風の音が小さくなり、寝るにしてもかなり違うはずだ。
大工さんたちに教えながら補修をした結果、これまた立派な家が出来上がった。
「おおお……! 立派になったな!」
「中を確認してくれる?」
「ええ!」
いそいそと中に入り、温かさなどを確認する村長。室内の温かさや風の音などを確かめているんだろう……うんうんと頷きながら、各部屋を確認していた。その顔はとても嬉しそうで、そっと胸を撫で下ろす。
「ありがとう、アリサ! これなら冬も立派に越せる!」
「それならよかった! じゃあ、大工さんたち。他の家の修理もやってみようか」
『おう!』
今度は住人たちだけでやってもらう。私が手を出してもいいけれど、結局は自分たちでやることになるんだから、作業工程をしっかり学んで、できるようになってほしいなあ、と考えたからだ。
時間がかかったっていいんだよ。きちんとできればいんだから。
そんな話を大工さんたちにして、わからなければ聞いてという感じで放置。その間に鎖作りを練習している人たちのところに行くと、土台で要領を得たのか、短時間でできるようになっていた。
しかも、彼らは本当に楽しそうに作っていたんだから、上達も早い。
「どうかな……」
「ちょっと失敗しちまって……」
「……うん、大丈夫。失敗したっていいんだよ、これは練習なんだから。本番で失敗しないために、何回も練習するんでしょ?」
「そう、だな。うん、もう少し頑張ってみる」
気合い充分な二人に、失敗しないコツを教える。とにかく焦らないこと。失敗しそうならそこで手を止めること。一回落ち着けば、どうすればいいかわかるからと、言い聞かせた。
あとは何回も練習して、スキルにしてしまえば失敗はしないからね。だから、ひたすら練習させている。
そうこうするうちに大工さんから一軒出来上がったと言われたので、見に行く。
「うん、いいね! その調子で全部の家をやり終えるころには、スキルレベルが上がっていると思うわ」
「だよな!」
「俺は今ので上がったぜ?」
「俺も!」
「俺はあとちょっとかなあ……」
おお、レベルが上がっている人がいるよ! その調子でどんどん補修をしてレベルを上げてほしいと伝えると、俄然やる気になる大工さんたち。特にこれといった問題もなく、次々に補修をしていた。
その様子を見ながら、アクセ作りの練習をしている二人のところに行くと、今度は失敗しないで作れたのか、綺麗な鎖を量産していた。これはスキルになったかもとこっそり【鑑定】してみたら、しっかりとスキルになっていた。
「「ど、どうかな……」」
「うん、これなら大丈夫。じゃあ、さっそく作ってみようか。見本を見せるから、作り方をきちんと見ていてくれる?」
「「はい!」」
まずはスキルになっているかどうかを確認してもらうと、二人は驚いた顔をしたあとでとても嬉しそうに「「やった!」」と叫んだ。うんうん、その調子で頑張れ。
それから真珠の粒の大きさを仕分けるために、自分用に作った穴空きを使って、大きさを選別。もちろん、あとで彼らのために道具を各種作って渡すつもりだ。
真珠を選別したら、同じ大きさのものをふたつ取り出し、市販されている糊でいいからと話して土台に糊を塗ったあと、真珠を貼り付ける。あとは糊が渇くまで放置すれば完成だ。
「これが一番簡単だと思う。ぶら下げる場合はこの細い鎖を使って――」
ハンドドリルとバイスを出し、真珠をバイスに固定。それからハンドドリルを使って穴を開け、そこに鎖を通す。下のストッパーは錬金で花の形にしてみた。それとイヤリングの土台を使って錬成すると完成だ。
本当は錬成一発でできるけれど、どういう構造なのかわからないと、彼らが作ることができない。だからこそ、この面倒な工程で作ったのだ。
「じゃあやってみようか」
この工程をしっかり理解すれば、錬成できるようになるからと言うと、彼らはすっごくやる気になり、真剣に取り組んでいる。だからなんだろう……スキルレベルの上がりがとても早い。
たぶん、簡単なものじゃなくて難しい鎖から作らせたことも大きいと思う。鎖さえ作れてしまえば、あとは応用なり別の基本なりを教えればいいんだから。
この村の女性に渡すのであれば、ネックレスやイヤリングがいいかな? 指輪だと作業をするのに邪魔だし。
そんなことを考えながら二人の作業を見ていると、真っ直ぐに穴を開け、鎖を通して固定すると、台座に鎖を貼り付ける。そこまでやってほぅ……と息を吐いた二人は、自分で作ったものをしげしげと見つめる。
「構造はだいたいわかった?」
「「はい!」」
「構造を理解していれば、イメージしやすいよね。錬成するのに大事なのは、イメージなの。なにも知らないものを、いきなり錬成しろって言われても、無理な話でしょ? だから構造を理解してもらうために、一から作ってもらったのよ」
「「な、なるほど!」」
「なら、今度は錬金術で作ってみようか」
「「が、頑張ります……」」
ふんす、と気合いを入れて意欲を見せるアクセサリー担当。うんうん、その調子で頑張れ!
まずは穴の開いた木の板を二枚作って二人に渡し、それに合わせて真珠を選別してもらい、見本として様々な大きさの真珠を使ったイヤリングを一組ずつ作ってもらう。あまりにも小さいものや大きいものはネックレスやブレスレットにすればいいし、彼らが扱いづらいなら私が買い取ればいいだけだ。
土台にくっついているのとぶら下がっているものが出来上がったら、木材と布を使って化粧箱作り。これは一から作らせるようなことはしなかったけれど、見せただけで彼らは作り上げた。
おお、凄い!
そこに真珠のイヤリングを配置して、蓋がきちんと閉まれば完成だ。
「「で……できた……」」
「うん、上出来じゃない! これならそのまま売ることができるでしょ?」
「そうですね。なくさないように、しまっておけますし」
「贈り物にもできそうだな」
「でしょう?」
そう、しまっておける、贈り物という発想が大事なんだよ。
売る場合はできるだけ同じ大きさものにして、もしお客さんからもう少し粒が大きいとか小さいものをという要望が出たら、その場で作ればいいだけだ。そう説明したら、確かにと頷いていた。
彼らに作ることができるとわかったら、まずはこの村の女性たちがおしゃれとして身に着ける。そのまま漁港や近隣の町や村に買い物に行けば、宣伝になると思うんだよね。
もし聞かれたら自分の村で作っていると話し、来てもらえばいいんだから。不正されていたのなら、彼らの心情的にあの漁港では売らないと考えるだろうし。
で、真珠は三十箱あるというのでそれを選別してもらい、小さな粒や一番大きいものは私が買い取ることにした。どうも、この村に出る真珠の大きさがほぼ揃っているからなのよね~。
買い取るにしても、たくさん出たらと言ってあるし、自分たちで扱えないものも買い取ると話したら、真剣な顔で選別を始めたので、そのまま彼らに任せることにした。
これも私が作ってから構造を教え、その練習だ。いきなり小さいものを作れというのは無理があるから、大きなものを使ってそれを見ながら練習してもらい、徐々に輪っかを小さくしていってもらう。
手作業でするわけじゃないから、どんなに小さな鎖でも錬金術ならお手の物だと思うんだよね。他にも、蛇腹のような鎖も教えたから、それも練習だね。
その間に、今度は大工さんたちと一緒に家の補修。
まずは村長の家の修理。ここも屋根は切妻だったのでこれも段々になるように板を張り、木の釘で打っていく。金属を使いたいところだけれど、この村は海風があるからね~。そこから腐ってしまったら張り替えが面倒なので、木の釘にしてみた。
もちろん雨漏り防止として、皮のシートには防水加工と塩害にならないよう状態維持をかけて一枚のシートに錬成し、それを屋根の下に敷いている。
壁はあの獣人の村と同じように、内側に木を使って張り合わせ、外側を漆喰のような形にする。これだけでも、温度や風の音が小さくなり、寝るにしてもかなり違うはずだ。
大工さんたちに教えながら補修をした結果、これまた立派な家が出来上がった。
「おおお……! 立派になったな!」
「中を確認してくれる?」
「ええ!」
いそいそと中に入り、温かさなどを確認する村長。室内の温かさや風の音などを確かめているんだろう……うんうんと頷きながら、各部屋を確認していた。その顔はとても嬉しそうで、そっと胸を撫で下ろす。
「ありがとう、アリサ! これなら冬も立派に越せる!」
「それならよかった! じゃあ、大工さんたち。他の家の修理もやってみようか」
『おう!』
今度は住人たちだけでやってもらう。私が手を出してもいいけれど、結局は自分たちでやることになるんだから、作業工程をしっかり学んで、できるようになってほしいなあ、と考えたからだ。
時間がかかったっていいんだよ。きちんとできればいんだから。
そんな話を大工さんたちにして、わからなければ聞いてという感じで放置。その間に鎖作りを練習している人たちのところに行くと、土台で要領を得たのか、短時間でできるようになっていた。
しかも、彼らは本当に楽しそうに作っていたんだから、上達も早い。
「どうかな……」
「ちょっと失敗しちまって……」
「……うん、大丈夫。失敗したっていいんだよ、これは練習なんだから。本番で失敗しないために、何回も練習するんでしょ?」
「そう、だな。うん、もう少し頑張ってみる」
気合い充分な二人に、失敗しないコツを教える。とにかく焦らないこと。失敗しそうならそこで手を止めること。一回落ち着けば、どうすればいいかわかるからと、言い聞かせた。
あとは何回も練習して、スキルにしてしまえば失敗はしないからね。だから、ひたすら練習させている。
そうこうするうちに大工さんから一軒出来上がったと言われたので、見に行く。
「うん、いいね! その調子で全部の家をやり終えるころには、スキルレベルが上がっていると思うわ」
「だよな!」
「俺は今ので上がったぜ?」
「俺も!」
「俺はあとちょっとかなあ……」
おお、レベルが上がっている人がいるよ! その調子でどんどん補修をしてレベルを上げてほしいと伝えると、俄然やる気になる大工さんたち。特にこれといった問題もなく、次々に補修をしていた。
その様子を見ながら、アクセ作りの練習をしている二人のところに行くと、今度は失敗しないで作れたのか、綺麗な鎖を量産していた。これはスキルになったかもとこっそり【鑑定】してみたら、しっかりとスキルになっていた。
「「ど、どうかな……」」
「うん、これなら大丈夫。じゃあ、さっそく作ってみようか。見本を見せるから、作り方をきちんと見ていてくれる?」
「「はい!」」
まずはスキルになっているかどうかを確認してもらうと、二人は驚いた顔をしたあとでとても嬉しそうに「「やった!」」と叫んだ。うんうん、その調子で頑張れ。
それから真珠の粒の大きさを仕分けるために、自分用に作った穴空きを使って、大きさを選別。もちろん、あとで彼らのために道具を各種作って渡すつもりだ。
真珠を選別したら、同じ大きさのものをふたつ取り出し、市販されている糊でいいからと話して土台に糊を塗ったあと、真珠を貼り付ける。あとは糊が渇くまで放置すれば完成だ。
「これが一番簡単だと思う。ぶら下げる場合はこの細い鎖を使って――」
ハンドドリルとバイスを出し、真珠をバイスに固定。それからハンドドリルを使って穴を開け、そこに鎖を通す。下のストッパーは錬金で花の形にしてみた。それとイヤリングの土台を使って錬成すると完成だ。
本当は錬成一発でできるけれど、どういう構造なのかわからないと、彼らが作ることができない。だからこそ、この面倒な工程で作ったのだ。
「じゃあやってみようか」
この工程をしっかり理解すれば、錬成できるようになるからと言うと、彼らはすっごくやる気になり、真剣に取り組んでいる。だからなんだろう……スキルレベルの上がりがとても早い。
たぶん、簡単なものじゃなくて難しい鎖から作らせたことも大きいと思う。鎖さえ作れてしまえば、あとは応用なり別の基本なりを教えればいいんだから。
この村の女性に渡すのであれば、ネックレスやイヤリングがいいかな? 指輪だと作業をするのに邪魔だし。
そんなことを考えながら二人の作業を見ていると、真っ直ぐに穴を開け、鎖を通して固定すると、台座に鎖を貼り付ける。そこまでやってほぅ……と息を吐いた二人は、自分で作ったものをしげしげと見つめる。
「構造はだいたいわかった?」
「「はい!」」
「構造を理解していれば、イメージしやすいよね。錬成するのに大事なのは、イメージなの。なにも知らないものを、いきなり錬成しろって言われても、無理な話でしょ? だから構造を理解してもらうために、一から作ってもらったのよ」
「「な、なるほど!」」
「なら、今度は錬金術で作ってみようか」
「「が、頑張ります……」」
ふんす、と気合いを入れて意欲を見せるアクセサリー担当。うんうん、その調子で頑張れ!
まずは穴の開いた木の板を二枚作って二人に渡し、それに合わせて真珠を選別してもらい、見本として様々な大きさの真珠を使ったイヤリングを一組ずつ作ってもらう。あまりにも小さいものや大きいものはネックレスやブレスレットにすればいいし、彼らが扱いづらいなら私が買い取ればいいだけだ。
土台にくっついているのとぶら下がっているものが出来上がったら、木材と布を使って化粧箱作り。これは一から作らせるようなことはしなかったけれど、見せただけで彼らは作り上げた。
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もし聞かれたら自分の村で作っていると話し、来てもらえばいいんだから。不正されていたのなら、彼らの心情的にあの漁港では売らないと考えるだろうし。
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