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セガルラ国編
第39話 レシピを教える
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結局十日間も滞在し、お金を減らしたり回したりする意味でも、漁港で魚介類を買いまくった結果、豪快なお嬢ちゃんとして顔が知れ渡りました。
なんでやねん。
それでもほとんど減ってないって、どんだけお金があるんだよ! って話よね。それもこれも、全て盗賊が悪い! と責任転嫁してみる。
滞在三日目になるころにはAマイナス冒険者として知られ。四日目に倒せる人が誰もいなかったから、海にいる魔物が出たから倒してくれ! と懇願された。面倒だなあと思いつつ、魚介類を安くしてくれるならという条件で請け負った。
もちろん船を出してもらって近くまで行く。
戦ったのはピオとエバですが、なにか。私は収納要員です。
水棲生物は雷が弱点だからね~、この世界の魔物って。あとは火か。雷は水があるところは注意しないと感電する恐れがあるけれど、そこは賢い従魔のピオとエバ。魔物だけを攻撃して、海には一切触れていなかったのはさすがだ。
本来の大きさで戦っていたから漁師のみなさんに驚かれたのはいい思い出だ。
倒した水棲魔物は、シーサーペント。体長は20メートル級。
肉は町の人全員に行き渡り、鱗や骨、牙や魔石は冒険者ギルド行き。
滅多に出ない魔物だからと、それはもうお祭り騒ぎになったのはいいが、このシーサーペントの討伐で、ランクアップ試験を受けることなく、私のランクがAマイナスからAに上がってしまった。これはシーサーペントだけじゃなくてスタンピードもどきだった状態をほぼ解消したことと、盗賊を潰した功績によるものである。
いらねー!
今度盗賊に出会ったら、人質がいない場合に限り、シカトしよう。そうしよう。
そして料理だけど、さすがに塩味は飽きたからと、町で売られていた魚醤を買い、宿の料理人でもあるご主人に直談判して料理をさせてもらった。もちろん、彼も一緒に料理をするという条件でね。
その魚醤と酒を使い、煮物や照り焼きを作ってみた。
「……美味い! これって、魚醤ってやつだろ? こんな使い方があるとは……」
「他にも、肉にも使えるわ」
「ほんとか⁉ 教えてくれ!」
「いいわよ」
一角兎の肉を買って来て、それで煮物や串焼きを作ってみる。なんというか、ここで作られている魚醤は、醤油に近い味がするのだ。
だからこそ、煮物や照り焼きが作れたともいう。
串焼きは、焼き鳥のように塗るタイプと、焼き肉のようにタレをつけて食べるタイプのものを用意。他にもレモン塩の作り方や、酒の肴として刺身も教えてみた。
最初は生で魚を食べることに忌避感があったみたいなんだけれど、目の前で料理のスキルを持っている人についている除菌というか除虫というか、そういう魔法を使ってから私が味見をすると、彼らも真似をして食べ始めた。
美味いという人、食べてみたけれど合わないという人がいたが、そこは好みの問題だからいい。
「採れたてが一番だけど、できれば生は二日以内に食べてね。傷んでしまうから」
「わかった。それを過ぎたら煮ればいいな」
「そうね。あとは、油を使うけど、フライというのがあるの」
ステンレスのインゴットを出してすりおろし器を作り、それを使って硬いパンを粉々にしてもらっている間に、卵と小麦粉を用意。小麦粉、卵、パン粉の順番につけ、少なめの油を使って揚げ焼きにすれば完成。
それが面倒なら小麦粉を水で溶いたバッター液を作ってそこに入れたあと、パン粉をつける方法もやってみせる。
キャベツを千切りにしてもらい、ソースとマヨネーズも用意。
ソースとマヨネーズはこの世界にあるから、特に問題ないのだ。宿の料理人によると、転移者が教えてくれたらしい。だったら、料理も一緒に教えておけよ! と内心で突っ込んだのは言うまでもない。
そのマヨネーズの中にみじん切りにしたきゅうりや玉ねぎ、パセリを入れてタルタルソースを作り、キャベツと魚のフライ、タルタルソースとソースを別々にして器に盛ると、これだけで一品になる。
「今は魚を使ったけど、えびや牡蠣、野菜とホタテの貝柱でも作ることができるわ」
「おお! やってくれ!」
「ははは……」
料理に対して貪欲なおっさんだなあ……と感心しつつ、ブラックタイガーとバナメイエビ、カキフライ、貝柱と野菜を使ったかき揚げを作る。油が少々高いから毎日は無理だが、週に一回とか月に一回くらいなら採算が取れるのではないかと話し、あとはおっさんに任せることに。
他にもホタテバターを教え、仕上げに魚醤を垂らして食べさせてみたり、つぶ貝の煮込みを教えてみたり。
レパートリーがたくさん増えたからなのか、おっさんも女将さんも、とても嬉しそうにしていた。その報酬として、宿代と食事代が三日分タダになったのには驚いたが。
そのうち、近くの港町に広がっていくかもしれないけれど、この町、しかも一週間限定でレシピの登録をした。全部の国や町で作れるものじゃないからね~、これは。この町の特産物としてやればいいと思う。
一週間にしたのは、それだけあれば、この町全体に広がると踏んだからだ。期間が過ぎればレシピが戻ってくるんだから、私が町を出たあとでも大丈夫だろう。
そんな感じで十日間滞在し、ミュルデルの町をあとにする。
とっても楽しかった!
あと、真珠を売ってくれたお兄さんに自分で作ったイヤリングを見せてみたんだけど、「こうなるのか!」と感動していた。その後、何かを考えるような仕草をしていたから、もしかしたら何か閃いたのかもしれない。
それがアクセならいいなあ。そうすれば、この町の特産品になる可能性があるんだから。
それは今後のお兄さんのやる気と、アクセ作りの腕次第。もし教えてほしいと言われたら、きっちり教えるよ。ただし、ギルドにはレシピ登録しないけどね。
全国で採れるものじゃないからね、真珠も。海の町でさえ、場所によっては採れない可能性もあるわけだし。そこは様子を見て、お兄さんが弟子を取るなりなんなりすればいいだけの話だ。
ぶっちゃけ、丸投げです。
そんな私やお兄さんの事情はともかく。
町を出て街道を北に向けてゆっくり走るリコ。右に海が見え、太陽の光を反射してキラキラと輝いている。
<綺麗なのー>
<風も気持ちいいわ>
<ああ。飛んでても魔物も襲って来ないし>
<走ってても気持ちいいな>
「ふふ、そうね」
従魔たちがそれぞれの感想を言って、楽しそうにしている。うん、とっても和む!
冒険者を抜き、隊商も抜いて走るリコは、本当に楽しそうだ。しばらく走っていたら、ピオが人が倒れていると言ってきた。
「どんな格好をした人?」
<獣人だよ。んー、耳の形しかわからないから、どの獣人がわからないが>
「そう」
さて、どうするか。シカトしてもいいが、ノンが<怪我なら治すのー!>と張り切っているから、内心溜息をつきつつその人物に近寄る。もちろん、警戒は忘れないし、いざとなったらピオかエバに雷を使ってもらおうと、念話を飛ばす。
「うぅ……」
「大丈夫? どこか怪我をした?」
「…………た……」
「は?」
「腹、減った……」
「<<<<……>>>>」
獣人の言葉と同時に、ぐうぅ~とあたりにお腹が鳴る音が響く。それにドン引きしつつ、持っていたサンドイッチを渡すと、その獣人――熊の獣人は目を輝かせながら一気食い。
他にも何の味もついてないパンと一緒にスープも渡すと、それも綺麗さっぱりたいらげた熊獣人は、やっと満足したのかふう……と息を吐き出した。
「ありがとう! 俺はこの先にある村の住人で、ラモンという。助かった!」
「どういたしまして。私はアリサ、この子たちは私の従魔なの。どうしてここに倒れていたの?」
「実は……」
ラモンが住んでいる村は海沿いにあるが、近くに大きな漁港があるせいで、こちらに人が来ることは滅多にない。細々と海苔や佃煮、塩漬けのわかめや乾燥昆布を作って町で売っているが、その売り上げのほとんどを町に取られ、村にはお金が入って来ないという。
おいおい……あの漁港で売っていた佃煮たちにはそんな理由があったのか。どうりでどこで作っているのか聞いても、言葉を濁すわけだよ。自分たちが不正をしているんだから、痛い腹を探られたくはないわな。
「なるほど。なら、村で売ったら? というか、私が大量に買いたい」
「は?」
「だから、村に連れていってくれないかな」
「飯を食わせてくれた恩があるから、別に構わないが……」
よし、許可が下りた。善は急げということで、不思議そうな顔をしたラモンと連れ立って、その村まで行くことにした。
なんでやねん。
それでもほとんど減ってないって、どんだけお金があるんだよ! って話よね。それもこれも、全て盗賊が悪い! と責任転嫁してみる。
滞在三日目になるころにはAマイナス冒険者として知られ。四日目に倒せる人が誰もいなかったから、海にいる魔物が出たから倒してくれ! と懇願された。面倒だなあと思いつつ、魚介類を安くしてくれるならという条件で請け負った。
もちろん船を出してもらって近くまで行く。
戦ったのはピオとエバですが、なにか。私は収納要員です。
水棲生物は雷が弱点だからね~、この世界の魔物って。あとは火か。雷は水があるところは注意しないと感電する恐れがあるけれど、そこは賢い従魔のピオとエバ。魔物だけを攻撃して、海には一切触れていなかったのはさすがだ。
本来の大きさで戦っていたから漁師のみなさんに驚かれたのはいい思い出だ。
倒した水棲魔物は、シーサーペント。体長は20メートル級。
肉は町の人全員に行き渡り、鱗や骨、牙や魔石は冒険者ギルド行き。
滅多に出ない魔物だからと、それはもうお祭り騒ぎになったのはいいが、このシーサーペントの討伐で、ランクアップ試験を受けることなく、私のランクがAマイナスからAに上がってしまった。これはシーサーペントだけじゃなくてスタンピードもどきだった状態をほぼ解消したことと、盗賊を潰した功績によるものである。
いらねー!
今度盗賊に出会ったら、人質がいない場合に限り、シカトしよう。そうしよう。
そして料理だけど、さすがに塩味は飽きたからと、町で売られていた魚醤を買い、宿の料理人でもあるご主人に直談判して料理をさせてもらった。もちろん、彼も一緒に料理をするという条件でね。
その魚醤と酒を使い、煮物や照り焼きを作ってみた。
「……美味い! これって、魚醤ってやつだろ? こんな使い方があるとは……」
「他にも、肉にも使えるわ」
「ほんとか⁉ 教えてくれ!」
「いいわよ」
一角兎の肉を買って来て、それで煮物や串焼きを作ってみる。なんというか、ここで作られている魚醤は、醤油に近い味がするのだ。
だからこそ、煮物や照り焼きが作れたともいう。
串焼きは、焼き鳥のように塗るタイプと、焼き肉のようにタレをつけて食べるタイプのものを用意。他にもレモン塩の作り方や、酒の肴として刺身も教えてみた。
最初は生で魚を食べることに忌避感があったみたいなんだけれど、目の前で料理のスキルを持っている人についている除菌というか除虫というか、そういう魔法を使ってから私が味見をすると、彼らも真似をして食べ始めた。
美味いという人、食べてみたけれど合わないという人がいたが、そこは好みの問題だからいい。
「採れたてが一番だけど、できれば生は二日以内に食べてね。傷んでしまうから」
「わかった。それを過ぎたら煮ればいいな」
「そうね。あとは、油を使うけど、フライというのがあるの」
ステンレスのインゴットを出してすりおろし器を作り、それを使って硬いパンを粉々にしてもらっている間に、卵と小麦粉を用意。小麦粉、卵、パン粉の順番につけ、少なめの油を使って揚げ焼きにすれば完成。
それが面倒なら小麦粉を水で溶いたバッター液を作ってそこに入れたあと、パン粉をつける方法もやってみせる。
キャベツを千切りにしてもらい、ソースとマヨネーズも用意。
ソースとマヨネーズはこの世界にあるから、特に問題ないのだ。宿の料理人によると、転移者が教えてくれたらしい。だったら、料理も一緒に教えておけよ! と内心で突っ込んだのは言うまでもない。
そのマヨネーズの中にみじん切りにしたきゅうりや玉ねぎ、パセリを入れてタルタルソースを作り、キャベツと魚のフライ、タルタルソースとソースを別々にして器に盛ると、これだけで一品になる。
「今は魚を使ったけど、えびや牡蠣、野菜とホタテの貝柱でも作ることができるわ」
「おお! やってくれ!」
「ははは……」
料理に対して貪欲なおっさんだなあ……と感心しつつ、ブラックタイガーとバナメイエビ、カキフライ、貝柱と野菜を使ったかき揚げを作る。油が少々高いから毎日は無理だが、週に一回とか月に一回くらいなら採算が取れるのではないかと話し、あとはおっさんに任せることに。
他にもホタテバターを教え、仕上げに魚醤を垂らして食べさせてみたり、つぶ貝の煮込みを教えてみたり。
レパートリーがたくさん増えたからなのか、おっさんも女将さんも、とても嬉しそうにしていた。その報酬として、宿代と食事代が三日分タダになったのには驚いたが。
そのうち、近くの港町に広がっていくかもしれないけれど、この町、しかも一週間限定でレシピの登録をした。全部の国や町で作れるものじゃないからね~、これは。この町の特産物としてやればいいと思う。
一週間にしたのは、それだけあれば、この町全体に広がると踏んだからだ。期間が過ぎればレシピが戻ってくるんだから、私が町を出たあとでも大丈夫だろう。
そんな感じで十日間滞在し、ミュルデルの町をあとにする。
とっても楽しかった!
あと、真珠を売ってくれたお兄さんに自分で作ったイヤリングを見せてみたんだけど、「こうなるのか!」と感動していた。その後、何かを考えるような仕草をしていたから、もしかしたら何か閃いたのかもしれない。
それがアクセならいいなあ。そうすれば、この町の特産品になる可能性があるんだから。
それは今後のお兄さんのやる気と、アクセ作りの腕次第。もし教えてほしいと言われたら、きっちり教えるよ。ただし、ギルドにはレシピ登録しないけどね。
全国で採れるものじゃないからね、真珠も。海の町でさえ、場所によっては採れない可能性もあるわけだし。そこは様子を見て、お兄さんが弟子を取るなりなんなりすればいいだけの話だ。
ぶっちゃけ、丸投げです。
そんな私やお兄さんの事情はともかく。
町を出て街道を北に向けてゆっくり走るリコ。右に海が見え、太陽の光を反射してキラキラと輝いている。
<綺麗なのー>
<風も気持ちいいわ>
<ああ。飛んでても魔物も襲って来ないし>
<走ってても気持ちいいな>
「ふふ、そうね」
従魔たちがそれぞれの感想を言って、楽しそうにしている。うん、とっても和む!
冒険者を抜き、隊商も抜いて走るリコは、本当に楽しそうだ。しばらく走っていたら、ピオが人が倒れていると言ってきた。
「どんな格好をした人?」
<獣人だよ。んー、耳の形しかわからないから、どの獣人がわからないが>
「そう」
さて、どうするか。シカトしてもいいが、ノンが<怪我なら治すのー!>と張り切っているから、内心溜息をつきつつその人物に近寄る。もちろん、警戒は忘れないし、いざとなったらピオかエバに雷を使ってもらおうと、念話を飛ばす。
「うぅ……」
「大丈夫? どこか怪我をした?」
「…………た……」
「は?」
「腹、減った……」
「<<<<……>>>>」
獣人の言葉と同時に、ぐうぅ~とあたりにお腹が鳴る音が響く。それにドン引きしつつ、持っていたサンドイッチを渡すと、その獣人――熊の獣人は目を輝かせながら一気食い。
他にも何の味もついてないパンと一緒にスープも渡すと、それも綺麗さっぱりたいらげた熊獣人は、やっと満足したのかふう……と息を吐き出した。
「ありがとう! 俺はこの先にある村の住人で、ラモンという。助かった!」
「どういたしまして。私はアリサ、この子たちは私の従魔なの。どうしてここに倒れていたの?」
「実は……」
ラモンが住んでいる村は海沿いにあるが、近くに大きな漁港があるせいで、こちらに人が来ることは滅多にない。細々と海苔や佃煮、塩漬けのわかめや乾燥昆布を作って町で売っているが、その売り上げのほとんどを町に取られ、村にはお金が入って来ないという。
おいおい……あの漁港で売っていた佃煮たちにはそんな理由があったのか。どうりでどこで作っているのか聞いても、言葉を濁すわけだよ。自分たちが不正をしているんだから、痛い腹を探られたくはないわな。
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「は?」
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・「転移先は薬師が少ない世界でした」1~6巻、文庫版1~2巻発売中。こちらは本編完結。
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
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