我が家の猫は王様である

饕餮

文字の大きさ
18 / 36

脱走

しおりを挟む
 以前住んでいた家と今住んでいる家で、龍は何回か脱走しているんだけど、その中で一番印象深いのが以前住んでいた家。
 うちの近所に野良猫が何匹かいた。通り道なのか縄張りなのかはわからないけど、一日に一回、我が家の庭を歩いているのを目撃している。そんな様子を、龍はキャットタワーから眺めていた。

 季節は忘れてしまったけどその日はとてもいい天気で、窓を開けて網戸をし、風の通りをよくしていた。そこに通りかかったのが、サビトラの野良猫。
 いつもはキャットタワーの上にいるのに、その日は窓が開いていたから、窓際から外を見ていた。そこに件の野良猫が通りかかったのだ。
 どこかの家でご飯をもらっているのか、太っているわけじゃないけど、そこそこ体格がいい。
 お互いに目があったけど、野良猫のほうは家猫に慣れているのか、威嚇もせずに佇んでいただけなんだけど、龍は初めて目があった存在だからなのか、珍しく尻尾を太くして威嚇していた。
 まあ、龍にしてみれば、自分のテリトリーに入ってきた侵入者って感じなんだろう。

 喧嘩して怪我されても困るから遠ざけようかな、どうしようかな、と考えている隙に興奮した龍が網戸に激突。網戸がバターン! と上から外れてしまったのだ!
 もちろん野良猫はその音に驚いて逃げ、龍も一瞬固まったものの、そこから脱走。
 私も慌てて追いかけたものの、なかなか捕まらず……。

 結局龍を捕獲したのは一時間後だった。

 捕まえた時は、畑などに入ったせいで、全身真っ黒だった龍。大嫌いになってしまったお風呂に入れ、全身綺麗にしたのだった。


 写真は今の家に来てからですが、以前住んでいた家でもこんな感じで外を眺めていました。




 時にはこんな場所で外を眺めたり(笑)土の上が暖かかったんでしょう。



しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...