6 / 10
第6話
しおりを挟む
ウォークダウンから始まって各種点検、キーパーとのやり取りを終えてタクシー・アウト。管制とのやり取りを経て一回スモークを吐き出し、空へと上がるブルーインパルス。
まずは一番機から四番機によるダイヤモンド編隊飛行、そして五番機と六番機によるローアングルキューバンテイクオフ。ブルーインパルスの展示飛行は、ここがスタートともいえるだろう。
見ていて毎度思うが、五番機が滑走路にほど近い超低空飛行から、一気に真上へと上がるローアングルキューバンテイクオフは、相当な重力がかかるはずだ。途中で横切るようにクロスする六番機も。
もちろんそれは他の四機にも言えることで、円を描くために横回転するものは、軽くても3Gはかかっているはずなのだ。見ている分には綺麗に並んだ編隊と演技ではあるが、操縦桿を握っているパイロットはかなり過酷な状況といえる。
五番機以外の五機で形作る、スター&クロス。
六機で360度横回転して花びらを描く、サクラ。
四番機、五番機、六番機、または五番機と六番機によるキューピッド。キューピッドは四番機が矢の部分を担っているため、基地や演技する場所によっては矢がない場合もある。
そしてコーク・スクリューと呼ばれる、直進する五番機を中心にして六番機が三回バレルロールを行う演目は、コルクの栓抜きのような軌道がスモークで描かれる。
他にもたくさんあるが、広報用や内部映像、マニアやファンが撮影したものを見るたびに、唖然としたものだ。
今日も今日とて雲ひとつない青空に、白と青の機体が大空を自由自在に飛び回る。
観客の歓声はこの時間帯が一番多く、人の動きもほぼ止まる。夢と希望、感動を与えるブルーインパルスの演技は、広報を担っている彼らの面目躍如といったところか。まさに脱帽ものだ。
ブルーインパルスの展示飛行が終わり、エプロンに戻ってくると観客が移動し始め、早くも帰路に着くものが出始める。この段階で観客を誘導しつつ、ゴミの確認だ。
ブルーが終わると、俺たちF-4EJ改のパイロットと整備員による、緊急発進訓練の展示。それが終わると今まで地上展示をしていたF-15が地上展示を終え、点検後にエプロンへと移動。
彼らは少しばかりの飛行展示をしたあと、そのまま小松基地へと帰る。
滑走路に出ると空へと舞い上がるF-15。一度基地まで戻ってきてできるだけゆっくり低空飛行をしつつ、俺たちや観客に向かい翼を左右に振ってから、青空の中へとその姿を消した。
これで全てのプログラムを終えたことになる。
ちなみに、他基地所属のC-2とT-4ブルーインパルスは、明日帰投する予定だが、天候によってはその限りではない。
あとは、閉門時間である十五時ギリギリまでいるマニアやファンたちの質問に答えつつ、片付けを始める。それと同時に残っている人間にすぐに帰るよう、無言で促すのだ。
そこまでやると、残りは掃除と片付けをすれば、航空祭は終わり。
なんだが。
観客がいなくなり、手分けして他の機体を格納庫に移動し始めたり、ロープを片付けたり、ゴミ袋とゴミ拾い用のトングを持った段階で、猫たちが来た。しかも、駐機しているじいさんたちやブルーインパルスに近づいていたのだ。
それに慌てたのは俺たちで、ブルーのキーパーたちはのんびりと猫たちを見ている。おいおい、大丈夫なのか⁉
「お、百里にも猫がいるのか」
「松島よりも数が多いな」
「「「にゃあん」」」
「人懐っこいなあ、お前ら」
甘えるようにすり寄ってきた猫に、わざわざかがんで頭を撫でるキーパーたち。しかも、猫たちがブルーの脚に頭と体を擦り付けても、苦笑するだけに留めている。
「「「って、いいのかよ!」」」
「掃除は大変だが、傷をつけなければいいさ」
なんとも寛大だな。
松島の猫たちはどうなのか聞くと、写真を撮りに来ているマニアの数が多いからなのか、全くと言っていいほど近寄ってこないんだとか。来ても官舎があるところくらいで、ハンガーがあるような場所には近寄らないらしい。
だからこそ、うちの猫たちの様子が珍しいんだと。
「は~……さすがはブルーさんだな」
「まあ、まだ悪さしていないしな」
「この子たちはどうなんだ?」
「じいさん限定だが、コックピットに入って寝るわ、脚にじゃれつくわで掃除が大変なんだよ」
「へえ! T-4よりも高さがあるのに、コックピットに上がるのか!」
「階段がある時限定だけどな」
お前たち、凄いな! とキーパーたちに褒められ、得意そうに「にゃん!」と鳴く猫たち。
「「「おーまーえーらー!」」」
「にゃあん」
「にゃあ~」
「「「甘えて鳴くんじゃねぇ!」」」
「あはははっ! 息ぴったりだな!」
猫に突っ込みを入れていたら、キーパーたちに笑われた。くそう、猫め!
七機のブルーの脚にじゃれついた猫たちは、バイバイをするかのように尻尾をふると、じいさんのところへと行く。そのままじいさんたちの脚元にじゃれつき始めた。
『おや、今日は来ないと思ったんじゃがのう』
『来たのか』
「「にゃあん」」
「お、猫が鳴いたな」
「可愛いな」
「「「…………」」」
微笑ましそうに猫を見る、ブルーのキーパーたち。猫の毛がないか点検しつつ様子を窺っている。
その声と彼らの動きを見る限り、じいさんたちの声が聞こえていないというのが伺える。
なんと羨ましいことか。あのじいさんたちの声が聞こえないなんて。
やっぱり、百里にいるパイロット限定なのかと、一緒にいた奴らと顔を見合わせ、小さく溜息をついた。そしてそろそろ掃除に向かうかと移動を始めた時だった。
「「…………え?」」
俺とシェードの声が重なる。
なんと、じいさんの傍に1970年代に着ていたパイロットスーツや、白髪をオールバックにし、着物と羽織を身に着けた精悍な顔をした老齢の男たちがいるではないか!
なんでこんなところにと声をかけようとするが、彼らは透けている。そのことにシェードと顔を見合わせ、もう一度彼らを見て目を丸くする。
彼らは猫を見て優し気に微笑み、しゃがんで猫を撫でる。猫たちも甘えるように尻尾をピンとたてて頭と体をこすりつけ、ごろんと横になって気持ちよさそうに撫でられて喉とゴロゴロと鳴らしているのだ。
「「…………マジかぁ……」」
小さく呟き、溜息を吐く。嫌な感じはしないし、幽霊の類とはまた違った雰囲気を醸し出している男たち。
どちらかといえば清廉な雰囲気で、神社にお参りに行ったような雰囲気の男たちだ。
「シェード、あれは……」
「たぶんだが、じいさんたちの姿だと思う」
「え……」
「神様たちの雰囲気に近いから、付喪神となったじいさんだろうな」
「やっぱりか……」
二人でコソコソと話し、またもや同時に溜息を吐く。そうこうするうちに男たちの姿はすぅっと消えた。
それでも猫たちはそのままの姿だから、いまだに撫でられているんだろう。
「「……まあ、いいか」」
「悪さするなよ」
「じいさんたちも悪ささせるなよ」
『おや。ジッタ坊以外では初めて聞こえたぞい』
『儂らの姿も見えたようじゃしのう』
『これでジッタ坊と猫たち以外とも、話ができるのう』
『楽しみじゃのう』
「「……」」
呵々と朗らかに笑ったじいさんたちに、胡乱げな目を向ける。が、じいさんたちは飄々とした様子で笑っている。
F-4EJ改のパイロットになって約八年。
俺とシェードは、初めてじいさんに認められたような気がして、なんだか嬉しかった。
まずは一番機から四番機によるダイヤモンド編隊飛行、そして五番機と六番機によるローアングルキューバンテイクオフ。ブルーインパルスの展示飛行は、ここがスタートともいえるだろう。
見ていて毎度思うが、五番機が滑走路にほど近い超低空飛行から、一気に真上へと上がるローアングルキューバンテイクオフは、相当な重力がかかるはずだ。途中で横切るようにクロスする六番機も。
もちろんそれは他の四機にも言えることで、円を描くために横回転するものは、軽くても3Gはかかっているはずなのだ。見ている分には綺麗に並んだ編隊と演技ではあるが、操縦桿を握っているパイロットはかなり過酷な状況といえる。
五番機以外の五機で形作る、スター&クロス。
六機で360度横回転して花びらを描く、サクラ。
四番機、五番機、六番機、または五番機と六番機によるキューピッド。キューピッドは四番機が矢の部分を担っているため、基地や演技する場所によっては矢がない場合もある。
そしてコーク・スクリューと呼ばれる、直進する五番機を中心にして六番機が三回バレルロールを行う演目は、コルクの栓抜きのような軌道がスモークで描かれる。
他にもたくさんあるが、広報用や内部映像、マニアやファンが撮影したものを見るたびに、唖然としたものだ。
今日も今日とて雲ひとつない青空に、白と青の機体が大空を自由自在に飛び回る。
観客の歓声はこの時間帯が一番多く、人の動きもほぼ止まる。夢と希望、感動を与えるブルーインパルスの演技は、広報を担っている彼らの面目躍如といったところか。まさに脱帽ものだ。
ブルーインパルスの展示飛行が終わり、エプロンに戻ってくると観客が移動し始め、早くも帰路に着くものが出始める。この段階で観客を誘導しつつ、ゴミの確認だ。
ブルーが終わると、俺たちF-4EJ改のパイロットと整備員による、緊急発進訓練の展示。それが終わると今まで地上展示をしていたF-15が地上展示を終え、点検後にエプロンへと移動。
彼らは少しばかりの飛行展示をしたあと、そのまま小松基地へと帰る。
滑走路に出ると空へと舞い上がるF-15。一度基地まで戻ってきてできるだけゆっくり低空飛行をしつつ、俺たちや観客に向かい翼を左右に振ってから、青空の中へとその姿を消した。
これで全てのプログラムを終えたことになる。
ちなみに、他基地所属のC-2とT-4ブルーインパルスは、明日帰投する予定だが、天候によってはその限りではない。
あとは、閉門時間である十五時ギリギリまでいるマニアやファンたちの質問に答えつつ、片付けを始める。それと同時に残っている人間にすぐに帰るよう、無言で促すのだ。
そこまでやると、残りは掃除と片付けをすれば、航空祭は終わり。
なんだが。
観客がいなくなり、手分けして他の機体を格納庫に移動し始めたり、ロープを片付けたり、ゴミ袋とゴミ拾い用のトングを持った段階で、猫たちが来た。しかも、駐機しているじいさんたちやブルーインパルスに近づいていたのだ。
それに慌てたのは俺たちで、ブルーのキーパーたちはのんびりと猫たちを見ている。おいおい、大丈夫なのか⁉
「お、百里にも猫がいるのか」
「松島よりも数が多いな」
「「「にゃあん」」」
「人懐っこいなあ、お前ら」
甘えるようにすり寄ってきた猫に、わざわざかがんで頭を撫でるキーパーたち。しかも、猫たちがブルーの脚に頭と体を擦り付けても、苦笑するだけに留めている。
「「「って、いいのかよ!」」」
「掃除は大変だが、傷をつけなければいいさ」
なんとも寛大だな。
松島の猫たちはどうなのか聞くと、写真を撮りに来ているマニアの数が多いからなのか、全くと言っていいほど近寄ってこないんだとか。来ても官舎があるところくらいで、ハンガーがあるような場所には近寄らないらしい。
だからこそ、うちの猫たちの様子が珍しいんだと。
「は~……さすがはブルーさんだな」
「まあ、まだ悪さしていないしな」
「この子たちはどうなんだ?」
「じいさん限定だが、コックピットに入って寝るわ、脚にじゃれつくわで掃除が大変なんだよ」
「へえ! T-4よりも高さがあるのに、コックピットに上がるのか!」
「階段がある時限定だけどな」
お前たち、凄いな! とキーパーたちに褒められ、得意そうに「にゃん!」と鳴く猫たち。
「「「おーまーえーらー!」」」
「にゃあん」
「にゃあ~」
「「「甘えて鳴くんじゃねぇ!」」」
「あはははっ! 息ぴったりだな!」
猫に突っ込みを入れていたら、キーパーたちに笑われた。くそう、猫め!
七機のブルーの脚にじゃれついた猫たちは、バイバイをするかのように尻尾をふると、じいさんのところへと行く。そのままじいさんたちの脚元にじゃれつき始めた。
『おや、今日は来ないと思ったんじゃがのう』
『来たのか』
「「にゃあん」」
「お、猫が鳴いたな」
「可愛いな」
「「「…………」」」
微笑ましそうに猫を見る、ブルーのキーパーたち。猫の毛がないか点検しつつ様子を窺っている。
その声と彼らの動きを見る限り、じいさんたちの声が聞こえていないというのが伺える。
なんと羨ましいことか。あのじいさんたちの声が聞こえないなんて。
やっぱり、百里にいるパイロット限定なのかと、一緒にいた奴らと顔を見合わせ、小さく溜息をついた。そしてそろそろ掃除に向かうかと移動を始めた時だった。
「「…………え?」」
俺とシェードの声が重なる。
なんと、じいさんの傍に1970年代に着ていたパイロットスーツや、白髪をオールバックにし、着物と羽織を身に着けた精悍な顔をした老齢の男たちがいるではないか!
なんでこんなところにと声をかけようとするが、彼らは透けている。そのことにシェードと顔を見合わせ、もう一度彼らを見て目を丸くする。
彼らは猫を見て優し気に微笑み、しゃがんで猫を撫でる。猫たちも甘えるように尻尾をピンとたてて頭と体をこすりつけ、ごろんと横になって気持ちよさそうに撫でられて喉とゴロゴロと鳴らしているのだ。
「「…………マジかぁ……」」
小さく呟き、溜息を吐く。嫌な感じはしないし、幽霊の類とはまた違った雰囲気を醸し出している男たち。
どちらかといえば清廉な雰囲気で、神社にお参りに行ったような雰囲気の男たちだ。
「シェード、あれは……」
「たぶんだが、じいさんたちの姿だと思う」
「え……」
「神様たちの雰囲気に近いから、付喪神となったじいさんだろうな」
「やっぱりか……」
二人でコソコソと話し、またもや同時に溜息を吐く。そうこうするうちに男たちの姿はすぅっと消えた。
それでも猫たちはそのままの姿だから、いまだに撫でられているんだろう。
「「……まあ、いいか」」
「悪さするなよ」
「じいさんたちも悪ささせるなよ」
『おや。ジッタ坊以外では初めて聞こえたぞい』
『儂らの姿も見えたようじゃしのう』
『これでジッタ坊と猫たち以外とも、話ができるのう』
『楽しみじゃのう』
「「……」」
呵々と朗らかに笑ったじいさんたちに、胡乱げな目を向ける。が、じいさんたちは飄々とした様子で笑っている。
F-4EJ改のパイロットになって約八年。
俺とシェードは、初めてじいさんに認められたような気がして、なんだか嬉しかった。
2
・「転移先は薬師が少ない世界でした」1~6巻、文庫版1~2巻発売中。こちらは本編完結。
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ」一巻発売中!
を連載中。
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ」一巻発売中!
を連載中。
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
お気に入りに追加
176
あなたにおすすめの小説

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。

王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる