4 / 10
第4話
しおりを挟む
「おーい、苦情が来たぞ。不法投棄だってよ」
シャッターを完全に締め切った直後、整備班の統括班長が建物へと続く扉から、ハンガー内へ飛び込んできた。これから明日の航空祭に向けて、滑走路の保全点検をするところだというのに、だ。
滑走路の点検はとても大事で重要だ。ゴミどころか石ころひとつ落ちているだけで、タイヤが破損する可能性がある。そしてゴミはエンジンをダメにするのだ。
それを防ぐためにも、滑走路の点検は欠かせない。
結局、滑走路の点検と警邏の手伝いとで人数を分けることに。まあ、滑走路に関しては、他の連中もやることだし、統括班長からってことは上から出された指示なんだろう。
「どのみち、警邏だけでは手が足りんからな。今日と明日、我慢すればいいだけだ」
「そうは言うが、不法投棄に関してはほぼ毎日のことだろう?」
「まあな。写真を撮りに来るのは勝手だが、マナーくらい守れって話だよな」
「ああ。近くでは民間航空機も離発着してるってのに、迷惑な話だよ」
「それな」
フェンスに向かって歩きながら、全員でぼやく。
基地に来る苦情は様々だが、自衛隊の人気が上がるにつれて、とあることが問題になっていた。それは、一部マナーがなっていないマニアによる、地元民の私有地や畑への不法侵入とゴミのポイ捨て、無断駐車だ。
そして、俺たちが話す不法投棄。
地元住民たちの苦情は不法侵入とゴミのポイ捨て、無断駐車が一番多いが、中には不法投棄の情報を知らせてくれる住民や、心あるマニアがいるのも事実。
この場合の不法投棄は、マナーの悪いマニアがいい写真が撮れるよう、場所取りのために置いていった脚立やブルーシートのことをいう。しかも、持っていかれないよう基地のフェンスにロックチェーンをして帰るという、とても悪質なものだった。
「県警に連絡は?」
「した。『先に通報者からご連絡をいただいていますが、またですか』と、苦笑されたけどな」
「仕方ないよな、航空祭間際は。まあ、普段もだが」
「一部だけってのはわかってるんだが、そいつらのせいできちんとマナーを守ってる奴も同じように言われるって、わからんのかね」
「わからないから平気でやるし、自己中なんだろうさ」
ブツブツと文句を言っている間にフェンスに着く。そのままフェンスに沿って歩くと、二十代くらいの男が二人と警察官が一人立っているのが見えてきた。
彼らの近くにはパトカーも停まっている。
「ご苦労様です」
「毎度申し訳ありません。こちらこそ助かります」
警察官は顔なじみの男だった。陸の自衛官並みに体格のいい男だが、優男風な面立ちだ。
彼に謝罪し、警察官と一緒に男二人から事情を聴く。彼らは今日の予行と明日の航空祭のために他県から来た者だそうだ。
泊まるホテルでチェックインしたあと、基地の場所を確かめるために徒歩でここまで来た。そして先ほどまでやっていた予行の様子を写真に撮ったり、動画を収めていたという。
彼らが来た時、ここには五十代くらいの男性が三人いて、白い望遠レンズを構えて写真を撮ったり話をしながらタバコを吸っていたそうだ。そのタバコも携帯灰皿などを使うことなくそこらに灰を落とし、タバコ自体も地面に捨て、靴先で火を消していたらしい。
「注意しようかと考えたんですけど、トラブルになっても困ると思って……」
「それに、なんだか雰囲気が悪いというか、自分たちさえよければいいみたいな話もしていました」
「そうですか。下手に関わらなくて正解です。場合によっては、傷害事件に発展しますから」
警察官の言葉に、若者二人は青ざめた。
ほんと、注意しなくてよかったよ。
その男たち三人にできるだけ関わりたくなくて五メートルほど離れた場所で写真を撮っていたが、二時間ほど写真を撮って満足したのか、荷物を置いていたブルーシートや脚立をそのまま置き、尚且つ脚立は持っていかれないようチェーンまでして「これでよし!」「明日は最高の場所で撮れるな!」と、機嫌よく車に乗り込み、去っていったという。
しかも、飲み食いしたゴミを持ち帰ることなく、そのままだったらしい。
さすがに見ていられなくなった二人は、車が見えなくなってから行動を開始。一人が先に基地と警察に連絡している間にもう一人がゴミ拾いをし、電話が終わった彼もゴミ拾いをしたそうだ。
綺麗になったところでパトカーが到着。話をしようとしたところに、俺たちも来たんだと。
「ゴミは俺たちが持って帰ります」
「いえ、こちらにお願いします。この不法投棄も一緒に持って帰りますので」
「……わかりました。それでは、お願いいたします」
「はい」
ゴミが入ったコンビニの袋を警察官に渡す、若者たち。その後は警察官に渡された書類に書き込んだ。
「あの、大変でしょうけど、応援しています」
「明日の航空祭、楽しみにしてますね」
「ありがとうございます。精一杯やります」
「「こちらこそ。ありがとうございました!」」
若者たちは俺たちを激励すると、嬉しそうな顔をして、警察官にも挨拶をして帰っていった。それを見送ったあと、警察官を含めた全員が溜息をつく。
「これ、切っていいんですよね?」
「お願いしてもいいですか」
「ええ。恐らくそちらの備品だと、カットは難しいでしょうし」
「ですね。そろそろ回収車も来ますので、それまでにお願いします」
「わかりました」
警察官と話したあと、シェードが持ってきていたチェーンカッターを使い、脚立とフェンスに括り付けられていたチェーンを切っていく。残っていた脚立は全部で五台、ブルーシートが二枚。
恐らく、三人のおっさんたちや彼らの仲間のものだろう。
ホント、年齢に関係なくマナーのなってないのはどこにでもいるよな……と、つい愚痴ってしまう。
その後、到着した回収車が脚立とブルーシート、ゴミを回収し、貼り紙をする。もちろん、おっさんたちへの警告と連絡先が書かれているものだ。
タバコの吸い殻もゴミと一緒に回収されているからなあ。憶測だが、他でも同じことをしてないか確認のために、回収したんだろう。
タバコの吸い殻には唾液が交じっているだろうから、DNA検査に回すのかもしれないし。
本当のところはどうであれ、悪質だとわかったら逮捕もあり得るからな。それが嫌なら、きっちりマナーを守ってほしいもんだ。
それらが続くと、こっちとしても撮影お断りとして、その場所を封鎖しないといけなくなる。
実際、別の基地で撮影スポットだった場所があったのだが、あくまでもそこは基地内の土地であり、こちらが黙認していただけだ。
それを自衛官が注意をしたにもかかわらず、何を勘違いしたのか、マナーがなってない数人のマニアが悪質な行為を繰り返した結果、その撮影スポットを含めた場所を封鎖し、基地の関係者しか入れなくしているのだ。
マナーを守って撮影していた人もいたようだが、こっちにしてみれば個人の判別ができない以上、全面的に禁止にせざるを得ない。
話は脱線したが、明日の航空祭のことで警察官と少し話をしたあと、その場を離れる。念のため、他にもないか確認するのだ。
フェンスに沿ってぐるりと回ると、まるで隠すように草や枝を敷き詰めた下に、脚立とピクニックに使うようなシートが隠されていたのを見つけた。もちろんチェーンで固定してある。
すぐに基地と警察に連絡すると、五分も経たずにさっきまで話していた警察官と一緒に、回収車も来た。
「ああ~、これはさすがに悪質ですね……」
「ああ。ゴミはないようだが、公道の草木を勝手に切っていますしね。これはさすがにダメでしょう」
「そうですね」
またもや全員で溜息をつき、俺たちがチェーンをカットしている間に、回収に来た人たちと警察官が草や枝を取り払う。出て来たのは脚立が三台とシートが二枚だ。
脚立はひとつだけがフェンスに括り付けられ、残りはその脚立にチェーンを巻いて繋ぎ、持って行かれないようにしていた。それも回収した警察官は、先ほどと同じように貼り紙をしている。
そして俺たちはまた移動。
結局、フェンスに括り付けてあった脚立があったのはこの二ヶ所だったが、他にもう二ヶ所、草や枝で隠すようにしていたのが見つかる。
ほんと、マジで勘弁してくれと悪態をつきつつ、建物があるほうへと戻ったのだった。
後日聞いた話だが、全部の箇所に脚立を不法投棄した人間が全員逮捕されたらしい。どうも他でもやっていたらしく、さすがに悪質なのと反省していないと判断され、逮捕に至ったそうだ。
実際は本当のことなのかどうなのかわからないが、火のないところには煙は立たないと言うしな。これに懲りてしっかり反省してくれ。
*******
このお話はフィクションですが、脚立を基地のフェンスに括り付けている写真を、SNSで何度も見たことがあります。本当に回収されるのか、やった人が逮捕されるのかは知りませんし、調べた限りでは出てきませんでした。
ただ、実際に地元住民や基地が迷惑をしていることは確かで、撮影していた場所を封鎖した基地があります。
そこはご理解ください。
シャッターを完全に締め切った直後、整備班の統括班長が建物へと続く扉から、ハンガー内へ飛び込んできた。これから明日の航空祭に向けて、滑走路の保全点検をするところだというのに、だ。
滑走路の点検はとても大事で重要だ。ゴミどころか石ころひとつ落ちているだけで、タイヤが破損する可能性がある。そしてゴミはエンジンをダメにするのだ。
それを防ぐためにも、滑走路の点検は欠かせない。
結局、滑走路の点検と警邏の手伝いとで人数を分けることに。まあ、滑走路に関しては、他の連中もやることだし、統括班長からってことは上から出された指示なんだろう。
「どのみち、警邏だけでは手が足りんからな。今日と明日、我慢すればいいだけだ」
「そうは言うが、不法投棄に関してはほぼ毎日のことだろう?」
「まあな。写真を撮りに来るのは勝手だが、マナーくらい守れって話だよな」
「ああ。近くでは民間航空機も離発着してるってのに、迷惑な話だよ」
「それな」
フェンスに向かって歩きながら、全員でぼやく。
基地に来る苦情は様々だが、自衛隊の人気が上がるにつれて、とあることが問題になっていた。それは、一部マナーがなっていないマニアによる、地元民の私有地や畑への不法侵入とゴミのポイ捨て、無断駐車だ。
そして、俺たちが話す不法投棄。
地元住民たちの苦情は不法侵入とゴミのポイ捨て、無断駐車が一番多いが、中には不法投棄の情報を知らせてくれる住民や、心あるマニアがいるのも事実。
この場合の不法投棄は、マナーの悪いマニアがいい写真が撮れるよう、場所取りのために置いていった脚立やブルーシートのことをいう。しかも、持っていかれないよう基地のフェンスにロックチェーンをして帰るという、とても悪質なものだった。
「県警に連絡は?」
「した。『先に通報者からご連絡をいただいていますが、またですか』と、苦笑されたけどな」
「仕方ないよな、航空祭間際は。まあ、普段もだが」
「一部だけってのはわかってるんだが、そいつらのせいできちんとマナーを守ってる奴も同じように言われるって、わからんのかね」
「わからないから平気でやるし、自己中なんだろうさ」
ブツブツと文句を言っている間にフェンスに着く。そのままフェンスに沿って歩くと、二十代くらいの男が二人と警察官が一人立っているのが見えてきた。
彼らの近くにはパトカーも停まっている。
「ご苦労様です」
「毎度申し訳ありません。こちらこそ助かります」
警察官は顔なじみの男だった。陸の自衛官並みに体格のいい男だが、優男風な面立ちだ。
彼に謝罪し、警察官と一緒に男二人から事情を聴く。彼らは今日の予行と明日の航空祭のために他県から来た者だそうだ。
泊まるホテルでチェックインしたあと、基地の場所を確かめるために徒歩でここまで来た。そして先ほどまでやっていた予行の様子を写真に撮ったり、動画を収めていたという。
彼らが来た時、ここには五十代くらいの男性が三人いて、白い望遠レンズを構えて写真を撮ったり話をしながらタバコを吸っていたそうだ。そのタバコも携帯灰皿などを使うことなくそこらに灰を落とし、タバコ自体も地面に捨て、靴先で火を消していたらしい。
「注意しようかと考えたんですけど、トラブルになっても困ると思って……」
「それに、なんだか雰囲気が悪いというか、自分たちさえよければいいみたいな話もしていました」
「そうですか。下手に関わらなくて正解です。場合によっては、傷害事件に発展しますから」
警察官の言葉に、若者二人は青ざめた。
ほんと、注意しなくてよかったよ。
その男たち三人にできるだけ関わりたくなくて五メートルほど離れた場所で写真を撮っていたが、二時間ほど写真を撮って満足したのか、荷物を置いていたブルーシートや脚立をそのまま置き、尚且つ脚立は持っていかれないようチェーンまでして「これでよし!」「明日は最高の場所で撮れるな!」と、機嫌よく車に乗り込み、去っていったという。
しかも、飲み食いしたゴミを持ち帰ることなく、そのままだったらしい。
さすがに見ていられなくなった二人は、車が見えなくなってから行動を開始。一人が先に基地と警察に連絡している間にもう一人がゴミ拾いをし、電話が終わった彼もゴミ拾いをしたそうだ。
綺麗になったところでパトカーが到着。話をしようとしたところに、俺たちも来たんだと。
「ゴミは俺たちが持って帰ります」
「いえ、こちらにお願いします。この不法投棄も一緒に持って帰りますので」
「……わかりました。それでは、お願いいたします」
「はい」
ゴミが入ったコンビニの袋を警察官に渡す、若者たち。その後は警察官に渡された書類に書き込んだ。
「あの、大変でしょうけど、応援しています」
「明日の航空祭、楽しみにしてますね」
「ありがとうございます。精一杯やります」
「「こちらこそ。ありがとうございました!」」
若者たちは俺たちを激励すると、嬉しそうな顔をして、警察官にも挨拶をして帰っていった。それを見送ったあと、警察官を含めた全員が溜息をつく。
「これ、切っていいんですよね?」
「お願いしてもいいですか」
「ええ。恐らくそちらの備品だと、カットは難しいでしょうし」
「ですね。そろそろ回収車も来ますので、それまでにお願いします」
「わかりました」
警察官と話したあと、シェードが持ってきていたチェーンカッターを使い、脚立とフェンスに括り付けられていたチェーンを切っていく。残っていた脚立は全部で五台、ブルーシートが二枚。
恐らく、三人のおっさんたちや彼らの仲間のものだろう。
ホント、年齢に関係なくマナーのなってないのはどこにでもいるよな……と、つい愚痴ってしまう。
その後、到着した回収車が脚立とブルーシート、ゴミを回収し、貼り紙をする。もちろん、おっさんたちへの警告と連絡先が書かれているものだ。
タバコの吸い殻もゴミと一緒に回収されているからなあ。憶測だが、他でも同じことをしてないか確認のために、回収したんだろう。
タバコの吸い殻には唾液が交じっているだろうから、DNA検査に回すのかもしれないし。
本当のところはどうであれ、悪質だとわかったら逮捕もあり得るからな。それが嫌なら、きっちりマナーを守ってほしいもんだ。
それらが続くと、こっちとしても撮影お断りとして、その場所を封鎖しないといけなくなる。
実際、別の基地で撮影スポットだった場所があったのだが、あくまでもそこは基地内の土地であり、こちらが黙認していただけだ。
それを自衛官が注意をしたにもかかわらず、何を勘違いしたのか、マナーがなってない数人のマニアが悪質な行為を繰り返した結果、その撮影スポットを含めた場所を封鎖し、基地の関係者しか入れなくしているのだ。
マナーを守って撮影していた人もいたようだが、こっちにしてみれば個人の判別ができない以上、全面的に禁止にせざるを得ない。
話は脱線したが、明日の航空祭のことで警察官と少し話をしたあと、その場を離れる。念のため、他にもないか確認するのだ。
フェンスに沿ってぐるりと回ると、まるで隠すように草や枝を敷き詰めた下に、脚立とピクニックに使うようなシートが隠されていたのを見つけた。もちろんチェーンで固定してある。
すぐに基地と警察に連絡すると、五分も経たずにさっきまで話していた警察官と一緒に、回収車も来た。
「ああ~、これはさすがに悪質ですね……」
「ああ。ゴミはないようだが、公道の草木を勝手に切っていますしね。これはさすがにダメでしょう」
「そうですね」
またもや全員で溜息をつき、俺たちがチェーンをカットしている間に、回収に来た人たちと警察官が草や枝を取り払う。出て来たのは脚立が三台とシートが二枚だ。
脚立はひとつだけがフェンスに括り付けられ、残りはその脚立にチェーンを巻いて繋ぎ、持って行かれないようにしていた。それも回収した警察官は、先ほどと同じように貼り紙をしている。
そして俺たちはまた移動。
結局、フェンスに括り付けてあった脚立があったのはこの二ヶ所だったが、他にもう二ヶ所、草や枝で隠すようにしていたのが見つかる。
ほんと、マジで勘弁してくれと悪態をつきつつ、建物があるほうへと戻ったのだった。
後日聞いた話だが、全部の箇所に脚立を不法投棄した人間が全員逮捕されたらしい。どうも他でもやっていたらしく、さすがに悪質なのと反省していないと判断され、逮捕に至ったそうだ。
実際は本当のことなのかどうなのかわからないが、火のないところには煙は立たないと言うしな。これに懲りてしっかり反省してくれ。
*******
このお話はフィクションですが、脚立を基地のフェンスに括り付けている写真を、SNSで何度も見たことがあります。本当に回収されるのか、やった人が逮捕されるのかは知りませんし、調べた限りでは出てきませんでした。
ただ、実際に地元住民や基地が迷惑をしていることは確かで、撮影していた場所を封鎖した基地があります。
そこはご理解ください。
2
・「転移先は薬師が少ない世界でした」1~6巻、文庫版1~2巻発売中。こちらは本編完結。
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ」一巻発売中!
を連載中。
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
・「転移先は薬師が少ない世界でした」コミカライズ 1巻発売中。毎月第三木曜日更新
・「自重をやめた転生者は、異世界を楽しむ」一巻発売中!
を連載中。
・「転生したら幼女でした⁉ ―神様~、聞いてないよ~!」
を連載中です。よろしくお願いします!
お気に入りに追加
176
あなたにおすすめの小説

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。

王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる