7 / 7
最終話『これからも、その先も、ずっとずっと』
しおりを挟む初対面で値踏みして、勝手な思い込みで敵意剥き出されるのも、然もヴァルを自分の物のように扱う発言にも僕は頭にきている。
僕がヴァルを癒し要員として見てるのは、ヴァルも僕を見て喜んでくれているから成り立つことで ラセイのように依存して駄々をこねる子供のようなのは全くの別物だ。何よりも、僕は短時間でヴァルの優しさを身を以って知ってる。みっともなく泣いたことは、この際ノーカンだ・・・。
『アオオォォォォォオオオン!! 』
変化した僕の透き通るような啼き声で森中に響き渡り、またそれに反すように木霊した音が僕に戻ってきた。
その時、僕とヴァル、ラセイの周囲を覆うように強固なバリアが囲う。ヴァルは僕を見て目を細め、ラセイは固まっていた。
そりゃそうだ。だって、僕は さっきまで人間の姿だったんだから。
僕自身、初めて真面にスキル扱って上手くいったことに驚いてるくらいなんだから ラセイの固まりようは納得いく結果だよね・・・。
『アオイ・・・か? 』
「『うん、そうだよ。ヴァルが暴走したら森が大変なことになりそうだったし、僕の旅の目的を果たすまで自分の身も護れないのは嫌だから隠れて確認してたの。そしたら、面白いスキルがあったから2つのスキルを融合してみたら こうなったんだよね』」
『他の物が聞いたら、アオイの声は啼き声にしか受け取れまいな』
『な、なな、なんでお前みたいな下賤で下等生物が上位魔術を使えるんだ!! 』
「『懲りない馬鹿に教育施す僕の身にもなってみなよ! ヴァルがキレたら、此処一体は焦土と化すんだよ! お前の身勝手な敵意で、何の無関係もない森も動植物も妖精も全部!! 自分の存在が、この場所でどんな役割を成してるのか考えろよ!! 』」
それに・・・と、一度言葉を区切って
「『ヴァルは物じゃない!! 僕とヴァルの間には対等に得るものがあるから成り立っているけど、ラセイ、君とヴァルの間には何一つ成り立っているものは存在していない。 そして、僕は人間でもあるけど神とやらに愛されている称号を持っているから下位だろうと上位だろうと神様の気紛れで僕はスキルを獲得していってるから君よりは格上なんだよ!! (こんなふうに神様の名を使うのは罪悪感が半端ないんだけど、神様だって僕の死ぬっていうのを邪魔したようなスキル送ってきたし今は非常事態だから仕方ないよね)』」
そう、自分で勝手に納得した。
というか、無理矢理納得しないと疑問だらけで具合悪くなりそうで諦めた。
僕がヴァルを癒し要員として見てるのは、ヴァルも僕を見て喜んでくれているから成り立つことで ラセイのように依存して駄々をこねる子供のようなのは全くの別物だ。何よりも、僕は短時間でヴァルの優しさを身を以って知ってる。みっともなく泣いたことは、この際ノーカンだ・・・。
『アオオォォォォォオオオン!! 』
変化した僕の透き通るような啼き声で森中に響き渡り、またそれに反すように木霊した音が僕に戻ってきた。
その時、僕とヴァル、ラセイの周囲を覆うように強固なバリアが囲う。ヴァルは僕を見て目を細め、ラセイは固まっていた。
そりゃそうだ。だって、僕は さっきまで人間の姿だったんだから。
僕自身、初めて真面にスキル扱って上手くいったことに驚いてるくらいなんだから ラセイの固まりようは納得いく結果だよね・・・。
『アオイ・・・か? 』
「『うん、そうだよ。ヴァルが暴走したら森が大変なことになりそうだったし、僕の旅の目的を果たすまで自分の身も護れないのは嫌だから隠れて確認してたの。そしたら、面白いスキルがあったから2つのスキルを融合してみたら こうなったんだよね』」
『他の物が聞いたら、アオイの声は啼き声にしか受け取れまいな』
『な、なな、なんでお前みたいな下賤で下等生物が上位魔術を使えるんだ!! 』
「『懲りない馬鹿に教育施す僕の身にもなってみなよ! ヴァルがキレたら、此処一体は焦土と化すんだよ! お前の身勝手な敵意で、何の無関係もない森も動植物も妖精も全部!! 自分の存在が、この場所でどんな役割を成してるのか考えろよ!! 』」
それに・・・と、一度言葉を区切って
「『ヴァルは物じゃない!! 僕とヴァルの間には対等に得るものがあるから成り立っているけど、ラセイ、君とヴァルの間には何一つ成り立っているものは存在していない。 そして、僕は人間でもあるけど神とやらに愛されている称号を持っているから下位だろうと上位だろうと神様の気紛れで僕はスキルを獲得していってるから君よりは格上なんだよ!! (こんなふうに神様の名を使うのは罪悪感が半端ないんだけど、神様だって僕の死ぬっていうのを邪魔したようなスキル送ってきたし今は非常事態だから仕方ないよね)』」
そう、自分で勝手に納得した。
というか、無理矢理納得しないと疑問だらけで具合悪くなりそうで諦めた。
0
お気に入りに追加
112
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(5件)
あなたにおすすめの小説

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。


フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

仮面の兵士と出来損ない王子
天使の輪っか
BL
姫として隣国へ嫁ぐことになった出来損ないの王子。
王子には、仮面をつけた兵士が護衛を務めていた。兵士は自ら志願して王子の護衛をしていたが、それにはある理由があった。
王子は姫として男だとばれぬように振舞うことにしようと決心した。
美しい見た目を最大限に使い結婚式に挑むが、相手の姿を見て驚愕する。

代わりでいいから
氷魚彰人
BL
親に裏切られ、一人で生きていこうと決めた青年『護』の隣に引っ越してきたのは強面のおっさん『岩間』だった。
不定期に岩間に晩御飯を誘われるようになり、何時からかそれが護の楽しみとなっていくが……。
ハピエンですがちょっと暗い内容ですので、苦手な方、コメディ系の明るいお話しをお求めの方はお気を付け下さいませ。
他サイトに投稿した「隣のお節介」をタイトルを変え、手直ししたものになります。
〜Wild Cherry Blossom〜無自覚天才木工家、初めての春に惑う
鱗。
BL
父親が脱サラし、縁も所縁もない土地で喫茶店を経営し始めると決め、それに着いていく事になった小日向 渉は、そこから程近い場所にあった木工工房で、自らの夢を見出した。その後、その工房に就職した渉は、親方に勧められて若くして独立を果たすが、周囲の人間達に天賦の才があると言われても、中々、自分の腕に自信を持つ事が出来なかった。
そんなある日、ある喫茶店の敷地内にある山桜を切り、それを作品にして、その店に卸して欲しいという大きな依頼が舞い込む。その下見も兼ねて店に訪れた渉は、春そのものを閉じ込めた様な柔らかな雰囲気の青年、世良田 尚と出会う。
彼と会う度に彼への想いを深めていく渉だったが、叶わぬ恋だと、自分の胸の内にその気持ちを押し込め様とする。しかし、乾燥が終わった山桜から作品を生み出していくに連れて、渉は毎夜夢の中で尚に出会い、次第に彼のその肌に触れる願望を抑え切れなくなっていくのだった。
無自覚天才木工家の、切ない初恋の物語。軽くホラー。全二章。
当て馬系ヤンデレキャラになったら、思ったよりもツラかった件。
マツヲ。
BL
ふと気がつけば自分が知るBLゲームのなかの、当て馬系ヤンデレキャラになっていた。
いつでもポーカーフェイスのそのキャラクターを俺は嫌っていたはずなのに、その無表情の下にはこんなにも苦しい思いが隠されていたなんて……。
こういうはじまりの、ゲームのその後の世界で、手探り状態のまま徐々に受けとしての才能を開花させていく主人公のお話が読みたいな、という気持ちで書いたものです。
続編、ゆっくりとですが連載開始します。
「当て馬系ヤンデレキャラからの脱却を図ったら、スピンオフに突入していた件。」(https://www.alphapolis.co.jp/novel/239008972/578503599)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
主人公が、何処までも追い詰められていく様が、いい意味で不気味でした。
ラストがゾクッとしました。続きが読みたい作品です。
神様?の執着愛が深過ぎて……グッときました。