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最終章『そして、彼等は伝説となる』
〜最終話〜『そして、彼等は伝説となる』
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その内容は、一日目のそれとは、比べ物にならない程にまで濃密な時間となっていった。最初は静かな演奏から始まるボレロの様に、クライマックスに向けて次第に激しさを増していき、大団円の如くフィニッシュを迎えるという、『二人にとっては』ごく普通のそれが繰り返されていったのだが。雌が雄の腕の中で絶頂の時を迎える度に、雄の身体と心の昂りは、更に、更に、と止まる事を知らずに益々と増長していき、雌の骨盤が再び完全に開き切ったのを確認した瞬間、雄の本格的な猛攻が始まった。
雌の尻たぶを鼠蹊部と丸々と肥え太った陰嚢でびたびた弾きながら深々と亀頭を腹の奥に潜り込ませていく雄の本気の子作りが開始されると、雌は腰を抜かして、身体の奥深くにあるS状結腸の入り口をかっぽりと完全に開き、昨日、再三に渡り身体に覚え込まされた形状記憶を再現して、くの字型のそこをすっかりと直線の状態にし、雄の怒張を隙間無く迎え入れた。
その手前にある直腸S状部を子宮口とし、S状結腸の先を子宮と呼んでいる雄にあわせて、雌もその認識を持って交尾に挑んでいるのだが、『子宮で飲んで』と繰り返し言い聞かせながら凌辱の限りを尽くす雄に子種を撃ち込まれる度に、生き物として、雄として、誰よりも優秀な男に愛される雌に生まれた悦びを再確認しながら、雌は深い深い絶頂を味わい続けた。
雄に言われた通り、子宮に注がれる子種を溢さぬ様に、身体の奥深くから秘孔の入り口に掛けて、きゅ、きゅ、と一生懸命に窄めていたのだが、それが雄の怒張に対して更に刺激を加える結果を呼んでしまい、その膣から子宮までの刺激を受け入れた雄によって更なる子種が撃ち込まれ、敢えなく無駄な努力に終わってしまう、というくだりを、雌は飽きる事なく何度も繰り返していた。
雄はその無駄な努力を繰り返す雌が愛おしくて堪らなくて、唇にむしゃぶりつき、激しく腰を振りながら、雌に向けた止めどない愛をじっくりと溶け込ませた子種を、只管に雌の子宮目掛けて解き放ち続けた。
秘孔から溢れて出て、自分の太腿や尻たぶにだらだらと伝って、結果無駄撃ちに終わってしまった子種を見ているうちに、雌は自分の身体が本当に女のソレであればいいのにと、涙を流して悔やみ続けた。
女であれば、この雄の子が孕める。女であれば、この雄の為に愛の証が残せる。例え自分の身体がいつか教会に全て取り上げられても、この雄が一人道に迷う事なく生きて行ける確信が自分の中に生まれる。
この雄の子を孕みたい。
子を成したい。
家庭を築きたい。
『君と、生きていきたい』
そして。
その雌の切なる願いと、雄の夥しく堆く募らせた妄執と欲念が功を奏し。雌の身体に、ある変化が引き起こされて行った。
あるいは『奇跡』
あるいは『必然』
あるいは『呪い』
慰安旅行を終えて帰国し、一ヶ月が過ぎようとする頃。雅之の身体に悪阻としか判別しようの無い症状が現れ始めた。
次第に下腹部も膨らみ始め、乳首まで黒ずみ、まるで本当の妊婦の様な姿形に見た目を変化させていく雅之に、真司は只管に歓喜に震え、自分の想いに応えてくれた雅之と、その腹に宿った架空の存在でしかない新しい命に、愛しさを募らせていった。
悪阻の症状に苦しむ雅之を甲斐甲斐しく世話しながら、夜になれば、その膨らみ掛けた雅之の下腹に何度も唇を押し当てて、止めどなく感涙する。その愛しい男の頭を撫でてやりながら、慈愛に満ちた眼差しをその男に向けた雅之は、自分の愛する男の為にしてやれる事は何でもしてあげたいと願った。
精神科医によるカウンセリングと服薬の影響で、次第に元の自分の身体に戻り始めていく雅之に、真司が深く絶望するだろう事は明白だった。だから、その前に、その可能性を少しでも潰しておきたいと考えた雅之は、身重の身体を引き摺って、自分の体調を心配して集まった薔薇の八大原種と一部幹部達の前で、自分の身体に起きた変化を説明した後、騒然とする信者達に向けて、こう宣言をした。
『この国で同性婚が認められたその時、我は自らの伴侶として、この者、ケルベロスと契りを交わす』
神の、教祖の身体に無体を強いただけでなく、挙句の果てに想像妊娠まで引き起こさせた真司を、真司除外派の一部幹部達は激しく糾弾した。しかし、そんな真司を庇い、その後ろ盾として立ち塞がったのが………薔薇の八大原種達『全員』だった。
『それくらいの覚悟と情熱がない人間に、神の寵愛は向かないという事さ』
真司除外派だった一部幹部達は、怒りを通り越して青褪め始めたが、雅之の愛しき薔薇達の代表を務める蓮が、飄々とした態度で放ったその言葉に同意を示す他の薔薇の八大原種や、周囲の真司擁護派達の無言の同意を目にして、ぐぐ、と押し黙ってしまった。
『我のこの身体を醜いと思う者は去れ。しかし、これだけは最後に伝えよう。大義であった』
静まり返った大会議場に、雅之の声が冴え冴えと響き渡る。泣き崩れる者、悔しげに顔を歪める者、俯いて嗚咽を噛み締める者も稀にいたが、基本的には、男体での想像妊娠を果たすという、雅之の神秘性に胸を打たれた様子の人間達が大多数を占めていた。
そして、この一件は信者達の間で伝説となって語り継がれていき、雅之に対して信者達が寄せていた『人智を超えた存在=神』という図式が、本当の意味で信者達に浸透していく事となっていったのだ。
御方を守護し、神である御方の寵愛を最も深く注がれた存在であるケルベロスは、信者達から『神獣ケルベロス』として個人でも信仰を集める存在となっていき、その巨大信仰宗教の歴代教祖の中で、その名を最も広く世界に轟かせた雅之と対になる存在として、教会と、この地球そのものの歴史に燦然と輝き続ける事となっていくのだが。
その説明は完全なる蛇足に過ぎない為、この場にて割愛する。
その内容は、一日目のそれとは、比べ物にならない程にまで濃密な時間となっていった。最初は静かな演奏から始まるボレロの様に、クライマックスに向けて次第に激しさを増していき、大団円の如くフィニッシュを迎えるという、『二人にとっては』ごく普通のそれが繰り返されていったのだが。雌が雄の腕の中で絶頂の時を迎える度に、雄の身体と心の昂りは、更に、更に、と止まる事を知らずに益々と増長していき、雌の骨盤が再び完全に開き切ったのを確認した瞬間、雄の本格的な猛攻が始まった。
雌の尻たぶを鼠蹊部と丸々と肥え太った陰嚢でびたびた弾きながら深々と亀頭を腹の奥に潜り込ませていく雄の本気の子作りが開始されると、雌は腰を抜かして、身体の奥深くにあるS状結腸の入り口をかっぽりと完全に開き、昨日、再三に渡り身体に覚え込まされた形状記憶を再現して、くの字型のそこをすっかりと直線の状態にし、雄の怒張を隙間無く迎え入れた。
その手前にある直腸S状部を子宮口とし、S状結腸の先を子宮と呼んでいる雄にあわせて、雌もその認識を持って交尾に挑んでいるのだが、『子宮で飲んで』と繰り返し言い聞かせながら凌辱の限りを尽くす雄に子種を撃ち込まれる度に、生き物として、雄として、誰よりも優秀な男に愛される雌に生まれた悦びを再確認しながら、雌は深い深い絶頂を味わい続けた。
雄に言われた通り、子宮に注がれる子種を溢さぬ様に、身体の奥深くから秘孔の入り口に掛けて、きゅ、きゅ、と一生懸命に窄めていたのだが、それが雄の怒張に対して更に刺激を加える結果を呼んでしまい、その膣から子宮までの刺激を受け入れた雄によって更なる子種が撃ち込まれ、敢えなく無駄な努力に終わってしまう、というくだりを、雌は飽きる事なく何度も繰り返していた。
雄はその無駄な努力を繰り返す雌が愛おしくて堪らなくて、唇にむしゃぶりつき、激しく腰を振りながら、雌に向けた止めどない愛をじっくりと溶け込ませた子種を、只管に雌の子宮目掛けて解き放ち続けた。
秘孔から溢れて出て、自分の太腿や尻たぶにだらだらと伝って、結果無駄撃ちに終わってしまった子種を見ているうちに、雌は自分の身体が本当に女のソレであればいいのにと、涙を流して悔やみ続けた。
女であれば、この雄の子が孕める。女であれば、この雄の為に愛の証が残せる。例え自分の身体がいつか教会に全て取り上げられても、この雄が一人道に迷う事なく生きて行ける確信が自分の中に生まれる。
この雄の子を孕みたい。
子を成したい。
家庭を築きたい。
『君と、生きていきたい』
そして。
その雌の切なる願いと、雄の夥しく堆く募らせた妄執と欲念が功を奏し。雌の身体に、ある変化が引き起こされて行った。
あるいは『奇跡』
あるいは『必然』
あるいは『呪い』
慰安旅行を終えて帰国し、一ヶ月が過ぎようとする頃。雅之の身体に悪阻としか判別しようの無い症状が現れ始めた。
次第に下腹部も膨らみ始め、乳首まで黒ずみ、まるで本当の妊婦の様な姿形に見た目を変化させていく雅之に、真司は只管に歓喜に震え、自分の想いに応えてくれた雅之と、その腹に宿った架空の存在でしかない新しい命に、愛しさを募らせていった。
悪阻の症状に苦しむ雅之を甲斐甲斐しく世話しながら、夜になれば、その膨らみ掛けた雅之の下腹に何度も唇を押し当てて、止めどなく感涙する。その愛しい男の頭を撫でてやりながら、慈愛に満ちた眼差しをその男に向けた雅之は、自分の愛する男の為にしてやれる事は何でもしてあげたいと願った。
精神科医によるカウンセリングと服薬の影響で、次第に元の自分の身体に戻り始めていく雅之に、真司が深く絶望するだろう事は明白だった。だから、その前に、その可能性を少しでも潰しておきたいと考えた雅之は、身重の身体を引き摺って、自分の体調を心配して集まった薔薇の八大原種と一部幹部達の前で、自分の身体に起きた変化を説明した後、騒然とする信者達に向けて、こう宣言をした。
『この国で同性婚が認められたその時、我は自らの伴侶として、この者、ケルベロスと契りを交わす』
神の、教祖の身体に無体を強いただけでなく、挙句の果てに想像妊娠まで引き起こさせた真司を、真司除外派の一部幹部達は激しく糾弾した。しかし、そんな真司を庇い、その後ろ盾として立ち塞がったのが………薔薇の八大原種達『全員』だった。
『それくらいの覚悟と情熱がない人間に、神の寵愛は向かないという事さ』
真司除外派だった一部幹部達は、怒りを通り越して青褪め始めたが、雅之の愛しき薔薇達の代表を務める蓮が、飄々とした態度で放ったその言葉に同意を示す他の薔薇の八大原種や、周囲の真司擁護派達の無言の同意を目にして、ぐぐ、と押し黙ってしまった。
『我のこの身体を醜いと思う者は去れ。しかし、これだけは最後に伝えよう。大義であった』
静まり返った大会議場に、雅之の声が冴え冴えと響き渡る。泣き崩れる者、悔しげに顔を歪める者、俯いて嗚咽を噛み締める者も稀にいたが、基本的には、男体での想像妊娠を果たすという、雅之の神秘性に胸を打たれた様子の人間達が大多数を占めていた。
そして、この一件は信者達の間で伝説となって語り継がれていき、雅之に対して信者達が寄せていた『人智を超えた存在=神』という図式が、本当の意味で信者達に浸透していく事となっていったのだ。
御方を守護し、神である御方の寵愛を最も深く注がれた存在であるケルベロスは、信者達から『神獣ケルベロス』として個人でも信仰を集める存在となっていき、その巨大信仰宗教の歴代教祖の中で、その名を最も広く世界に轟かせた雅之と対になる存在として、教会と、この地球そのものの歴史に燦然と輝き続ける事となっていくのだが。
その説明は完全なる蛇足に過ぎない為、この場にて割愛する。
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