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第一章『無意識の衝動』
第七話『マスク越しのキス』
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「ねぇ、誰?俺の知ってる人?」
「ん、ん……どうかな。分かんない。大人しい子だから、お前は、知らないかもしれない。同じ図書委員でさ、今時、珍しいおさげ髪で……」
「なにそれ、全然分かんない。俺の情報網に掛かんない女子とか……」
そんな、深い溜息を吐かれましても。僕にとっては、初恋……の様に感じている、そんな相手を、遠回しに『地味』だとディスりまくって来ないでよ。これでも、かなり勇気を振り絞って、お前に告白したんだから。僕が図書委員の仕事中に限って出没するから、お前、僕が図書室担当の日の、ちょっとした名物になってるんですよ。あ、もう、人の目もあるんだから、カウンターの下に踞らないで。それにしても、話題を間違えたというか、タイミングを誤ったな。
放課後だから、利用者は少ないけれど、それでもある意味溜まり場的な扱いにはなっているから、こうしたデリケートな話は、やっぱり、公の場では今後取り扱わない様にしよう。
「その話の感じだと、同い年か年下だよね」
「えっ……と、そう。お前より、一個上、かな」
「へぇ、そうなんだ。それにしても、知らなかったなぁ。瑠衣君にも、遅めの春が来てたんだね」
「遅いかは……分からないけど」
中学生で初恋って、そんなに珍しいかな。僕には、良く分からない。友達と、世間一般で言う所の恋バナというのをした試しがないから、自分がどれくらい周りの同級生に比べて其方の方面の芽吹きが遅いのか、検討も付かなかった。
「なんでも相談してよって、いつも言ってるのに。委員会が決まったの、一学期の頭からじゃない。どうしてもっと早く話してくれなかったの?もっと早く話してくれていたら、俺、瑠衣君の為に色々と身動きが取れたのに」
なんだか最近、この子の拗ねてる顔、見てばかりいる気がする。こんな風に、僕とすれ違う日々が増えて。お互いについて知らない情報が段々と増えてから、何処となく。
でも、だって、仕方ないじゃない。僕は、これでいて受験生だから、まだ一年生のお前とは時間の過ごし方が違うし。そうなれば、お互いに一緒に居られる時間も変わってくるし。寧ろ、お互いの間に、程良い距離感が生まれるのは、自然な中にある成長の一環なんじゃないかと思うんだけど。この子はそれを、肌の感覚でもって否定したり、拒絶したり、反発したりしている様に、僕の目には映る。
僕達は、離れたらどうなっちゃうの?と周りの大人に心配されるくらいには、ずっと一緒に過ごしてきて。克樹も、そんな関係性に一度足りとも疑問を呈したり反発したりして来なかった。それどころか、僕が中学に進学してからは、僕が独りぼっちにならないようにと気遣ってか、自分のコミュニティにいる僕と同い年の人間を派遣して、そいつから僕の情報を仕入れたりしていた。
過保護過ぎるくらいに過保護で、いつだって僕を優先してくれていて。甘えん坊なのに、我儘で。僕の部屋に入り浸っては、輝かしい青春を食い潰して。お前は、僕なんかとは、生きる世界が違う人間なのに。どうして、僕みたいなつまらなくてありふれた人間に、そんなに拘るんだろうか。
『そんな風に扱われると、それが当然だと思う様になって、ただでさえ無い可愛げが、もっと無くなるよ』
そう告げた事がある、今年の春。僕は、僕の下着を使って自慰をする克樹を、彼の自室にて発見した。
箪笥から見なくなって久しいな。もしかしたら、洗濯して干している間に風にでも飛ばされたのか、嫌だなぁ、と思っていたそれは、母親と一緒に買い出しに行った際に、少しだけ背伸びして初めて買って貰った黒のボクサーパンツだった。克樹は勉強机の下で恥部を露わにし、買ったばかりのそれを、まだまだ発展途上の成長段階にある自分の性器に巻き付け、布ごと性器を激しく扱いていた。
女子の同級生に、リップも付けてないのに桜桃みたい、と囃されていた可愛らしい口からは、瑠衣君、瑠衣君、としきりに僕の名前が漏れていて。この光景は、僕の見間違いや勘違いではないのだという現実を僕の頭に叩き込んでいた。その光景を部屋の扉の隙間から覗いていた僕は、自分自身でも信じられない事に、声を殺しながら、見様見真似で、その場で、人生で初めての自慰を経験した。
そして、先に自慰を始めていた克樹よりももっと早く、自分が頂きに登り詰めると、頭に上った熱が、頭から足先に向かって、ざぁ、と冷めていって。塾からの帰り道に駅前で配られていたポケットティッシュを震える手で取り出し、サッと後片付けをして、その場を走り去った。
同じ敷地内にあるのかと見紛う程近くに軒を連ねている自宅に着くと、自分の部屋のある二階に駆け上がり、自室に立て籠った。次の日の朝、僕の体調を心配して声を掛けに来てくれた母親や、昨日後ろ姿だけを扉の隙間から確認した幼馴染の声にも、反応を返さず。帰宅した時と同じ格好の学年カラーのジャージ姿のまま布団に包まって、トイレに立つ以外、身動き一つ取らずに一日を過ごした。
なんて事を。僕は、あの子に、なんて事をしたんだ。気が付くのが遅過ぎた。そして、出会うのがあまりにも早過ぎた。距離感を間違えて、幼いあの子に自分自身を刷り込みさせて、その実、それに安堵すら感じていた僕は、どうしようもない愚か者だ。
どうしたらいいの。どうしたら、あの子に、それは間違っていると正せる?それは違うよ。きっと絶対に勘違いだよ。僕は、道端や草原にぽつりぽつりと咲いている野花みたいにちっぽけな存在で。まるで世界に花はそれ一つしかないと勘違いしている子供の様に、君は、価値観が、世界が、まだまだ狭いだけなんだよと、どうしたら、遠回しにでも伝える事が出来るんだろう。
他の異性に目が向けばいいのか。けど、克樹はどれだけ可愛いアイドルや芸能人を見ても興味関心という物を持った試しが無いし、周りに沢山いる女の子とも噂になった事は一度も無い。克樹を中心とした告白劇に巻き込まれる経験は数あれど、それが成就した事も、未だかつてない。克樹のコミュニティ内にある交友関係以外に、僕の知り合いの女の子はいないし、だからそれを紹介するのは可笑しな話だし、そもそもその子達はみんな克樹に立ち向かって玉砕している。だから、いますぐに他の異性に目を向けさせる、というのは、難しいように思えた。
なら、僕が、彼の中にある僕の価値を、自分から損なわせたりすればいいのか。僕に向ける興味関心を、僕から逸らせばいいんじゃないか。どちらかと言えば、その方法の方が頭に閃いて。それから先は、記憶に残っていない。気が付けば夜になっていて、頬には幾筋もの涙の跡が付いていた、それだけは確かな事実だった。
けれど、あの時の僕は、一体、何に対して号泣していたんだろう。その意味を、未だにもって考えたりする時もあるけれど。まだ、その答えは出ていない。それに、答えを出さなくていい問題も、この世にはあると思うから。これまでの人生のうちの最大の疑問として胸の中にあっても、積極的に胸の引き出しから取り出して、前から後ろからしげしげと眺めたり、封を開けて中身を見聞したりしようとはしなかった。
「だけどこれが、本当に、恋なのかどうかも、分からなくてね。だから、相談する前に、もっと自分の中で、答えを導き出して置きたくて」
「ねぇ、もしかして、だから最近、その本読んでるの?」
「……おかしい?」
「いいえ、全然」
口元、ニヤけてるよ。説得力ないなぁ。それでも、経験した事が無い以上は、先人が残してくれた本の知識に頼るしか無いじゃない。本の中にも答えがないのなら、体感してきた人の話を聞くとか。百聞は一見にしかずで、絶賛カップル爆誕中の二人組を観察してみるとか。それの複合的な情報から、自分なりに、初めての恋というものにもっと自分を傾倒していって、僕に寄せている刷り込みみたいな感覚を、徐々に僕から逸らしてくれたらな、なんて思ったり。
後は、受験勉強を理由に克樹を遠去けて置きながら、自分の異性関係には時間を割く最低な部分とかを見せ付けて、少しでもガッカリして欲しいとか、そんな算段も、此方にはあったりするのだけど。
ほら、友情より恋愛とかを優先する人間って、いつの時代も周囲から軽蔑されるって、この本にも書いてあるよ。だから、僕は大きな間違いは犯していないはず。
これでいいんだ、きっと。
いいんだ。
「瑠衣君の好きな人かぁ。きっと、素敵な人なんだろうな」
「……うん。凄く良い子だよ」
なのに、どうして、こんなにも、胸が、痛いの。君が、嬉しそうに、僕の初恋の到来を喜んで、笑っているその姿を見て。なんで、僕は、いま、深い後悔に苛まれてしまうの。
「あのね……この間なんか、僕が生徒会の仕事が伸びて、こっちの交代時間に被っちゃって」
正解が、痛い、のは、何故。本には、どうしてこの不可思議な状況を説明してくれる言葉が、載っていないの。
誰か、教えて。そして、僕の口を、今すぐに塞いで。
「その時もね、その子、文句も何も言わずに」
「瑠衣君」
夕陽が、図書室にある本棚の古びた蔵書を飴色に照らし、微かな印影を其処に作り出している光景の中、佇む君の、その鋭い声は。今まさに、僕が欲していた、僕の口を塞いでくれる冷たさや拒絶を孕んでいた。
「その子との思い出は、瑠衣君とその子の思い出なんだから、態々俺に話さなくても、いいんだよ」
話を遮られたのは、初めてだな、とか。笑ってるけど、そういえばこの子、さっきから目は全然笑ってないな、とか。
「それに、瑠衣君にとっては、長い長い人生の内の、大切な思い出の一ページなんだから」
この部屋、いつの間にか、他の誰もいなくて、二人きりで。だから、こんなにも静かで、だから、こんなにも冴え冴えと、この子の声が耳に届くのかな、とか。当時は色々と、考えたりしたけれど。
「慎重に扱わないと、破れちゃうよ」
この話の頭から最後までの全てが警告だったのだと気が付いた時には、もう全てが遅かった。
僕の初恋の相手として想定し、確かな好感を抱いて克樹に紹介した彼女は、その後、彼の興味関心が一度に集中したという理由から、もしや、克樹が初めて作る彼女候補なのではと噂され、壮絶な虐めのターゲットにされた。
僕が彼女を助けるために、彼女を庇えば庇うほど、克樹の興味は彼女に一身に注がれ、余計に周囲の波風となって、彼女の身に降り掛かった。僕の関心が向く相手には、克樹の関心も向く。そうなれば、周囲にいる人間達の好奇の目は、必然的にその人物に及ぶ。そんな状況にあって、健全な恋愛など出来る筈もなく、僕は早々に、克樹に対して、もう彼女に構うのはやめてくれ、と頼み込む事となった。
しかし、一方で、僕は、克樹が彼女に何もしていないという事も知っていたし、虐めを扇動したり、助長させようともしなかったのを知っていたし、時には彼女を庇う様な言動を彼女の目の前で取ることもあったのも知っていたから、どうすれば事態が好転するのか分からず。もう彼女を振り回すのはやめて、と言っても、克樹自身が指一本手出ししていない以上、僕が口を出した所で、何がどうなる事もない。克樹の周りにいる人達に、もうこれ以上、虐めを続けるのは止めてと言って欲しいと、頭を下げて回っても、殆ど効果は見込めず。僕は、自分自身が全ての元凶になってしまったにも関わらず、彼女に対し何も力になれない無力さに打ちのめされ、絶望と、自分に対する失望とを深めていった。
彼女も、そんな克樹に心を奪われ、次第に克樹に傾倒していく様になったけれど、克樹の中にある彼女への興味は、僕の初恋の相手であるという、その一点のみ。そんな歪な関係性にいつしか気が付いた彼女は、これが悲劇の恋や運命の出会いでは無かったのだと知り、目が覚めると、それをきっかけとして心の中にある糸がぷっつりと切れてしまった様に無気力な状態となり、それから程なくして、高校を自主退学していった。
虐めた側である人間達も、彼女と殆ど同時期に転校や退学を余儀なくされ、その高校の悪夢の数ヶ月として記録されるに至った。僕は、その時の経験をきっかけにして、もう二度と同じ過ちは繰り返さないと、自らに固く誓った。
『僕は、もう二度と、恋なんてしない』
誰か他の人を不幸に陥れてまで自分の気持ちに正直に生きようとは到底思えず、それが楔となって、僕の胸の奥深くに打ち込まれた結果、自分自身の克樹に向けた本当の気持ちにも、意識的に蓋をする様になっていった。
しかし、無理矢理自分の感情を押さえ付けた影響や、それでも無意識下において蓄積され続けた想いや、克樹の周囲にいる人間達への嫉妬心や、人間関係を克樹にコントロールされてきたストレスなどは、一人の人間に抱えきれるものではなく。僕は、いつしか、無意識のうちに、克樹に付き纏うストーカーとなっていき、彼の家を夜な夜な訪れては、彼の精神を蝕む存在として、罪を重ねる事となったのだ。
こうして、冷静に当時を振り返る事が出来るのも、僕の精神が、当時よりも落ち着きを見せたからこそ。投薬治療と、先生のカウンセリングと、先生達と過ごした時間が、僕に当時を振り返るだけの、心の余裕を取り戻させてくれたんだろう。だけど、これだけ過去の出来事を記憶と共に理路整然と並べられるとなると、もしかして、これは死ぬ間際に人間が見るという走馬灯だとか、そんな類いのものなんじゃないか、とふと頭に思い浮かべて。ああ、でも、これだけ人の心を傷付けてきた人間の最後が、振ったばかりの元恋人に刺されて終わりというのはなかなかに洒落が効いているな、だなんて、くすり、と笑った。
「瑠衣君、気が付いたの」
だから、耳に馴染んだその声が、真っ白な世界の中に響いた瞬間に、僕はこの世に神様は存在しないと知ったんだ。
大切にしてきた誰かに、一度でも死んで欲しいと願われた人間は、この先どうやって生きていけばいいのか。そんな難題を突き付けて立ち去った走馬灯は、あまりにも鋭い痛みと、苦い思い出と、深過ぎる罪の意識を、僕の胸に取り残していった。
「先生呼んでくる。待ってて」
沢山の管が繋がれた僕の身体は、だけど、その『先生』という言葉には、よってたかって反射して。僕は、真っ白な天井から、パイプ椅子からがたりと立ち上がった克樹に視線を走らせ、声にならない声を上げた。
「なに、瑠衣君。どうしたの。何か、俺にして欲しい事があるの?」
僕の必死な様子を見て、何か、今まさに伝えなければならない事があると、長年の勘で瞬時に悟った幼馴染は、部屋を出て『先生』を呼びに行くという行動を一旦取り止めて、酸素マスクの繋がった僕の口元に、ピアスがじゃらじゃらと付いた派手な見た目の耳を寄せた。過去を回遊していた自分の意識の時間軸が現在に合わさったのは、その視界に映る、見慣れない光景のおかげだった。
克樹の言う『先生』が、僕の知る先生の筈がない。きっと、僕が運び込まれた病院で、僕の治療に当たってくれた担当医の話をしているんだ。僕の知る先生が、もしもこの病院にいたとしたら、克樹がこの部屋にいて、大人しくしている筈がない。
いや、それも、もう、過去のイメージでしかないのだけれど。僕の方から徹底的な拒絶を突き付けて置きながら、いつまでも、この子が昔と同じ様に自分に興味関心や好意を抱いていると思い込むのは、どうかしている。都合の良い考えは直ぐに止めて、今目の前にある現実と、この子自身に向き合わないと。
だけど、やっぱり、僕はまだ、麻酔の影響か何かで、夢の淵にいるみたいだな。頭がふわふわとして、思考が覚束ない。なら、この克樹も、僕がSNSに振り撒かれた情報を無意識に収集して作った、妄想かもしれないな、と思うと、肩に入った余計な力が、スッと抜けていった。
「………つかま、……た?」
だけど、この妄想、だとしたら、良く出来てるな。ずっと僕の手に触れていた、暖かい掌の感触とか、凄くリアルだ。寧ろ握る力が入り過ぎてて、ちょっとだけジンジンするけれど。麻酔が効いているから、あまり感覚という感覚を拾えきれていなかった。
「……うん。いま、警察にいる。でも大丈夫だよ。出て来たら、ちゃんと俺が殺してあげる。だから、もう怖がらなくていいんだよ。いまは、身体を治す事だけに集中して、ゆっくり休んで」
なんだか、この妄想、まだ僕にとって、都合の良い言葉を選んでいる様な気がするな。ただ、妄想とは言え、物騒は物騒だから、一応、釘は刺して置かなくちゃ。
「……だ、め………ころ、ないで」
「どうして?瑠衣君をこんな目に遭わした奴だよ。殺しても殺したりないくらいなのに、許せる筈がないでしょう」
「ちが、うよ……お、まえに、……わるい、ひと………なって、ほしく、ない、から………」
分かっていた事だけど、僕は、本当にどうしようもない、屑だ。こんな状況で、労ったり気遣ったりするのが、恩人だった元恋人の命の方じゃないとか。でも、これが、混じり気のない僕の本心だった。
僕は、お前に、綺麗なままでいて欲しい。
「瑠衣君の為なら、俺は、世界中の人間を敵に回しても良い。だから、他にも殺したい人がいたら、言って。瑠衣君を刺したそいつを殺したら、一緒に道連れにするから」
だけど、僕の為に真っ赤な血に濡れた君も、きっと美しいかもしれないから。
「ころして、ぼくを」
こんな人間は、世の為、人の為に、死んだ方がマシだと思う。
「……看護師さん、呼ぶね」
僕との会話を、そんな風に、酸素マスク越しにキスを一つして終わらせる克樹は、僕の記憶に残る彼の姿に、全く当て嵌まらない。こんな、狡い大人の逃げ方をする彼を、僕は知らない。だから、もしかしたら、この目の前にいる克樹は、僕の全身に回った麻酔が見せた、妄想や幻覚の類いじゃないのかな、と段々頭が鮮明になっていって。
『克樹に、キスされた』という確かな事実だけが、伽藍堂になった頭の中に、ごろごろと転がったんだ。
「ねぇ、誰?俺の知ってる人?」
「ん、ん……どうかな。分かんない。大人しい子だから、お前は、知らないかもしれない。同じ図書委員でさ、今時、珍しいおさげ髪で……」
「なにそれ、全然分かんない。俺の情報網に掛かんない女子とか……」
そんな、深い溜息を吐かれましても。僕にとっては、初恋……の様に感じている、そんな相手を、遠回しに『地味』だとディスりまくって来ないでよ。これでも、かなり勇気を振り絞って、お前に告白したんだから。僕が図書委員の仕事中に限って出没するから、お前、僕が図書室担当の日の、ちょっとした名物になってるんですよ。あ、もう、人の目もあるんだから、カウンターの下に踞らないで。それにしても、話題を間違えたというか、タイミングを誤ったな。
放課後だから、利用者は少ないけれど、それでもある意味溜まり場的な扱いにはなっているから、こうしたデリケートな話は、やっぱり、公の場では今後取り扱わない様にしよう。
「その話の感じだと、同い年か年下だよね」
「えっ……と、そう。お前より、一個上、かな」
「へぇ、そうなんだ。それにしても、知らなかったなぁ。瑠衣君にも、遅めの春が来てたんだね」
「遅いかは……分からないけど」
中学生で初恋って、そんなに珍しいかな。僕には、良く分からない。友達と、世間一般で言う所の恋バナというのをした試しがないから、自分がどれくらい周りの同級生に比べて其方の方面の芽吹きが遅いのか、検討も付かなかった。
「なんでも相談してよって、いつも言ってるのに。委員会が決まったの、一学期の頭からじゃない。どうしてもっと早く話してくれなかったの?もっと早く話してくれていたら、俺、瑠衣君の為に色々と身動きが取れたのに」
なんだか最近、この子の拗ねてる顔、見てばかりいる気がする。こんな風に、僕とすれ違う日々が増えて。お互いについて知らない情報が段々と増えてから、何処となく。
でも、だって、仕方ないじゃない。僕は、これでいて受験生だから、まだ一年生のお前とは時間の過ごし方が違うし。そうなれば、お互いに一緒に居られる時間も変わってくるし。寧ろ、お互いの間に、程良い距離感が生まれるのは、自然な中にある成長の一環なんじゃないかと思うんだけど。この子はそれを、肌の感覚でもって否定したり、拒絶したり、反発したりしている様に、僕の目には映る。
僕達は、離れたらどうなっちゃうの?と周りの大人に心配されるくらいには、ずっと一緒に過ごしてきて。克樹も、そんな関係性に一度足りとも疑問を呈したり反発したりして来なかった。それどころか、僕が中学に進学してからは、僕が独りぼっちにならないようにと気遣ってか、自分のコミュニティにいる僕と同い年の人間を派遣して、そいつから僕の情報を仕入れたりしていた。
過保護過ぎるくらいに過保護で、いつだって僕を優先してくれていて。甘えん坊なのに、我儘で。僕の部屋に入り浸っては、輝かしい青春を食い潰して。お前は、僕なんかとは、生きる世界が違う人間なのに。どうして、僕みたいなつまらなくてありふれた人間に、そんなに拘るんだろうか。
『そんな風に扱われると、それが当然だと思う様になって、ただでさえ無い可愛げが、もっと無くなるよ』
そう告げた事がある、今年の春。僕は、僕の下着を使って自慰をする克樹を、彼の自室にて発見した。
箪笥から見なくなって久しいな。もしかしたら、洗濯して干している間に風にでも飛ばされたのか、嫌だなぁ、と思っていたそれは、母親と一緒に買い出しに行った際に、少しだけ背伸びして初めて買って貰った黒のボクサーパンツだった。克樹は勉強机の下で恥部を露わにし、買ったばかりのそれを、まだまだ発展途上の成長段階にある自分の性器に巻き付け、布ごと性器を激しく扱いていた。
女子の同級生に、リップも付けてないのに桜桃みたい、と囃されていた可愛らしい口からは、瑠衣君、瑠衣君、としきりに僕の名前が漏れていて。この光景は、僕の見間違いや勘違いではないのだという現実を僕の頭に叩き込んでいた。その光景を部屋の扉の隙間から覗いていた僕は、自分自身でも信じられない事に、声を殺しながら、見様見真似で、その場で、人生で初めての自慰を経験した。
そして、先に自慰を始めていた克樹よりももっと早く、自分が頂きに登り詰めると、頭に上った熱が、頭から足先に向かって、ざぁ、と冷めていって。塾からの帰り道に駅前で配られていたポケットティッシュを震える手で取り出し、サッと後片付けをして、その場を走り去った。
同じ敷地内にあるのかと見紛う程近くに軒を連ねている自宅に着くと、自分の部屋のある二階に駆け上がり、自室に立て籠った。次の日の朝、僕の体調を心配して声を掛けに来てくれた母親や、昨日後ろ姿だけを扉の隙間から確認した幼馴染の声にも、反応を返さず。帰宅した時と同じ格好の学年カラーのジャージ姿のまま布団に包まって、トイレに立つ以外、身動き一つ取らずに一日を過ごした。
なんて事を。僕は、あの子に、なんて事をしたんだ。気が付くのが遅過ぎた。そして、出会うのがあまりにも早過ぎた。距離感を間違えて、幼いあの子に自分自身を刷り込みさせて、その実、それに安堵すら感じていた僕は、どうしようもない愚か者だ。
どうしたらいいの。どうしたら、あの子に、それは間違っていると正せる?それは違うよ。きっと絶対に勘違いだよ。僕は、道端や草原にぽつりぽつりと咲いている野花みたいにちっぽけな存在で。まるで世界に花はそれ一つしかないと勘違いしている子供の様に、君は、価値観が、世界が、まだまだ狭いだけなんだよと、どうしたら、遠回しにでも伝える事が出来るんだろう。
他の異性に目が向けばいいのか。けど、克樹はどれだけ可愛いアイドルや芸能人を見ても興味関心という物を持った試しが無いし、周りに沢山いる女の子とも噂になった事は一度も無い。克樹を中心とした告白劇に巻き込まれる経験は数あれど、それが成就した事も、未だかつてない。克樹のコミュニティ内にある交友関係以外に、僕の知り合いの女の子はいないし、だからそれを紹介するのは可笑しな話だし、そもそもその子達はみんな克樹に立ち向かって玉砕している。だから、いますぐに他の異性に目を向けさせる、というのは、難しいように思えた。
なら、僕が、彼の中にある僕の価値を、自分から損なわせたりすればいいのか。僕に向ける興味関心を、僕から逸らせばいいんじゃないか。どちらかと言えば、その方法の方が頭に閃いて。それから先は、記憶に残っていない。気が付けば夜になっていて、頬には幾筋もの涙の跡が付いていた、それだけは確かな事実だった。
けれど、あの時の僕は、一体、何に対して号泣していたんだろう。その意味を、未だにもって考えたりする時もあるけれど。まだ、その答えは出ていない。それに、答えを出さなくていい問題も、この世にはあると思うから。これまでの人生のうちの最大の疑問として胸の中にあっても、積極的に胸の引き出しから取り出して、前から後ろからしげしげと眺めたり、封を開けて中身を見聞したりしようとはしなかった。
「だけどこれが、本当に、恋なのかどうかも、分からなくてね。だから、相談する前に、もっと自分の中で、答えを導き出して置きたくて」
「ねぇ、もしかして、だから最近、その本読んでるの?」
「……おかしい?」
「いいえ、全然」
口元、ニヤけてるよ。説得力ないなぁ。それでも、経験した事が無い以上は、先人が残してくれた本の知識に頼るしか無いじゃない。本の中にも答えがないのなら、体感してきた人の話を聞くとか。百聞は一見にしかずで、絶賛カップル爆誕中の二人組を観察してみるとか。それの複合的な情報から、自分なりに、初めての恋というものにもっと自分を傾倒していって、僕に寄せている刷り込みみたいな感覚を、徐々に僕から逸らしてくれたらな、なんて思ったり。
後は、受験勉強を理由に克樹を遠去けて置きながら、自分の異性関係には時間を割く最低な部分とかを見せ付けて、少しでもガッカリして欲しいとか、そんな算段も、此方にはあったりするのだけど。
ほら、友情より恋愛とかを優先する人間って、いつの時代も周囲から軽蔑されるって、この本にも書いてあるよ。だから、僕は大きな間違いは犯していないはず。
これでいいんだ、きっと。
いいんだ。
「瑠衣君の好きな人かぁ。きっと、素敵な人なんだろうな」
「……うん。凄く良い子だよ」
なのに、どうして、こんなにも、胸が、痛いの。君が、嬉しそうに、僕の初恋の到来を喜んで、笑っているその姿を見て。なんで、僕は、いま、深い後悔に苛まれてしまうの。
「あのね……この間なんか、僕が生徒会の仕事が伸びて、こっちの交代時間に被っちゃって」
正解が、痛い、のは、何故。本には、どうしてこの不可思議な状況を説明してくれる言葉が、載っていないの。
誰か、教えて。そして、僕の口を、今すぐに塞いで。
「その時もね、その子、文句も何も言わずに」
「瑠衣君」
夕陽が、図書室にある本棚の古びた蔵書を飴色に照らし、微かな印影を其処に作り出している光景の中、佇む君の、その鋭い声は。今まさに、僕が欲していた、僕の口を塞いでくれる冷たさや拒絶を孕んでいた。
「その子との思い出は、瑠衣君とその子の思い出なんだから、態々俺に話さなくても、いいんだよ」
話を遮られたのは、初めてだな、とか。笑ってるけど、そういえばこの子、さっきから目は全然笑ってないな、とか。
「それに、瑠衣君にとっては、長い長い人生の内の、大切な思い出の一ページなんだから」
この部屋、いつの間にか、他の誰もいなくて、二人きりで。だから、こんなにも静かで、だから、こんなにも冴え冴えと、この子の声が耳に届くのかな、とか。当時は色々と、考えたりしたけれど。
「慎重に扱わないと、破れちゃうよ」
この話の頭から最後までの全てが警告だったのだと気が付いた時には、もう全てが遅かった。
僕の初恋の相手として想定し、確かな好感を抱いて克樹に紹介した彼女は、その後、彼の興味関心が一度に集中したという理由から、もしや、克樹が初めて作る彼女候補なのではと噂され、壮絶な虐めのターゲットにされた。
僕が彼女を助けるために、彼女を庇えば庇うほど、克樹の興味は彼女に一身に注がれ、余計に周囲の波風となって、彼女の身に降り掛かった。僕の関心が向く相手には、克樹の関心も向く。そうなれば、周囲にいる人間達の好奇の目は、必然的にその人物に及ぶ。そんな状況にあって、健全な恋愛など出来る筈もなく、僕は早々に、克樹に対して、もう彼女に構うのはやめてくれ、と頼み込む事となった。
しかし、一方で、僕は、克樹が彼女に何もしていないという事も知っていたし、虐めを扇動したり、助長させようともしなかったのを知っていたし、時には彼女を庇う様な言動を彼女の目の前で取ることもあったのも知っていたから、どうすれば事態が好転するのか分からず。もう彼女を振り回すのはやめて、と言っても、克樹自身が指一本手出ししていない以上、僕が口を出した所で、何がどうなる事もない。克樹の周りにいる人達に、もうこれ以上、虐めを続けるのは止めてと言って欲しいと、頭を下げて回っても、殆ど効果は見込めず。僕は、自分自身が全ての元凶になってしまったにも関わらず、彼女に対し何も力になれない無力さに打ちのめされ、絶望と、自分に対する失望とを深めていった。
彼女も、そんな克樹に心を奪われ、次第に克樹に傾倒していく様になったけれど、克樹の中にある彼女への興味は、僕の初恋の相手であるという、その一点のみ。そんな歪な関係性にいつしか気が付いた彼女は、これが悲劇の恋や運命の出会いでは無かったのだと知り、目が覚めると、それをきっかけとして心の中にある糸がぷっつりと切れてしまった様に無気力な状態となり、それから程なくして、高校を自主退学していった。
虐めた側である人間達も、彼女と殆ど同時期に転校や退学を余儀なくされ、その高校の悪夢の数ヶ月として記録されるに至った。僕は、その時の経験をきっかけにして、もう二度と同じ過ちは繰り返さないと、自らに固く誓った。
『僕は、もう二度と、恋なんてしない』
誰か他の人を不幸に陥れてまで自分の気持ちに正直に生きようとは到底思えず、それが楔となって、僕の胸の奥深くに打ち込まれた結果、自分自身の克樹に向けた本当の気持ちにも、意識的に蓋をする様になっていった。
しかし、無理矢理自分の感情を押さえ付けた影響や、それでも無意識下において蓄積され続けた想いや、克樹の周囲にいる人間達への嫉妬心や、人間関係を克樹にコントロールされてきたストレスなどは、一人の人間に抱えきれるものではなく。僕は、いつしか、無意識のうちに、克樹に付き纏うストーカーとなっていき、彼の家を夜な夜な訪れては、彼の精神を蝕む存在として、罪を重ねる事となったのだ。
こうして、冷静に当時を振り返る事が出来るのも、僕の精神が、当時よりも落ち着きを見せたからこそ。投薬治療と、先生のカウンセリングと、先生達と過ごした時間が、僕に当時を振り返るだけの、心の余裕を取り戻させてくれたんだろう。だけど、これだけ過去の出来事を記憶と共に理路整然と並べられるとなると、もしかして、これは死ぬ間際に人間が見るという走馬灯だとか、そんな類いのものなんじゃないか、とふと頭に思い浮かべて。ああ、でも、これだけ人の心を傷付けてきた人間の最後が、振ったばかりの元恋人に刺されて終わりというのはなかなかに洒落が効いているな、だなんて、くすり、と笑った。
「瑠衣君、気が付いたの」
だから、耳に馴染んだその声が、真っ白な世界の中に響いた瞬間に、僕はこの世に神様は存在しないと知ったんだ。
大切にしてきた誰かに、一度でも死んで欲しいと願われた人間は、この先どうやって生きていけばいいのか。そんな難題を突き付けて立ち去った走馬灯は、あまりにも鋭い痛みと、苦い思い出と、深過ぎる罪の意識を、僕の胸に取り残していった。
「先生呼んでくる。待ってて」
沢山の管が繋がれた僕の身体は、だけど、その『先生』という言葉には、よってたかって反射して。僕は、真っ白な天井から、パイプ椅子からがたりと立ち上がった克樹に視線を走らせ、声にならない声を上げた。
「なに、瑠衣君。どうしたの。何か、俺にして欲しい事があるの?」
僕の必死な様子を見て、何か、今まさに伝えなければならない事があると、長年の勘で瞬時に悟った幼馴染は、部屋を出て『先生』を呼びに行くという行動を一旦取り止めて、酸素マスクの繋がった僕の口元に、ピアスがじゃらじゃらと付いた派手な見た目の耳を寄せた。過去を回遊していた自分の意識の時間軸が現在に合わさったのは、その視界に映る、見慣れない光景のおかげだった。
克樹の言う『先生』が、僕の知る先生の筈がない。きっと、僕が運び込まれた病院で、僕の治療に当たってくれた担当医の話をしているんだ。僕の知る先生が、もしもこの病院にいたとしたら、克樹がこの部屋にいて、大人しくしている筈がない。
いや、それも、もう、過去のイメージでしかないのだけれど。僕の方から徹底的な拒絶を突き付けて置きながら、いつまでも、この子が昔と同じ様に自分に興味関心や好意を抱いていると思い込むのは、どうかしている。都合の良い考えは直ぐに止めて、今目の前にある現実と、この子自身に向き合わないと。
だけど、やっぱり、僕はまだ、麻酔の影響か何かで、夢の淵にいるみたいだな。頭がふわふわとして、思考が覚束ない。なら、この克樹も、僕がSNSに振り撒かれた情報を無意識に収集して作った、妄想かもしれないな、と思うと、肩に入った余計な力が、スッと抜けていった。
「………つかま、……た?」
だけど、この妄想、だとしたら、良く出来てるな。ずっと僕の手に触れていた、暖かい掌の感触とか、凄くリアルだ。寧ろ握る力が入り過ぎてて、ちょっとだけジンジンするけれど。麻酔が効いているから、あまり感覚という感覚を拾えきれていなかった。
「……うん。いま、警察にいる。でも大丈夫だよ。出て来たら、ちゃんと俺が殺してあげる。だから、もう怖がらなくていいんだよ。いまは、身体を治す事だけに集中して、ゆっくり休んで」
なんだか、この妄想、まだ僕にとって、都合の良い言葉を選んでいる様な気がするな。ただ、妄想とは言え、物騒は物騒だから、一応、釘は刺して置かなくちゃ。
「……だ、め………ころ、ないで」
「どうして?瑠衣君をこんな目に遭わした奴だよ。殺しても殺したりないくらいなのに、許せる筈がないでしょう」
「ちが、うよ……お、まえに、……わるい、ひと………なって、ほしく、ない、から………」
分かっていた事だけど、僕は、本当にどうしようもない、屑だ。こんな状況で、労ったり気遣ったりするのが、恩人だった元恋人の命の方じゃないとか。でも、これが、混じり気のない僕の本心だった。
僕は、お前に、綺麗なままでいて欲しい。
「瑠衣君の為なら、俺は、世界中の人間を敵に回しても良い。だから、他にも殺したい人がいたら、言って。瑠衣君を刺したそいつを殺したら、一緒に道連れにするから」
だけど、僕の為に真っ赤な血に濡れた君も、きっと美しいかもしれないから。
「ころして、ぼくを」
こんな人間は、世の為、人の為に、死んだ方がマシだと思う。
「……看護師さん、呼ぶね」
僕との会話を、そんな風に、酸素マスク越しにキスを一つして終わらせる克樹は、僕の記憶に残る彼の姿に、全く当て嵌まらない。こんな、狡い大人の逃げ方をする彼を、僕は知らない。だから、もしかしたら、この目の前にいる克樹は、僕の全身に回った麻酔が見せた、妄想や幻覚の類いじゃないのかな、と段々頭が鮮明になっていって。
『克樹に、キスされた』という確かな事実だけが、伽藍堂になった頭の中に、ごろごろと転がったんだ。
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