上 下
31 / 67

運命の旅行―2日目―④隣人は魔性だ

しおりを挟む

 ゆっくり風呂に浸かって、きちんと布団で愛でようと思っていたのに、愛斗が可愛すぎてついつい手を出してしまった。

 でも、あれは愛斗が悪い!俺を嫉妬させたのだから。過去は気にしないと言ったのは確かだが、愛斗に触れた女がいるのかと思った瞬間、ドス黒い感情が溢れてしまった。

 今までは相手の過去になど興味は無かったのに。

 でもそれは全て、愛斗がカッコ可愛いのが悪い!!


「愛斗。お仕置きの時間だよ。」

 
 力の入らなくなった愛斗を、優しく抱きかかえて布団に下ろせば潤んだ瞳で見上げている。恥ずかしそうにキュッと唇を結び、控え目に俺の背中に手を回してくる。


「そら、キスしていい?」

「いいよ。」


 愛斗はキスが好きだ。恥ずかしがり屋のくせにキスを強請ってくるときの声が好きだ。キスをする寸前の目を瞑った色っぽい顔が好きだ。耳に光る三つのピアスが色っぽくて、つい舐めてしまう。

 愛斗は魔性だ。全てが俺を虜にする。


 少し刺激すれば綺麗に色付く胸の突起を撫でまわす。

「はぁん・・・・もう!むねばっか・・・ん・・・」
「愛斗は全部が綺麗だね。」
「んん・・・。」
「声、我慢しないで。沢山聞かせて。」

 感じてる時の少し掠れた声が腰に響く。愛斗にかかれば、あっという間に欲望にのまれてしまう。

「そら。そらぁ・・・。」

 もっと呼んで。俺を求めて。


「そら、今日は俺が気持ち良くしてあげたい。」


 上半身を起こして訴えてくるその言葉の意味が分からず考えていた一瞬の隙に押し倒される。なにが起きたのか分からず驚いていると、俺を見下ろす愛斗が妖艶な笑みを浮かべ

 躊躇なく俺もモノを咥え込んだ。


「まっなと!」
「動かないで。」


 口内の柔らかい熱に包まれ、舌で裏筋を丁寧に何度も擦られ、快楽の大波に飲み込まれる。上下しながら上目遣いに見上げてくる潤んだ瞳と目が合えば、視覚的興奮も加わり、一気に限界に達しそうだ。


「ふっ・・まなとっ・・・でそっはなしてっ!」
「いいよ」
「うっ・・そこでしゃべらないでっ・・・んっ・・・でるっ」


 愛斗の口の中で果てた。童貞かっ!というくらい早くイッてしまった。フェラされた経験はあるけど比べ物にならない。


「気持ちよかった?」
「まなと・・・ふぅ・・・凄く良かった。」
「よかったぁ!」
「あ・・れ・・?まさか飲んだのか??」
「うん!苦いね。」
「ああああもう!ほら、水飲んで!!口濯いで!」
「ん。ありがとっ。」


 本当、時々すごく大胆になる。そんな愛斗に翻弄される。


「旅行最後の夜だから。俺の『初めて』をもっと空にあげたかったんだ。」


 そんな健気な事を言われたら・・・もう我慢できなくなるだろ?!

 目の前の愛しい人を思い切り抱きしめ、今度こそ押し倒し口内を舌で犯す。

「・・・はん・・・ん・・・」

 そのまま耳へ。白い首筋へ。綺麗な鎖骨へ舌を這わせ、最後に胸にしゃぶりつけば、甘く啼いてくれる俺の恋人。


「あっ。そら・・そんな急に・・んん・・・あっ・・・」
「お仕置きだって言ったろ?」
「お仕置き・・・・・して。」
「っ!!」


 ああああもう!!エロ可愛すぎる!!!

 丁寧に時間をかけて全身を愛撫し後ろを指で念入りに解かす。昨日は痛い思いをさせてしまったからトロトロに蕩けるまでゆっくりと。前立腺を執拗に擦り快楽を脳に覚えさせる。

 これは気持ち良いだけの行為だよ。快楽だけを拾って覚えて。


「あぁん・・あっあっ・・・は・・・うぅ・・・」
「愛斗。気持ち良いね?もっと感じて、声を聞かせて。」
「んん・・・そぉらぁ・・・はぁん・・・」
「愛斗、好きだよ・・愛してる。俺の愛斗。」
「そらぁ・・・そら・・・もう・・きて・・」


 それを合図に、ゆっくりと挿入していく。

「大丈夫?痛くない?」
「ん・・・だいじょうぶ・・・きて・・・」

 愛斗の表情を窺いながら、キスを落として愛を囁きながらゆっくりと。

 昨日は我慢が出来ずがっついてしまったから、今日は愛斗が気持ち良くなることを優先しようと決めている。愛斗が俺にそうしてくれたように、俺だって最高の思い出をあげたい。


「全部入ったよ。大丈夫?」


 確認すると、


「だいじょうぶ!ここに空がいるんだね。」


 下腹をさすりながら幸せそうな笑みを浮かべる愛斗。


「んぐっ!!!」

「えっ?あっ!なんで?!・・中・・おっきく・・・あんっ」


 さっきの決意も虚しく、俺の理性は崩壊した。
 マジで童貞か!


「あっそらっ・・・はげしっ・・・んあっ」
「まなと。まなと・・・すき・・・だいすき」
「あっ・・あっ・・・はあん・・・ん・・」


 それから、二人同時に果てたにも関わらず、一度では収まらずに愛斗を貪り続けた。

 あんなにエロくて可愛くて色っぽく乱れる姿を見せられれば仕方ない。感じている時の舌っ足らずな喋り方は腰にくるのだ。

「キスしたい」
「激しくして」
「もっとほしい」

 なんておねだりされて応えないなんて男じゃないだろ!


 疲れきってスヤスヤ眠る可愛い顔を見つめる。


「愛斗ごめん。また無理させちゃったね。おやすみ。」


 長い睫毛にかかった髪を、そっと撫でる。


「ん・・・そらすきぃ・・・。」


 幸せだ。
 こんな穏やかな気持ちになれるのは初めてだ。

 最大の愛を込めてキスを贈り、宝物を抱きかかえて眠った。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

(…二度と浮気なんてさせない)

らぷた
BL
「もういい、浮気してやる!!」 愛されてる自信がない受けと、秘密を抱えた攻めのお話。 美形クール攻め×天然受け。 隙間時間にどうぞ!

帝国皇子のお婿さんになりました

クリム
BL
 帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。  そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。 「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」 「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」 「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」 「うん、クーちゃん」 「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」  これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。

出戻り聖女はもう泣かない

たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。 男だけど元聖女。 一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。 「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」 出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。 ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。 表紙絵:CK2さま

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺(紗子)
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

処理中です...