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運命の旅行―2日目―④隣人は魔性だ
しおりを挟むゆっくり風呂に浸かって、きちんと布団で愛でようと思っていたのに、愛斗が可愛すぎてついつい手を出してしまった。
でも、あれは愛斗が悪い!俺を嫉妬させたのだから。過去は気にしないと言ったのは確かだが、愛斗に触れた女がいるのかと思った瞬間、ドス黒い感情が溢れてしまった。
今までは相手の過去になど興味は無かったのに。
でもそれは全て、愛斗がカッコ可愛いのが悪い!!
「愛斗。お仕置きの時間だよ。」
力の入らなくなった愛斗を、優しく抱きかかえて布団に下ろせば潤んだ瞳で見上げている。恥ずかしそうにキュッと唇を結び、控え目に俺の背中に手を回してくる。
「そら、キスしていい?」
「いいよ。」
愛斗はキスが好きだ。恥ずかしがり屋のくせにキスを強請ってくるときの声が好きだ。キスをする寸前の目を瞑った色っぽい顔が好きだ。耳に光る三つのピアスが色っぽくて、つい舐めてしまう。
愛斗は魔性だ。全てが俺を虜にする。
少し刺激すれば綺麗に色付く胸の突起を撫でまわす。
「はぁん・・・・もう!むねばっか・・・ん・・・」
「愛斗は全部が綺麗だね。」
「んん・・・。」
「声、我慢しないで。沢山聞かせて。」
感じてる時の少し掠れた声が腰に響く。愛斗にかかれば、あっという間に欲望にのまれてしまう。
「そら。そらぁ・・・。」
もっと呼んで。俺を求めて。
「そら、今日は俺が気持ち良くしてあげたい。」
上半身を起こして訴えてくるその言葉の意味が分からず考えていた一瞬の隙に押し倒される。なにが起きたのか分からず驚いていると、俺を見下ろす愛斗が妖艶な笑みを浮かべ
躊躇なく俺もモノを咥え込んだ。
「まっなと!」
「動かないで。」
口内の柔らかい熱に包まれ、舌で裏筋を丁寧に何度も擦られ、快楽の大波に飲み込まれる。上下しながら上目遣いに見上げてくる潤んだ瞳と目が合えば、視覚的興奮も加わり、一気に限界に達しそうだ。
「ふっ・・まなとっ・・・でそっはなしてっ!」
「いいよ」
「うっ・・そこでしゃべらないでっ・・・んっ・・・でるっ」
愛斗の口の中で果てた。童貞かっ!というくらい早くイッてしまった。フェラされた経験はあるけど比べ物にならない。
「気持ちよかった?」
「まなと・・・ふぅ・・・凄く良かった。」
「よかったぁ!」
「あ・・れ・・?まさか飲んだのか??」
「うん!苦いね。」
「ああああもう!ほら、水飲んで!!口濯いで!」
「ん。ありがとっ。」
本当、時々すごく大胆になる。そんな愛斗に翻弄される。
「旅行最後の夜だから。俺の『初めて』をもっと空にあげたかったんだ。」
そんな健気な事を言われたら・・・もう我慢できなくなるだろ?!
目の前の愛しい人を思い切り抱きしめ、今度こそ押し倒し口内を舌で犯す。
「・・・はん・・・ん・・・」
そのまま耳へ。白い首筋へ。綺麗な鎖骨へ舌を這わせ、最後に胸にしゃぶりつけば、甘く啼いてくれる俺の恋人。
「あっ。そら・・そんな急に・・んん・・・あっ・・・」
「お仕置きだって言ったろ?」
「お仕置き・・・・・して。」
「っ!!」
ああああもう!!エロ可愛すぎる!!!
丁寧に時間をかけて全身を愛撫し後ろを指で念入りに解かす。昨日は痛い思いをさせてしまったからトロトロに蕩けるまでゆっくりと。前立腺を執拗に擦り快楽を脳に覚えさせる。
これは気持ち良いだけの行為だよ。快楽だけを拾って覚えて。
「あぁん・・あっあっ・・・は・・・うぅ・・・」
「愛斗。気持ち良いね?もっと感じて、声を聞かせて。」
「んん・・・そぉらぁ・・・はぁん・・・」
「愛斗、好きだよ・・愛してる。俺の愛斗。」
「そらぁ・・・そら・・・もう・・きて・・」
それを合図に、ゆっくりと挿入していく。
「大丈夫?痛くない?」
「ん・・・だいじょうぶ・・・きて・・・」
愛斗の表情を窺いながら、キスを落として愛を囁きながらゆっくりと。
昨日は我慢が出来ずがっついてしまったから、今日は愛斗が気持ち良くなることを優先しようと決めている。愛斗が俺にそうしてくれたように、俺だって最高の思い出をあげたい。
「全部入ったよ。大丈夫?」
確認すると、
「だいじょうぶ!ここに空がいるんだね。」
下腹をさすりながら幸せそうな笑みを浮かべる愛斗。
「んぐっ!!!」
「えっ?あっ!なんで?!・・中・・おっきく・・・あんっ」
さっきの決意も虚しく、俺の理性は崩壊した。
マジで童貞か!
「あっそらっ・・・はげしっ・・・んあっ」
「まなと。まなと・・・すき・・・だいすき」
「あっ・・あっ・・・はあん・・・ん・・」
それから、二人同時に果てたにも関わらず、一度では収まらずに愛斗を貪り続けた。
あんなにエロくて可愛くて色っぽく乱れる姿を見せられれば仕方ない。感じている時の舌っ足らずな喋り方は腰にくるのだ。
「キスしたい」
「激しくして」
「もっとほしい」
なんておねだりされて応えないなんて男じゃないだろ!
疲れきってスヤスヤ眠る可愛い顔を見つめる。
「愛斗ごめん。また無理させちゃったね。おやすみ。」
長い睫毛にかかった髪を、そっと撫でる。
「ん・・・そらすきぃ・・・。」
幸せだ。
こんな穏やかな気持ちになれるのは初めてだ。
最大の愛を込めてキスを贈り、宝物を抱きかかえて眠った。
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