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第54話 アシュフォードside
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スローン侯爵家の夫人と令嬢が亡くなったのは事故ではなく、事件だったのだと知らされて、議会会場は一斉にざわめいた。
だがそれも、グレイシー姉妹の姉の証言、その後に読み上げられた妹の証言のせいで、皆が口を閉じ。
沈黙が支配した。
この場で初めて聞かされた国王陛下は怒りに震え、王太子に指を突き付けた。
「お、お、お前は何を?
何をしたか……わかって……」
「わかって? もちろんです。
何もわかっていらっしゃらないのは、陛下です」
国王陛下の怒りなど、気にもしていない、と言うように。
王太子は立ち上がり、周囲を見回した。
「昨晩、このグレイシー伯爵家の御者が助けて欲しいと私の元に来た。
その証言を元に容疑者ローラ・グレイシーの身柄を拘束した。
だが、それで終わりの話ではないのは、皆もわかっている事だろう」
「やめろ、やめろ! ジィン!
解散、解散だ! 議長、今日はこれで!」
興奮して立ち上がった国王陛下は王太子が自分を見ないので、今度は議長に命じようとした。
そんな国王陛下に、王太子は冷たい視線を送った。
「お間違いなきように、陛下。
貴族議会において、陛下はそれを見守るのみ、と。
議会の独立性を認める為の規約をお忘れですか?」
「何が規約か、この場はお前が用意したものだろう!
お前が支配しているだろう!」
唾を飛ばす勢いで傍らの王太子に掴みかかった国王陛下の腕を掴んだのは、反対側の席から素早く回り込んだ第2王子のギルバートだった。
「ギル? お前もか?
おいアシュ、お前もなのか!」
『やり始めたら、中途半端にはしない。
潰す覚悟をしろよ』
『覚悟を持って』
議会が始まる前、ローラ・グレイシーの証言をもう一度読んだ王太子の声と、いつかのクラリスの声が重なる。
「国王陛下、このまま議事の進行を妨げるのならば、ご退席を」
俺はちゃんと言えただろうか。
誰も自分の言葉に動かない。
この状況を受け入れる事しかないのを国王陛下は思い知ったようだ。
このまま王女を守ろうとすればする程、自分の立場が危うくなることにようやく気付いたのだ。
「退席はしない」
自分の知らないところで、処分が決まるのが我慢出来ないのだ。
後から決定事項を伝えられるより。
この場で誰が、どの様な言葉で、自分を処分しようとしているのか、その目に焼き付けようとしているようだ。
『俺を裏切った奴等の顔は、絶対に忘れない』
国王陛下の最後の気概が見えた気がした。
国王陛下が着席したので、王太子が議長に先を促した。
「この、証言について、王太子殿下は非常に憂いておられて、王族がその権威により、貴族令嬢に暴力をふるい、脅し、尚且つ犯罪を教唆する等、見逃せる筈もなく……」
◇◇◇
「同様に、脅されるまま加担し、罪なき者に暴力を振るう事を強要された、加害者であり、ある意味被害者でもあるご令嬢達のリストがこちらに提出されております。
お心当たりのある御方の勇気ある挙手をお願いしたい、と……」
議長の言葉を遮り手を上げ、一人の貴族が疑問を口にした。
「そのリストとは何なのだ?」
これはもちろん王太子の仕込みだ。
一旦、それについての疑問を出させる事で、より皆は注目するからだ。
このリストは俺が王太子に渡したものだ。
図書室で気にくわないと囲んで泣かせた側の、苛めグループの令嬢達の名前が記されている。
「第1王女殿下が王立貴族学園にて、問題行動を起こされた際に、その場を注意した教師が申し送りとして作成した、王女殿下と共に居た加害生徒の名前のリストです」
「そ、それはまことか?」
仕込むならもっと、演技のうまいやつにすればいいのに。
王太子は時々雑になる。
議長がわざとヒラヒラと頭の上に、リストを上げて見せた。
すると、若い貴族が挙手をして。
「どうぞ、バーノン伯爵令息」
このバーノンも、王太子の仕込みだ。
この議会の打ち合わせを、昨日遅くまで議長を交えて行っていたのだろう。
普段は父親の伯爵が出席するのだが、本日は体調不良で嫡男が出席していた。
当然、それも王太子の指示だ。
伯爵なら、まずしないだろうと思われることも、若い息子ならするかもしれない。
例えば、ここで手を上げて口火を切る事とか。
「私の妹の名前もそのリストに乗っていることでしょう。
妹もずっと苦しんでいました!
私は何度も相談をされ、でも王女殿下に抗うのは難しく……。
ここで妹の罪を暴いていただけるのは救いでしかありません!」
先の貴族よりは演技がうまい。
確かにバーノンの妹はリストに載っていた。
本当に何度も相談されたかどうかはわからないが、彼は王太子から密かに協力を持ちかけられて、喜んで父親に体調不良になれと言ったのだ。
バーノン伯爵令息の言葉に、すかさず王太子が感動したように言った。
「よく自分から話してくれた!
無理強いされたご令嬢に罪は問わない。
反対に謝罪させて欲しい」
普段は優しい演技で全てやり過ごす王太子が、いざちゃんと演技をしようとすると、鼻に付くのは何故なんだろう。
でも、その演技に、思わず手を上げる奴等が居る。
全部、リストに載っていた家門だ。
ここで国王陛下が口を挟んだ。
もっと手痛い目に合うのに。
「そのリスト等、誰が作ったのだ、馬鹿馬鹿しい。
そんなものが信用出来るか!」
仕込まれていない何人かも頷いている。
それに勇気を得た国王陛下は言葉を続ける。
「誰が作ったのか知らんが、ここでその教師の名前を出せるんだろうな?」
議長が答える。
「リストに書かれている名前は、えーストロ、ストロノーバー?」
練習してないのか、肝心なところなのにちゃんと発音出来ていない。
仕方なく、王太子は国王陛下を見た。
「イシュトヴァーン・ミハン・ストロノーヴァ。
トルラキアの……その名前が、どれだけ信用に足るか、陛下は御存じですよね?」
顔を赤く染め、言葉を失くした国王陛下を『お連れするように』と、護衛騎士に王太子は告げて。
陛下は周囲を近衛に囲まれて、議会会場を後にした。
それを見ても、誰も抗議の声をあげなかった。
そして王太子は周囲を見回し、厳かに宣言した。
「今回の事件に関し、実際には手を下さなくても、グレイシー伯爵令嬢を追い込み、多くのご令嬢を苦しめた第1王女の罪は重い。
王族であっても、このまま注意だけでは終わらせない。
それを国王陛下は重く受け止め、御身にも何らかの処分を下されるだろう。
私は約束する、この国を支えてくれる皆を優先し、その期待に応えられる新しい国を作る、と」
満場の起立拍手の中、王太子が応えるように手を上げて。
ギルと俺が、その両脇に立ち。
事実上、父親である国王陛下の退位更迭を宣言した……
古いものを淘汰した瞬間だった。
だがそれも、グレイシー姉妹の姉の証言、その後に読み上げられた妹の証言のせいで、皆が口を閉じ。
沈黙が支配した。
この場で初めて聞かされた国王陛下は怒りに震え、王太子に指を突き付けた。
「お、お、お前は何を?
何をしたか……わかって……」
「わかって? もちろんです。
何もわかっていらっしゃらないのは、陛下です」
国王陛下の怒りなど、気にもしていない、と言うように。
王太子は立ち上がり、周囲を見回した。
「昨晩、このグレイシー伯爵家の御者が助けて欲しいと私の元に来た。
その証言を元に容疑者ローラ・グレイシーの身柄を拘束した。
だが、それで終わりの話ではないのは、皆もわかっている事だろう」
「やめろ、やめろ! ジィン!
解散、解散だ! 議長、今日はこれで!」
興奮して立ち上がった国王陛下は王太子が自分を見ないので、今度は議長に命じようとした。
そんな国王陛下に、王太子は冷たい視線を送った。
「お間違いなきように、陛下。
貴族議会において、陛下はそれを見守るのみ、と。
議会の独立性を認める為の規約をお忘れですか?」
「何が規約か、この場はお前が用意したものだろう!
お前が支配しているだろう!」
唾を飛ばす勢いで傍らの王太子に掴みかかった国王陛下の腕を掴んだのは、反対側の席から素早く回り込んだ第2王子のギルバートだった。
「ギル? お前もか?
おいアシュ、お前もなのか!」
『やり始めたら、中途半端にはしない。
潰す覚悟をしろよ』
『覚悟を持って』
議会が始まる前、ローラ・グレイシーの証言をもう一度読んだ王太子の声と、いつかのクラリスの声が重なる。
「国王陛下、このまま議事の進行を妨げるのならば、ご退席を」
俺はちゃんと言えただろうか。
誰も自分の言葉に動かない。
この状況を受け入れる事しかないのを国王陛下は思い知ったようだ。
このまま王女を守ろうとすればする程、自分の立場が危うくなることにようやく気付いたのだ。
「退席はしない」
自分の知らないところで、処分が決まるのが我慢出来ないのだ。
後から決定事項を伝えられるより。
この場で誰が、どの様な言葉で、自分を処分しようとしているのか、その目に焼き付けようとしているようだ。
『俺を裏切った奴等の顔は、絶対に忘れない』
国王陛下の最後の気概が見えた気がした。
国王陛下が着席したので、王太子が議長に先を促した。
「この、証言について、王太子殿下は非常に憂いておられて、王族がその権威により、貴族令嬢に暴力をふるい、脅し、尚且つ犯罪を教唆する等、見逃せる筈もなく……」
◇◇◇
「同様に、脅されるまま加担し、罪なき者に暴力を振るう事を強要された、加害者であり、ある意味被害者でもあるご令嬢達のリストがこちらに提出されております。
お心当たりのある御方の勇気ある挙手をお願いしたい、と……」
議長の言葉を遮り手を上げ、一人の貴族が疑問を口にした。
「そのリストとは何なのだ?」
これはもちろん王太子の仕込みだ。
一旦、それについての疑問を出させる事で、より皆は注目するからだ。
このリストは俺が王太子に渡したものだ。
図書室で気にくわないと囲んで泣かせた側の、苛めグループの令嬢達の名前が記されている。
「第1王女殿下が王立貴族学園にて、問題行動を起こされた際に、その場を注意した教師が申し送りとして作成した、王女殿下と共に居た加害生徒の名前のリストです」
「そ、それはまことか?」
仕込むならもっと、演技のうまいやつにすればいいのに。
王太子は時々雑になる。
議長がわざとヒラヒラと頭の上に、リストを上げて見せた。
すると、若い貴族が挙手をして。
「どうぞ、バーノン伯爵令息」
このバーノンも、王太子の仕込みだ。
この議会の打ち合わせを、昨日遅くまで議長を交えて行っていたのだろう。
普段は父親の伯爵が出席するのだが、本日は体調不良で嫡男が出席していた。
当然、それも王太子の指示だ。
伯爵なら、まずしないだろうと思われることも、若い息子ならするかもしれない。
例えば、ここで手を上げて口火を切る事とか。
「私の妹の名前もそのリストに乗っていることでしょう。
妹もずっと苦しんでいました!
私は何度も相談をされ、でも王女殿下に抗うのは難しく……。
ここで妹の罪を暴いていただけるのは救いでしかありません!」
先の貴族よりは演技がうまい。
確かにバーノンの妹はリストに載っていた。
本当に何度も相談されたかどうかはわからないが、彼は王太子から密かに協力を持ちかけられて、喜んで父親に体調不良になれと言ったのだ。
バーノン伯爵令息の言葉に、すかさず王太子が感動したように言った。
「よく自分から話してくれた!
無理強いされたご令嬢に罪は問わない。
反対に謝罪させて欲しい」
普段は優しい演技で全てやり過ごす王太子が、いざちゃんと演技をしようとすると、鼻に付くのは何故なんだろう。
でも、その演技に、思わず手を上げる奴等が居る。
全部、リストに載っていた家門だ。
ここで国王陛下が口を挟んだ。
もっと手痛い目に合うのに。
「そのリスト等、誰が作ったのだ、馬鹿馬鹿しい。
そんなものが信用出来るか!」
仕込まれていない何人かも頷いている。
それに勇気を得た国王陛下は言葉を続ける。
「誰が作ったのか知らんが、ここでその教師の名前を出せるんだろうな?」
議長が答える。
「リストに書かれている名前は、えーストロ、ストロノーバー?」
練習してないのか、肝心なところなのにちゃんと発音出来ていない。
仕方なく、王太子は国王陛下を見た。
「イシュトヴァーン・ミハン・ストロノーヴァ。
トルラキアの……その名前が、どれだけ信用に足るか、陛下は御存じですよね?」
顔を赤く染め、言葉を失くした国王陛下を『お連れするように』と、護衛騎士に王太子は告げて。
陛下は周囲を近衛に囲まれて、議会会場を後にした。
それを見ても、誰も抗議の声をあげなかった。
そして王太子は周囲を見回し、厳かに宣言した。
「今回の事件に関し、実際には手を下さなくても、グレイシー伯爵令嬢を追い込み、多くのご令嬢を苦しめた第1王女の罪は重い。
王族であっても、このまま注意だけでは終わらせない。
それを国王陛下は重く受け止め、御身にも何らかの処分を下されるだろう。
私は約束する、この国を支えてくれる皆を優先し、その期待に応えられる新しい国を作る、と」
満場の起立拍手の中、王太子が応えるように手を上げて。
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