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第47話
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先程の幼さが消えて、兄は次代の当主に相応しい態度を取ろうとしていました。
私の手を握る兄の掌からは震えが伝わって来ましたが、それを知るのは私だけ。
兄の声に少し落ち着いたのか、家令が何人かに指示を与えて、ずっと側で話していた侯爵家私設騎士隊長と共にこちらへやって来ました。
「お嬢様はお部屋でお待ちいただいた方が」
私を気遣う隊長の言葉に、兄は。
「アグネスもこの場に居させる。
後回しの報告は要らぬ想像をさせるだけだ」
「……畏まりました、差し出た事を申しました」
兄がそう命じてくれたので、私もこの場に居ることが出来ました。
多分父なら、私は部屋に追いやられていたでしょう。
「ダウンヴィルには連絡して、伯爵家からも何人か捜索に出ております。
ダウンヴィルの大奥様も間もなく、こちらにいらっしゃるかと」
大奥様は祖母の事で、伯爵家は母の弟の叔父が継いでいました。
私が思っていたより事は大きくて、多くの人が母と姉を探していました。
ですが、捜索人数が必要なら。
「早く、早く王城にもお知らせして、ご一緒に探していただいたら?」
私ごときが口を挟むべきではないのですが、つい言葉にしてしまいました。
「それはまだ出来ない。
姉上は嫁入り前の身だ、騎士団が動けば何事もなく戻ることが出来ても傷物として扱われるだろう。
だから、捜索はこちらだけで密かに行うしかない。
王家への報告はいつするか、その判断は父上が決めるだろう」
「……」
「もうすぐおばあ様が来てくださる。
そうしたら、俺も捜索に出る。
お前はおばあ様をお支えしてくれるな?」
私が祖母を支える?
本当は私を心配して駆けつけてくれる祖母なのに、兄は敢えてそう、それが今する私の仕事だというように言ってくれました。
「先代にはどうなさいますか?」
家令が兄に尋ねました。
父が不在の現状では、兄の指示の通りに動く事に決めたようでした。
「遠い領地にただ知らせるだけの人員を割くなら、捜索に当たらせろ。
先代には終わってからで良い」
兄はそれだけ言うと、隊長と捜索範囲を確認するから、あちらへ行くよと私から離れようとしました。
その時、急に思い付いたことがあって。
「宝石を……ふたりは持ち帰っていたかも知れません」
「宝石を?どういう事?」
「おばあ様が今日お呼びになったのは、国外に持ち出せない宝石を整理されようとしていて、お母様とお姉様に分ける為だったと思います」
「それを知っていた者か? おい、スタイル!」
兄が隊長を見やって、隊長が頷いて。
「タウンハウスの使用人、その関係者を調べます」
祖母のところで働く皆は、好い人ばかりなのに。
私は余計な事を言ってしまったかも?
彼等が隊長から暴力を振るわれたら?
「大丈夫だ、調べるのが専門の人間を動かすだけだよ。
おばあ様の使用人リストはこちらにも提出されてるし、疑いを除くだけだから」
「それならいいのですけれど……」
不意に兄に抱き寄せられて。
「不安だろうけれど、まだ殿下にはお知らせ出来ないのはわかって。
大丈夫、意外とあのふたりだよ、平気な顔して帰ってくる、だから大丈夫」
大丈夫と繰り返す兄は、自分に言い聞かせているようでした。
以前は冷たく、母の事を『母親』と言っていた兄も、去年母の献身的な看護を受けてからは、また『母上』と呼ぶようになって来ていました。
そんな兄の為にも、そしてまだ素直になれなかった私の為にも母にはご無事に戻っていただかないと。
それにもちろん姉にも。
姉の嘘も許すから、無事に。
どうか、ご無事に……
しばらくして、祖母が来られました。
まず、兄に謝り、そして私を抱き締めて。
祖母のせいでは決してないのに、自分の用事で呼びつけて、その復路で行方知れずになった事で、ご自分を責められていたようでした。
祖母はすっかり疲れて、やはり震えられていて。
兄が離れていくついでに、メイド長に何か申し付けていて。
私と祖母に温かい飲み物を用意してくれました。
兄はまだ高等部の夏服の制服のままで、捜索に出る為に着替えを隊長から勧められていたのです。
午後から降り続いていた雨もようやくやんだようで……
母と姉が、気温の下がった秋の夕方にまだ、外で居るのに。
せっかくの兄の心遣いでしたが、温かな飲み物を口にするのは、躊躇われて。
それは祖母も同じ様で、両手でカップを包み温めながらも、飲むことは出来ないようでした。
「姉の忘れ物とは何だったのですか?
護衛に取りに行かせなくてはいけない物だったのでしょうか?」
「……貴女は気にしなくてもいいのよ」
「だって、そんなことをクラリスが言わなければ、こんな事には!」
祖母のタウンハウスから侯爵家までは同じ貴族街。
王城を挟んで反対側に位置していますが、それ程離れていないから護衛は必要ないと思ったのでしょうが。
護衛さえ付いていれば、こんな事にはならなかったのだと。
クラリスさえ、忘れ物を……
「……ケイトリンが『アグネスのハンカチ』を忘れたの」
ケイトリンとは母の名前でしたが、『アグネスのハンカチ』とは?
「ケイトリンはあれをずっと手離せなくて。
それを知ってるクラリスが護衛に、申し訳ないけれど、とお願いして取りに戻らせたの」
「私のハンカチって……?」
「貴女が初めて刺繍をしたハンカチよ、お母様にプレゼントしたでしょう?」
……私が初めて刺繍したハンカチ?
もしかしたらあのハンカチの事かしらと、思い出そうとしました。
姉が刺繍の練習をしていた側で、ハンカチと糸を分けていただいて、見様見真似で糸を刺した習作とも言えない、子供の。
……あれは何年前?
5、6年も前の? 母へのプレゼントなんかじゃない。
あんまりに拙くて、イライラして見たくなくて。
捨てるようにメイドに頼んだ……あれを?
あれをずっと、母は持っていて?
それを姉は知っていて?
翌日にでも届けていただけるのに、あれを取りに行かせた?
あんな物がそれ程大事だと思えないのに。
姉が、祖母が、護衛の騎士までもが、当然のように?
◇◇◇
兄が隊長と共に捜索に出て。
一体どのくらいの時が経ったでしょうか……
父からも兄からも、何の報せもありません。
私は祖母と身を寄せ合っていました。
動ける男衆を10人程残して、皆出ていました。
邸の中は怖いくらい静かで。
誰かに何かを指示して、私も動かなければいけないのか。
それとも余計なことはせず、このまま待っているだけでいいのか。
こんな時、母なら、姉なら、どうしたでしょう。
もう、私の中に姉に対する憎しみは消えていて。
こんなにも無力なくせに、貴女に対抗しようとした。
ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返すだけでした。
呪いは失敗だったと思っていたけれど、翌日にこんな事になるなんて。
もしも、神様が時を戻して下さるなら。
私は母と姉の手を取って……でも、一体どこまで?
どこまで時を戻していただけたら、やり直せるのでしょうか。
さっきは勝手に部屋に入り、ドレスを持ち出した。
今朝、怪我を気遣ってくれた姉に意地悪を言った。
昨日は、お揃いだと見せつけて、姉の話を嘘だと決めつけた。
立ち聞きをして、クローゼットを物色した。
……もっと? もっと以前まで遡ればいいの?
ぐるぐると思考は回り、結局は同じところに戻る。
姉を呪った自分の心根が浅ましくて、醜くて。
ごめんなさい、ごめんなさい。
私が呪われて消えれば、よかった。
そして、とうとう報せが。
貴族街から遠く離れた森の中で、潰れた馬車が見つかった、と。
私の手を握る兄の掌からは震えが伝わって来ましたが、それを知るのは私だけ。
兄の声に少し落ち着いたのか、家令が何人かに指示を与えて、ずっと側で話していた侯爵家私設騎士隊長と共にこちらへやって来ました。
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ですが、捜索人数が必要なら。
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だから、捜索はこちらだけで密かに行うしかない。
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「……」
「もうすぐおばあ様が来てくださる。
そうしたら、俺も捜索に出る。
お前はおばあ様をお支えしてくれるな?」
私が祖母を支える?
本当は私を心配して駆けつけてくれる祖母なのに、兄は敢えてそう、それが今する私の仕事だというように言ってくれました。
「先代にはどうなさいますか?」
家令が兄に尋ねました。
父が不在の現状では、兄の指示の通りに動く事に決めたようでした。
「遠い領地にただ知らせるだけの人員を割くなら、捜索に当たらせろ。
先代には終わってからで良い」
兄はそれだけ言うと、隊長と捜索範囲を確認するから、あちらへ行くよと私から離れようとしました。
その時、急に思い付いたことがあって。
「宝石を……ふたりは持ち帰っていたかも知れません」
「宝石を?どういう事?」
「おばあ様が今日お呼びになったのは、国外に持ち出せない宝石を整理されようとしていて、お母様とお姉様に分ける為だったと思います」
「それを知っていた者か? おい、スタイル!」
兄が隊長を見やって、隊長が頷いて。
「タウンハウスの使用人、その関係者を調べます」
祖母のところで働く皆は、好い人ばかりなのに。
私は余計な事を言ってしまったかも?
彼等が隊長から暴力を振るわれたら?
「大丈夫だ、調べるのが専門の人間を動かすだけだよ。
おばあ様の使用人リストはこちらにも提出されてるし、疑いを除くだけだから」
「それならいいのですけれど……」
不意に兄に抱き寄せられて。
「不安だろうけれど、まだ殿下にはお知らせ出来ないのはわかって。
大丈夫、意外とあのふたりだよ、平気な顔して帰ってくる、だから大丈夫」
大丈夫と繰り返す兄は、自分に言い聞かせているようでした。
以前は冷たく、母の事を『母親』と言っていた兄も、去年母の献身的な看護を受けてからは、また『母上』と呼ぶようになって来ていました。
そんな兄の為にも、そしてまだ素直になれなかった私の為にも母にはご無事に戻っていただかないと。
それにもちろん姉にも。
姉の嘘も許すから、無事に。
どうか、ご無事に……
しばらくして、祖母が来られました。
まず、兄に謝り、そして私を抱き締めて。
祖母のせいでは決してないのに、自分の用事で呼びつけて、その復路で行方知れずになった事で、ご自分を責められていたようでした。
祖母はすっかり疲れて、やはり震えられていて。
兄が離れていくついでに、メイド長に何か申し付けていて。
私と祖母に温かい飲み物を用意してくれました。
兄はまだ高等部の夏服の制服のままで、捜索に出る為に着替えを隊長から勧められていたのです。
午後から降り続いていた雨もようやくやんだようで……
母と姉が、気温の下がった秋の夕方にまだ、外で居るのに。
せっかくの兄の心遣いでしたが、温かな飲み物を口にするのは、躊躇われて。
それは祖母も同じ様で、両手でカップを包み温めながらも、飲むことは出来ないようでした。
「姉の忘れ物とは何だったのですか?
護衛に取りに行かせなくてはいけない物だったのでしょうか?」
「……貴女は気にしなくてもいいのよ」
「だって、そんなことをクラリスが言わなければ、こんな事には!」
祖母のタウンハウスから侯爵家までは同じ貴族街。
王城を挟んで反対側に位置していますが、それ程離れていないから護衛は必要ないと思ったのでしょうが。
護衛さえ付いていれば、こんな事にはならなかったのだと。
クラリスさえ、忘れ物を……
「……ケイトリンが『アグネスのハンカチ』を忘れたの」
ケイトリンとは母の名前でしたが、『アグネスのハンカチ』とは?
「ケイトリンはあれをずっと手離せなくて。
それを知ってるクラリスが護衛に、申し訳ないけれど、とお願いして取りに戻らせたの」
「私のハンカチって……?」
「貴女が初めて刺繍をしたハンカチよ、お母様にプレゼントしたでしょう?」
……私が初めて刺繍したハンカチ?
もしかしたらあのハンカチの事かしらと、思い出そうとしました。
姉が刺繍の練習をしていた側で、ハンカチと糸を分けていただいて、見様見真似で糸を刺した習作とも言えない、子供の。
……あれは何年前?
5、6年も前の? 母へのプレゼントなんかじゃない。
あんまりに拙くて、イライラして見たくなくて。
捨てるようにメイドに頼んだ……あれを?
あれをずっと、母は持っていて?
それを姉は知っていて?
翌日にでも届けていただけるのに、あれを取りに行かせた?
あんな物がそれ程大事だと思えないのに。
姉が、祖母が、護衛の騎士までもが、当然のように?
◇◇◇
兄が隊長と共に捜索に出て。
一体どのくらいの時が経ったでしょうか……
父からも兄からも、何の報せもありません。
私は祖母と身を寄せ合っていました。
動ける男衆を10人程残して、皆出ていました。
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こんな時、母なら、姉なら、どうしたでしょう。
もう、私の中に姉に対する憎しみは消えていて。
こんなにも無力なくせに、貴女に対抗しようとした。
ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返すだけでした。
呪いは失敗だったと思っていたけれど、翌日にこんな事になるなんて。
もしも、神様が時を戻して下さるなら。
私は母と姉の手を取って……でも、一体どこまで?
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さっきは勝手に部屋に入り、ドレスを持ち出した。
今朝、怪我を気遣ってくれた姉に意地悪を言った。
昨日は、お揃いだと見せつけて、姉の話を嘘だと決めつけた。
立ち聞きをして、クローゼットを物色した。
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