29 / 102
第29話 アシュフォードside
しおりを挟む
思っていたより、難しい人間ではなかったストロノーヴァのお陰で、俺がガーランドへ行っていた間の出来事を知ることが出来た。
妹のバージニアの馬鹿のせいで、俺と仲良くするのをやめたくなるのは理解した。
だがストロノーヴァが語ったアグネスは、俺が見てきた彼女の姿と重ならない。
何か問題を抱えているように思えなくて、素直に納得は出来なかった。
心の問題を抱えているのは、どちらかと言うとバージニアだ。
俺が妹の事をそう言えば、ストロノーヴァはさっと冷たい表情を見せた。
「注意を受ければ、反省などせず誰かのせいにして八つ当たりをする。
王女殿下にも何か言いたいことはあるのでしょうが、他者への暴力で発散している愚かな甘えた暴君だ。
私は専門外だと申し上げました。
王家の御典医にご相談なさるか、甘えを治す為に夏休みの間だけでも、何処かの修道院へでも預けられたらいかがですか」
一介の高等部の教師が、王族批判だ。
まぁでも、その通りなので。
ストロノーヴァは信頼出来る。
昼の予鈴が鳴ったので、読書を邪魔したことを俺は詫びた。
彼と話すのはなかなか面白くて……また、機会があれば話をしたい。
「あー、やっぱりクラリスはお目が高いね。
なんか、俺もさ……」
俺の隣で、最後まで言葉にせずにレイが言う。
諦めたのか、そうだろうな。
俺も完全に納得はしていないが、もう少しアグネスとは会話が必要なのは確かだ。
彼女が旅行へ行ってしまえば、少なくとも1ヶ月は帰国しないだろう。
このバロウズに比べて、トルラキアは格段に涼しくて過ごしやすい。
年老いた彼女の祖母は彼の国で、ゆっくり過ごしたがるような気がする。
いつ出発なのか教えて貰おう、そう思って。
放課後にクラリスを捕まえて伝言を頼んだのに。
俺が知らない間に、彼女は出国していた。
夏休みに入って2週間が過ぎた頃。
高等部でバロウズ出身の世界的ピアノ奏者の講演会があって、俺も登校した。
例の花火祭りは来週で、アグネスからの連絡もないし、再来週以降に旅行に行くのなら別荘へ誘えるんじゃないか、と思っていたら。
『是非、お耳に入れたい事があります』と、クラリスから言ってきた。
学園の大ホールで行われる講演会の為に、皆でダラダラ移動してる廊下でだった。
レイを間に入れて、3人で並んで歩く。
「アグネスの出発日のこと?」
「……アグネスからは何も知らされていないんですか?
とうにトルラキアに到着してると思いますけど」
クラリスの返事につい、足が止まり。
後ろを歩いていた生徒にぶつかられて。
あわわと謝られて、気にしないでと手を振る。
……ショックで、もう……
出発する日を教えてくれと頼んでいたのに。
アグネスに無視されたショックを抱えて、天才音楽家のピアノ演奏を聴く。
各自のクラスの席に着く為に離れ間際、レイからは慰めの背中叩きを貰った。
クラリスからは放課後に時間を、と言われた。
多分、素晴らしい演奏を聴かせて貰っているのに、耳に心に響かない。
これはもう、アグネスを諦めるしかないって事か。
会えたら一番に、バージニアの事を謝ろうと思っていた。
話してくれなかったのは、俺が頼りないからだろう。
でも、これからは何かあれば話してほしい。
侯爵やストロノーヴァのようには守れないかも知れないけれど、俺は俺の出来る限りで君を守りたいんだと伝えたかった。
◇◇◇
「先日、アグネスに縁組の打診がありました」
クラリスが言った『是非、俺のお耳に入れたい事』は衝撃的だった。
16のクラリスならわかる。
だが、アグネス? まだ9歳だぞ?
俺は自分が囲い込もうとしていた事を棚に上げて、非常にムカついた。
「お相手は22歳の次期辺境伯のジョセフ・バーモント様。
お母様のバーモント伯爵夫人のたってのご希望です」
ち、ちょっと待て、ジョセフ・バーモントって、有名な……
「それ、あれだろ? 初恋を貫く男だろ」
俺の代わりにレイが言う。
その通り、バーモント辺境伯家嫡男のジョセフは初恋を貫く男として社交界で有名な男だ。
5歳上の初恋の女性が夫と死別した後、即行で迎え入れて恋人に収まった。
そしてそのまま領地に戻らず、王都のタウンハウスに愛の巣を構えて、初恋の相手を溺愛しているのを知らない貴族は居ない。
辺境伯家には子供はジョセフひとりしかおらず、恋に狂っている以外は出来がよい男なので、廃嫡はされなかった。
だが、名家の次期辺境伯夫人にその女性では……と、周囲は反対だった。
勿論、両親も家臣も皆でジョセフを説得しようとしたが、恋人と添い遂げられないなら辺境に戻らない、等とうそぶいて恋人と王都の生活を満喫している。
例の夜会でも、人目を気にせずジョセフは恋人とイチャついていた……そんな男と?
「アグネスが初等部を卒業した後、辺境へ引き取り、次代の辺境伯夫人に相応しい教育を与えて、バーモントの嫁に育てる、と」
「……」
「婚姻の予定は5~6年後。
その間に自分の全てをアグネスに伝えたい、と仰って。
他に子供も居ないので、実の娘のように可愛がるし、領民からの支持を得る為に領地視察や支援活動にも参加をさせる予定だそうです」
13で引き取られて18になったアグネスに、31のジョセフ。
現財務大臣の父を持ち、完璧に辺境伯夫人としての教育を受け、両親に可愛がられ、家臣、領民からも慕われる若く賢い新妻。
片や10年来の恋人は既に36歳、両親からも家臣からも受け入れられず、後ろ楯もない。
身体だって馴染んではいるが、新鮮味は無い。
それでも、初恋を貫き通せるのか?
その時が来たら、ジョセフはどちらを選ぶ?
「うわ、だから今、子供でもいいんだ」
うんざりしたように、レイが呟く。
子供でも、じゃない。
子供だから、いいんだ。
育て方次第で、どうとでも変わる。
はっきりした自我が無い内に、思い通りに教え込む。
「どうして?」「嫌だ」の疑問や拒否を、頭に浮かばせないように、優しく言葉巧みに誘導して。
辺境伯夫人は今の時点で他の女性には目を向けない息子の、好みに合わせた女性を5年の歳月をかけてひとり作るつもりだ。
……そうか、これが幼い頃から囲い込むという事なのか。
だから、スローン侯爵は難しい顔をしていたのだ。
『早めに囲い込みましょう』
アライアは、アグネスを俺に合わせた女性に。
ひとりの少女を、アライアが思う俺に相応しい女性に、作り替える気だったんだ。
「スローン侯爵は断っただろ?」
侯爵は囲い込みなんて嫌うはずだ、受けるはずがない。
「んー……辺境伯夫人が居られた間は我慢していたのですが、帰られたら母がすごい勢いで、断るように父に泣きついて、大変で。
まあ、それがわかっていたから、父も私に同席するようにと仰せになったんですけれど」
侯爵夫人が?
アグネスとの仲は、なかなか修復出来ていない、と聞いている。
「母は愚かだ、と申しましたでしょ?
母にとって一番愛しい子供はアグネスなんです。
全然伝わっていませんが」
妹のバージニアの馬鹿のせいで、俺と仲良くするのをやめたくなるのは理解した。
だがストロノーヴァが語ったアグネスは、俺が見てきた彼女の姿と重ならない。
何か問題を抱えているように思えなくて、素直に納得は出来なかった。
心の問題を抱えているのは、どちらかと言うとバージニアだ。
俺が妹の事をそう言えば、ストロノーヴァはさっと冷たい表情を見せた。
「注意を受ければ、反省などせず誰かのせいにして八つ当たりをする。
王女殿下にも何か言いたいことはあるのでしょうが、他者への暴力で発散している愚かな甘えた暴君だ。
私は専門外だと申し上げました。
王家の御典医にご相談なさるか、甘えを治す為に夏休みの間だけでも、何処かの修道院へでも預けられたらいかがですか」
一介の高等部の教師が、王族批判だ。
まぁでも、その通りなので。
ストロノーヴァは信頼出来る。
昼の予鈴が鳴ったので、読書を邪魔したことを俺は詫びた。
彼と話すのはなかなか面白くて……また、機会があれば話をしたい。
「あー、やっぱりクラリスはお目が高いね。
なんか、俺もさ……」
俺の隣で、最後まで言葉にせずにレイが言う。
諦めたのか、そうだろうな。
俺も完全に納得はしていないが、もう少しアグネスとは会話が必要なのは確かだ。
彼女が旅行へ行ってしまえば、少なくとも1ヶ月は帰国しないだろう。
このバロウズに比べて、トルラキアは格段に涼しくて過ごしやすい。
年老いた彼女の祖母は彼の国で、ゆっくり過ごしたがるような気がする。
いつ出発なのか教えて貰おう、そう思って。
放課後にクラリスを捕まえて伝言を頼んだのに。
俺が知らない間に、彼女は出国していた。
夏休みに入って2週間が過ぎた頃。
高等部でバロウズ出身の世界的ピアノ奏者の講演会があって、俺も登校した。
例の花火祭りは来週で、アグネスからの連絡もないし、再来週以降に旅行に行くのなら別荘へ誘えるんじゃないか、と思っていたら。
『是非、お耳に入れたい事があります』と、クラリスから言ってきた。
学園の大ホールで行われる講演会の為に、皆でダラダラ移動してる廊下でだった。
レイを間に入れて、3人で並んで歩く。
「アグネスの出発日のこと?」
「……アグネスからは何も知らされていないんですか?
とうにトルラキアに到着してると思いますけど」
クラリスの返事につい、足が止まり。
後ろを歩いていた生徒にぶつかられて。
あわわと謝られて、気にしないでと手を振る。
……ショックで、もう……
出発する日を教えてくれと頼んでいたのに。
アグネスに無視されたショックを抱えて、天才音楽家のピアノ演奏を聴く。
各自のクラスの席に着く為に離れ間際、レイからは慰めの背中叩きを貰った。
クラリスからは放課後に時間を、と言われた。
多分、素晴らしい演奏を聴かせて貰っているのに、耳に心に響かない。
これはもう、アグネスを諦めるしかないって事か。
会えたら一番に、バージニアの事を謝ろうと思っていた。
話してくれなかったのは、俺が頼りないからだろう。
でも、これからは何かあれば話してほしい。
侯爵やストロノーヴァのようには守れないかも知れないけれど、俺は俺の出来る限りで君を守りたいんだと伝えたかった。
◇◇◇
「先日、アグネスに縁組の打診がありました」
クラリスが言った『是非、俺のお耳に入れたい事』は衝撃的だった。
16のクラリスならわかる。
だが、アグネス? まだ9歳だぞ?
俺は自分が囲い込もうとしていた事を棚に上げて、非常にムカついた。
「お相手は22歳の次期辺境伯のジョセフ・バーモント様。
お母様のバーモント伯爵夫人のたってのご希望です」
ち、ちょっと待て、ジョセフ・バーモントって、有名な……
「それ、あれだろ? 初恋を貫く男だろ」
俺の代わりにレイが言う。
その通り、バーモント辺境伯家嫡男のジョセフは初恋を貫く男として社交界で有名な男だ。
5歳上の初恋の女性が夫と死別した後、即行で迎え入れて恋人に収まった。
そしてそのまま領地に戻らず、王都のタウンハウスに愛の巣を構えて、初恋の相手を溺愛しているのを知らない貴族は居ない。
辺境伯家には子供はジョセフひとりしかおらず、恋に狂っている以外は出来がよい男なので、廃嫡はされなかった。
だが、名家の次期辺境伯夫人にその女性では……と、周囲は反対だった。
勿論、両親も家臣も皆でジョセフを説得しようとしたが、恋人と添い遂げられないなら辺境に戻らない、等とうそぶいて恋人と王都の生活を満喫している。
例の夜会でも、人目を気にせずジョセフは恋人とイチャついていた……そんな男と?
「アグネスが初等部を卒業した後、辺境へ引き取り、次代の辺境伯夫人に相応しい教育を与えて、バーモントの嫁に育てる、と」
「……」
「婚姻の予定は5~6年後。
その間に自分の全てをアグネスに伝えたい、と仰って。
他に子供も居ないので、実の娘のように可愛がるし、領民からの支持を得る為に領地視察や支援活動にも参加をさせる予定だそうです」
13で引き取られて18になったアグネスに、31のジョセフ。
現財務大臣の父を持ち、完璧に辺境伯夫人としての教育を受け、両親に可愛がられ、家臣、領民からも慕われる若く賢い新妻。
片や10年来の恋人は既に36歳、両親からも家臣からも受け入れられず、後ろ楯もない。
身体だって馴染んではいるが、新鮮味は無い。
それでも、初恋を貫き通せるのか?
その時が来たら、ジョセフはどちらを選ぶ?
「うわ、だから今、子供でもいいんだ」
うんざりしたように、レイが呟く。
子供でも、じゃない。
子供だから、いいんだ。
育て方次第で、どうとでも変わる。
はっきりした自我が無い内に、思い通りに教え込む。
「どうして?」「嫌だ」の疑問や拒否を、頭に浮かばせないように、優しく言葉巧みに誘導して。
辺境伯夫人は今の時点で他の女性には目を向けない息子の、好みに合わせた女性を5年の歳月をかけてひとり作るつもりだ。
……そうか、これが幼い頃から囲い込むという事なのか。
だから、スローン侯爵は難しい顔をしていたのだ。
『早めに囲い込みましょう』
アライアは、アグネスを俺に合わせた女性に。
ひとりの少女を、アライアが思う俺に相応しい女性に、作り替える気だったんだ。
「スローン侯爵は断っただろ?」
侯爵は囲い込みなんて嫌うはずだ、受けるはずがない。
「んー……辺境伯夫人が居られた間は我慢していたのですが、帰られたら母がすごい勢いで、断るように父に泣きついて、大変で。
まあ、それがわかっていたから、父も私に同席するようにと仰せになったんですけれど」
侯爵夫人が?
アグネスとの仲は、なかなか修復出来ていない、と聞いている。
「母は愚かだ、と申しましたでしょ?
母にとって一番愛しい子供はアグネスなんです。
全然伝わっていませんが」
93
お気に入りに追加
2,075
あなたにおすすめの小説
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
君のためだと言われても、少しも嬉しくありません
みみぢあん
恋愛
子爵家の令嬢マリオンの婚約者、アルフレッド卿が王族の護衛で隣国へ行くが、任期がながびき帰国できなくなり婚約を解消することになった。 すぐにノエル卿と2度目の婚約が決まったが、結婚を目前にして家庭の事情で2人は…… 暗い流れがつづきます。 ざまぁでスカッ… とされたい方には不向きのお話です。ご注意を😓
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
【本編完結・番外編不定期更新】
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます

【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)

【完結】他人に優しい婚約者ですが、私だけ例外のようです
白草まる
恋愛
婚約者を放置してでも他人に優しく振る舞うダニーロ。
それを不満に思いつつも簡単には婚約関係を解消できず諦めかけていたマルレーネ。
二人が参加したパーティーで見知らぬ令嬢がマルレーネへと声をかけてきた。
「単刀直入に言います。ダニーロ様と別れてください」

【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。
かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。
ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。
二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる