9 / 102
第9話
しおりを挟む完全に突き放された男は加奈子を追いかけた。
そして思い切って加奈子に尋ねた。
「お、俺も戦闘できるように、戦えるように仲間にしてくれませんか?」
加奈子は振り返り、しばし男を見つめた。
『あなたに聞くけど、今の世が変わった事は理解できましたか?』
『そして、これからどう生きていきたいか教えて下さいな』
「どうって・・・ 流れに乗りたい?みたいな感じかな?」
『・・・』
『お調子者さんかな?』
「だ、駄目ですか?」
加奈子はチラリと小学校の向こう、中学校の校庭を見た。
かなりの人間が校庭で何かをしているのが見える。
多分、戸弩力組が頑張っているんだろう。
『あそこで皆さん、レベルを付けた方ばかりで訓練しているのでそこへ行かれたらよろしいかと』
見ず知らずの男性を仲間にするほど、加奈子の偽善心は高くない。
それよりも、どんな人間性かもわからないのに、仲間にして問題が起きる方が嫌である。
「えっ?ここじゃ無理なんですか?」
『・・・』
『出来ない事は無いけれど、私たちはこれからやる事もありますので』
「お、俺も手伝いますので、ここで鍛えてもらえませんか?」
加奈子は少しうんざりとしてきた。
基本的に、あんまり男が好きじゃないのかも知れない。
戸弩力や徳太郎は特別なんだろう。
「加奈子さ~ん、どうしたんですか~?」
なかなか来ない加奈子を心配して麗菜と明日桜が近寄ってきた。
『この方がこのパーティに入れて欲しいと言うので、お断りをしている所です』
男に聞こえる様にハッキリと意思表示をしてみる。
「おじさん一人くらい増えた所であんま問題は無いんじゃ~ないっすか?」
麗菜は男の顔をジッと見て尋ねる。
「あなたは何が出来ますか?今のあなた自身の特技を聞かせて下さいな」
「お、俺はゲームくらいしか取り柄は無いけど・・・」
『・・・』
面倒くさいので断るつもりが、何やら眷属たちは容認しようとしているようだ。
「どんなゲームがお得意ですか?」
「き、基本はRPGやけど、SLGも好きかな」
「課金勢?無課金やり込み勢?それともガチ勢ですか?」
「どっちかと言えば、ガチ勢かな~」
「結婚はされてます?ご家族は?」
「バ、バツイチで家族は神戸には居ません」
「これからやるとしたら、どんな職業を目指しますか?」
「俺は・・・ 鉾か槍か戦斧か長柄の殴棒かなぁ」
「刀や剣は?体術とか?」
「いや、中距離で力任せに戦う方が得意かな?」
(((その身体で?)))
「い、今、身長と体重はどんくらい?」
見るからに細身で力も無さそうなのに、力任せが得意とか?理解出来ない明日桜が聞いた。
「えっと~ 178㎝で55㎏くらいかな?」
「ほっそっ!」
「だから市販の服やズボンはサイズが合わなくてw」
服もズボンもかなり大きめのサイズを着ているのは、細身を隠すためだと思っていた。
だが、身体廻りを合わせれば、服もズボンも丈が短すぎるようだ。
丈を合わせればブカブカな感じになってしまう。
「加奈子さん、この人をレベル付きにしませんか?」
『ん~まぁいいですけど・・・』
加奈子からの言質を取ったので麗菜はその男を引き連れてマンションの1階エントランスに向かう。
明日桜はジンガの頭を撫でながら加奈子に物申す。
「加奈子さん、あの人を仲間にするのが嫌そうだったけど?」
『ん~まぁ何て言うのか、私って男性不審なのかも知れないですね』
「でも、こんな所で出会うって縁ですよね」
『縁・・・ 縁なのかなぁ?』
「昨日、戸弩力さんと話してるのを聞いちゃってたんだけど、加奈子さんは強い"運"を持ってるって話だったんですよね。
だったらこんな所で偶然出会う縁ってのも、その運に導かれたもんじゃないかなって思う」
『・・・』
「麗菜さんとちょっと前に話してたんです。
自分たちが今ここに居るのも、加奈子さんの運に導かれて集まった人達なんだろうねって」
『・・・』
「だからあんなヒョロポンな男でも何かしら有意義な存在なのかも知れない?かな?」
『わかったわ、でも仲間にするのなら火の地獄を味わってもらわないとねw』
「あはは、あれはなかなか地獄ですw」
レベルが付いた男に、最低限のスキルと、最高の火熱耐性を覚えさせた。
「ハァハァハァ・・・ 2度も死ぬ思いをするなんて・・・」
「今、生きてるって事でしょw」
マンションの1階には100や200ではきかないくらいのゴブリンが居た。
老人ホームの方にも数えきれないくらいのゴブリンが居るので、そっちに男と麗菜を引き連れて加奈子は颯爽と臨んでいった。
建物内で火絨毯は拡げられないので、小さめの火弾を撃ち込み殲滅していく。
麗菜は二股の槍で軽くゴブリンを屠って行く。
身長がさらに伸び、やっとそこらの格闘家並みの筋肉が付いたが、撫で肩の為、そんなにガッチリは見えない男は、先言通りにフロアモップの先の房糸部分を取り除いた、杈の様な長柄武器で戦っている。
あまり殺傷力は高くないが、麗菜とペア狩りしているため特に問題は無いようである。
加奈子は同じフロアだが、少し離れてソロ狩り状態である。
(ふふふ、また何かドロップしたわ)
ちょこちょこゴブリンからは綺麗な瓶に入った薬を落としていたが、フロアボスだったかも知れない大きくて、明らかに他よりも強いゴブリンを倒した時、オレンジの宝珠を落として逝った。
(出会った時のヤツよりも何倍も強いこのゴブリンを雑魚みたいにアッサリと倒せた…)
(今ならあいつとやっても勝てるんじゃないだろうか?…)
(いや、ヤツがあのままのはずは無いし、慢心は封印しないと…)
加奈子のステータスは、武闘でも魔法でもこんなフロアボスクラスなら敵対も出来ないくらい差が付いてしまっている。
キャリヤと差が付いているのかは、今の所不明である。
加奈子の眷属のオオカミ、フィルは子供達と同じ、マンション部分の1階に居た。
子供達の主である、明日桜と緑と共に戦う。
3匹と2人は、素早さと攻撃力に長けている為、戦い方は必然的に近接戦闘になってしまう。
すぐそばでは、雲国親娘がゴブリンから奪った中刀で迫力のある戦いを繰り広げている。
老人ホームの1階を殲滅した加奈子たちは、2階3階と上がってみたが上にはゴブリンは居なかった。
また1階に降りて、エントランスとは反対側からマンション1階に入りゴブリンを殲滅していく。
加奈子は1階廊下に火の絨毯を拡げながら先行で進んで行った。
麗菜と細男が後始末をしながら進んで行く。
『麗菜さん、ドロップを見かけたら拾って来てくださいな』
「はいっわかりました」
「お任せください」
「この短時間でこんなにレベルが上がって、なんか夢を見てるようです」
「私も実は、あなたがレベルを付けるほんの少し前にレベル付きになったんですよw」
「最初の3~4匹は気持ち悪かったけど、もうゴブリンを殺す事に何も思わなくなりました」
「人としてはどうかと思うけど、こんな世界で生きて行くには慣れていかないとね」
二人共あっという間にレベルも10を超えて余裕も出て来て、話をしながら敵を狩って行く。
だが、何度も加奈子に言われた言葉を思い出し、麗菜は男に告げる。
「常々心に止めておいて欲しいんだけど、慢心だけはしないでね」
「慢心ですか・・・」
「あの加奈子さんですら、その慢心で死に掛けたって言ってたからね」
「はぁ・・・ やっぱりやられたら死ぬんですよね・・・」
「それはそうと、職業はもう選択したの?」
「いえっ、出てるのは【棒術士】【棍術士】【鉾術師】の3つあるんですが、なかなかどれにするか決めきれなくて」
「焦らなくても、また違う職業も発生するしね」
加奈子がグングン先に進んで行くと、もう目の前にフィル達が見えた。
前方に火の絨毯を展開し、暫く戦闘を眺めている。
(みんな、ほんと危なげなくゴブリンくらいなら倒せてるね)
おおよそ1階のゴブリンを掃除し、加奈子はフィルを連れて2階に上がってみたが、やはりそこにはゴブリンの姿は無かった。
(ん~ ゴブリンって1階にしか居ないのかな?)
目に見える範囲にゴブリンが居なくなったので、天使軍はゾロゾロと外に出て行った。
男が一人増えている事に雲国母娘が少し訝し気な雰囲気を見せているので、加奈子が自己紹介をするように男に促した。
「今日からパーティに入れて頂いた 棒妻 洋路と言います」
「以後、宜しくお願いします」
軽く自己紹介が終わり、9番街と8番街の間に座って今の戦闘の感想を言い合う。
明日桜や緑も率先して話の輪に入っている。
とても楽しそうに話す皆の姿を見て、加奈子の心に嬉しい気持ちが溢れて来る。
そして思い切って加奈子に尋ねた。
「お、俺も戦闘できるように、戦えるように仲間にしてくれませんか?」
加奈子は振り返り、しばし男を見つめた。
『あなたに聞くけど、今の世が変わった事は理解できましたか?』
『そして、これからどう生きていきたいか教えて下さいな』
「どうって・・・ 流れに乗りたい?みたいな感じかな?」
『・・・』
『お調子者さんかな?』
「だ、駄目ですか?」
加奈子はチラリと小学校の向こう、中学校の校庭を見た。
かなりの人間が校庭で何かをしているのが見える。
多分、戸弩力組が頑張っているんだろう。
『あそこで皆さん、レベルを付けた方ばかりで訓練しているのでそこへ行かれたらよろしいかと』
見ず知らずの男性を仲間にするほど、加奈子の偽善心は高くない。
それよりも、どんな人間性かもわからないのに、仲間にして問題が起きる方が嫌である。
「えっ?ここじゃ無理なんですか?」
『・・・』
『出来ない事は無いけれど、私たちはこれからやる事もありますので』
「お、俺も手伝いますので、ここで鍛えてもらえませんか?」
加奈子は少しうんざりとしてきた。
基本的に、あんまり男が好きじゃないのかも知れない。
戸弩力や徳太郎は特別なんだろう。
「加奈子さ~ん、どうしたんですか~?」
なかなか来ない加奈子を心配して麗菜と明日桜が近寄ってきた。
『この方がこのパーティに入れて欲しいと言うので、お断りをしている所です』
男に聞こえる様にハッキリと意思表示をしてみる。
「おじさん一人くらい増えた所であんま問題は無いんじゃ~ないっすか?」
麗菜は男の顔をジッと見て尋ねる。
「あなたは何が出来ますか?今のあなた自身の特技を聞かせて下さいな」
「お、俺はゲームくらいしか取り柄は無いけど・・・」
『・・・』
面倒くさいので断るつもりが、何やら眷属たちは容認しようとしているようだ。
「どんなゲームがお得意ですか?」
「き、基本はRPGやけど、SLGも好きかな」
「課金勢?無課金やり込み勢?それともガチ勢ですか?」
「どっちかと言えば、ガチ勢かな~」
「結婚はされてます?ご家族は?」
「バ、バツイチで家族は神戸には居ません」
「これからやるとしたら、どんな職業を目指しますか?」
「俺は・・・ 鉾か槍か戦斧か長柄の殴棒かなぁ」
「刀や剣は?体術とか?」
「いや、中距離で力任せに戦う方が得意かな?」
(((その身体で?)))
「い、今、身長と体重はどんくらい?」
見るからに細身で力も無さそうなのに、力任せが得意とか?理解出来ない明日桜が聞いた。
「えっと~ 178㎝で55㎏くらいかな?」
「ほっそっ!」
「だから市販の服やズボンはサイズが合わなくてw」
服もズボンもかなり大きめのサイズを着ているのは、細身を隠すためだと思っていた。
だが、身体廻りを合わせれば、服もズボンも丈が短すぎるようだ。
丈を合わせればブカブカな感じになってしまう。
「加奈子さん、この人をレベル付きにしませんか?」
『ん~まぁいいですけど・・・』
加奈子からの言質を取ったので麗菜はその男を引き連れてマンションの1階エントランスに向かう。
明日桜はジンガの頭を撫でながら加奈子に物申す。
「加奈子さん、あの人を仲間にするのが嫌そうだったけど?」
『ん~まぁ何て言うのか、私って男性不審なのかも知れないですね』
「でも、こんな所で出会うって縁ですよね」
『縁・・・ 縁なのかなぁ?』
「昨日、戸弩力さんと話してるのを聞いちゃってたんだけど、加奈子さんは強い"運"を持ってるって話だったんですよね。
だったらこんな所で偶然出会う縁ってのも、その運に導かれたもんじゃないかなって思う」
『・・・』
「麗菜さんとちょっと前に話してたんです。
自分たちが今ここに居るのも、加奈子さんの運に導かれて集まった人達なんだろうねって」
『・・・』
「だからあんなヒョロポンな男でも何かしら有意義な存在なのかも知れない?かな?」
『わかったわ、でも仲間にするのなら火の地獄を味わってもらわないとねw』
「あはは、あれはなかなか地獄ですw」
レベルが付いた男に、最低限のスキルと、最高の火熱耐性を覚えさせた。
「ハァハァハァ・・・ 2度も死ぬ思いをするなんて・・・」
「今、生きてるって事でしょw」
マンションの1階には100や200ではきかないくらいのゴブリンが居た。
老人ホームの方にも数えきれないくらいのゴブリンが居るので、そっちに男と麗菜を引き連れて加奈子は颯爽と臨んでいった。
建物内で火絨毯は拡げられないので、小さめの火弾を撃ち込み殲滅していく。
麗菜は二股の槍で軽くゴブリンを屠って行く。
身長がさらに伸び、やっとそこらの格闘家並みの筋肉が付いたが、撫で肩の為、そんなにガッチリは見えない男は、先言通りにフロアモップの先の房糸部分を取り除いた、杈の様な長柄武器で戦っている。
あまり殺傷力は高くないが、麗菜とペア狩りしているため特に問題は無いようである。
加奈子は同じフロアだが、少し離れてソロ狩り状態である。
(ふふふ、また何かドロップしたわ)
ちょこちょこゴブリンからは綺麗な瓶に入った薬を落としていたが、フロアボスだったかも知れない大きくて、明らかに他よりも強いゴブリンを倒した時、オレンジの宝珠を落として逝った。
(出会った時のヤツよりも何倍も強いこのゴブリンを雑魚みたいにアッサリと倒せた…)
(今ならあいつとやっても勝てるんじゃないだろうか?…)
(いや、ヤツがあのままのはずは無いし、慢心は封印しないと…)
加奈子のステータスは、武闘でも魔法でもこんなフロアボスクラスなら敵対も出来ないくらい差が付いてしまっている。
キャリヤと差が付いているのかは、今の所不明である。
加奈子の眷属のオオカミ、フィルは子供達と同じ、マンション部分の1階に居た。
子供達の主である、明日桜と緑と共に戦う。
3匹と2人は、素早さと攻撃力に長けている為、戦い方は必然的に近接戦闘になってしまう。
すぐそばでは、雲国親娘がゴブリンから奪った中刀で迫力のある戦いを繰り広げている。
老人ホームの1階を殲滅した加奈子たちは、2階3階と上がってみたが上にはゴブリンは居なかった。
また1階に降りて、エントランスとは反対側からマンション1階に入りゴブリンを殲滅していく。
加奈子は1階廊下に火の絨毯を拡げながら先行で進んで行った。
麗菜と細男が後始末をしながら進んで行く。
『麗菜さん、ドロップを見かけたら拾って来てくださいな』
「はいっわかりました」
「お任せください」
「この短時間でこんなにレベルが上がって、なんか夢を見てるようです」
「私も実は、あなたがレベルを付けるほんの少し前にレベル付きになったんですよw」
「最初の3~4匹は気持ち悪かったけど、もうゴブリンを殺す事に何も思わなくなりました」
「人としてはどうかと思うけど、こんな世界で生きて行くには慣れていかないとね」
二人共あっという間にレベルも10を超えて余裕も出て来て、話をしながら敵を狩って行く。
だが、何度も加奈子に言われた言葉を思い出し、麗菜は男に告げる。
「常々心に止めておいて欲しいんだけど、慢心だけはしないでね」
「慢心ですか・・・」
「あの加奈子さんですら、その慢心で死に掛けたって言ってたからね」
「はぁ・・・ やっぱりやられたら死ぬんですよね・・・」
「それはそうと、職業はもう選択したの?」
「いえっ、出てるのは【棒術士】【棍術士】【鉾術師】の3つあるんですが、なかなかどれにするか決めきれなくて」
「焦らなくても、また違う職業も発生するしね」
加奈子がグングン先に進んで行くと、もう目の前にフィル達が見えた。
前方に火の絨毯を展開し、暫く戦闘を眺めている。
(みんな、ほんと危なげなくゴブリンくらいなら倒せてるね)
おおよそ1階のゴブリンを掃除し、加奈子はフィルを連れて2階に上がってみたが、やはりそこにはゴブリンの姿は無かった。
(ん~ ゴブリンって1階にしか居ないのかな?)
目に見える範囲にゴブリンが居なくなったので、天使軍はゾロゾロと外に出て行った。
男が一人増えている事に雲国母娘が少し訝し気な雰囲気を見せているので、加奈子が自己紹介をするように男に促した。
「今日からパーティに入れて頂いた 棒妻 洋路と言います」
「以後、宜しくお願いします」
軽く自己紹介が終わり、9番街と8番街の間に座って今の戦闘の感想を言い合う。
明日桜や緑も率先して話の輪に入っている。
とても楽しそうに話す皆の姿を見て、加奈子の心に嬉しい気持ちが溢れて来る。
62
お気に入りに追加
2,025
あなたにおすすめの小説
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)
望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】
男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。
少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。
けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。
少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。
それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分の初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。
その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。
そこには残酷な現実が待っていた――
*他サイトでも投稿中

【完結】婚約破棄され毒杯処分された悪役令嬢は影から王子の愛と後悔を見届ける
堀 和三盆
恋愛
「クアリフィカ・アートルム公爵令嬢! 貴様との婚約は破棄する」
王太子との結婚を半年後に控え、卒業パーティーで婚約を破棄されてしまったクアリフィカ。目の前でクアリフィカの婚約者に寄り添い、歪んだ嗤いを浮かべているのは異母妹のルシクラージュだ。
クアリフィカは既に王妃教育を終えているため、このタイミングでの婚約破棄は未来を奪われるも同然。こうなるとクアリフィカにとれる選択肢は多くない。
せめてこれまで努力してきた王妃教育の成果を見てもらいたくて。
キレイな姿を婚約者の記憶にとどめてほしくて。
クアリフィカは荒れ狂う感情をしっかりと覆い隠し、この場で最後の公務に臨む。
卒業パーティー会場に響き渡る悲鳴。
目にした惨状にバタバタと倒れるパーティー参加者達。
淑女の鑑とまで言われたクアリフィカの最期の姿は、良くも悪くも多くの者の記憶に刻まれることになる。
そうして――王太子とルシクラージュの、後悔と懺悔の日々が始まった。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

今世ではあなたと結婚なんてお断りです!
水川サキ
恋愛
私は夫に殺された。
正確には、夫とその愛人である私の親友に。
夫である王太子殿下に剣で身体を貫かれ、死んだと思ったら1年前に戻っていた。
もう二度とあんな目に遭いたくない。
今度はあなたと結婚なんて、絶対にしませんから。
あなたの人生なんて知ったことではないけれど、
破滅するまで見守ってさしあげますわ!

「奇遇ですね。私の婚約者と同じ名前だ」
ねむたん
恋愛
侯爵家の令嬢リリエット・クラウゼヴィッツは、伯爵家の嫡男クラウディオ・ヴェステンベルクと婚約する。しかし、クラウディオは婚約に反発し、彼女に冷淡な態度を取り続ける。
学園に入学しても、彼は周囲とはそつなく交流しながら、リリエットにだけは冷たいままだった。そんな折、クラウディオの妹セシルの誘いで茶会に参加し、そこで新たな交流を楽しむ。そして、ある子爵子息が立ち上げた商会の服をまとい、いつもとは違う姿で社交界に出席することになる。
その夜会でクラウディオは彼女を別人と勘違いし、初めて優しく接する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる