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最終話
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聖誕祭に食べる伝統的なデザートのミンスパイは、ミルドレッドの亡き夫スチュワートの好物だった。
そして、もうひとり。
貴方の好物は? と尋ねられたイアンがミルドレッドに答えたのも、ミンスパイだった。
……その偶然は、神からの啓示だったのか。
この春のイアンの叙爵の話を聞いて。
とうとうこの時が来たのだと覚悟した。
悩みながら、今年の聖誕祭にはミンスパイを焼こうと決めて、ユリアナに相談した。
料理が得意とは決して言えないミルドレッドが作る代物を。
それがどんな出来であろうと、『美味しい』と平らげてくれるのがスチュワートなら。
もっと美味しくなる方法を一緒に考えてくれるのがイアンだ。
「畏まりました、本番の聖誕祭に向けて、特訓ですよ!」
腕まくりして見せたユリアナの本気が、嬉しかった。
◇◇◇
「着いて早々に、なんだけれど。
散歩にでも行きませんか?」
ジャーヴィスは出掛けていて、キャサリンに挨拶だけ済ませると、イアンはミルドレッドを散歩に誘った。
愛馬にくくりつけた、荷物も降ろさずにだ。
これは多分。
もしミルドレッドへの求婚を断られたら……
イアンはその足で王都へ帰るのだろうと、思われた。
もうそれだけで、ミルドレッドの気持ちも鬱いでしまう。
彼が自分の人生から消えてしまう予感に、胸が震える。
イアンが冬休暇振りに会ったミルドレッドに、挨拶もそこそこに散歩に誘えば。
キャサリンが「暗くなる前に」と、ふたりを急いで追い立てた。
いつもなら、一緒に行きたがるメラニーも大人しい。
ユリアナのイアンを見る目が、生温かい。
これから自分が何をするのかを、マーチの女性陣に知られていると意識した途端に、段取りも何も、全てが消えた。
「あの、あの……き、今日は貴女に結婚を申し込もうと……
す、直ぐに返事が無理なら……いつまでも。
いつまでも、待ちます」
川辺まで無言だったイアンが、もたもたとプロポーズの言葉を口にした。
学生の頃から口が上手いと言われていたイアン・ギャレットのその姿を、もしジャーヴィスが見ていたなら。
先の生涯で、延々とからかい続けられるであろう為体だ。
こんなはずじゃなかったと、調子が悪い自分にイアンは焦った。
無事に一代限りであっても、男爵位を手にした時から。
いや、ジャーヴィスに必ず貴族になってみせると告げた時から。
ずっと、この日を夢見て。
どんな言葉で、どんなシチュエーションでと、何度も何度も想像していたのに。
どうして、こんなにも上手く言葉が出てこない?
スチュワート亡きこの世では、私以外に貴女を幸せに出来る男はいません。
絶対に幸せにしますと、男らしく言いきるつもりだったのに……
断られたら、もう諦める。
そう決めていた。
だが、この場に来ると、彼女の緑の瞳を見ていたら、みっともなく『いつまでも待つ』と縋ってしまった。
求婚した時に良い返事が貰えなかったのなら。
時間をかけたって、それは好転しない。
それも分かっているのに、少しでも希望があるなら、いつまでも待ちたいイアンだ。
「……わたしは……スチュワートをまだ忘れることが出来ていません」
そんなことは分かっていて、忘れて欲しいとも思っていない。
無理をして言っているのではなくて、本当にそう思っていた。
これは絶対にミルドレッドの前では出さないが、イアンだって、過去に何人もの女性とお付き合いをしてきたのだ。
それらを全て忘れて、無かったことにする気はない。
彼女達との関係があって、今の自分がある。
過去を否定することは、今の自分を否定することになる。
スチュワートが居たからこその、現在のミルドレッドが居る。
だから「彼を忘れなくてもいいのだ」と、告げようとした時。
「……けれど、ずっと考えていたんです、ギャレット様のことを。
初めて会った日に、亡くなったスチュワートの代わりに、彼の名誉を取り戻すことを示してくださったのは貴方です。
わたしはあの時、このままではいけない、強くならなければと、希望を持つことが出来ました」
「あ、あれは……俺が言わなくても。
貴女なら、最終的にはご自分で……」
エリンに注意されてから、自分のことを『私』に、改めた。
特に、ミルドレッドの前では、気を付けていた。
それなのに、貴族になりきれない自分をさらけ出してしまった。
……自分がいざと言う時に、何もかもが思い通りに出来ない男だと改めて思い知った。
「いいえ、それからもずっと。
ギャレット様に助けていただくばかりなんです。
スチュワートのことを忘れられないと言いながらの、随分勝手な言い分なのは、分かっていますけれど。
彼以外のひとと人生を共にするのなら、わたしは貴方しか嫌なんです。
その気持ちが愛なのか、寂しさから逃れたいのか、判断出来ないわたしですけれど。
お願いです、わたしの側から居なくならないで」
「勿論です!
俺でいいなら、絶対にずっとずっと居ます、絶対に!」
「では、わたしと結婚してくださいますか?
夫婦とは、どちらかが一方的に助けたり、幸せにする関係ではないと、今は思います。
わたしは貴方を幸せにすると誓います」
「喜んでお受け致します!
俺も貴女を幸せにすると誓います!」
これでは、どちらがプロポーズしたのかわからない。
そんなイアンとミルドレッドの始まりだった。
ふたりが並んで歩く、ウィンガムの川辺の散歩道で。
スチュワートも愛したミルドレッドの瞳と同じ色をした柳が。
優しく吹き抜ける春の風に、揺れていた。
◇◇◇
翌年にウィンガムの教会で行われたふたりの結婚式当日は、秋晴れだった。
エリン・マッカートニー特製のウェディングドレスを身に付け、輝くばかりに美しいミルドレッドの腕は、あの長手袋に包まれていた。
贈られてから一度も使用することのなかったそれを、ウェディングのサムシングフォーの『何か借りた物』として提案したのは、新郎のイアンだった。
前夫スチュワートには勝てない、といつも思っていた彼は、こうしてミルドレッドと結ばれても、彼に勝ったとは奢らず。
彼女の彼への想いも過去も、全て丸ごとミルドレッドを受け入れた。
式にはかの国からフェルナンド公も参列して、その護衛の多さにキャサリンは驚いた。
息子から彼のファーストネームは聞いていても、どんな立場の人間か知らなかったからだ。
そのことを、メラニーは日記に綴った。
それを後から見せられたジャーヴィスは、大笑いしたと云う。
『フェルナンおじ様にごあいさつされた、ウィンガムのぜったいおうじゃのキャサリン様は急にくらくらして、そっとうしそうになって、ヴィス様がうけとめなかったら、もう少しでお式が中止になるところでした』
誰の養女にもならずに成人したメラニー・フェルドンは、ギャレット商会に就職し、その言語力を生かして、調査部で初の女性部長になった。
ユリアナ・バークレーは王都邸の執事のタッカーと結ばれて、メラニーが遊びに来ると彼女の好物を作った。
ミルドレッドの2番目の息子アレックスがジャーヴィスの養子となり、キャサリンが亡くなると。
ジャーヴィスはアレックスが貴族高等学院を卒業して1人前になったと判断した後、伯爵位を譲って。
これからは好きに生きると決めて、ウィンガムを離れた。
そして、ミルドレッドの『ウィンガム・マナーハウス』は王都のギャレット邸に、場所を変え。
『ギャレット・マナーハウス』と、その名を変えて。
中等学校を卒業した平民の子女向けに、半年間の通学で生徒数8名のみで、毎年続けられた。
イアンは想像する。
結婚式でも、ふたりは少し距離を取っていた。
周囲の視線を気にしていた。
だが、今はもうヴィスは冷めた瞳をしていないだろう。
学生の頃のように、自分に関係無くても、理不尽なことに対しては熱くなって。
『炎夏』は、どちらかと言えば、ヴィスに相応しかった。
そんな彼を、あのひとは変わらぬ想いをこめた赤い瞳で見つめているのだろうか。
しかし、あの頃とはふたりの距離は違う。
ウィンガム領主の重責から外れ、彼は自由になった。
実際に見たかったけれど、想像するだけでも心が沸き立つ。
同じ方向を見ながら、ふたりが楽しそうに話して、連れ立っている姿が、イアンには見える気がして。
お互いに誓った言葉通り、共に年齢を重ねた今も変わらずに、自分を幸せにしてくれる妻ミルドレッド・ギャレットをそっと抱き寄せた。
おわり
そして、もうひとり。
貴方の好物は? と尋ねられたイアンがミルドレッドに答えたのも、ミンスパイだった。
……その偶然は、神からの啓示だったのか。
この春のイアンの叙爵の話を聞いて。
とうとうこの時が来たのだと覚悟した。
悩みながら、今年の聖誕祭にはミンスパイを焼こうと決めて、ユリアナに相談した。
料理が得意とは決して言えないミルドレッドが作る代物を。
それがどんな出来であろうと、『美味しい』と平らげてくれるのがスチュワートなら。
もっと美味しくなる方法を一緒に考えてくれるのがイアンだ。
「畏まりました、本番の聖誕祭に向けて、特訓ですよ!」
腕まくりして見せたユリアナの本気が、嬉しかった。
◇◇◇
「着いて早々に、なんだけれど。
散歩にでも行きませんか?」
ジャーヴィスは出掛けていて、キャサリンに挨拶だけ済ませると、イアンはミルドレッドを散歩に誘った。
愛馬にくくりつけた、荷物も降ろさずにだ。
これは多分。
もしミルドレッドへの求婚を断られたら……
イアンはその足で王都へ帰るのだろうと、思われた。
もうそれだけで、ミルドレッドの気持ちも鬱いでしまう。
彼が自分の人生から消えてしまう予感に、胸が震える。
イアンが冬休暇振りに会ったミルドレッドに、挨拶もそこそこに散歩に誘えば。
キャサリンが「暗くなる前に」と、ふたりを急いで追い立てた。
いつもなら、一緒に行きたがるメラニーも大人しい。
ユリアナのイアンを見る目が、生温かい。
これから自分が何をするのかを、マーチの女性陣に知られていると意識した途端に、段取りも何も、全てが消えた。
「あの、あの……き、今日は貴女に結婚を申し込もうと……
す、直ぐに返事が無理なら……いつまでも。
いつまでも、待ちます」
川辺まで無言だったイアンが、もたもたとプロポーズの言葉を口にした。
学生の頃から口が上手いと言われていたイアン・ギャレットのその姿を、もしジャーヴィスが見ていたなら。
先の生涯で、延々とからかい続けられるであろう為体だ。
こんなはずじゃなかったと、調子が悪い自分にイアンは焦った。
無事に一代限りであっても、男爵位を手にした時から。
いや、ジャーヴィスに必ず貴族になってみせると告げた時から。
ずっと、この日を夢見て。
どんな言葉で、どんなシチュエーションでと、何度も何度も想像していたのに。
どうして、こんなにも上手く言葉が出てこない?
スチュワート亡きこの世では、私以外に貴女を幸せに出来る男はいません。
絶対に幸せにしますと、男らしく言いきるつもりだったのに……
断られたら、もう諦める。
そう決めていた。
だが、この場に来ると、彼女の緑の瞳を見ていたら、みっともなく『いつまでも待つ』と縋ってしまった。
求婚した時に良い返事が貰えなかったのなら。
時間をかけたって、それは好転しない。
それも分かっているのに、少しでも希望があるなら、いつまでも待ちたいイアンだ。
「……わたしは……スチュワートをまだ忘れることが出来ていません」
そんなことは分かっていて、忘れて欲しいとも思っていない。
無理をして言っているのではなくて、本当にそう思っていた。
これは絶対にミルドレッドの前では出さないが、イアンだって、過去に何人もの女性とお付き合いをしてきたのだ。
それらを全て忘れて、無かったことにする気はない。
彼女達との関係があって、今の自分がある。
過去を否定することは、今の自分を否定することになる。
スチュワートが居たからこその、現在のミルドレッドが居る。
だから「彼を忘れなくてもいいのだ」と、告げようとした時。
「……けれど、ずっと考えていたんです、ギャレット様のことを。
初めて会った日に、亡くなったスチュワートの代わりに、彼の名誉を取り戻すことを示してくださったのは貴方です。
わたしはあの時、このままではいけない、強くならなければと、希望を持つことが出来ました」
「あ、あれは……俺が言わなくても。
貴女なら、最終的にはご自分で……」
エリンに注意されてから、自分のことを『私』に、改めた。
特に、ミルドレッドの前では、気を付けていた。
それなのに、貴族になりきれない自分をさらけ出してしまった。
……自分がいざと言う時に、何もかもが思い通りに出来ない男だと改めて思い知った。
「いいえ、それからもずっと。
ギャレット様に助けていただくばかりなんです。
スチュワートのことを忘れられないと言いながらの、随分勝手な言い分なのは、分かっていますけれど。
彼以外のひとと人生を共にするのなら、わたしは貴方しか嫌なんです。
その気持ちが愛なのか、寂しさから逃れたいのか、判断出来ないわたしですけれど。
お願いです、わたしの側から居なくならないで」
「勿論です!
俺でいいなら、絶対にずっとずっと居ます、絶対に!」
「では、わたしと結婚してくださいますか?
夫婦とは、どちらかが一方的に助けたり、幸せにする関係ではないと、今は思います。
わたしは貴方を幸せにすると誓います」
「喜んでお受け致します!
俺も貴女を幸せにすると誓います!」
これでは、どちらがプロポーズしたのかわからない。
そんなイアンとミルドレッドの始まりだった。
ふたりが並んで歩く、ウィンガムの川辺の散歩道で。
スチュワートも愛したミルドレッドの瞳と同じ色をした柳が。
優しく吹き抜ける春の風に、揺れていた。
◇◇◇
翌年にウィンガムの教会で行われたふたりの結婚式当日は、秋晴れだった。
エリン・マッカートニー特製のウェディングドレスを身に付け、輝くばかりに美しいミルドレッドの腕は、あの長手袋に包まれていた。
贈られてから一度も使用することのなかったそれを、ウェディングのサムシングフォーの『何か借りた物』として提案したのは、新郎のイアンだった。
前夫スチュワートには勝てない、といつも思っていた彼は、こうしてミルドレッドと結ばれても、彼に勝ったとは奢らず。
彼女の彼への想いも過去も、全て丸ごとミルドレッドを受け入れた。
式にはかの国からフェルナンド公も参列して、その護衛の多さにキャサリンは驚いた。
息子から彼のファーストネームは聞いていても、どんな立場の人間か知らなかったからだ。
そのことを、メラニーは日記に綴った。
それを後から見せられたジャーヴィスは、大笑いしたと云う。
『フェルナンおじ様にごあいさつされた、ウィンガムのぜったいおうじゃのキャサリン様は急にくらくらして、そっとうしそうになって、ヴィス様がうけとめなかったら、もう少しでお式が中止になるところでした』
誰の養女にもならずに成人したメラニー・フェルドンは、ギャレット商会に就職し、その言語力を生かして、調査部で初の女性部長になった。
ユリアナ・バークレーは王都邸の執事のタッカーと結ばれて、メラニーが遊びに来ると彼女の好物を作った。
ミルドレッドの2番目の息子アレックスがジャーヴィスの養子となり、キャサリンが亡くなると。
ジャーヴィスはアレックスが貴族高等学院を卒業して1人前になったと判断した後、伯爵位を譲って。
これからは好きに生きると決めて、ウィンガムを離れた。
そして、ミルドレッドの『ウィンガム・マナーハウス』は王都のギャレット邸に、場所を変え。
『ギャレット・マナーハウス』と、その名を変えて。
中等学校を卒業した平民の子女向けに、半年間の通学で生徒数8名のみで、毎年続けられた。
イアンは想像する。
結婚式でも、ふたりは少し距離を取っていた。
周囲の視線を気にしていた。
だが、今はもうヴィスは冷めた瞳をしていないだろう。
学生の頃のように、自分に関係無くても、理不尽なことに対しては熱くなって。
『炎夏』は、どちらかと言えば、ヴィスに相応しかった。
そんな彼を、あのひとは変わらぬ想いをこめた赤い瞳で見つめているのだろうか。
しかし、あの頃とはふたりの距離は違う。
ウィンガム領主の重責から外れ、彼は自由になった。
実際に見たかったけれど、想像するだけでも心が沸き立つ。
同じ方向を見ながら、ふたりが楽しそうに話して、連れ立っている姿が、イアンには見える気がして。
お互いに誓った言葉通り、共に年齢を重ねた今も変わらずに、自分を幸せにしてくれる妻ミルドレッド・ギャレットをそっと抱き寄せた。
おわり
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昨日出会え、最後まで惹き込まれて読破しました。本当に面白かったです。至高の時間をありがとうございました。
slvss jp様
ご感想ありがとうございます!
完結後にご感想いただけて。とても嬉しいです🎵
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お祭り気分様
ご感想ありがとうございます!
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よろしくお願いいたします🙇♀️
蘭丸様
ご感想ありがとうございます!
図々しくも「最終話を読んでからも、ご感想下さい」にお応えいただきまして、感謝感謝です✨✨
感涙などと💧
寝転びながら読んで下さい、のお話でしたのに😭
再び蘭丸様にお立ち寄りいただけるような、そんなお話が書けましたら、幸いです🙇♀️