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第55話
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スチュワートの死から2年が経過して、ミルドレッドの喪失感が少しだが薄れだした頃。
ジャーヴィスから、今年もイアン・ギャレットを聖誕祭から年越しまで、ウィンガムに招待したと告げられた。
彼がマーチ邸で冬休暇を過ごすのは、これで3年連続になる。
「あー、ミリーも多分気付いているだろうけれど。
今、イアンは一生懸命慣れない自分に……努力している。
それは君の為だ」
「……慣れないご自分に……」
兄らしくない、そのあやふやな物言いに。
イアンについて、これから大事な話をされるのだろうと、ミルドレッドは緊張した。
そう、ミルドレッド自身も気付いていた。
この1年半、何度もウィンガムまで自分に会いに来てくれたイアン・ギャレット。
2年前の大晦日に話した仕事についても、真剣に相談に乗ってくれた。
約束した通りに調査もしてくれた上で、別の視点から一歩計画を進めてくれたのも、彼だ。
それは来年の夏から始まることになっていた。
イアンにここまでして貰っていて、ジャーヴィスから気付いているだろうと指摘されると。
それはわたしが兄様の妹だからでしょうとは、いくら何でも逃げられない。
ミルドレッドはそんな風に誤魔化せる程、何も知らない乙女でもないし、とぼけられる程、あざとくもない。
しかし、これまでイアンはミルドレッドに対して恋愛的なことは何も言わなかったので。
それをいいことに、イアンの前では彼の気持ちに気が付いていない振りをしている狡い女だったのも、事実だったりする。
「あいつは来年の叙爵を目指していて、昨年のシーズンから社交界で顔を売り始めた。
指導役はエリン・マッカートニーで、私から見てもイアンは努力している」
「来年の叙爵ですか?
……どうしてギャレット様は、努力してまで貴族になろうとされているのでしょうか?」
「私が、ミリーは貴族にしか嫁がさないと言ったからだ」
「……」
「来年までの期限を決めたのも、私なんだ。
だから、必ずイアンは2年以内に貴族になって、ミリーにプロポーズするだろう」
「では、ご本人じゃなくて、どうして兄様が2年も先に言うのですか!?」
ジャーヴィスが少し変わっているのは、知っている。
だからと言って、本人より先にその話をするのは、どうなのか。
妹の視線と口調のニュアンスに、その無神経さを責める感じがあって、ジャーヴィスは内心たじろいだが、勿論それを表情に出すことはない。
愛した女性に散々尽くした挙げ句、いざ求婚すると待たされ、その結果玉砕していった男の恨み言を、あのイアンが言うはずもないだろうし、ミルドレッドだってそんな真似はしないと信じているけれど。
「分かるかい?イアンは本気なんだよ。
男がこれまでの生き方を変えて、真剣に努力している。
それを、その時になって『そんなこととは知りませんでした』『少し待ってくれませんか』とか、白々しく待たせた挙げ句に『やはり夫が忘れられません』なら、酷過ぎる」
「……そんなことは」
「だから、先に言っておく。
あいつは決意して、3年かけて頑張っているんだ。
ミリーもその分時間をかけて、真剣にこれからを考えて欲しい。
それでもし、イアンに求婚されてもそんな気になれないのなら、下手に返事を長引かせず、その場できちんと断ってやってくれないか」
とにかく、後から悔いが無いように。
その時になってから、慌てないように。
それまでにイアンのことを、ちゃんとその対象として見て。
彼との将来も考えて。
それでもやはり、心が動かないのなら、変に期待を抱かせず。
すっぱりと振ってやって欲しい。
ジャーヴィスはそれが言いたくて、らしくないことをしてしまった。
これがイアンの後押しになると思い込んでいた訳じゃない。
却ってミルドレッドに避けられるようになり、ふたりの仲はここで終わってしまうかもしれない。
それでも。
「承知致しました。
わたしも真剣に、考えます」
妹がそう言葉を返したので。
結果がどうなろうと、二度と自分はこの件には口出しをしないと決めた。
◇◇◇
イアンとの将来を真剣に考え始めたミルドレッドは、思い出す。
夏に会いに来てくれた時、イアンが紐で綴じた文書を手渡してくれた。
「貴女が仰った家庭教師とは、少し違うかもしれませんが。
これなら実現可能な気がします。
お母様や先輩のお許しが無いと、無理な話なんですが……」
イアンが起案したのは、ウィンガムのマーチ本邸を使った『ひと夏の貴族令嬢のマナー体験教室』だ。
それは、7月と8月の2回だけ。
夏のバカンス前半と後半に分けて、それぞれ4名から6名のご令嬢を集めて、1週間の宿泊で募集する。
月曜から金曜日までの午前と午後で、計10レッスン。
外国語、刺繍、ダンス、ピアノ、詩作を各2回。
それら5つの科目のミルドレッドの修得レベルは、テストをして確認したところ、イアンの想像を越えていたが、何しろ彼女はまだ20代の前半だ。
彼女の身分と若さと美しさが、教師としての信頼度を損ねてしまう気がするイアンは、反対にそれを強味に出来る方法を考えた。
彼が社交界に出てから、知ったことがある。
それは、滅多に中央へ顔を出さないウィンガム伯爵の妹のこと。
ミルドレッドが皆の前に現れたのは、わずか4回。
あの兄にエスコートされたデビューの時と、新婚間もないシーズンに参加した時の3回。
兄と夫に挟まれて、後には義弟も居て、彼女の周囲はしっかりガードされていたと聞いた。
挨拶以外で言葉を交わした貴族も僅かだったらしい。
そして彼女を襲った悲劇も有名で。
会えないからこそ、ミルドレッドは特に若い令嬢からの憧れと興味を集めていた。
その彼女が、領地で募集をかけたなら?
『秘密のベール』の向こうに居るミルドレッド・マーチが主催する令嬢向けのマナー教室。
始めは興味本位の物見遊山気分でも。
それが意外と本格的なものだったなら?
暑い王都を離れて、麗しのマーチ兄妹の本邸で。
夏の始まりと終わりの1週間に、ご令嬢方の予約が殺到するのは目に見えていた。
「日曜のティータイムに始まって、土曜の朝食後に帰られるのね?」
彼の案を読み、まず乗り気を見せたのは、母キャサリンだった。
夏に2回くらいなら、娘の友人達が避暑に来ている感覚で受け入れられる。
当主のジャーヴィスは賢明なので、母には異議を唱えない。
ご令嬢達なら勝手に持ち込んだ酒に酔う等、邸で問題を起こすこともないと思われる。
最初は妹の仕事に対しては難しい顔を見せていたが、誰かの邸に通うくらいなら、自宅で開催した方が安全だと、イアンの案を支持する立場を取った。
「いいじゃないの、そうなさいな。
この邸内でなら、貴女が働いているところをメルに見せられるでしょう。
試して上手くいかないようなら、7月の1回でおしまい。
来年から始めるわよ」
先代伯爵夫人が決定を下す。
勿論宿泊させるのだから、身元確かな家門に限る。
調査なら得意分野のイアンが請け負った。
王都からウィンガムへの送迎は、ギャレット商会が若い女性が好みそうな可憐、かつ上品な仕立ての馬車を2台走らせ、腕に覚えのある見た目の良い護衛も4名付ければ、どんな言い値でも通る気がする。
そうして翌年から始まったミルドレッドのマナー教室は。
その後何年も、続けられ。
夏限定の『ウィンガム・マナーハウス』と呼ばれるようになったが、授業科目にいつまで経っても料理が加わることは無かった。
ジャーヴィスから、今年もイアン・ギャレットを聖誕祭から年越しまで、ウィンガムに招待したと告げられた。
彼がマーチ邸で冬休暇を過ごすのは、これで3年連続になる。
「あー、ミリーも多分気付いているだろうけれど。
今、イアンは一生懸命慣れない自分に……努力している。
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そう、ミルドレッド自身も気付いていた。
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それは来年の夏から始まることになっていた。
イアンにここまでして貰っていて、ジャーヴィスから気付いているだろうと指摘されると。
それはわたしが兄様の妹だからでしょうとは、いくら何でも逃げられない。
ミルドレッドはそんな風に誤魔化せる程、何も知らない乙女でもないし、とぼけられる程、あざとくもない。
しかし、これまでイアンはミルドレッドに対して恋愛的なことは何も言わなかったので。
それをいいことに、イアンの前では彼の気持ちに気が付いていない振りをしている狡い女だったのも、事実だったりする。
「あいつは来年の叙爵を目指していて、昨年のシーズンから社交界で顔を売り始めた。
指導役はエリン・マッカートニーで、私から見てもイアンは努力している」
「来年の叙爵ですか?
……どうしてギャレット様は、努力してまで貴族になろうとされているのでしょうか?」
「私が、ミリーは貴族にしか嫁がさないと言ったからだ」
「……」
「来年までの期限を決めたのも、私なんだ。
だから、必ずイアンは2年以内に貴族になって、ミリーにプロポーズするだろう」
「では、ご本人じゃなくて、どうして兄様が2年も先に言うのですか!?」
ジャーヴィスが少し変わっているのは、知っている。
だからと言って、本人より先にその話をするのは、どうなのか。
妹の視線と口調のニュアンスに、その無神経さを責める感じがあって、ジャーヴィスは内心たじろいだが、勿論それを表情に出すことはない。
愛した女性に散々尽くした挙げ句、いざ求婚すると待たされ、その結果玉砕していった男の恨み言を、あのイアンが言うはずもないだろうし、ミルドレッドだってそんな真似はしないと信じているけれど。
「分かるかい?イアンは本気なんだよ。
男がこれまでの生き方を変えて、真剣に努力している。
それを、その時になって『そんなこととは知りませんでした』『少し待ってくれませんか』とか、白々しく待たせた挙げ句に『やはり夫が忘れられません』なら、酷過ぎる」
「……そんなことは」
「だから、先に言っておく。
あいつは決意して、3年かけて頑張っているんだ。
ミリーもその分時間をかけて、真剣にこれからを考えて欲しい。
それでもし、イアンに求婚されてもそんな気になれないのなら、下手に返事を長引かせず、その場できちんと断ってやってくれないか」
とにかく、後から悔いが無いように。
その時になってから、慌てないように。
それまでにイアンのことを、ちゃんとその対象として見て。
彼との将来も考えて。
それでもやはり、心が動かないのなら、変に期待を抱かせず。
すっぱりと振ってやって欲しい。
ジャーヴィスはそれが言いたくて、らしくないことをしてしまった。
これがイアンの後押しになると思い込んでいた訳じゃない。
却ってミルドレッドに避けられるようになり、ふたりの仲はここで終わってしまうかもしれない。
それでも。
「承知致しました。
わたしも真剣に、考えます」
妹がそう言葉を返したので。
結果がどうなろうと、二度と自分はこの件には口出しをしないと決めた。
◇◇◇
イアンとの将来を真剣に考え始めたミルドレッドは、思い出す。
夏に会いに来てくれた時、イアンが紐で綴じた文書を手渡してくれた。
「貴女が仰った家庭教師とは、少し違うかもしれませんが。
これなら実現可能な気がします。
お母様や先輩のお許しが無いと、無理な話なんですが……」
イアンが起案したのは、ウィンガムのマーチ本邸を使った『ひと夏の貴族令嬢のマナー体験教室』だ。
それは、7月と8月の2回だけ。
夏のバカンス前半と後半に分けて、それぞれ4名から6名のご令嬢を集めて、1週間の宿泊で募集する。
月曜から金曜日までの午前と午後で、計10レッスン。
外国語、刺繍、ダンス、ピアノ、詩作を各2回。
それら5つの科目のミルドレッドの修得レベルは、テストをして確認したところ、イアンの想像を越えていたが、何しろ彼女はまだ20代の前半だ。
彼女の身分と若さと美しさが、教師としての信頼度を損ねてしまう気がするイアンは、反対にそれを強味に出来る方法を考えた。
彼が社交界に出てから、知ったことがある。
それは、滅多に中央へ顔を出さないウィンガム伯爵の妹のこと。
ミルドレッドが皆の前に現れたのは、わずか4回。
あの兄にエスコートされたデビューの時と、新婚間もないシーズンに参加した時の3回。
兄と夫に挟まれて、後には義弟も居て、彼女の周囲はしっかりガードされていたと聞いた。
挨拶以外で言葉を交わした貴族も僅かだったらしい。
そして彼女を襲った悲劇も有名で。
会えないからこそ、ミルドレッドは特に若い令嬢からの憧れと興味を集めていた。
その彼女が、領地で募集をかけたなら?
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始めは興味本位の物見遊山気分でも。
それが意外と本格的なものだったなら?
暑い王都を離れて、麗しのマーチ兄妹の本邸で。
夏の始まりと終わりの1週間に、ご令嬢方の予約が殺到するのは目に見えていた。
「日曜のティータイムに始まって、土曜の朝食後に帰られるのね?」
彼の案を読み、まず乗り気を見せたのは、母キャサリンだった。
夏に2回くらいなら、娘の友人達が避暑に来ている感覚で受け入れられる。
当主のジャーヴィスは賢明なので、母には異議を唱えない。
ご令嬢達なら勝手に持ち込んだ酒に酔う等、邸で問題を起こすこともないと思われる。
最初は妹の仕事に対しては難しい顔を見せていたが、誰かの邸に通うくらいなら、自宅で開催した方が安全だと、イアンの案を支持する立場を取った。
「いいじゃないの、そうなさいな。
この邸内でなら、貴女が働いているところをメルに見せられるでしょう。
試して上手くいかないようなら、7月の1回でおしまい。
来年から始めるわよ」
先代伯爵夫人が決定を下す。
勿論宿泊させるのだから、身元確かな家門に限る。
調査なら得意分野のイアンが請け負った。
王都からウィンガムへの送迎は、ギャレット商会が若い女性が好みそうな可憐、かつ上品な仕立ての馬車を2台走らせ、腕に覚えのある見た目の良い護衛も4名付ければ、どんな言い値でも通る気がする。
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