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第47話
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また……まただと、レナードは再び思い知らされる。
またこの言葉を、冷めた表情のミルドレッドに冷静に返された。
『頭が空っぽ』とは、勢いで言っただけだ。
それがここまで、彼女を怒らせていたとは思わなかった。
初めて会った13の時から、いいなとずっと想い続けてきた。
まだ婚約者だった兄とふたりで話している姿も、好ましかった。
嫁いできても、その想いは変えることが出来ず。
母からは「余計な気持ちは捨てなさい」と、言われたが。
父も兄も知らなかったと思う。
だから、王命を知られたあの日。
表面上だけでも同意して。
何を言われたとしても、罵ったりせず。
もっと彼女の心身に寄り添っていたなら……もっと。
もう、もう。
やり直せないのか。
これからは他の女には、目もくれないと誓う。
もう一度だけ、ちゃんと話す機会を……
そんなレナードの想い等知らぬミルドレッドが、部屋を静かに出ていく。
思わず、立ち上がりかけた彼を止めたのは、またもやこの男だ。
「レナード卿、これから貴方とマリー・マーチ様の政略婚について、ウィンガム伯爵様からご説明があります。
どうぞ、ご着席を」
イアンとて、急に出ていったミルドレッドが何処へ向かったのかは分からない。
全くこの自由過ぎる兄妹は、打ち合わせ等お構い無しな行動をする。
だが、レナードにミルドレッドの後を追いかけさせる気はない。
絶対に、彼女の邪魔はさせない。
この家の状況がまだ掴みきれていないイアンだが。
顔には決して出さないが、それだけは決めている。
◇◇◇
応接室の外に出たミルドレッドを待っていたのは、侍女長のケイトだった。
「……ケイト」
「お帰りなさいませ、奥様」
「……」
丁寧に挨拶をされて、どう答えていいか惑う彼女に、反対にケイトが話し出した。
「先程、偶然に行き交われたウィンガム伯爵様から、奥様とお会い出来るのも今日が最後だと、教えていただきました。
それで失礼ではございましたが、こちらで奥様を待たせていただいておりました」
ジャーヴィスに限って、偶然等あり得ないので。
誰かを使って、彼女を呼びつけたのだろうとは直ぐに分かったけれど、それでも。
こうしてふたりだけでケイトに会えたことを、ミルドレッドは兄に感謝した。
「こんなことになって、ごめんなさい。
あの夜、黙って家を出たことも……」
「そのことは、もうお気になさらないでくださいませ。
奥様がご無事なら、もうそれだけで。
それに申し訳ございません、奥様。
お時間が無いのでございましょう?
どちらへ行かれるのか、ご案内致しますので、先にそちらへ参りましょう」
「メラニーちゃんの部屋が見たいの。
彼女の様子も詳しく教えて」
ケイトはそれだけで頷くと廊下を先立ち、ローラ母子の部屋とされていた客室に、彼女を案内した。
部屋の中には、マリーが購入した安価なドレスが散乱し、空気も少し澱んでいた。
部屋の片隅には小さなチェストが置いてあり、その引き出しの一番下だけが、メラニーのスペースのようだった。
「……空気を入れ替えましょう。
この部屋には誰も、掃除に入りたがらなくて。
ご安心ください。
こうなったのは、メラニー様がユリアナと眠るようになってからでございます」
「では、この部屋を現在使っているのは、マリーお義姉様とレナード様だけなのね……」
ケイトは驚いた。
確かにウィンガム伯爵からは、ローラの本名がマリーと言うことと、メラニーが旦那様の姪御様と言うことは教えられた。
そして、これからはウィンガムの養女となったマリーがこのままこの邸に、レナードの正妻として暮らすのだ、と。
しかし、目の前で奥様が『マリーお義姉様』とローラを呼び、且つレナード様との関係もご存じだったとは思いもしなかった。
ミルドレッドは、それからは何も言わず。
部屋全体を見渡した後、引き出しからメラニーの小さな古ぼけたワンピースを取り出し、抱き締めていた。
しばらくそのまま動かなかったが、その姿を見守っていたケイトに、ミルドレッドがようやく尋ねた。
「ユリアナとメラニーちゃんを。
わたしが一緒に連れていってもいい?」
「……」
「わたし、あのふたりをウィンガムに連れて帰りたいの。
メラニーちゃんを、この邸には置いておけない。
証言をしてくれたユリアナをアダムスに残せば、ご実家に何をされるか分からない、だから。
……貴女にはまた迷惑をかけてしまう。
けれど、お願いします、最後にもう一度だけ助けて」
「……」
ミルドレッドはこれまでも、何度もケイトに助けられてきた。
特に義母のジュリアが亡くなる前後は、本当に世話をかけた。
領主夫妻の病が、領内でも猛威をふるいだした流行り病だと確定した頃。
病床の父バーナードの指示で、両親を離れに移そうとしたスチュワートを止めたのが、ミルドレッドだった。
どうしても生活を分けなくてはならないのなら。
病気で弱ってしまったおふたりを動かすくらいなら、健康なわたし達が移動すべきだ、と。
その甘い考えは捨てろと、またリチャードから責められたスチュワートを支えてくれたのが、実際に家政を取り仕切ってくれていたハモンドとケイトだった。
彼女達ふたりが素早く整えた使用人の配置により、2邸は決して交わることは無かったが、断絶することも無かった。
理想を掲げるだけで、実は何も決められなかったミルドレッドを、ケイトはずっと支えて導いてくれた。
「わたくしでお役に立てるのであれば、何なりとお申し付けくださいませ。
実は先程、別件で奥様の代理として……
ウィンガム伯爵様から、ご指示を受けて動いておりました。
旦那様と奥様が居なくなられてから、本当に久し振りにきちんとしたご指示を受けて、使用人一同、身の引き締まる思いを致しました。
わたくしも若ければ、と……ユリアナを少し羨ましくも思いますけれど、あの子はこの家には相応しくありませんもの。
メラニー様の世話をするあの子を見て、ずっと能力を隠されていたと知りました。
あんなに仕事が出来るのなら、わたくしはもう少し楽をさせて貰えたのです。
そこは恨んでいるからと、ユリアナに伝えていただけますか」
またこの言葉を、冷めた表情のミルドレッドに冷静に返された。
『頭が空っぽ』とは、勢いで言っただけだ。
それがここまで、彼女を怒らせていたとは思わなかった。
初めて会った13の時から、いいなとずっと想い続けてきた。
まだ婚約者だった兄とふたりで話している姿も、好ましかった。
嫁いできても、その想いは変えることが出来ず。
母からは「余計な気持ちは捨てなさい」と、言われたが。
父も兄も知らなかったと思う。
だから、王命を知られたあの日。
表面上だけでも同意して。
何を言われたとしても、罵ったりせず。
もっと彼女の心身に寄り添っていたなら……もっと。
もう、もう。
やり直せないのか。
これからは他の女には、目もくれないと誓う。
もう一度だけ、ちゃんと話す機会を……
そんなレナードの想い等知らぬミルドレッドが、部屋を静かに出ていく。
思わず、立ち上がりかけた彼を止めたのは、またもやこの男だ。
「レナード卿、これから貴方とマリー・マーチ様の政略婚について、ウィンガム伯爵様からご説明があります。
どうぞ、ご着席を」
イアンとて、急に出ていったミルドレッドが何処へ向かったのかは分からない。
全くこの自由過ぎる兄妹は、打ち合わせ等お構い無しな行動をする。
だが、レナードにミルドレッドの後を追いかけさせる気はない。
絶対に、彼女の邪魔はさせない。
この家の状況がまだ掴みきれていないイアンだが。
顔には決して出さないが、それだけは決めている。
◇◇◇
応接室の外に出たミルドレッドを待っていたのは、侍女長のケイトだった。
「……ケイト」
「お帰りなさいませ、奥様」
「……」
丁寧に挨拶をされて、どう答えていいか惑う彼女に、反対にケイトが話し出した。
「先程、偶然に行き交われたウィンガム伯爵様から、奥様とお会い出来るのも今日が最後だと、教えていただきました。
それで失礼ではございましたが、こちらで奥様を待たせていただいておりました」
ジャーヴィスに限って、偶然等あり得ないので。
誰かを使って、彼女を呼びつけたのだろうとは直ぐに分かったけれど、それでも。
こうしてふたりだけでケイトに会えたことを、ミルドレッドは兄に感謝した。
「こんなことになって、ごめんなさい。
あの夜、黙って家を出たことも……」
「そのことは、もうお気になさらないでくださいませ。
奥様がご無事なら、もうそれだけで。
それに申し訳ございません、奥様。
お時間が無いのでございましょう?
どちらへ行かれるのか、ご案内致しますので、先にそちらへ参りましょう」
「メラニーちゃんの部屋が見たいの。
彼女の様子も詳しく教えて」
ケイトはそれだけで頷くと廊下を先立ち、ローラ母子の部屋とされていた客室に、彼女を案内した。
部屋の中には、マリーが購入した安価なドレスが散乱し、空気も少し澱んでいた。
部屋の片隅には小さなチェストが置いてあり、その引き出しの一番下だけが、メラニーのスペースのようだった。
「……空気を入れ替えましょう。
この部屋には誰も、掃除に入りたがらなくて。
ご安心ください。
こうなったのは、メラニー様がユリアナと眠るようになってからでございます」
「では、この部屋を現在使っているのは、マリーお義姉様とレナード様だけなのね……」
ケイトは驚いた。
確かにウィンガム伯爵からは、ローラの本名がマリーと言うことと、メラニーが旦那様の姪御様と言うことは教えられた。
そして、これからはウィンガムの養女となったマリーがこのままこの邸に、レナードの正妻として暮らすのだ、と。
しかし、目の前で奥様が『マリーお義姉様』とローラを呼び、且つレナード様との関係もご存じだったとは思いもしなかった。
ミルドレッドは、それからは何も言わず。
部屋全体を見渡した後、引き出しからメラニーの小さな古ぼけたワンピースを取り出し、抱き締めていた。
しばらくそのまま動かなかったが、その姿を見守っていたケイトに、ミルドレッドがようやく尋ねた。
「ユリアナとメラニーちゃんを。
わたしが一緒に連れていってもいい?」
「……」
「わたし、あのふたりをウィンガムに連れて帰りたいの。
メラニーちゃんを、この邸には置いておけない。
証言をしてくれたユリアナをアダムスに残せば、ご実家に何をされるか分からない、だから。
……貴女にはまた迷惑をかけてしまう。
けれど、お願いします、最後にもう一度だけ助けて」
「……」
ミルドレッドはこれまでも、何度もケイトに助けられてきた。
特に義母のジュリアが亡くなる前後は、本当に世話をかけた。
領主夫妻の病が、領内でも猛威をふるいだした流行り病だと確定した頃。
病床の父バーナードの指示で、両親を離れに移そうとしたスチュワートを止めたのが、ミルドレッドだった。
どうしても生活を分けなくてはならないのなら。
病気で弱ってしまったおふたりを動かすくらいなら、健康なわたし達が移動すべきだ、と。
その甘い考えは捨てろと、またリチャードから責められたスチュワートを支えてくれたのが、実際に家政を取り仕切ってくれていたハモンドとケイトだった。
彼女達ふたりが素早く整えた使用人の配置により、2邸は決して交わることは無かったが、断絶することも無かった。
理想を掲げるだけで、実は何も決められなかったミルドレッドを、ケイトはずっと支えて導いてくれた。
「わたくしでお役に立てるのであれば、何なりとお申し付けくださいませ。
実は先程、別件で奥様の代理として……
ウィンガム伯爵様から、ご指示を受けて動いておりました。
旦那様と奥様が居なくなられてから、本当に久し振りにきちんとしたご指示を受けて、使用人一同、身の引き締まる思いを致しました。
わたくしも若ければ、と……ユリアナを少し羨ましくも思いますけれど、あの子はこの家には相応しくありませんもの。
メラニー様の世話をするあの子を見て、ずっと能力を隠されていたと知りました。
あんなに仕事が出来るのなら、わたくしはもう少し楽をさせて貰えたのです。
そこは恨んでいるからと、ユリアナに伝えていただけますか」
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