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第46話
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レナードが、ミルドレッドを殴ろうとした。
それは、充分信じられることだった。
新聞社で働き出してからのレナードは、酒を飲んで荒れることが多くなった。
配属されたのが花形の編集部記者ではなく、総務部であることが納得出来ないようだった。
「レンはご領主様の息子よ?
そんな貴方を『夜討ち朝駆け』の記者になんて使えないと、西部新聞のお偉いさん達だって思うんじゃないの?」
サリーの実家であるグレイズプレイスは、そんな記者達も利用するから、彼等がよく使う業界用語でレナードを宥めれば。
最初は素直に聞いてくれたのに、今では彼の怒りを煽るだけになっていた。
殴られたことは、まだ無い。
だが彼は興奮すると、よく腕や肩を掴む。
その力の入れ方がどんどん強くなってきていることを、確かに感じていた……
「このまま、ここに留まろうが、出ていこうが、好きにすればいい。
ただ男の暴力は一度許せば、際限は無い。
この領地で一番の権力者になるあの男の鬱憤は確実に、後ろだての無いお前に向かう。
逃げるのも、ひとりか、家族全員か。
父親と話し合うのを勧める。
忠告はしたから、金は素直に受け取れ」
「……ここを出ます、ありがとうございます」
サリーが頭を下げながら、革袋を拾おうとして身を屈めたその頭上から。
「……いつか、お前が子を身籠った時。
自分がミルドレッドに何を言ったのか、思い出せ」
彼女は、ジャーヴィスから最後の言葉を投げつけられた。
思わず見上げると、ウィンガム伯爵と目が合った。
「頭は、ずっと下げていろ」
その眼差しに、人が人に向ける最大限の侮蔑と嫌悪を込めて。
サリーは命じられた。
頭を下げたまま、革袋を胸に抱き締めて足早に去るサリー・グレイの後ろ姿を見送りながらも、ジャーヴィスの関心は、もう既に別のところに移っている。
「君にもう一件、お願い出来るかな?
次はふたり呼んできて欲しいから……」
そう言いながら、いつの間にか隣に並んでいるハンナに、今度は銅貨を2枚見せた。
◇◇◇
ようやくジャーヴィスが応接室に戻ってきた。
無言で入ってきた彼に、イアンが「貴方を待っていたのに、一言も無しですか」と言うので。
「すまない、ここに戻ってくるのに、少し迷ってしまった」と、ジャーヴィスは取り敢えず詫びを口にしたが、イアン以外は誰も俺のこと等気にしていないじゃないかと思った。
各々の前には、ミルドレッドが命じたのか、新しいお茶が置かれていた。
自分が居ない間に明かされた離婚の理由が、結構なものだったのか。
それを聞いて萎れているのは、アダムスの3人で。
出ていく前と変わらずに背筋を伸ばして座って、カップを手にしているのは、ミルドレッドとイアンと、眠ってしまったメラニーを抱くユリアナだけだった。
イアンの横に座っていたマリーが、再びジャーヴィスの隣にやってきた。
彼には、どうしてこの女がこんなに自分に懐くのか、分からない。
何枚もの書類にサインをさせた時も、脅した覚えこそあれ、優しく等していない。
今日だって、言葉のひとつもかけてはいない。
それなのに、どうしてだ?
ジャーヴィス・マーチ・ウィンガム伯爵は、優しくしたい相手やどうでもいい人間には優しい顔や丁寧な態度を見せるし、冷たい対応をするのはそれなりの奴だから、と考えるからだ。
『冷たい顔してみせるけれど、本当は優しい男が好きなタイプ』と言うややこしい女性が存在することを、決してその男性像に該当しない彼は知らない。
そんなジャーヴィスの目から見ても、アダムスの3人の変化は激しい。
特にリチャードは、先程までの空威張りがすっかり消えて、ただの疲れた中年男になっていた。
この分では、子爵家は直ぐに代替わりになりそうだと見える。
ここからは、どれだけカールトンがレナードを鍛えられるかだが。
自分がそこまで、アダムスの心配をする必要はない。
スチュワートが亡くなり、ミルドレッドが去るこの家がどうなろうと、ジャーヴィスには関係が無い。
ミルドレッドの代わりに嫁がせる為に、名義上の義妹にしたマリーには、養子縁組と同時に、マーチ家の遺産分割協議書類にも全てサインをさせて、相続放棄をさせている。
その話は、これからアダムスに伝えることになっていた。
「それでは、お待たせ致しました。
ここまでの私の説明で、ローラ・フェルドンとは、レイウッド伯爵様の双子の兄上、ウィラード・フェルドン氏の妻であること。
そして、ローラの名を騙ったマリー・マーチ嬢が『あのひとの娘』と、奥様に説明したメラニー嬢が、そのふたりの間に生まれた伯爵様の姪であることは、ご理解いただけましたね?」
イアンはここでわざとらしく言葉を切り、アダムスの3人に尋ねた。
リチャードは何も言わず下を向き、カールトンは居心地悪そうにしていたが、レナードだけは少しずつ気力を取り戻していた。
このままマリーと結婚させられてたまるかと、彼は思っている。
「マリー・マーチは善意の第三者なんかじゃない。
確かに何度も、兄上から援助されているから、それを続けろとミルドレッドを脅していたんだ。
それを証言出来る人間だって居る!
この女は詐欺師なんだ、こんな縁組は認められないからな」
口論だけなら、誰かに負けたことはない。
こんな男に負けるわけにはいかない……彼女の前で。
「あー、証言者ですか……誰です?」
「うちの家令だ!
ハモンドが、ミルドレッドに付き添って、あの女が何を言ったのか、俺は後から詳しく聞いて……」
「アダムスに忠実な、一族出身の使用人の証言を、王家が取り上げるとでも?」
「じゃ、じゃあ、ミルドレッド!
君もあの時、俺にそう説明して……」
意外に手強いイアンではなく、今度はミルドレッドに矛先を向けたレナードだった。
だが、その彼女からは期待していた言葉が引き出せるはずもなかった。
「そんな援助をマリーお義姉様から求められた、なんて説明はしていません。
わたくしがレナード様に言ったのは3つだけです。
1つめが、女性が連れていた娘さんが旦那様に生き写しだと言うこと。
2つめが、子爵様達と明日会えばいいのではないか。
3つめが、騒いで大事にしないでと、言うこと。
これこそ、アダムスとは無縁のサリー・グレイ嬢が証言者です。
……レナード様も、ご存じでしょう?
わたくしの頭は空っぽなのですもの、自分が話した内容くらい……
全て頭の中に収まる容量は、まだまだ残っております」
それは、充分信じられることだった。
新聞社で働き出してからのレナードは、酒を飲んで荒れることが多くなった。
配属されたのが花形の編集部記者ではなく、総務部であることが納得出来ないようだった。
「レンはご領主様の息子よ?
そんな貴方を『夜討ち朝駆け』の記者になんて使えないと、西部新聞のお偉いさん達だって思うんじゃないの?」
サリーの実家であるグレイズプレイスは、そんな記者達も利用するから、彼等がよく使う業界用語でレナードを宥めれば。
最初は素直に聞いてくれたのに、今では彼の怒りを煽るだけになっていた。
殴られたことは、まだ無い。
だが彼は興奮すると、よく腕や肩を掴む。
その力の入れ方がどんどん強くなってきていることを、確かに感じていた……
「このまま、ここに留まろうが、出ていこうが、好きにすればいい。
ただ男の暴力は一度許せば、際限は無い。
この領地で一番の権力者になるあの男の鬱憤は確実に、後ろだての無いお前に向かう。
逃げるのも、ひとりか、家族全員か。
父親と話し合うのを勧める。
忠告はしたから、金は素直に受け取れ」
「……ここを出ます、ありがとうございます」
サリーが頭を下げながら、革袋を拾おうとして身を屈めたその頭上から。
「……いつか、お前が子を身籠った時。
自分がミルドレッドに何を言ったのか、思い出せ」
彼女は、ジャーヴィスから最後の言葉を投げつけられた。
思わず見上げると、ウィンガム伯爵と目が合った。
「頭は、ずっと下げていろ」
その眼差しに、人が人に向ける最大限の侮蔑と嫌悪を込めて。
サリーは命じられた。
頭を下げたまま、革袋を胸に抱き締めて足早に去るサリー・グレイの後ろ姿を見送りながらも、ジャーヴィスの関心は、もう既に別のところに移っている。
「君にもう一件、お願い出来るかな?
次はふたり呼んできて欲しいから……」
そう言いながら、いつの間にか隣に並んでいるハンナに、今度は銅貨を2枚見せた。
◇◇◇
ようやくジャーヴィスが応接室に戻ってきた。
無言で入ってきた彼に、イアンが「貴方を待っていたのに、一言も無しですか」と言うので。
「すまない、ここに戻ってくるのに、少し迷ってしまった」と、ジャーヴィスは取り敢えず詫びを口にしたが、イアン以外は誰も俺のこと等気にしていないじゃないかと思った。
各々の前には、ミルドレッドが命じたのか、新しいお茶が置かれていた。
自分が居ない間に明かされた離婚の理由が、結構なものだったのか。
それを聞いて萎れているのは、アダムスの3人で。
出ていく前と変わらずに背筋を伸ばして座って、カップを手にしているのは、ミルドレッドとイアンと、眠ってしまったメラニーを抱くユリアナだけだった。
イアンの横に座っていたマリーが、再びジャーヴィスの隣にやってきた。
彼には、どうしてこの女がこんなに自分に懐くのか、分からない。
何枚もの書類にサインをさせた時も、脅した覚えこそあれ、優しく等していない。
今日だって、言葉のひとつもかけてはいない。
それなのに、どうしてだ?
ジャーヴィス・マーチ・ウィンガム伯爵は、優しくしたい相手やどうでもいい人間には優しい顔や丁寧な態度を見せるし、冷たい対応をするのはそれなりの奴だから、と考えるからだ。
『冷たい顔してみせるけれど、本当は優しい男が好きなタイプ』と言うややこしい女性が存在することを、決してその男性像に該当しない彼は知らない。
そんなジャーヴィスの目から見ても、アダムスの3人の変化は激しい。
特にリチャードは、先程までの空威張りがすっかり消えて、ただの疲れた中年男になっていた。
この分では、子爵家は直ぐに代替わりになりそうだと見える。
ここからは、どれだけカールトンがレナードを鍛えられるかだが。
自分がそこまで、アダムスの心配をする必要はない。
スチュワートが亡くなり、ミルドレッドが去るこの家がどうなろうと、ジャーヴィスには関係が無い。
ミルドレッドの代わりに嫁がせる為に、名義上の義妹にしたマリーには、養子縁組と同時に、マーチ家の遺産分割協議書類にも全てサインをさせて、相続放棄をさせている。
その話は、これからアダムスに伝えることになっていた。
「それでは、お待たせ致しました。
ここまでの私の説明で、ローラ・フェルドンとは、レイウッド伯爵様の双子の兄上、ウィラード・フェルドン氏の妻であること。
そして、ローラの名を騙ったマリー・マーチ嬢が『あのひとの娘』と、奥様に説明したメラニー嬢が、そのふたりの間に生まれた伯爵様の姪であることは、ご理解いただけましたね?」
イアンはここでわざとらしく言葉を切り、アダムスの3人に尋ねた。
リチャードは何も言わず下を向き、カールトンは居心地悪そうにしていたが、レナードだけは少しずつ気力を取り戻していた。
このままマリーと結婚させられてたまるかと、彼は思っている。
「マリー・マーチは善意の第三者なんかじゃない。
確かに何度も、兄上から援助されているから、それを続けろとミルドレッドを脅していたんだ。
それを証言出来る人間だって居る!
この女は詐欺師なんだ、こんな縁組は認められないからな」
口論だけなら、誰かに負けたことはない。
こんな男に負けるわけにはいかない……彼女の前で。
「あー、証言者ですか……誰です?」
「うちの家令だ!
ハモンドが、ミルドレッドに付き添って、あの女が何を言ったのか、俺は後から詳しく聞いて……」
「アダムスに忠実な、一族出身の使用人の証言を、王家が取り上げるとでも?」
「じゃ、じゃあ、ミルドレッド!
君もあの時、俺にそう説明して……」
意外に手強いイアンではなく、今度はミルドレッドに矛先を向けたレナードだった。
だが、その彼女からは期待していた言葉が引き出せるはずもなかった。
「そんな援助をマリーお義姉様から求められた、なんて説明はしていません。
わたくしがレナード様に言ったのは3つだけです。
1つめが、女性が連れていた娘さんが旦那様に生き写しだと言うこと。
2つめが、子爵様達と明日会えばいいのではないか。
3つめが、騒いで大事にしないでと、言うこと。
これこそ、アダムスとは無縁のサリー・グレイ嬢が証言者です。
……レナード様も、ご存じでしょう?
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