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第2章 いつか、あなたに会う日まで
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その夜は和解した従姉妹同士、積もる話もありますから、とモニカの部屋で眠ると言って、これまでのことと、これからの話をした。
当主夫人の部屋から移って、と理由をつけたのは。
誰も遺言書が存在すること等知らないのに、探すと言えないこと。
それに、何が書かれていたか中身も分からないので、まずはモニカが手に入れてじっくり読むべきだと思ったのだ。
「じっくり読む、ってどうしてなの?
遺言書なんだから、爵位とか財産とか、そんなのがリストになって書いてるだけでしょ」
「確かにそうなんだけど、この部屋から見つかった、ということは伯父様が伯母様に見せてる段階のものだろうし。
第一に、弁護士には書いているとは話もしていなかったの。
つまりまだ完成形ではなく、おふたりで話をしていた段階だった。
財産なんて内容はおよそ決まっているのに、どうしておふたりは打ち合わせに時間を掛けていたのか気にならない?」
「わたしもどうして見つかったのが、お父様の部屋じゃないのか、気にはなってる」
「それに、これも又聞きでわたしが直接目にした訳じゃないけれど、貴女の遺書に気になることが書かれていて」
貴女の遺書、と聞いて、その瞬間モニカの視線がすっとわたしから外れた。
目の前で死のうとして、わたしに毒を飲ませてしまったことが、自分でも受け入れがたいのだと思う。
わたしはそれに気付かない振りをして、話を続けた。
─こんなところには、もう縛られない。
わたしだって、これからはジェリーのように、好きなように自由に生きる。
─あの1年が辛いことばかり起きるわたしの人生で1番楽しかった。
「貴女は本当は……、周囲の気を引くために匂わせていたけれど、本当はクレイトンの伯爵位なんて欲しくなかったんじゃないかな、と思ったの。
ねえ、モニカ、貴女本当は何がしたいの?
あるのなら、それこそ遠慮しないで言って欲しいし。
まだ見つかっていないのなら、じっくり遺言書を読んで考えてみたら?」
「……わたしがクレイトンは要らない、となったら叔父様が残る……
でも、本当は叔父様も王都へ戻りたがっているし、リアンだって画家になりたいんでしょう?」
「お父様は貴族から逃げだしたい方だけど、責任取る覚悟でここへ戻ってきてるのよ。
お母様もそう……そんな大人のふたりに、貴女が気を遣うことはない。
リアンだって本当は後を継ぎたくない、画家一本で生きていく覚悟があるなら、あの子も自分で言わないと」
「……」
「今回はシドニー絡みの譲位じゃないから、ムーアとの取引は継続されて、このまま順調に領地経営は落ち着いていくと思う。
法的、経理的なバックアップもあるし、天候次第で農産物に出来不出来があったり、不作の年もあったりするだろうけれど、それ程経営が下降することはない。
後はここの自然を生かした観光客誘致にもっと力を入れて……何?」
「ジェリーこそ、クレイトンを継いだら?」
「……わたしには、なりたいものが見付かったから」
前回は祖父の期待に応えようと、大学の学部も決めた。
学費も家賃もお世話になって、シーズンズという人も羨む仕事も手に入れる未来を約束されていて。
文句なんて言うべきじゃない、と思っていたし。
ムーアの教育のお陰で、商売が好きだと思って……思い込んで。
「まさか、その、魔法士の妻になるのが夢です! なの?」
「……わたしは弁護士になりたいと思ってる」
初めて言った、自分の夢。
わたしの中にまだ芽生えたばかりの夢。
法学部を目指すなら、今の2倍3倍の勉強をしなくては無理だ。
入学して初めて蕾になる夢だ。
「……ジェリーは、これから頑張ればいくらだって、何だってなれるけれど、わたしなんて、高等学院も行ってなくて」
「学院に行きたかった?」
「行きたくはなかった……勉強についていけないのは最初から分かっていたし、自分にはマナースクールくらいが」
「モニカには美味しいお菓子を作る腕と、繊細な刺繍の技術がある!
これは専門職だよ?」
クララがサイモンに贈ったハンカチの刺繍は、孤児院でモニカが教えたものだ。
あんな小さい子に教えるのは、根気や忍耐力が必要で。
モリッツ先生だって、子供相手に帝国語を貫くのは大変だったと思う。
教える、って、すごいことだ。
「資格も……そうだ、車の免許は?
モニカは車に乗るのが好きだったから、自分で運転出来たら最高だよ?
まだ免許を取ってる人も少ないし、それに女性ドライバーは絶対に需要はある。
未婚のご令嬢を、車と言う密室で男性の運転手に預けたくない親御さんは絶対に居るはずだから。
反対に貴女も危ない目に合わないように、女性限定完全予約制で、流しでお客様は乗せないの」
「……」
「モンドと一緒に取れば?
免許があれば、車に乗って何処にだって、好きな時に行ける。
誰かに、乗せてなんて頼まなくてもいい」
「何処にだって……好きな時に?
誰かに、頼まなくても……男性に甘えなくても、自分ひとりで……
行ける……」
「お父様は喜ぶよ、学院では、女性だからと男性に遠慮は要らない、って貴女に言ったんでしょ?
お父様は貴女が免許を取ることを、絶対に応援する」
◇◇◇
翌日の朝、王都へ戻るわたしをモニカも見送ってくれる。
もう、モニカは腕を絡ませたりしない。
ぼちぼちと荷物を整理しながら遺言書を探す、と小さな声でわたしに囁いた。
年末からのまとまった休みには、わたしも手伝うからね、急がなくてもいい、と伝えた。
そして……
「これからは週末、日曜日に貴女に電話するから」
「えっ?」
わたしが電話する、と言ったので、モニカは驚いていた。
それを優しい目で見ていた母なのに。
その口をついて出たのは、いつもの言葉だ。
母娘揃っての貧乏性だから、言わずにはいられないの。
「一番のおすすめは、7時までの早朝よ。
モニカは早起きしなくちゃ、ね」
モニカは1年間4時半出勤の、3時半起床を続けたあざとい女だ。
心配は要らない。
当主夫人の部屋から移って、と理由をつけたのは。
誰も遺言書が存在すること等知らないのに、探すと言えないこと。
それに、何が書かれていたか中身も分からないので、まずはモニカが手に入れてじっくり読むべきだと思ったのだ。
「じっくり読む、ってどうしてなの?
遺言書なんだから、爵位とか財産とか、そんなのがリストになって書いてるだけでしょ」
「確かにそうなんだけど、この部屋から見つかった、ということは伯父様が伯母様に見せてる段階のものだろうし。
第一に、弁護士には書いているとは話もしていなかったの。
つまりまだ完成形ではなく、おふたりで話をしていた段階だった。
財産なんて内容はおよそ決まっているのに、どうしておふたりは打ち合わせに時間を掛けていたのか気にならない?」
「わたしもどうして見つかったのが、お父様の部屋じゃないのか、気にはなってる」
「それに、これも又聞きでわたしが直接目にした訳じゃないけれど、貴女の遺書に気になることが書かれていて」
貴女の遺書、と聞いて、その瞬間モニカの視線がすっとわたしから外れた。
目の前で死のうとして、わたしに毒を飲ませてしまったことが、自分でも受け入れがたいのだと思う。
わたしはそれに気付かない振りをして、話を続けた。
─こんなところには、もう縛られない。
わたしだって、これからはジェリーのように、好きなように自由に生きる。
─あの1年が辛いことばかり起きるわたしの人生で1番楽しかった。
「貴女は本当は……、周囲の気を引くために匂わせていたけれど、本当はクレイトンの伯爵位なんて欲しくなかったんじゃないかな、と思ったの。
ねえ、モニカ、貴女本当は何がしたいの?
あるのなら、それこそ遠慮しないで言って欲しいし。
まだ見つかっていないのなら、じっくり遺言書を読んで考えてみたら?」
「……わたしがクレイトンは要らない、となったら叔父様が残る……
でも、本当は叔父様も王都へ戻りたがっているし、リアンだって画家になりたいんでしょう?」
「お父様は貴族から逃げだしたい方だけど、責任取る覚悟でここへ戻ってきてるのよ。
お母様もそう……そんな大人のふたりに、貴女が気を遣うことはない。
リアンだって本当は後を継ぎたくない、画家一本で生きていく覚悟があるなら、あの子も自分で言わないと」
「……」
「今回はシドニー絡みの譲位じゃないから、ムーアとの取引は継続されて、このまま順調に領地経営は落ち着いていくと思う。
法的、経理的なバックアップもあるし、天候次第で農産物に出来不出来があったり、不作の年もあったりするだろうけれど、それ程経営が下降することはない。
後はここの自然を生かした観光客誘致にもっと力を入れて……何?」
「ジェリーこそ、クレイトンを継いだら?」
「……わたしには、なりたいものが見付かったから」
前回は祖父の期待に応えようと、大学の学部も決めた。
学費も家賃もお世話になって、シーズンズという人も羨む仕事も手に入れる未来を約束されていて。
文句なんて言うべきじゃない、と思っていたし。
ムーアの教育のお陰で、商売が好きだと思って……思い込んで。
「まさか、その、魔法士の妻になるのが夢です! なの?」
「……わたしは弁護士になりたいと思ってる」
初めて言った、自分の夢。
わたしの中にまだ芽生えたばかりの夢。
法学部を目指すなら、今の2倍3倍の勉強をしなくては無理だ。
入学して初めて蕾になる夢だ。
「……ジェリーは、これから頑張ればいくらだって、何だってなれるけれど、わたしなんて、高等学院も行ってなくて」
「学院に行きたかった?」
「行きたくはなかった……勉強についていけないのは最初から分かっていたし、自分にはマナースクールくらいが」
「モニカには美味しいお菓子を作る腕と、繊細な刺繍の技術がある!
これは専門職だよ?」
クララがサイモンに贈ったハンカチの刺繍は、孤児院でモニカが教えたものだ。
あんな小さい子に教えるのは、根気や忍耐力が必要で。
モリッツ先生だって、子供相手に帝国語を貫くのは大変だったと思う。
教える、って、すごいことだ。
「資格も……そうだ、車の免許は?
モニカは車に乗るのが好きだったから、自分で運転出来たら最高だよ?
まだ免許を取ってる人も少ないし、それに女性ドライバーは絶対に需要はある。
未婚のご令嬢を、車と言う密室で男性の運転手に預けたくない親御さんは絶対に居るはずだから。
反対に貴女も危ない目に合わないように、女性限定完全予約制で、流しでお客様は乗せないの」
「……」
「モンドと一緒に取れば?
免許があれば、車に乗って何処にだって、好きな時に行ける。
誰かに、乗せてなんて頼まなくてもいい」
「何処にだって……好きな時に?
誰かに、頼まなくても……男性に甘えなくても、自分ひとりで……
行ける……」
「お父様は喜ぶよ、学院では、女性だからと男性に遠慮は要らない、って貴女に言ったんでしょ?
お父様は貴女が免許を取ることを、絶対に応援する」
◇◇◇
翌日の朝、王都へ戻るわたしをモニカも見送ってくれる。
もう、モニカは腕を絡ませたりしない。
ぼちぼちと荷物を整理しながら遺言書を探す、と小さな声でわたしに囁いた。
年末からのまとまった休みには、わたしも手伝うからね、急がなくてもいい、と伝えた。
そして……
「これからは週末、日曜日に貴女に電話するから」
「えっ?」
わたしが電話する、と言ったので、モニカは驚いていた。
それを優しい目で見ていた母なのに。
その口をついて出たのは、いつもの言葉だ。
母娘揃っての貧乏性だから、言わずにはいられないの。
「一番のおすすめは、7時までの早朝よ。
モニカは早起きしなくちゃ、ね」
モニカは1年間4時半出勤の、3時半起床を続けたあざとい女だ。
心配は要らない。
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