85 / 112
第2章 いつか、あなたに会う日まで
34
しおりを挟む
あからさまに人前で、モニカを罵った。
侯爵が選んだ使用人をモニカに近付けず。
食事も一緒に取らなかった。
王都へも連れていかなかった。
その癖、自分は寂れていく一方のクレイトンの営業に駆け回っていた。
きっと侯爵はとっととモニカを片付けて、次の寄生先を見つけろとうるさかっただろう。
だが、クレイトン女伯爵は女王陛下が推進する女性でも後継可能とした法案の。
王家が若くて美しい彼女をその象徴としているのなら、簡単には離婚も処理も出来ない。
サイモンはそれを建前に、愛の無い結婚生活を8年も続けた。
「モニカを冷遇しているように扱っていましたが、本当は守っていたんじゃないか、と。
先輩は正義感だけはありましたから」
それはサイモンの性格からだけで導きだした仮定ではない。
クレイトン伯爵家に忠誠を誓うクリフォードとカルディナ夫妻。
ふたりの愛娘で、自らモニカのお世話役を申し出たエマ。
そんな彼女にベタ惚れのモンド。
全員使用人を入れ替えた、と聞かされたけれど。
彼等がノックスヒルを素直に離れたとは信じられない。
彼等が忠誠を誓うのはクレイトン伯爵だ。
父がモニカに譲位したなら、その忠誠はモニカに向く。
そして、働き者の祖父の世代にやたらと好かれるサイモンだ。
クララを引き取りたいサイモンとモニカを守りたいクリフォードが協力したら?
クリフォードとカルディナは、他の使用人を近付けさせない。
食事は必ず別室でエマが立ち会う。
他の使用人に圧をかけるのはモンドの役目だ。
王都に連れていかないのは、モニカを守る人数が確保出来ないから。
彼等以外は所詮クレイトン用に雇われた使用人だ。
尊大な侯爵に忠実ではないだろう。
自分達に害さえなければ、要らない報告はあげない。
モニカの世話をする4人を、ただ見ていただけだ。
サイモンはモニカを本当には愛していなかったかも知れないが、少なくとも殺すなんて出来なかったのだ、多分。
3年後の真実なんて分からない。
あくまでも仮定の話だけれど、事実に近い気がするのは、やはりかつてあんなに憧れたサイモンだからだろうか。
どうか、そうであって欲しい、と願うのは……
「お、俺は……もうあの家に、あいつに会うのは嫌だ。
これから、クララを連れて……ここを出る」
「まだ成人もしていない貴方が、幼いクララちゃんを連れて、どこに行けるんですか?
貴方の地元のセントハーバーでは貴方達は死人ですよ?
侯爵からも直ぐに追手はかかります。
他の国に行こうにも、旅券が無ければどうしようもない。
特にクララちゃんに戸籍が無いのは、致命的です。
わざとこの子を養女にしなかったのは、それが狙いだったのでしょう。
貴方が国外へ逃げようとしても、妹の旅券を手に出来ない様に、縛り付けようとしたんです。
国内でも無戸籍のこの子を受け入れたのはクレイトンの孤児院位だったでしょう?」
「……随分と偉そうに言う」
「事実ですよ、貴方がお好きな言葉です。
わたしが貴方よりひとつ年上なのは事実ですからね。
全て自分だけで解決しようとして答えを出すのは、おやめなさい」
やめなさい、と言われてサイモンの顔が歪んだ。
どう見ても、年下のわたしに年上面されるのも業腹だし、しかし無戸籍の妹を連れて、どこへ逃げればいいのかも分からなくて、何も言えなくなっているのだろう。
「誰も助けてくれないからだろ!
誰に言えばいいんだ!
クララを守れるのは俺だけだ!」
「声が大きいです、ほら」
ほら、とうとうクララが起きた。
寝惚けて辺りを見回して、兄に笑って、わたしに気付いて驚いて、わたしにも笑顔を見せてくれる。
「お姉ちゃん、今日も来てくれたの?
このひとね、わたしのお兄ちゃんなの。
仲良くしてあげてね」
◇◇◇
仲良く……わたしはいいわよ?
でもね、貴女のお兄ちゃんはプライドが高くて、意地っ張りだから。
1度言い出したら、それを曲げないひとだったよ?
どうなるかなぁ?
「分かってます、この子を守れるのは貴方だけです。
だけど、貴方を守ってくれるのは?
貴方だってずっと、守られなくてはならない子供だったのに」
「はぁ? 誰が子供、って」
「貴方は今月18になるけれど、まだ17でしょ?
まだまだ誰かに守られるべき年齢です。
ひとりで抱え込まずに、大人を頼りましょう」
「……」
「あのヒューゴさんは、あぁ見えて結構……
貴方達兄妹を守る気持ちも、経済力も有ります。
これから、祖父に電話を入れますから。
クララちゃんとセントラル駅に到着したら、祖父の迎えの者が参ります。
先輩はしばらく休学になるかも知れませんが、ことが落ち着いたら、復学できますし、サイモンに戻れます。
もちろんクララちゃんの戸籍もね」
「……でも、関係の無い人に迷惑をかけるのは」
「誰にも迷惑をかけたくなくて、13年後にはあんな顛末になるんですよ?
どうせなら今、迷惑をかけてください」
「……」
「祖父が言ったんです、先を知ってるわたし達は有利にことが運べる、先手が打てる、と。
侯爵から悪事を命じられる前に逃げましょう。
聞かされた時点で、貴方は共犯にされてしまいます。
幸い、学院ではわたし達は親しくしていません。
今ならゲインからキャンベルの名前は侯爵には伝わらない。
祖父を信頼しろ、とは言いません。
クララちゃんと自立出来るまで、利用してやる位の感覚でいいです。
貴方の人生を、あんな侯爵に搾取されちゃ駄目です」
「……お姉ちゃん、何言ってるの?」
誰かが話している間は口を挟まない、賢いクララがわたしに尋ねた。
強くて大好きなお兄ちゃんが泣き出したので心配しているのね。
ひとりで何もかも背負おうとしていたお兄ちゃんだったね?
口喧嘩してわたしが勝って、泣かせたんじゃないからね?
最近、目の前で男性に泣かれることが多いなぁ……
実は女性より男性の方が、泣き虫が多いんじゃない?
侯爵が選んだ使用人をモニカに近付けず。
食事も一緒に取らなかった。
王都へも連れていかなかった。
その癖、自分は寂れていく一方のクレイトンの営業に駆け回っていた。
きっと侯爵はとっととモニカを片付けて、次の寄生先を見つけろとうるさかっただろう。
だが、クレイトン女伯爵は女王陛下が推進する女性でも後継可能とした法案の。
王家が若くて美しい彼女をその象徴としているのなら、簡単には離婚も処理も出来ない。
サイモンはそれを建前に、愛の無い結婚生活を8年も続けた。
「モニカを冷遇しているように扱っていましたが、本当は守っていたんじゃないか、と。
先輩は正義感だけはありましたから」
それはサイモンの性格からだけで導きだした仮定ではない。
クレイトン伯爵家に忠誠を誓うクリフォードとカルディナ夫妻。
ふたりの愛娘で、自らモニカのお世話役を申し出たエマ。
そんな彼女にベタ惚れのモンド。
全員使用人を入れ替えた、と聞かされたけれど。
彼等がノックスヒルを素直に離れたとは信じられない。
彼等が忠誠を誓うのはクレイトン伯爵だ。
父がモニカに譲位したなら、その忠誠はモニカに向く。
そして、働き者の祖父の世代にやたらと好かれるサイモンだ。
クララを引き取りたいサイモンとモニカを守りたいクリフォードが協力したら?
クリフォードとカルディナは、他の使用人を近付けさせない。
食事は必ず別室でエマが立ち会う。
他の使用人に圧をかけるのはモンドの役目だ。
王都に連れていかないのは、モニカを守る人数が確保出来ないから。
彼等以外は所詮クレイトン用に雇われた使用人だ。
尊大な侯爵に忠実ではないだろう。
自分達に害さえなければ、要らない報告はあげない。
モニカの世話をする4人を、ただ見ていただけだ。
サイモンはモニカを本当には愛していなかったかも知れないが、少なくとも殺すなんて出来なかったのだ、多分。
3年後の真実なんて分からない。
あくまでも仮定の話だけれど、事実に近い気がするのは、やはりかつてあんなに憧れたサイモンだからだろうか。
どうか、そうであって欲しい、と願うのは……
「お、俺は……もうあの家に、あいつに会うのは嫌だ。
これから、クララを連れて……ここを出る」
「まだ成人もしていない貴方が、幼いクララちゃんを連れて、どこに行けるんですか?
貴方の地元のセントハーバーでは貴方達は死人ですよ?
侯爵からも直ぐに追手はかかります。
他の国に行こうにも、旅券が無ければどうしようもない。
特にクララちゃんに戸籍が無いのは、致命的です。
わざとこの子を養女にしなかったのは、それが狙いだったのでしょう。
貴方が国外へ逃げようとしても、妹の旅券を手に出来ない様に、縛り付けようとしたんです。
国内でも無戸籍のこの子を受け入れたのはクレイトンの孤児院位だったでしょう?」
「……随分と偉そうに言う」
「事実ですよ、貴方がお好きな言葉です。
わたしが貴方よりひとつ年上なのは事実ですからね。
全て自分だけで解決しようとして答えを出すのは、おやめなさい」
やめなさい、と言われてサイモンの顔が歪んだ。
どう見ても、年下のわたしに年上面されるのも業腹だし、しかし無戸籍の妹を連れて、どこへ逃げればいいのかも分からなくて、何も言えなくなっているのだろう。
「誰も助けてくれないからだろ!
誰に言えばいいんだ!
クララを守れるのは俺だけだ!」
「声が大きいです、ほら」
ほら、とうとうクララが起きた。
寝惚けて辺りを見回して、兄に笑って、わたしに気付いて驚いて、わたしにも笑顔を見せてくれる。
「お姉ちゃん、今日も来てくれたの?
このひとね、わたしのお兄ちゃんなの。
仲良くしてあげてね」
◇◇◇
仲良く……わたしはいいわよ?
でもね、貴女のお兄ちゃんはプライドが高くて、意地っ張りだから。
1度言い出したら、それを曲げないひとだったよ?
どうなるかなぁ?
「分かってます、この子を守れるのは貴方だけです。
だけど、貴方を守ってくれるのは?
貴方だってずっと、守られなくてはならない子供だったのに」
「はぁ? 誰が子供、って」
「貴方は今月18になるけれど、まだ17でしょ?
まだまだ誰かに守られるべき年齢です。
ひとりで抱え込まずに、大人を頼りましょう」
「……」
「あのヒューゴさんは、あぁ見えて結構……
貴方達兄妹を守る気持ちも、経済力も有ります。
これから、祖父に電話を入れますから。
クララちゃんとセントラル駅に到着したら、祖父の迎えの者が参ります。
先輩はしばらく休学になるかも知れませんが、ことが落ち着いたら、復学できますし、サイモンに戻れます。
もちろんクララちゃんの戸籍もね」
「……でも、関係の無い人に迷惑をかけるのは」
「誰にも迷惑をかけたくなくて、13年後にはあんな顛末になるんですよ?
どうせなら今、迷惑をかけてください」
「……」
「祖父が言ったんです、先を知ってるわたし達は有利にことが運べる、先手が打てる、と。
侯爵から悪事を命じられる前に逃げましょう。
聞かされた時点で、貴方は共犯にされてしまいます。
幸い、学院ではわたし達は親しくしていません。
今ならゲインからキャンベルの名前は侯爵には伝わらない。
祖父を信頼しろ、とは言いません。
クララちゃんと自立出来るまで、利用してやる位の感覚でいいです。
貴方の人生を、あんな侯爵に搾取されちゃ駄目です」
「……お姉ちゃん、何言ってるの?」
誰かが話している間は口を挟まない、賢いクララがわたしに尋ねた。
強くて大好きなお兄ちゃんが泣き出したので心配しているのね。
ひとりで何もかも背負おうとしていたお兄ちゃんだったね?
口喧嘩してわたしが勝って、泣かせたんじゃないからね?
最近、目の前で男性に泣かれることが多いなぁ……
実は女性より男性の方が、泣き虫が多いんじゃない?
29
お気に入りに追加
631
あなたにおすすめの小説

夫の隠し子を見付けたので、溺愛してみた。
辺野夏子
恋愛
セファイア王国王女アリエノールは八歳の時、王命を受けエメレット伯爵家に嫁いだ。それから十年、ずっと仮面夫婦のままだ。アリエノールは先天性の病のため、残りの寿命はあとわずか。日々を穏やかに過ごしているけれど、このままでは生きた証がないまま短い命を散らしてしまう。そんなある日、アリエノールの元に一人の子供が現れた。夫であるカシウスに生き写しな見た目の子供は「この家の子供になりにきた」と宣言する。これは夫の隠し子に間違いないと、アリエノールは継母としてその子を育てることにするのだが……堅物で不器用な夫と、余命わずかで卑屈になっていた妻がお互いの真実に気が付くまでの話。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。

【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。

【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。

裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる