16 / 51
第三章 英雄たちのモノローグ
15.遺言と終着点
しおりを挟む
――三年前。エルダール王国のとある森にて。
俺とシュプリンガーがコンビを組み始めて三年ほど経った頃だ。
結論から言って、俺たちの別れはあまりに突然だった。
突然すぎた。
その日、俺たちはその森で度々目撃情報がある中規模の山賊の鎮圧に向かっていた。だがそれは、その頃噂され始めていた「山賊狩り」という存在についての調査も兼ねていたのだった。
山賊の集落の一つを制圧した俺たちは、彼らの生き残りを捕虜として連れ帰ることにした。
「今日は、あまりこの剣を汚さずに済んだよ」
その日も彼は、複雑な表情で死体の転がった戦地を眺めていた。ここ数年間俺が見てきた中ではその日、彼が直接手を下した敵の割合は最も少ないように思えた。
剣士として様々な葛藤を抱えていた彼はきっと、彼の思う信条を最大限戦闘に反映していったのだろう。
「この隣にも、もう一つ集落が残っている。兵が集まり次第、向かうとしよう」
「ああ、もちろん。じゃあ、僕は少し偵察に行ってくるよ。全勢力でかかって、もぬけの殻だったら困るからね」
「油断はするなよ」
「誰に向かって言ってんのさ」
いつものように彼は頬を緩めて笑った。
その時点では、俺たちはそんな会話ができた。
だが、もしこのとき後に起こることを知っていたら俺は絶対に彼を引き止めていた。それで運命がどんなに風任せで進もうと。
しばらくして現場の事後処理が終わったところで、指示出しをしていた俺はあることに気がついた。
――さっき森の奥へと駆けていった彼がまだ、戻ってきていなかったのだ。
山賊の集落は基本的に密集しているため、往復にはそこまで時間はかからないはずだ。彼のような健脚なら尚更。偵察――にしては長すぎる。最初、俺は彼が珍しくヘマをして敵襲を受けたのだと思っていた。
当時の俺たちの信頼関係が仇となり、俺の心配な過小なもので片付けられてしまったのだ。
「シュプリンガーが偵察に向かってる。俺たちもあとに続くぞ!」
「はっ!」
部下である兵たちを集め、敵の襲撃に備えつつ目標の集落に向かった。今までなかった類の焦りからか、森を走る俺の脚は何かに急かされたように駆け足だった。森の地を駆け抜け、枝や木の葉が踏みつけられて音を立てる。なんでもないような任務の最中だというのに、俺の心拍はこれまでにないほど速まっていた。
その現場に着いてまず目に入ったのは、地面ごとひっくり返されたように凄惨とした『集落だった場所』だった。人の血肉の臭いが漂ってはいたものの、彼らの死体はどれも原型を留めておらず、その代わりにおびただしい数の肉片が散らばっていた。
「これは⋯⋯なんだ⋯⋯?」
予想外の光景に俺はその場に立ち尽くした。
頭で状況を整理しようにも、確実な情報が少なすぎる。
これはシュプリンガーがやったのか?――いや違う。不殺主義に染まりつつあった今の彼がこんな芸当をする可能性は極めて低い。そしてこの細すぎる斬撃と、その甚大な射程範囲。これほどまでに高度な破壊魔法は今まで見たことがない。
――ならば、この惨状を生み出したのは一体何者なんだ?
いくつかの疑問点がようやく一つにまとまったところで、俺は俺を呼んでいた部下の存在に気づいた。深い思考行動に入ると周囲が見えなくなる俺の悪い癖だった。
「すまん、どうした?」
あまりに酷い臭いに鼻を摘んでいた彼は、俺に向かってこう告げた。
「⋯⋯隊長、シュプリンガーさんが」
彼がそう言い終える直前、彼の体越しに見えた『それ』に俺は驚愕した。
気づけば俺は走っていた。走り方なんぞ厭わずに、ただ彼のもとへ。一秒でも早く。
「――シュプリンガー!!」
俺が駆け寄ったときにはもう、彼は手遅れだった。
彼の身体には既に、付近に散乱した彼らのそれと同じような斬撃による傷が入っていた。左腕から心臓付近までをざっくりと斬られており、左腕は二の腕の辺りで切断されていた。辛うじて切断を免れた上半身、その胸は大きく切り裂かれている。出血の止まらない胸元から、白い肋骨が露出していた。
「シュプリンガー、おい!! 返事をしろ!!」
彼の残った右手を握り、必死に呼びかける。その瞳は虚ろで、握り返してくる感触も弱い。彼は血が滴るその唇を動かして、なんとか喋った。
「⋯⋯⋯⋯ロイ、ファー⋯⋯」
「お前、この傷は誰にやられた!! いや待て、今救護班を呼んでくる、リーファが間に合えばなんとか⋯⋯」
「⋯⋯もう、やめてくれ」
「――!」
彼の瞼が閉じかける。俺は必死でそのまま眠りにつこうとするのを揺さぶって止める。駄目だ、やめてくれ。そのまま眠ったらお前は⋯⋯お前はもう――
「阿呆か、何がやめろだ!! おいお前ら、救護班を呼んでこい!! 応急処置の魔法が使える奴らをありったけかき集めてこい!!」
部下の数人が威勢よく同じ道を戻っていく。間に合わない、そんなことは絶対に許されない。許さない。彼の命がこんなところでこんな理由で失われてたまるか。
「もう、いいんだ⋯⋯ロイファー」
「喋るな⋯⋯傷口が開くだろう⋯⋯!」
「聞いて、くれ。僕は最期に、これだけは⋯⋯」
咳き込むと同時に彼は血を吐き出す。大量出血のときに見られる、肺に血が入ったときのそれだ。俺は彼の手を握ったまま、彼の言葉に耳を澄ませた。
「⋯⋯君はもう、戦わないでくれ。僕の敵討ちなんて、絶対、考えるな⋯⋯それと⋯⋯」
「ああ、わかった⋯⋯」
「それと、君には⋯⋯いつか、僕との話を本にして書いてほしい。⋯⋯弓矢で人を殺すより、君には物書きが似合う、⋯⋯きっと」
彼に訊ねたいことは、まとめて喉の奥に引っ込めた。
胸の奥底から熱いものがこみ上げる。気づいていたときにはもう、それは止められなかった。カップから溢れたコーヒーのように、それは俺の眼から流れて止まらなかった。
「ああ、わかった⋯⋯わかったから死ぬな――!」
「はは⋯⋯駄目だな僕は⋯⋯あんなこと言っといて、この結末に⋯⋯自分で、納得できてない⋯⋯」
光の消えたその瞳が、空を眺めている。血で塗れた口角が気持ち上がり、どこまでも伽藍堂な笑みが彼の顔に張り付いていた。口ではそう言いつつも、その表情は俺には満足げに見えた。
「⋯⋯ロイファー」彼の声が掠れていく。
「なんだ?」
「⋯⋯どうか君は――君だけは、こんな風に無様に死なないでほしい。⋯⋯こんな戦いは、やっぱり⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯シュプリンガー?」
呼吸を止めた彼の身体が、俺の腕の上で静かに硬直していた。瞼でその光なき瞳は閉ざされてしまった。背後で救護班の到着を伝える主旨の言葉が聞こえたが、俺は答えることが出来なかった。
――その口から出たのは、喉が裂けるような誰かの叫び声だった。
その主が俺だったということに気づいたのは、実際に喉が枯れるまで泣き叫んだ後だった。
俺とシュプリンガーがコンビを組み始めて三年ほど経った頃だ。
結論から言って、俺たちの別れはあまりに突然だった。
突然すぎた。
その日、俺たちはその森で度々目撃情報がある中規模の山賊の鎮圧に向かっていた。だがそれは、その頃噂され始めていた「山賊狩り」という存在についての調査も兼ねていたのだった。
山賊の集落の一つを制圧した俺たちは、彼らの生き残りを捕虜として連れ帰ることにした。
「今日は、あまりこの剣を汚さずに済んだよ」
その日も彼は、複雑な表情で死体の転がった戦地を眺めていた。ここ数年間俺が見てきた中ではその日、彼が直接手を下した敵の割合は最も少ないように思えた。
剣士として様々な葛藤を抱えていた彼はきっと、彼の思う信条を最大限戦闘に反映していったのだろう。
「この隣にも、もう一つ集落が残っている。兵が集まり次第、向かうとしよう」
「ああ、もちろん。じゃあ、僕は少し偵察に行ってくるよ。全勢力でかかって、もぬけの殻だったら困るからね」
「油断はするなよ」
「誰に向かって言ってんのさ」
いつものように彼は頬を緩めて笑った。
その時点では、俺たちはそんな会話ができた。
だが、もしこのとき後に起こることを知っていたら俺は絶対に彼を引き止めていた。それで運命がどんなに風任せで進もうと。
しばらくして現場の事後処理が終わったところで、指示出しをしていた俺はあることに気がついた。
――さっき森の奥へと駆けていった彼がまだ、戻ってきていなかったのだ。
山賊の集落は基本的に密集しているため、往復にはそこまで時間はかからないはずだ。彼のような健脚なら尚更。偵察――にしては長すぎる。最初、俺は彼が珍しくヘマをして敵襲を受けたのだと思っていた。
当時の俺たちの信頼関係が仇となり、俺の心配な過小なもので片付けられてしまったのだ。
「シュプリンガーが偵察に向かってる。俺たちもあとに続くぞ!」
「はっ!」
部下である兵たちを集め、敵の襲撃に備えつつ目標の集落に向かった。今までなかった類の焦りからか、森を走る俺の脚は何かに急かされたように駆け足だった。森の地を駆け抜け、枝や木の葉が踏みつけられて音を立てる。なんでもないような任務の最中だというのに、俺の心拍はこれまでにないほど速まっていた。
その現場に着いてまず目に入ったのは、地面ごとひっくり返されたように凄惨とした『集落だった場所』だった。人の血肉の臭いが漂ってはいたものの、彼らの死体はどれも原型を留めておらず、その代わりにおびただしい数の肉片が散らばっていた。
「これは⋯⋯なんだ⋯⋯?」
予想外の光景に俺はその場に立ち尽くした。
頭で状況を整理しようにも、確実な情報が少なすぎる。
これはシュプリンガーがやったのか?――いや違う。不殺主義に染まりつつあった今の彼がこんな芸当をする可能性は極めて低い。そしてこの細すぎる斬撃と、その甚大な射程範囲。これほどまでに高度な破壊魔法は今まで見たことがない。
――ならば、この惨状を生み出したのは一体何者なんだ?
いくつかの疑問点がようやく一つにまとまったところで、俺は俺を呼んでいた部下の存在に気づいた。深い思考行動に入ると周囲が見えなくなる俺の悪い癖だった。
「すまん、どうした?」
あまりに酷い臭いに鼻を摘んでいた彼は、俺に向かってこう告げた。
「⋯⋯隊長、シュプリンガーさんが」
彼がそう言い終える直前、彼の体越しに見えた『それ』に俺は驚愕した。
気づけば俺は走っていた。走り方なんぞ厭わずに、ただ彼のもとへ。一秒でも早く。
「――シュプリンガー!!」
俺が駆け寄ったときにはもう、彼は手遅れだった。
彼の身体には既に、付近に散乱した彼らのそれと同じような斬撃による傷が入っていた。左腕から心臓付近までをざっくりと斬られており、左腕は二の腕の辺りで切断されていた。辛うじて切断を免れた上半身、その胸は大きく切り裂かれている。出血の止まらない胸元から、白い肋骨が露出していた。
「シュプリンガー、おい!! 返事をしろ!!」
彼の残った右手を握り、必死に呼びかける。その瞳は虚ろで、握り返してくる感触も弱い。彼は血が滴るその唇を動かして、なんとか喋った。
「⋯⋯⋯⋯ロイ、ファー⋯⋯」
「お前、この傷は誰にやられた!! いや待て、今救護班を呼んでくる、リーファが間に合えばなんとか⋯⋯」
「⋯⋯もう、やめてくれ」
「――!」
彼の瞼が閉じかける。俺は必死でそのまま眠りにつこうとするのを揺さぶって止める。駄目だ、やめてくれ。そのまま眠ったらお前は⋯⋯お前はもう――
「阿呆か、何がやめろだ!! おいお前ら、救護班を呼んでこい!! 応急処置の魔法が使える奴らをありったけかき集めてこい!!」
部下の数人が威勢よく同じ道を戻っていく。間に合わない、そんなことは絶対に許されない。許さない。彼の命がこんなところでこんな理由で失われてたまるか。
「もう、いいんだ⋯⋯ロイファー」
「喋るな⋯⋯傷口が開くだろう⋯⋯!」
「聞いて、くれ。僕は最期に、これだけは⋯⋯」
咳き込むと同時に彼は血を吐き出す。大量出血のときに見られる、肺に血が入ったときのそれだ。俺は彼の手を握ったまま、彼の言葉に耳を澄ませた。
「⋯⋯君はもう、戦わないでくれ。僕の敵討ちなんて、絶対、考えるな⋯⋯それと⋯⋯」
「ああ、わかった⋯⋯」
「それと、君には⋯⋯いつか、僕との話を本にして書いてほしい。⋯⋯弓矢で人を殺すより、君には物書きが似合う、⋯⋯きっと」
彼に訊ねたいことは、まとめて喉の奥に引っ込めた。
胸の奥底から熱いものがこみ上げる。気づいていたときにはもう、それは止められなかった。カップから溢れたコーヒーのように、それは俺の眼から流れて止まらなかった。
「ああ、わかった⋯⋯わかったから死ぬな――!」
「はは⋯⋯駄目だな僕は⋯⋯あんなこと言っといて、この結末に⋯⋯自分で、納得できてない⋯⋯」
光の消えたその瞳が、空を眺めている。血で塗れた口角が気持ち上がり、どこまでも伽藍堂な笑みが彼の顔に張り付いていた。口ではそう言いつつも、その表情は俺には満足げに見えた。
「⋯⋯ロイファー」彼の声が掠れていく。
「なんだ?」
「⋯⋯どうか君は――君だけは、こんな風に無様に死なないでほしい。⋯⋯こんな戦いは、やっぱり⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯シュプリンガー?」
呼吸を止めた彼の身体が、俺の腕の上で静かに硬直していた。瞼でその光なき瞳は閉ざされてしまった。背後で救護班の到着を伝える主旨の言葉が聞こえたが、俺は答えることが出来なかった。
――その口から出たのは、喉が裂けるような誰かの叫び声だった。
その主が俺だったということに気づいたのは、実際に喉が枯れるまで泣き叫んだ後だった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
「聖女に丸投げ、いい加減やめません?」というと、それが発動条件でした。※シファルルート
ハル*
ファンタジー
コミュ障気味で、中学校では友達なんか出来なくて。
胸が苦しくなるようなこともあったけれど、今度こそ友達を作りたい! って思ってた。
いよいよ明日は高校の入学式だ! と校則がゆるめの高校ということで、思いきって金髪にカラコンデビューを果たしたばかりだったのに。
――――気づけば異世界?
金髪&淡いピンクの瞳が、聖女の色だなんて知らないよ……。
自前じゃない髪の色に、カラコンゆえの瞳の色。
本当は聖女の色じゃないってバレたら、どうなるの?
勝手に聖女だからって持ち上げておいて、聖女のあたしを護ってくれる誰かはいないの?
どこにも誰にも甘えられない環境で、くじけてしまいそうだよ。
まだ、たった15才なんだから。
ここに来てから支えてくれようとしているのか、困らせようとしているのかわかりにくい男の子もいるけれど、ひとまず聖女としてやれることやりつつ、髪色とカラコンについては後で……(ごにょごにょ)。
――なんて思っていたら、頭頂部の髪が黒くなってきたのは、脱色後の髪が伸びたから…が理由じゃなくて、問題は別にあったなんて。
浄化の瞬間は、そう遠くはない。その時あたしは、どんな表情でどんな気持ちで浄化が出来るだろう。
召喚から浄化までの約3か月のこと。
見た目はニセモノな聖女と5人の(彼女に王子だと伝えられない)王子や王子じゃない彼らのお話です。
※残酷と思われるシーンには、タイトルに※をつけてあります。
29話以降が、シファルルートの分岐になります。
29話までは、本編・ジークムントと同じ内容になりますことをご了承ください。
本編・ジークムントルートも連載中です。
プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~
笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。
鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。
自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。
傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。
炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ゆとりある生活を異世界で
コロ
ファンタジー
とある世界の皇国
公爵家の長男坊は
少しばかりの異能を持っていて、それを不思議に思いながらも健やかに成長していた…
それなりに頑張って生きていた俺は48歳
なかなか楽しい人生だと満喫していたら
交通事故でアッサリ逝ってもた…orz
そんな俺を何気に興味を持って見ていた神様の一柱が
『楽しませてくれた礼をあげるよ』
とボーナスとして異世界でもう一つの人生を歩ませてくれる事に…
それもチートまでくれて♪
ありがたやありがたや
チート?強力なのがあります→使うとは言ってない
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
身体の状態(主に目)と相談しながら書くので遅筆になると思います
宜しくお付き合い下さい
蒼星伝 ~マッチ売りの男の娘はチート改造され、片翼の天使と成り果て、地上に舞い降りる剣と化す~
ももちく
ファンタジー
|神代《かみよ》の時代から、創造主:Y.O.N.Nと悪魔の統括者であるハイヨル混沌は激しい戦いを繰り返してきた。
その両者の戦いの余波を受けて、惑星:ジ・アースは4つに分かたれてしまう。
それから、さらに途方もない年月が経つ。
復活を果たしたハイヨル混沌は今度こそ、創造主;Y.O.N.Nとの決着をつけるためにも、惑星:ジ・アースを完全に暗黒の世界へと変えようとする。
ハイヨル混沌の支配を跳ね返すためにも、創造主:Y.O.N.Nのパートナーとも呼べる天界の主である星皇が天使軍団を率い、ハイヨル混沌軍団との戦いを始める。
しかし、ハイヨル混沌軍団は地上界を闇の世界に堕とすだけでなく、星皇の妻の命を狙う。
その計画を妨害するためにも星皇は自分の妾(男の娘)を妻の下へと派遣する。
幾星霜もの間、続いた創造主:Y.O.N.Nとハイヨル混沌との戦いに終止符を打つキーマンとなる星皇の妻と妾(男の娘)は互いの手を取り合う。
時にはぶつかり合い、地獄と化していく地上界で懸命に戦い、やがて、その命の炎を燃やし尽くす……。
彼女達の命の輝きを見た地上界の住人たちは、彼女たちの戦いの軌跡と生き様を『蒼星伝』として語り継ぐことになる。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる