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王都編
39.第一部エピローグ
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「本当に、入る気はないのだな?」
「はい」
「本当に本当だな?」
「はい、全力で遠慮します」
僕が王都での保護観察を受ける一ヶ月が、終わろうとしていた。
今日は最後の一日。
騎士団長のスローネさんに呼び出されたかと思えば、内容はまるっきり騎士団への勧誘だった。もちろん僕はエルやセオとの約束があるので、騎士団への入団は拒否している。のだが⋯⋯
「⋯⋯チッ」
「今チッて言いましたか?」
いや聴こえたよ? 普通に。
「君は魔王を倒した英雄なのだぞ? 騎士団へ入団してその力を活かそうとは思わないのか?」
「それは考えてはいましたが、今の僕にはまだ早い気がするんです。それに、僕は元々記憶喪失なので、この世界のことはよく知りません。だから僕は仲間とともに旅を続けたいと思うんです。僕はこの世界の、知らない一面を知りたいんです」
「⋯⋯なるほど。それは殊勝な考えだな」
「お誘いいただきありがとうございます。僕の力を必要としてもらえて、とても光栄でした」
「ああ。私も無理強いはできない。君は君の道を往くといい」
「はい!」
僕は僕の道を往くだけ。
それとなくレールの引かれた前世とは違う、僕のまだ見ぬ道を、僕はこれから歩いて行くのだ。
「ところで、騎士団の短期バイトもあるのだが⋯⋯暇なときは是非」
「あ、はい⋯⋯」
僕を過大評価しすぎでは?
・・・
「坊や、もう帰っちゃうの?」
「はい。もう一ヶ月経ちましたからね」
「早いわね、もう一ヶ月経ったの⋯⋯」
城をふらふら歩いていると、大体シャーロットさんにばったり会ってしまう。大抵僕はそこで彼女に誘惑めいたことを言われて動揺してしまうのだけど。それも、これで最後か。
「もっと長居してもいいのよ? その気になれば私の魔法研究室で働かせてあげるし、宿舎だって私と同じ部屋にしてあげるのに」
「それも全力で遠慮します」
「ふふ、そう? まったく残念ね⋯⋯坊やはいつか私のもとに置いておきたいと思っていたのに」
「僕も、シャーロットさんが僕のことを気に入ってくれて、本当に嬉しかったです。別れるのはとても、残念です」
「そう言ってくれるととっっっっっっても嬉しいわ。今すぐにでも気絶しそうだもの」
「それはそれは⋯⋯」
思わず苦笑いがこぼれた僕を、彼女はぎゅと抱き寄せる。彼女の胸の柔らかさが、顔を通して直に伝わってきてしまう。苦しいけどこれはこれで⋯⋯
「~~!」
「またね、坊や」
「はい⋯⋯」
・・・
「今日が最後、だよね?」
「うん、今日だよ」
「旅は明日から?」
「うん、明日からまたどこへ行こうか?」
「んー⋯⋯」
宿舎で荷造りを終えた僕のもとへ駆け寄ってきたのは、ここ数日会えていなかったエルだった。
回を重ねる度強化されていくその甘々な甘え方で、今日は僕の膝枕を所望してきた。当然僕は断ることなく、しっぽを振ってやって来た彼女に膝もとい太腿を貸す。
⋯⋯正直、男の膝枕なんて心地良いのか?
「お前ら、普通に俺のことすっぽかしてねーか?」
「あれ、セオ居たの?」
「居たわ最初っから!! つーかお前らラブラブすぎんだろ! 読者が引くくらい急なスキンシップを始めるな!」
今日も今日とて、セオはいじられキャラとして立派に機能しているようだ。その不憫すぎる扱いには、僕もほんの少し可哀想に思えてくる。
「明日からまたケイと一緒⋯⋯」
これ以上懐かれると、僕の心臓がやばいのだが⋯⋯
「そうだ、先生にもあとで別れの挨拶を⋯⋯」
「お兄さんいますか?」ドアが開く。
「あ、噂をすれば先生」
「ひっ、ドS猫!!」
「誰がドS猫ですか?⋯⋯それはともかく、お兄さんちょっと来てもらえますか?」
「え? いいけど⋯⋯」
なんかのサプライズかな、とちょっと期待してみるのだが⋯⋯
僕の期待は一瞬で砕かれる。
「お兄さんの身体検査の結果です。このスキル、一体どういうことですか? 説明してください」
「スキル?」
「これです、これ」
リーファに差し出された報告書の、僕の保有スキルが記載された欄へ目を移す。そこに書いてあったのは⋯⋯
「スキル〈神々の慈愛〉――動物属性をもつ獣人族や動物の頭を撫でると、それがもつ精神的ストレスや不安を無制限に払拭できる⋯⋯ただしその対象は定期的にその行為を必要とするようになり、怠った場合その欲求を爆発させて恐ろしいことになる。⋯⋯⋯⋯なにこれ?」
「聞きたいのはこっちですよ! なんてことしてくれるんですか!!」
「あれ、僕なんかしたっけ⋯⋯?」
そもそもこんなスキル知らなかった。
待てよ、このスキルのせいでエルがおかしくなったってことか?
「私はあなたに撫でられたせいで半永久的にあなたから離れられなくなったんです。⋯⋯これ、どう責任をとるつもりですか?」
「えぇ⋯⋯そうだなー⋯⋯」
熟考。
「あ、そうだ」
・・・
――出所当日。
「いよいよ出発か⋯⋯」
城門の前に立ち、城の下の街を眺める。
ここでの暮らしも悪くなかったな、としみじみ思う。
「⋯⋯で、本当に来てくれるんですか? リーファ先生」
「『来てくれるんですか?』じゃないですよ。誰のせいだと思ってるんですか?」
僕の隣で、リーファはジト目で僕を睨んでくる。
「お仕事は?」
「しばらく休職します。信頼できる代理がいるので、そちらに任せることにしました」
「そうなんだ。じゃあ、改めてよろしくね」
「⋯⋯よろしくお願いします」
まあ、何だかんだで彼女もパーティに加わることになってしまったわけだ。僕としては全く問題ないのだけど⋯⋯
「なあケイ、こいつ本当に一緒に来るのか?」セオは気が引けるようだ。
「あれ、駄目?」
「駄目じゃねーけど、なんか怖い⋯⋯」
「おや、私の目の前で陰口ですか? 役立たずさん」
「やっぱ怖い!」
「ケモ耳担当が一人増えただけだよ。ね、エル?」
「ん、ケイが言うならそうだね」
「このパーティやばいって⋯⋯」
メンツが終わってるとかそういう問題は後回しにして、今はとりあえず前に進もうじゃないか。
「もう、おかしなこと言ってないで早く行きましょう」
「先が思いやられる⋯⋯」
「何か言いましたか?」
「はいすんません今すぐ行きます!」
でも、悪くない旅立ちだと思う。
リーファにとって、これは「旅」という初めての人生経験を積むことになるのだから。そして僕という人間を通した二人との出会いで、彼女の中の何かが変わってくれればいい。
前を行く三人を見て、僕はそんなことを思いながら思わず笑みがこぼれた。
「大丈夫、だよな⋯⋯」
そう一歩を踏み出した僕の横を、ある人物が通り過ぎる。
「リヒト⋯⋯」
黒いマントを羽織った彼は、僕には振り返らずに進み続ける。僕が振り返ったのに気づいたのか、彼はこんな一言を置いて去っていった。
「またな」
「うん、またどこかで」
背中合わせに僕らは歩き続ける。
願わくば、その先で交わる運命にあることを信じて。
〈第一部 完〉
「はい」
「本当に本当だな?」
「はい、全力で遠慮します」
僕が王都での保護観察を受ける一ヶ月が、終わろうとしていた。
今日は最後の一日。
騎士団長のスローネさんに呼び出されたかと思えば、内容はまるっきり騎士団への勧誘だった。もちろん僕はエルやセオとの約束があるので、騎士団への入団は拒否している。のだが⋯⋯
「⋯⋯チッ」
「今チッて言いましたか?」
いや聴こえたよ? 普通に。
「君は魔王を倒した英雄なのだぞ? 騎士団へ入団してその力を活かそうとは思わないのか?」
「それは考えてはいましたが、今の僕にはまだ早い気がするんです。それに、僕は元々記憶喪失なので、この世界のことはよく知りません。だから僕は仲間とともに旅を続けたいと思うんです。僕はこの世界の、知らない一面を知りたいんです」
「⋯⋯なるほど。それは殊勝な考えだな」
「お誘いいただきありがとうございます。僕の力を必要としてもらえて、とても光栄でした」
「ああ。私も無理強いはできない。君は君の道を往くといい」
「はい!」
僕は僕の道を往くだけ。
それとなくレールの引かれた前世とは違う、僕のまだ見ぬ道を、僕はこれから歩いて行くのだ。
「ところで、騎士団の短期バイトもあるのだが⋯⋯暇なときは是非」
「あ、はい⋯⋯」
僕を過大評価しすぎでは?
・・・
「坊や、もう帰っちゃうの?」
「はい。もう一ヶ月経ちましたからね」
「早いわね、もう一ヶ月経ったの⋯⋯」
城をふらふら歩いていると、大体シャーロットさんにばったり会ってしまう。大抵僕はそこで彼女に誘惑めいたことを言われて動揺してしまうのだけど。それも、これで最後か。
「もっと長居してもいいのよ? その気になれば私の魔法研究室で働かせてあげるし、宿舎だって私と同じ部屋にしてあげるのに」
「それも全力で遠慮します」
「ふふ、そう? まったく残念ね⋯⋯坊やはいつか私のもとに置いておきたいと思っていたのに」
「僕も、シャーロットさんが僕のことを気に入ってくれて、本当に嬉しかったです。別れるのはとても、残念です」
「そう言ってくれるととっっっっっっても嬉しいわ。今すぐにでも気絶しそうだもの」
「それはそれは⋯⋯」
思わず苦笑いがこぼれた僕を、彼女はぎゅと抱き寄せる。彼女の胸の柔らかさが、顔を通して直に伝わってきてしまう。苦しいけどこれはこれで⋯⋯
「~~!」
「またね、坊や」
「はい⋯⋯」
・・・
「今日が最後、だよね?」
「うん、今日だよ」
「旅は明日から?」
「うん、明日からまたどこへ行こうか?」
「んー⋯⋯」
宿舎で荷造りを終えた僕のもとへ駆け寄ってきたのは、ここ数日会えていなかったエルだった。
回を重ねる度強化されていくその甘々な甘え方で、今日は僕の膝枕を所望してきた。当然僕は断ることなく、しっぽを振ってやって来た彼女に膝もとい太腿を貸す。
⋯⋯正直、男の膝枕なんて心地良いのか?
「お前ら、普通に俺のことすっぽかしてねーか?」
「あれ、セオ居たの?」
「居たわ最初っから!! つーかお前らラブラブすぎんだろ! 読者が引くくらい急なスキンシップを始めるな!」
今日も今日とて、セオはいじられキャラとして立派に機能しているようだ。その不憫すぎる扱いには、僕もほんの少し可哀想に思えてくる。
「明日からまたケイと一緒⋯⋯」
これ以上懐かれると、僕の心臓がやばいのだが⋯⋯
「そうだ、先生にもあとで別れの挨拶を⋯⋯」
「お兄さんいますか?」ドアが開く。
「あ、噂をすれば先生」
「ひっ、ドS猫!!」
「誰がドS猫ですか?⋯⋯それはともかく、お兄さんちょっと来てもらえますか?」
「え? いいけど⋯⋯」
なんかのサプライズかな、とちょっと期待してみるのだが⋯⋯
僕の期待は一瞬で砕かれる。
「お兄さんの身体検査の結果です。このスキル、一体どういうことですか? 説明してください」
「スキル?」
「これです、これ」
リーファに差し出された報告書の、僕の保有スキルが記載された欄へ目を移す。そこに書いてあったのは⋯⋯
「スキル〈神々の慈愛〉――動物属性をもつ獣人族や動物の頭を撫でると、それがもつ精神的ストレスや不安を無制限に払拭できる⋯⋯ただしその対象は定期的にその行為を必要とするようになり、怠った場合その欲求を爆発させて恐ろしいことになる。⋯⋯⋯⋯なにこれ?」
「聞きたいのはこっちですよ! なんてことしてくれるんですか!!」
「あれ、僕なんかしたっけ⋯⋯?」
そもそもこんなスキル知らなかった。
待てよ、このスキルのせいでエルがおかしくなったってことか?
「私はあなたに撫でられたせいで半永久的にあなたから離れられなくなったんです。⋯⋯これ、どう責任をとるつもりですか?」
「えぇ⋯⋯そうだなー⋯⋯」
熟考。
「あ、そうだ」
・・・
――出所当日。
「いよいよ出発か⋯⋯」
城門の前に立ち、城の下の街を眺める。
ここでの暮らしも悪くなかったな、としみじみ思う。
「⋯⋯で、本当に来てくれるんですか? リーファ先生」
「『来てくれるんですか?』じゃないですよ。誰のせいだと思ってるんですか?」
僕の隣で、リーファはジト目で僕を睨んでくる。
「お仕事は?」
「しばらく休職します。信頼できる代理がいるので、そちらに任せることにしました」
「そうなんだ。じゃあ、改めてよろしくね」
「⋯⋯よろしくお願いします」
まあ、何だかんだで彼女もパーティに加わることになってしまったわけだ。僕としては全く問題ないのだけど⋯⋯
「なあケイ、こいつ本当に一緒に来るのか?」セオは気が引けるようだ。
「あれ、駄目?」
「駄目じゃねーけど、なんか怖い⋯⋯」
「おや、私の目の前で陰口ですか? 役立たずさん」
「やっぱ怖い!」
「ケモ耳担当が一人増えただけだよ。ね、エル?」
「ん、ケイが言うならそうだね」
「このパーティやばいって⋯⋯」
メンツが終わってるとかそういう問題は後回しにして、今はとりあえず前に進もうじゃないか。
「もう、おかしなこと言ってないで早く行きましょう」
「先が思いやられる⋯⋯」
「何か言いましたか?」
「はいすんません今すぐ行きます!」
でも、悪くない旅立ちだと思う。
リーファにとって、これは「旅」という初めての人生経験を積むことになるのだから。そして僕という人間を通した二人との出会いで、彼女の中の何かが変わってくれればいい。
前を行く三人を見て、僕はそんなことを思いながら思わず笑みがこぼれた。
「大丈夫、だよな⋯⋯」
そう一歩を踏み出した僕の横を、ある人物が通り過ぎる。
「リヒト⋯⋯」
黒いマントを羽織った彼は、僕には振り返らずに進み続ける。僕が振り返ったのに気づいたのか、彼はこんな一言を置いて去っていった。
「またな」
「うん、またどこかで」
背中合わせに僕らは歩き続ける。
願わくば、その先で交わる運命にあることを信じて。
〈第一部 完〉
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