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ヨノマチ村編
19.決闘(デュエル)、スタンバイ!
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メデューサと戦うことには、案の定リスクがあった。それも、僕が思っていた以上の、足が竦むような業。
やっぱり受付のお姉さんを恨むことにした。
「どうだ? お前ら、これでも闘るって言えるのか?」
セオが僕たち二人を品定めするように見据える。今となっては、彼の怯える気持ちもわかるかもしれない。これは、なけなしの勇気でできることでは決してない。
「ケイ、どうする?」
僕に返事を求めて、エルが僕を見つめる。「覚悟はあるのか」とでも言いたげな瞳だ。拒否権など僕にはないのかもしれない。
「戦うよ。これは誰かのためでもあるし、僕の償いのためでもある。退くなんて選択肢、最初からないよ」
「そう言うと思った」
答えなど、最初から知っていたかのように、エルはふっと微笑む。彼女が持てるすべての魅力を結集した、百点満点の微笑みだった。
「退くなんて選択肢はない、か⋯⋯ 悔しいな。俺なんかじゃ到底敵わないのが丸分かりだ」
呆れたような笑みを浮かべ、セオはもう一度石化した遺体に触れた。
「俺が、やらなきゃいけないんだよな」
「お兄様⋯⋯」
エミはそんな彼を、少し不安げに見つめている。
「――でもただし!!」
ばっと立ち上がり、人差し指で僕に宣戦布告でもするかのように彼は言う。
「一つ条件がある」
「はい」
「俺と勝負して、お前が俺に勝ったら俺は行かない!!」
なんだ、そんな在り来りな展開。⋯⋯⋯⋯ん?
「は?」
・・・
「なんでこうなるかなぁ⋯⋯」
ヨノマチ村にある滝の前で、僕とエル、セオとそのお姉さんと妹のエミは決闘の準備を進めていた。僕はまったくもって乗り切ったじゃないけど。
「悪いわね、あのバカに付き合わせちゃって」
彼の準備を待つ間、彼のお姉さんが僕の隣で座っていた。名前は確かリーベさんだった気がする。妹とは真面目そうな目元が似ているけど、弟とは似ても似つかない。自信家そうな感じが、彼とは正反対だ。
「あいつ、ああ言ったら止まらないから」
「そうでしょうね、そんな感じはします」
短剣を膝に乗せ、脚を滝の水に浸す。子供の頃、川で遊んだことを思い出した。あのときも、このくらい冷たかったっけ。
「君、武器それだけ?」
「え、まあそうですね。複雑な事情がありまして」
「そっかそっか、ワケありさんか。なら、あいつと一緒だね」
「一緒って⋯⋯彼は」
「ま、それは戦ってみれば解るよ。⋯⋯くれぐれも、あのバカみたいな条件のために手加減なんてしないでよね」
「わかりました、肝に銘じておきます」
「よろしい」
ニシシっといたずらっぽく笑い、彼女は去っていく。妹に似てセオに対してはサディスティックなのだと、直感的にわかる。
「こっちも準備完了だぜ、冒険者」
背後にいたのは、戦闘用の衣服に着替えたセオだった。その左手には、前述していた「盾」を携えていた。右手に持った柄の長めなハルバードを、地面に突き刺して仁王立ち。風格だけなら強者だ。
「わかったよ、僕も準備完了だ」
フン、と鼻を鳴らすセオ。顔つきが明らかに違う。ヘタレモードからバトルモードに切り替わったみたいだ。
「もう一回だけ条件確認だ。この模擬戦、俺が勝ったらメドューサ封印に一緒に行ってやる。お前が勝ったらお前ら二人で行け」
うーん、やっぱり納得いかない。
「もう一回僕も訊くけど、それは僕が勝つ方が可能性が高くて、尚且つ君が行きたくないからってことじゃないんだよね?」
「⋯⋯⋯⋯いや、そんな訳ねェだろ」
「そうだよねー」
「あはは、そうだよー、やだなーケイったら」
このノリは⋯⋯あれだ。察して。
「だからな、お前も俺相手に手加減とか絶対するんじゃねェぞ。俺は絶対勝ちたくないんだからな」
「そう、だね」
中身はまだヘタレのままか。僕が言えることではないのかもしれないけれど。
向かい合う僕らから少し離れた位置で、エルとエミは僕らを見守っている。興味なさげに座るエルのケモ耳を、エミが後ろからもふもふしている。あの空間は別次元的に尊い。可愛いの権化だ。和む。
⋯⋯いやそこはいいんだよ。別に。
「ちゅーもーく! 今からルール確認!」
リーベさんが人差し指を掲げて文字通り注目を促す。
「一、すべての武器は模擬戦用に攻撃力をゼロにすること! 二、故意に相手の急所を狙わないこと! 三、絶対にあからさまな手加減はしないこと!」
う、二人の視線が痛い。
「わかってますよ。でも僕も手加減できるほど強くないので⋯⋯」
「四、戦意は常にマックスにして戦うこと!!」
「⋯⋯それ今追加しましたよね?」
まあそんなことはどうでもいいか。僕はただこの勝負で彼に全力で挑んで負けるだけでいい。
「あの、そういえば⋯⋯この勝負って、どうなったら『勝ち』なんですか? まさかとどめ刺すわけでもないですよね」
「相手が降参した、もしくは立ち上がれなくなったら勝ち」
「えぐい⋯⋯」
「質問はもうない? 始めるよ?」
リーベさんは右手を掲げて僕たちを交互に見遣る。僕たちは背走して一定距離をとった。ジリ⋯⋯と靴の鳴る音がする。
セオと視線が重なる。火花が散る音が、錯覚的に聴こえる。
「――バトル、スタート!」
彼女の手が降りる。
同時に、彼の盾が目の前まで迫っていた。
「疾い⋯⋯」
短剣を構えた左手でブロックし、両足で踏ん張りを利かせる。身構えていなければふっ飛んでいた。
盾に脚をかけ、蹴りを食らわせて距離をとる。が、着地点に彼のハルバードが待ち構える。小型ナイフで受け止め、危なっかしく着地をきめる。こっちは軽装な分機動力を活かさないとアドバンテージが無駄になる。
「やるな」
「これくらいはね」
ハルバードの刃を弾き、ナイフを両手に構えて斬り合う。盾がある分攻撃が通りにくい。長柄武器のリーチには勝てないが、刃部分だけ追えばなんとか⋯⋯
「ぐっ⋯⋯」
「甘いな」
鳩尾に柄の末端部が突き立てられる。刃を注視していたのが読まれていた。後ずさって衝撃を緩和する。
「〈隠密〉!」
咄嗟にスキルに頼るのは、確かに合理的ではあるけど僕の弱みでもある。今まで、勝つためなら手段を選んでいる暇などなかったから。
「消えた⋯⋯!?」
セオの背後に回り、短剣で大盾を引き剥がす。正面から頸を狙って降参させるつもりだったが、直前で気づかれた。反応速度が速い。
「そこかぁ!」
「(やば⋯⋯)」
両手で構えられたハルバードの切っ先が、僕の腹めがけて飛んでくる。繰り出しが早くて直撃は避けられない。⋯⋯はずだったのだけど。
「⋯⋯?」
「くそ、やっぱ無理か」
僕の身体に触れる直前で、切っ先は止まっている。小刻みに、それが震えているのがわかる。これは、僕に降参しろということか? じゃあそれなら、
「ぐはー、やられた。もー降参」
・・・。
「あ?」
「あれ?」
やっぱり受付のお姉さんを恨むことにした。
「どうだ? お前ら、これでも闘るって言えるのか?」
セオが僕たち二人を品定めするように見据える。今となっては、彼の怯える気持ちもわかるかもしれない。これは、なけなしの勇気でできることでは決してない。
「ケイ、どうする?」
僕に返事を求めて、エルが僕を見つめる。「覚悟はあるのか」とでも言いたげな瞳だ。拒否権など僕にはないのかもしれない。
「戦うよ。これは誰かのためでもあるし、僕の償いのためでもある。退くなんて選択肢、最初からないよ」
「そう言うと思った」
答えなど、最初から知っていたかのように、エルはふっと微笑む。彼女が持てるすべての魅力を結集した、百点満点の微笑みだった。
「退くなんて選択肢はない、か⋯⋯ 悔しいな。俺なんかじゃ到底敵わないのが丸分かりだ」
呆れたような笑みを浮かべ、セオはもう一度石化した遺体に触れた。
「俺が、やらなきゃいけないんだよな」
「お兄様⋯⋯」
エミはそんな彼を、少し不安げに見つめている。
「――でもただし!!」
ばっと立ち上がり、人差し指で僕に宣戦布告でもするかのように彼は言う。
「一つ条件がある」
「はい」
「俺と勝負して、お前が俺に勝ったら俺は行かない!!」
なんだ、そんな在り来りな展開。⋯⋯⋯⋯ん?
「は?」
・・・
「なんでこうなるかなぁ⋯⋯」
ヨノマチ村にある滝の前で、僕とエル、セオとそのお姉さんと妹のエミは決闘の準備を進めていた。僕はまったくもって乗り切ったじゃないけど。
「悪いわね、あのバカに付き合わせちゃって」
彼の準備を待つ間、彼のお姉さんが僕の隣で座っていた。名前は確かリーベさんだった気がする。妹とは真面目そうな目元が似ているけど、弟とは似ても似つかない。自信家そうな感じが、彼とは正反対だ。
「あいつ、ああ言ったら止まらないから」
「そうでしょうね、そんな感じはします」
短剣を膝に乗せ、脚を滝の水に浸す。子供の頃、川で遊んだことを思い出した。あのときも、このくらい冷たかったっけ。
「君、武器それだけ?」
「え、まあそうですね。複雑な事情がありまして」
「そっかそっか、ワケありさんか。なら、あいつと一緒だね」
「一緒って⋯⋯彼は」
「ま、それは戦ってみれば解るよ。⋯⋯くれぐれも、あのバカみたいな条件のために手加減なんてしないでよね」
「わかりました、肝に銘じておきます」
「よろしい」
ニシシっといたずらっぽく笑い、彼女は去っていく。妹に似てセオに対してはサディスティックなのだと、直感的にわかる。
「こっちも準備完了だぜ、冒険者」
背後にいたのは、戦闘用の衣服に着替えたセオだった。その左手には、前述していた「盾」を携えていた。右手に持った柄の長めなハルバードを、地面に突き刺して仁王立ち。風格だけなら強者だ。
「わかったよ、僕も準備完了だ」
フン、と鼻を鳴らすセオ。顔つきが明らかに違う。ヘタレモードからバトルモードに切り替わったみたいだ。
「もう一回だけ条件確認だ。この模擬戦、俺が勝ったらメドューサ封印に一緒に行ってやる。お前が勝ったらお前ら二人で行け」
うーん、やっぱり納得いかない。
「もう一回僕も訊くけど、それは僕が勝つ方が可能性が高くて、尚且つ君が行きたくないからってことじゃないんだよね?」
「⋯⋯⋯⋯いや、そんな訳ねェだろ」
「そうだよねー」
「あはは、そうだよー、やだなーケイったら」
このノリは⋯⋯あれだ。察して。
「だからな、お前も俺相手に手加減とか絶対するんじゃねェぞ。俺は絶対勝ちたくないんだからな」
「そう、だね」
中身はまだヘタレのままか。僕が言えることではないのかもしれないけれど。
向かい合う僕らから少し離れた位置で、エルとエミは僕らを見守っている。興味なさげに座るエルのケモ耳を、エミが後ろからもふもふしている。あの空間は別次元的に尊い。可愛いの権化だ。和む。
⋯⋯いやそこはいいんだよ。別に。
「ちゅーもーく! 今からルール確認!」
リーベさんが人差し指を掲げて文字通り注目を促す。
「一、すべての武器は模擬戦用に攻撃力をゼロにすること! 二、故意に相手の急所を狙わないこと! 三、絶対にあからさまな手加減はしないこと!」
う、二人の視線が痛い。
「わかってますよ。でも僕も手加減できるほど強くないので⋯⋯」
「四、戦意は常にマックスにして戦うこと!!」
「⋯⋯それ今追加しましたよね?」
まあそんなことはどうでもいいか。僕はただこの勝負で彼に全力で挑んで負けるだけでいい。
「あの、そういえば⋯⋯この勝負って、どうなったら『勝ち』なんですか? まさかとどめ刺すわけでもないですよね」
「相手が降参した、もしくは立ち上がれなくなったら勝ち」
「えぐい⋯⋯」
「質問はもうない? 始めるよ?」
リーベさんは右手を掲げて僕たちを交互に見遣る。僕たちは背走して一定距離をとった。ジリ⋯⋯と靴の鳴る音がする。
セオと視線が重なる。火花が散る音が、錯覚的に聴こえる。
「――バトル、スタート!」
彼女の手が降りる。
同時に、彼の盾が目の前まで迫っていた。
「疾い⋯⋯」
短剣を構えた左手でブロックし、両足で踏ん張りを利かせる。身構えていなければふっ飛んでいた。
盾に脚をかけ、蹴りを食らわせて距離をとる。が、着地点に彼のハルバードが待ち構える。小型ナイフで受け止め、危なっかしく着地をきめる。こっちは軽装な分機動力を活かさないとアドバンテージが無駄になる。
「やるな」
「これくらいはね」
ハルバードの刃を弾き、ナイフを両手に構えて斬り合う。盾がある分攻撃が通りにくい。長柄武器のリーチには勝てないが、刃部分だけ追えばなんとか⋯⋯
「ぐっ⋯⋯」
「甘いな」
鳩尾に柄の末端部が突き立てられる。刃を注視していたのが読まれていた。後ずさって衝撃を緩和する。
「〈隠密〉!」
咄嗟にスキルに頼るのは、確かに合理的ではあるけど僕の弱みでもある。今まで、勝つためなら手段を選んでいる暇などなかったから。
「消えた⋯⋯!?」
セオの背後に回り、短剣で大盾を引き剥がす。正面から頸を狙って降参させるつもりだったが、直前で気づかれた。反応速度が速い。
「そこかぁ!」
「(やば⋯⋯)」
両手で構えられたハルバードの切っ先が、僕の腹めがけて飛んでくる。繰り出しが早くて直撃は避けられない。⋯⋯はずだったのだけど。
「⋯⋯?」
「くそ、やっぱ無理か」
僕の身体に触れる直前で、切っ先は止まっている。小刻みに、それが震えているのがわかる。これは、僕に降参しろということか? じゃあそれなら、
「ぐはー、やられた。もー降参」
・・・。
「あ?」
「あれ?」
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