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Chapter6
6-3
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若葉は和葉にアイスを買ってくると宣言してすぐに病室を飛び出した。
和葉を、元気付けたかった。
自分にできることは少ない。それでも。
"……アイスクリーム。久し振りに、若葉と一緒に食べたいなあ……なんてね。ちょっと思った"
これなら、自分にもできると思った。
和葉を、笑顔にできると思った。
まず病院内のコンビニへ走った。しかしアイスは殆ど売り切れており、気にいる物が無かった。
若葉はそのまま病院から出て五分程のコンビニへ行くも、今度はどうせ買うならもう少し良いアイスを買いたいと欲が出てしまい、何が良いか悩んでいるうちに数件のコンビニやスーパーをハシゴしていた。
やっとの思いで買った頃にはすっかり時間が経ってしまい、「(お姉ちゃんに怒られるかな……)」と思いながら走って病院を目指した。
信号が青なのを良いことに周りをよく見ずにそのまま走って渡ろうとした結果。
──信号無視の車が猛スピードで飛び込んできて、若葉に気が付いた運転手がハンドルを思いきり切ったものの、避けきれず若葉の肩に激突。
それでも止まらずに車はそのまま偶然路駐していた宅配のトラックにぶつかって止まった。
車の運転手は即死。宅配のトラックには偶然人が乗っておらず無事。そして巻き込まれた若葉は運悪く反対側にあった電柱に頭を強打して血を流して倒れた。
若葉が咄嗟に守ったものは、自分の体ではなく。
姉と一緒に食べるために買った、アイスクリームだった。
すぐに救急車で運ばれたのは、目と鼻の先にある【中ノ島総合病院】で。
両親にすぐに連絡はいったものの、和葉には知らされていなかった。
両親が祈るように若葉の無事を願っていたのも虚しく、ICUに運ばれてから二日後。
若葉は亡くなった。いや、正確に言うと"脳死"だった。
「なんでっ……なんでっ……」
「わかば……?」
両親は若葉に縋り付いて泣き、駆け付けた康平は呆然と管に繋がれて眠っている若葉を見つめた。
そしてその三人の元に、医師と看護師に付き添われてやってきた、和葉。
「若葉……?ねぇ、そこで寝てるの、若葉なの?」
「和葉……。若葉がっ、若葉がっ!!」
「ねぇお母さん、若葉っ、なんで、そんな……」
状況を理解できなった和葉と、受け入れることができていない両親。放心状態の康平。
まだその身体は温かいのに、まだ生きているのに。
付けられた機械を止めれば、その心臓は動きを止めてしまう。
そんなこと、信じられるだろうか。
つい数時間前まで笑顔を見せていた若葉が、もう目を覚ますことがないだなんて。
信じられるだろうか。
呆然としているうちにも、無常にも時間は経過していた。
そして四人の元にやってきた医師が、静かに問うた。
「……お嬢さんは、脳死です。こんな時に酷な話をしますが……」
和葉は、目の前が真っ暗になった。
医師の話なんて、何も頭に入って来なかった。看護師に声を掛けられても返事もできなかった。
若葉が死んだ。その事実を、和葉は理解できなかった。
気が付いた時には、自分の病室で横になっていた。
若葉は、病気に苦しむ和葉を見て育った。
ドナーをずっと待っていた和葉を、誰よりも近くで見てきた。
そんな若葉は、
"お姉ちゃんと同じように苦しんでいる人の力になりたいから、もし若葉が死んじゃった時はドナー?っていうの?それになろうと思う!"
医師や看護師、両親と和葉、康平の前でも何度もそう言っていた若葉。
皆聞いていた。皆、知っていた。
和葉と若葉は姉妹。血液型も同じ。体格だってほとんど変わらない。
告示はされなかった。ただ、「ドナーが見つかった」とだけ。
しかし、号泣して倒れ込む両親を見ていた和葉は、それが誰の心臓であるかをわかっていた。
皆、わかっていた。
無事に手術が成功して落ち着いて目が覚めた時。
和葉は震える手を胸に当てて、若葉が亡くなってから初めて泣いた。わんわん声を上げて泣いた。
それは、和葉が若葉の死を自分の身を以て実感した瞬間だった。
その数日後。
「──あんたのせいでっ!若葉はっ!」
「お母さん!お嬢様は目を覚ましたばかりですから!負担になるようなことは!!」
「あんたのせいでっ!!」
アイスクリームを買いに行った帰りに事故に遭ったこと。若葉が自分で買いに行くと言ったものの、それを知らない両親や康平は和葉が買いに行かせたんだと思い込み、毎日病室で怒鳴り散らした。
看護師に押さえ付けられても暴れて和葉に暴言を吐き続ける母親と。
ひたすら悲しみに暮れて下を向いて泣き続ける父親と。
同じように泣き腫らしたのだろう、真っ赤に充血した目でただジッと憎悪の視線を向けてくる康平と。
いくら轢いたのは別人でも。その轢いた人物も亡くなった。
恨む人がいなかった三人は、目の前にいる若葉が出掛けるきっかけを作ってその若葉の心臓で今生きている和葉に矛先を向けた。
当たり前だが、和葉は若葉の葬儀には参加できなかった。それだけでも胸が張り裂けそうなほどに苦しいのに、その葬儀を終えて喪服のまま病室に来た三人を、和葉はその小さな体で否定もせずに一人で受け止め続けたのだった。
ドクドクと動く心臓。こぶし大の小さなはずのその臓器は、その何倍も大きな音を立てて動いた。
それはまるで若葉までもが和葉を責め立てているような気がして。
母親が投げたアイスクリームの入った血と泥で汚れた袋を見た和葉は
「(……ああ。私のせいだ、私のせいなんだ。私のせいで、若葉は死んでしまったんだ)」
静かに目を閉じた。
母親は毎日来ては、泣きながら罵倒した。
「どうしてあんたが生きてて、若葉が死ななきゃいけないのっ……」
「若葉を返してっ……」
「(……そんなの)」
……そんなの、和葉が誰よりも一番思っていることだった。
そして母親は、言ってはいけなかったことを口にしてしまう。
「大体っ、今働いてるのもっ、全部全部若葉のためだったのに……!あんたの為じゃない!全部若葉の将来の為に!なのにっ!」
和葉はずっと、両親は自分の治療費を稼いでくれているのだと思っていた。それがありがたくもあり、申し訳なくも思っていた。
確かに、後はもう移植しか残されていないと聞いた時から、両親はそれまで以上に働いていた。それは全部、自分のためにしてくれているのだと思っていた。
しかし、それは違った。
和葉ではなく、若葉のために。
若葉が進路に困らないように。
若葉が何かを諦めなくて済むように。
若葉が。若葉が。全部、若葉のためだった。
両親は、何年も前から既に和葉を見限っていたのだ。
和葉はその事実をこの時初めて知り。
母親は自分の失言に気付いて息を呑み。
家族の間に、二度と埋めることができない巨大な溝が出来た瞬間だった。
その日以降、退院まで両親は面会に来ることは一日たりとも無かった。そうなると来るのは一人しかいないのだが。
康平も若葉の葬儀以降、一度も来ていなかった。無理も無い。大切で大好きなたった一人の愛しい人を、突然失ったのだから。
リハビリをこなして自分の足で歩けるようになり、検査も問題無く退院日が近付いてきたある日。
康平がやって来た。
無表情で、何も感情が読み取れないその顔。
お互い沈黙が続いた時に、和葉は口を開いた。
「……私を罵ればいい。私を憎んでくれていい。私は恨まれて当然のことをしたの。悪いのは全て私だから、絶対に私を許さないで。若葉はこれからも生きていくはずだった。私が死ぬはずだった。私の移植で使ったお金は、若葉が全部使うはずだった。悪いのは、若葉の心臓を奪ってしまった私。今この心臓で生きている私が悪いの。だから、お願いだから。私を許さないで」
死ぬのは、本当は怖かった。
怖くて怖くて、仕方なかった。
いつ発作が起きるんだろう。いつ心臓が止まってしまうんだろう。
毎日怯えた。
そして移植して目が覚めた時。一瞬でも、思ってしまったんだ。
……あ、私、生きてる。死なずに済んだんだ。これから普通に、生きていけるんだ。
そんな、若葉の命を奪っておいて生きていることに少なからず安堵してしまった自分を、喜んでしまった自分を、自分が一番許せなかった。
誰かに恨んでもらっていないと、生きていることに喜んでしまいそうで、それもまた怖かった。
退院日。
両親の代わりに迎えに来たのは児童養護施設の職員だった。
両親は、和葉を手放した。
それが、全ての答えのような気がした。
和葉を、元気付けたかった。
自分にできることは少ない。それでも。
"……アイスクリーム。久し振りに、若葉と一緒に食べたいなあ……なんてね。ちょっと思った"
これなら、自分にもできると思った。
和葉を、笑顔にできると思った。
まず病院内のコンビニへ走った。しかしアイスは殆ど売り切れており、気にいる物が無かった。
若葉はそのまま病院から出て五分程のコンビニへ行くも、今度はどうせ買うならもう少し良いアイスを買いたいと欲が出てしまい、何が良いか悩んでいるうちに数件のコンビニやスーパーをハシゴしていた。
やっとの思いで買った頃にはすっかり時間が経ってしまい、「(お姉ちゃんに怒られるかな……)」と思いながら走って病院を目指した。
信号が青なのを良いことに周りをよく見ずにそのまま走って渡ろうとした結果。
──信号無視の車が猛スピードで飛び込んできて、若葉に気が付いた運転手がハンドルを思いきり切ったものの、避けきれず若葉の肩に激突。
それでも止まらずに車はそのまま偶然路駐していた宅配のトラックにぶつかって止まった。
車の運転手は即死。宅配のトラックには偶然人が乗っておらず無事。そして巻き込まれた若葉は運悪く反対側にあった電柱に頭を強打して血を流して倒れた。
若葉が咄嗟に守ったものは、自分の体ではなく。
姉と一緒に食べるために買った、アイスクリームだった。
すぐに救急車で運ばれたのは、目と鼻の先にある【中ノ島総合病院】で。
両親にすぐに連絡はいったものの、和葉には知らされていなかった。
両親が祈るように若葉の無事を願っていたのも虚しく、ICUに運ばれてから二日後。
若葉は亡くなった。いや、正確に言うと"脳死"だった。
「なんでっ……なんでっ……」
「わかば……?」
両親は若葉に縋り付いて泣き、駆け付けた康平は呆然と管に繋がれて眠っている若葉を見つめた。
そしてその三人の元に、医師と看護師に付き添われてやってきた、和葉。
「若葉……?ねぇ、そこで寝てるの、若葉なの?」
「和葉……。若葉がっ、若葉がっ!!」
「ねぇお母さん、若葉っ、なんで、そんな……」
状況を理解できなった和葉と、受け入れることができていない両親。放心状態の康平。
まだその身体は温かいのに、まだ生きているのに。
付けられた機械を止めれば、その心臓は動きを止めてしまう。
そんなこと、信じられるだろうか。
つい数時間前まで笑顔を見せていた若葉が、もう目を覚ますことがないだなんて。
信じられるだろうか。
呆然としているうちにも、無常にも時間は経過していた。
そして四人の元にやってきた医師が、静かに問うた。
「……お嬢さんは、脳死です。こんな時に酷な話をしますが……」
和葉は、目の前が真っ暗になった。
医師の話なんて、何も頭に入って来なかった。看護師に声を掛けられても返事もできなかった。
若葉が死んだ。その事実を、和葉は理解できなかった。
気が付いた時には、自分の病室で横になっていた。
若葉は、病気に苦しむ和葉を見て育った。
ドナーをずっと待っていた和葉を、誰よりも近くで見てきた。
そんな若葉は、
"お姉ちゃんと同じように苦しんでいる人の力になりたいから、もし若葉が死んじゃった時はドナー?っていうの?それになろうと思う!"
医師や看護師、両親と和葉、康平の前でも何度もそう言っていた若葉。
皆聞いていた。皆、知っていた。
和葉と若葉は姉妹。血液型も同じ。体格だってほとんど変わらない。
告示はされなかった。ただ、「ドナーが見つかった」とだけ。
しかし、号泣して倒れ込む両親を見ていた和葉は、それが誰の心臓であるかをわかっていた。
皆、わかっていた。
無事に手術が成功して落ち着いて目が覚めた時。
和葉は震える手を胸に当てて、若葉が亡くなってから初めて泣いた。わんわん声を上げて泣いた。
それは、和葉が若葉の死を自分の身を以て実感した瞬間だった。
その数日後。
「──あんたのせいでっ!若葉はっ!」
「お母さん!お嬢様は目を覚ましたばかりですから!負担になるようなことは!!」
「あんたのせいでっ!!」
アイスクリームを買いに行った帰りに事故に遭ったこと。若葉が自分で買いに行くと言ったものの、それを知らない両親や康平は和葉が買いに行かせたんだと思い込み、毎日病室で怒鳴り散らした。
看護師に押さえ付けられても暴れて和葉に暴言を吐き続ける母親と。
ひたすら悲しみに暮れて下を向いて泣き続ける父親と。
同じように泣き腫らしたのだろう、真っ赤に充血した目でただジッと憎悪の視線を向けてくる康平と。
いくら轢いたのは別人でも。その轢いた人物も亡くなった。
恨む人がいなかった三人は、目の前にいる若葉が出掛けるきっかけを作ってその若葉の心臓で今生きている和葉に矛先を向けた。
当たり前だが、和葉は若葉の葬儀には参加できなかった。それだけでも胸が張り裂けそうなほどに苦しいのに、その葬儀を終えて喪服のまま病室に来た三人を、和葉はその小さな体で否定もせずに一人で受け止め続けたのだった。
ドクドクと動く心臓。こぶし大の小さなはずのその臓器は、その何倍も大きな音を立てて動いた。
それはまるで若葉までもが和葉を責め立てているような気がして。
母親が投げたアイスクリームの入った血と泥で汚れた袋を見た和葉は
「(……ああ。私のせいだ、私のせいなんだ。私のせいで、若葉は死んでしまったんだ)」
静かに目を閉じた。
母親は毎日来ては、泣きながら罵倒した。
「どうしてあんたが生きてて、若葉が死ななきゃいけないのっ……」
「若葉を返してっ……」
「(……そんなの)」
……そんなの、和葉が誰よりも一番思っていることだった。
そして母親は、言ってはいけなかったことを口にしてしまう。
「大体っ、今働いてるのもっ、全部全部若葉のためだったのに……!あんたの為じゃない!全部若葉の将来の為に!なのにっ!」
和葉はずっと、両親は自分の治療費を稼いでくれているのだと思っていた。それがありがたくもあり、申し訳なくも思っていた。
確かに、後はもう移植しか残されていないと聞いた時から、両親はそれまで以上に働いていた。それは全部、自分のためにしてくれているのだと思っていた。
しかし、それは違った。
和葉ではなく、若葉のために。
若葉が進路に困らないように。
若葉が何かを諦めなくて済むように。
若葉が。若葉が。全部、若葉のためだった。
両親は、何年も前から既に和葉を見限っていたのだ。
和葉はその事実をこの時初めて知り。
母親は自分の失言に気付いて息を呑み。
家族の間に、二度と埋めることができない巨大な溝が出来た瞬間だった。
その日以降、退院まで両親は面会に来ることは一日たりとも無かった。そうなると来るのは一人しかいないのだが。
康平も若葉の葬儀以降、一度も来ていなかった。無理も無い。大切で大好きなたった一人の愛しい人を、突然失ったのだから。
リハビリをこなして自分の足で歩けるようになり、検査も問題無く退院日が近付いてきたある日。
康平がやって来た。
無表情で、何も感情が読み取れないその顔。
お互い沈黙が続いた時に、和葉は口を開いた。
「……私を罵ればいい。私を憎んでくれていい。私は恨まれて当然のことをしたの。悪いのは全て私だから、絶対に私を許さないで。若葉はこれからも生きていくはずだった。私が死ぬはずだった。私の移植で使ったお金は、若葉が全部使うはずだった。悪いのは、若葉の心臓を奪ってしまった私。今この心臓で生きている私が悪いの。だから、お願いだから。私を許さないで」
死ぬのは、本当は怖かった。
怖くて怖くて、仕方なかった。
いつ発作が起きるんだろう。いつ心臓が止まってしまうんだろう。
毎日怯えた。
そして移植して目が覚めた時。一瞬でも、思ってしまったんだ。
……あ、私、生きてる。死なずに済んだんだ。これから普通に、生きていけるんだ。
そんな、若葉の命を奪っておいて生きていることに少なからず安堵してしまった自分を、喜んでしまった自分を、自分が一番許せなかった。
誰かに恨んでもらっていないと、生きていることに喜んでしまいそうで、それもまた怖かった。
退院日。
両親の代わりに迎えに来たのは児童養護施設の職員だった。
両親は、和葉を手放した。
それが、全ての答えのような気がした。
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