冷徹上司の、甘い秘密。

青花美来

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Ninth

27-1

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*****


───時は流れて。


眞宏の結婚式から一年と少しが経過した、とある日。


私は今、営業一課を離れて人事部に在籍していた。


この一年の間に綾人さんとのデート現場を社員に目撃されてしまい、そこから噂が回ってあっさりと交際が上層部にバレてしまった私たち。


どう考えても綾人さんを営業一課から異動させるわけにはいかず、自ら異動願いを出した。


無事に受理され、それから一ヶ月後に辞令が出て、今に至る。


綾人さんとの交際がバレた時は周りに散々驚かれ、冷やかされ、からかわれ。


白石ちゃんには何故黙っていたのかと怒られる始末。


"異動が嫌だった?何言ってんですか!バレたくないならもっと徹底的に隠し通さないとダメじゃないですか!お二人とも付き合えたからって浮かれすぎですよ!詰めが甘い!"


その通り過ぎて何も言えなかったのが記憶に新しい。あのお説教は今思い出しても情けなく、恥ずかしかった。


噂もたくさん回ってしまったけれど、今では開き直って堂々と一緒に出勤したり一緒に帰ったり。お似合いだと言ってもらうことも多く、温かく見守ってもらっている。


ありがたい反面、ちょっと恥ずかしい気もするけれど、綾人さんが嬉しそうだから気にしないことにした。



人事部に異動してからというもの、時間が合えばお昼になると古巣である営業一課に足を運ぶようになった。


表向きは眞宏をランチに誘いに行くという名目で、ちらっと綾人さんが見れたら良いなあ、なんて。下心満載だったりもする。


しばらく私も眞宏も忙しくて、お昼の時間が合わなかったため今日は大分久し振りに連絡を取り、眞宏をランチに誘いに来た。すると



「金山さん!」



と、眞宏ではない見知った声が後ろから聞こえた。

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