冷徹上司の、甘い秘密。

青花美来

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Eighth

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「ま、ミスするたびに俺を睨むのだけはやめて欲しかったけど。そんなんだったから俺ずっと嫌われてるんだと思ってたわ」


「……全くそんなつもりはございませんでした……」



怒られるのが昔から苦手で、怒られないためには次はどうすればいいかを必死に考えていたのだと思う。でも相手から目を逸らしたら負けだなんて、どうでもいいところで負けず嫌い発揮しちゃうから逸らすこともできなくて。


だからって睨みつけてたとか、昔っから私最低かよ……。


申し訳なさが凄い。



「だからあの日、ケーキバイキングで会ったときにホッとした反面、好きって想いが溢れそうになって、堪えるのに必死だった。もう止められないなって思った。婚約者と別れたって聞いて、正直チャンスだと思った。でもそこにつけ込むのも卑怯な気もして。色々悩んだ。自分の気持ちを優先していいものか、すごく葛藤した。でもやっぱりチャンスは無駄にしちゃいけないなって」



初めて聞いた、綾人さんの想い。


たまに聞く"好き"の言葉や甘いキスで十分私を好いてくれているという気持ちは伝わっていたけれど、改めてこうやってしっかりとした言葉で様々な想いを伝えてもらうのは恥ずかしいのもあるけれど、その数倍嬉しいものがある。



「……嬉しいです。ありがとうございます」


「お礼を言うのは俺の方だ。俺を受け止めてくれてありがとう」



カフェオレが、今日は一段と甘く感じる。


そんな前から、私のことを想ってくれていたなんて。全く気が付かずに失礼な態度ばかり取ってしまっていたと思う。


今更ながらに昔からの自分の行動が情けなくなった。



「歩は?いつから俺のこと……?」



仕返しだ、とばかりに嬉しそうに聞いてきた綾人さんに、私も伝えようと記憶を掘り起こす。

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