冷徹上司の、甘い秘密。

青花美来

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Fifth

17-1

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着いた先はいつぶりかの課長の自宅マンションで。


繋がれた手はそのままに、滑らかにオートロックを開けてエレベーターへ。


七階で降りて小走りで廊下を進み、704号室へ。


入った途端、玄関ドアに体を押し付けられた。
ふわりと私を包む課長の香り。



「……んっ」



触れた唇。すぐにそれは深くなって。


私の顔に添えられた左手が、顔を横に背けることは許さないと言っているのを感じる。


空いた右手はドアの鍵をゆっくりと閉めて、私の太ももをいやらしく撫でていた。


徐々に上がる息。恥ずかしくて、気持ち良くて、苦しくて。


離れたと思って呼吸を整えているとすぐにまた手を引かれ、靴を脱いで鞄を取られてその辺に置かれた。


連れて行かれた先は寝室で。


ダブルベッドに仰向けに押し倒される。


顔の両隣を大きな手が囲み、真上からその端正な顔立ちが私を見下ろしていた。



「……課長」


「違う」


「……綾人、さんん!」



言い終わる前にまた甘いキスが降ってきて。


気が付けばその大きな手は私の頬を撫でていた。


気持ち良さに頭がおかしくなりそう。


どれくらい経ったか、ようやく離れた唇に、ゆっくりと目を開けた。



「……これは、どういう意味のキス、ですか……」



初めて聞いたキスの意図は。



「……言わなきゃわかんない?」


「……はい」


「……意味も何も、好きな奴にキスして何が悪い」



顔を真っ赤に染めながらもぶっきらぼうにそう言った課長。それは私が欲しくてたまらない答えで。



「えっ……それって」



その先は言わせてもらえず、再び降り注ぐ甘いキスに身を捩る。


お互いの呼吸が混ざり合い、その細長い指が背中から腰のラインを何度もなぞる。



「──いいから、黙って」



次々と襲ってくる甘い刺激に、私の目からは嬉しさから涙が一筋流れて。


それに気が付いた課長が、私の目元を優しく指で撫でる。


拭いきれない涙を、課長のざらりとした感触の舌がそっと舐めるように触れて。


それにビクリと身体を震わせると、課長が小さく笑ったような気がした。

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