21 / 50
第二章
甘い香り(2)
しおりを挟む
温かくて、とても気持ちが良い。
「……ん」
夢の中からフッと浮上した意識。
重たい瞼を開くと、霞む視界の中ですぐ目の前に何かがある事に気が付く。
ふわりと香る甘い香り。
しばらく頭が働かなくて、ボーッとしていた。
「───……っ!?」
そしてしばらくして、ようやく今の状況がおかしいことに気が付く。
叫びそうになるのを、慌てて口を手で押さえて防いだ。
……な、なんで私、先生と一緒に寝てんの!?
どうやらここはベッドの上。
私に、と言ってさっき案内された部屋には無かった、ダブルサイズのベッド。
……ここ、多分先生の寝室だ。
だから先生の夢なんて見たんだ。
目の前では私を抱きしめるようにして寝息を立てている先生の姿。
人生で初めての腕枕を、こんなところで経験してしまうとは。
どうして私が先生と一緒に寝ているのか。
えっと……確か、テレビを一緒に見ていて……お風呂に入って……、───あ。
眠る前のことを思い出して、一瞬にして顔を真っ赤に染めた。
……私じゃん!絶対私がくっついたからじゃん!
まさか自分がそんな大胆なことをするとは思っていなかったため、恥ずかしさで今すぐ逃げ出したくなった。
確かに先生の甘い香りは私の好きなものだけど、まさかそれを求めて擦り寄るなんて。
先生が起きた時、どんな顔で目を合わせれば良いのかわからない。
恥ずかしい!恥ずかしすぎる!
もぞもぞと動いて先生の腕の中から抜け出そうとするものの、何故か先生は私が抜け出そうとすればするほどぎゅっと抱きしめる力を強くする。
ドクドクと高鳴る心臓の音。
規則正しい寝息と、それに合わせて先生の胸が動く。
思っていた以上に筋肉でがっしりとしている腕。
私を抱きしめる、大きな手と引き締まった身体。
……ダメだ。考えれば考えるほど、心臓が激しく動いて破裂しそう。
自分の鼓動の音が頭の中に響いてきて、呼吸も段々浅くなる。
「……んー……」
「っ!」
その時、先生が唸るように大きく息を吐き、私の顔を先生の胸に押し付けるように抱きしめた。
一気に視界が真っ暗になる。放っておけば窒息死してしまうのではないかと、咄嗟に両手をその胸に当てた。
スウェット越しでもわかる、先生の肌は温かくて固い。
そして鼻先が直接触れる地肌から、また甘い香りがした。
呼吸をする度に、ドキドキしているのにどこか落ち着くような、そんな不思議な感覚がした。
……どうしよう。こんなの、もう寝られそうもないよ。
でも、疲れている先生を起こすわけにもいかないし。
でも、ちょっと緊張しすぎて喉渇いたな……。
もう一度どうにか抜け出そうと身を捩る。
すると、動きすぎたのか
「……ん、みゃーこ……?どした……?」
先生が起きてしまった。
「ごめん。起こしちゃった……?ちょっと喉渇いちゃって」
「んー。……大丈夫。俺も喉渇いた……」
「ごめんね。あのまま寝ちゃって」
「んーん。キッチン行こ。早く水飲んでもっかい寝よ……」
「うん」
寝ぼけた先生は身体を起こした後一度身体を伸ばして、それから私の手を掴んで一緒に部屋を出ようとする。
一人で歩けるけども。そう思うものの、先生は多分まだ半分寝てるから何を言っても無駄だろう。
先生に連れられてリビングを通ってキッチンへ向かう。
冷蔵庫を開けると、急に明るくなったから目が眩んだ。
「まぶしっ……」
先生はそう言ってミネラルウォーターのペットボトルを手に取る。それを受け取って、食器棚から取ったコップ二つにミネラルウォーターを注いだ。
「……みゃーこ、いま何時?」
「わかんない。まだ暗いから夜だと思うけど。私のスマホどこだろう」
「あぁ……多分そっち」
ふわぁ、と大欠伸をしている先生に断りを入れて、コップを持ちながらスマートフォンをとりにリビングに向かう。
テーブルの上に置いてあったのを見つけて、持ってまたキッチンに戻った。
その頃には先生はもうミネラルウォーターを飲み終わっていて、コップもシンクの中。
「スマホあった?」
「うん」
頷いて私も飲み干したコップをシンクに入れると、当たり前のように先生は私の手を引く。
「じゃあ寝よ。俺さっき寝たばっかだからまだ眠い……」
「え、ずっと起きてたの?」
さっきスマートフォンで時間を確認したら、午前三時を回ったところだった。
さっきって、いつ?ずっと起きてたの?
すぐに寝室に戻り、ベッドに腰掛けた先生は目を数回擦る。
そしてとろんとした、甘い目で私を見つめたかと思うと、私の手を引いてぎゅっと抱きしめてきた。
「んー……だって、俺に抱きついて寝てるみゃーこがあんまりにも可愛いから……俺と同じシャンプーの匂いするしさ……寝顔可愛いしさ……そんなんもう寝られないでしょ。理性保つのに必死だよ……」
「え、な、えっ」
「だから早く寝よ。あー……俺もうこれ病みつきかも。みゃーこが可愛すぎる。みゃーこの甘い匂い大好き。すっげぇ落ち着く。ダメだ。離したくない」
言うが早いか、そのままベッドに倒れるように横になり、私を抱きしめたままもぞもぞと器用に布団に入る。
そしてすぐにまた寝息を立て始めた。
しっかりと背中に回った腕。私は頭の中が飽和状態になってしまい、されるがままだった。
先生は、やっぱり寝ぼけていたようだ。それか夢でも見てた?夢の中だと思ってた?
そうだ。きっとそうだ。そうじゃないと、先生がこんな私に、そんな……抱きしめたり、恋人に言うような甘いセリフを言うとは思えない。
だって、私は生徒で、先生は教師で。
いくら卒業したからって、そんな……、そんな関係になるわけないじゃない。
先生だって、私を生徒として可愛がって心配してくれているだけで、それ以上の特別な意味なんて、無いんだから。
きっと、朝起きたらいつも通り私をからかうみたいに笑うんだろう。うん。きっとそうだよ。
そう思っていないと、勘違いしてしまいそうで。
そうやって自分を納得させないと、先生が私のことを生徒以上として見てるんじゃないかって、錯覚してしまいそうで。
でも、それを直接聞けるほど私には心の余裕も無いし、覚悟も無い。
"みゃーこなら、勘違いしてもいいよ?"
あれは、一体どういう意味だったんだろう。
……もう、寝られないよ。先生の馬鹿。
気持ち良さそうに眠っている顔。その幼い表情を見つめながら、頬をきゅっとつねってみる。
そんな私のせめてもの抵抗に、先生はほんの一瞬眉を顰めただけで。
はぁ。とため息を吐く。
悔しいから、眠れないけど目を閉じてみる。
するとどうだろう。不思議なことに、再び眠くなってくる。
先生の甘い香りには、リラックス効果でもあるのだろうか。
そう思ってしまうくらい、私はまたすぐに眠りに落ちてしまうのだった。
「……ん」
夢の中からフッと浮上した意識。
重たい瞼を開くと、霞む視界の中ですぐ目の前に何かがある事に気が付く。
ふわりと香る甘い香り。
しばらく頭が働かなくて、ボーッとしていた。
「───……っ!?」
そしてしばらくして、ようやく今の状況がおかしいことに気が付く。
叫びそうになるのを、慌てて口を手で押さえて防いだ。
……な、なんで私、先生と一緒に寝てんの!?
どうやらここはベッドの上。
私に、と言ってさっき案内された部屋には無かった、ダブルサイズのベッド。
……ここ、多分先生の寝室だ。
だから先生の夢なんて見たんだ。
目の前では私を抱きしめるようにして寝息を立てている先生の姿。
人生で初めての腕枕を、こんなところで経験してしまうとは。
どうして私が先生と一緒に寝ているのか。
えっと……確か、テレビを一緒に見ていて……お風呂に入って……、───あ。
眠る前のことを思い出して、一瞬にして顔を真っ赤に染めた。
……私じゃん!絶対私がくっついたからじゃん!
まさか自分がそんな大胆なことをするとは思っていなかったため、恥ずかしさで今すぐ逃げ出したくなった。
確かに先生の甘い香りは私の好きなものだけど、まさかそれを求めて擦り寄るなんて。
先生が起きた時、どんな顔で目を合わせれば良いのかわからない。
恥ずかしい!恥ずかしすぎる!
もぞもぞと動いて先生の腕の中から抜け出そうとするものの、何故か先生は私が抜け出そうとすればするほどぎゅっと抱きしめる力を強くする。
ドクドクと高鳴る心臓の音。
規則正しい寝息と、それに合わせて先生の胸が動く。
思っていた以上に筋肉でがっしりとしている腕。
私を抱きしめる、大きな手と引き締まった身体。
……ダメだ。考えれば考えるほど、心臓が激しく動いて破裂しそう。
自分の鼓動の音が頭の中に響いてきて、呼吸も段々浅くなる。
「……んー……」
「っ!」
その時、先生が唸るように大きく息を吐き、私の顔を先生の胸に押し付けるように抱きしめた。
一気に視界が真っ暗になる。放っておけば窒息死してしまうのではないかと、咄嗟に両手をその胸に当てた。
スウェット越しでもわかる、先生の肌は温かくて固い。
そして鼻先が直接触れる地肌から、また甘い香りがした。
呼吸をする度に、ドキドキしているのにどこか落ち着くような、そんな不思議な感覚がした。
……どうしよう。こんなの、もう寝られそうもないよ。
でも、疲れている先生を起こすわけにもいかないし。
でも、ちょっと緊張しすぎて喉渇いたな……。
もう一度どうにか抜け出そうと身を捩る。
すると、動きすぎたのか
「……ん、みゃーこ……?どした……?」
先生が起きてしまった。
「ごめん。起こしちゃった……?ちょっと喉渇いちゃって」
「んー。……大丈夫。俺も喉渇いた……」
「ごめんね。あのまま寝ちゃって」
「んーん。キッチン行こ。早く水飲んでもっかい寝よ……」
「うん」
寝ぼけた先生は身体を起こした後一度身体を伸ばして、それから私の手を掴んで一緒に部屋を出ようとする。
一人で歩けるけども。そう思うものの、先生は多分まだ半分寝てるから何を言っても無駄だろう。
先生に連れられてリビングを通ってキッチンへ向かう。
冷蔵庫を開けると、急に明るくなったから目が眩んだ。
「まぶしっ……」
先生はそう言ってミネラルウォーターのペットボトルを手に取る。それを受け取って、食器棚から取ったコップ二つにミネラルウォーターを注いだ。
「……みゃーこ、いま何時?」
「わかんない。まだ暗いから夜だと思うけど。私のスマホどこだろう」
「あぁ……多分そっち」
ふわぁ、と大欠伸をしている先生に断りを入れて、コップを持ちながらスマートフォンをとりにリビングに向かう。
テーブルの上に置いてあったのを見つけて、持ってまたキッチンに戻った。
その頃には先生はもうミネラルウォーターを飲み終わっていて、コップもシンクの中。
「スマホあった?」
「うん」
頷いて私も飲み干したコップをシンクに入れると、当たり前のように先生は私の手を引く。
「じゃあ寝よ。俺さっき寝たばっかだからまだ眠い……」
「え、ずっと起きてたの?」
さっきスマートフォンで時間を確認したら、午前三時を回ったところだった。
さっきって、いつ?ずっと起きてたの?
すぐに寝室に戻り、ベッドに腰掛けた先生は目を数回擦る。
そしてとろんとした、甘い目で私を見つめたかと思うと、私の手を引いてぎゅっと抱きしめてきた。
「んー……だって、俺に抱きついて寝てるみゃーこがあんまりにも可愛いから……俺と同じシャンプーの匂いするしさ……寝顔可愛いしさ……そんなんもう寝られないでしょ。理性保つのに必死だよ……」
「え、な、えっ」
「だから早く寝よ。あー……俺もうこれ病みつきかも。みゃーこが可愛すぎる。みゃーこの甘い匂い大好き。すっげぇ落ち着く。ダメだ。離したくない」
言うが早いか、そのままベッドに倒れるように横になり、私を抱きしめたままもぞもぞと器用に布団に入る。
そしてすぐにまた寝息を立て始めた。
しっかりと背中に回った腕。私は頭の中が飽和状態になってしまい、されるがままだった。
先生は、やっぱり寝ぼけていたようだ。それか夢でも見てた?夢の中だと思ってた?
そうだ。きっとそうだ。そうじゃないと、先生がこんな私に、そんな……抱きしめたり、恋人に言うような甘いセリフを言うとは思えない。
だって、私は生徒で、先生は教師で。
いくら卒業したからって、そんな……、そんな関係になるわけないじゃない。
先生だって、私を生徒として可愛がって心配してくれているだけで、それ以上の特別な意味なんて、無いんだから。
きっと、朝起きたらいつも通り私をからかうみたいに笑うんだろう。うん。きっとそうだよ。
そう思っていないと、勘違いしてしまいそうで。
そうやって自分を納得させないと、先生が私のことを生徒以上として見てるんじゃないかって、錯覚してしまいそうで。
でも、それを直接聞けるほど私には心の余裕も無いし、覚悟も無い。
"みゃーこなら、勘違いしてもいいよ?"
あれは、一体どういう意味だったんだろう。
……もう、寝られないよ。先生の馬鹿。
気持ち良さそうに眠っている顔。その幼い表情を見つめながら、頬をきゅっとつねってみる。
そんな私のせめてもの抵抗に、先生はほんの一瞬眉を顰めただけで。
はぁ。とため息を吐く。
悔しいから、眠れないけど目を閉じてみる。
するとどうだろう。不思議なことに、再び眠くなってくる。
先生の甘い香りには、リラックス効果でもあるのだろうか。
そう思ってしまうくらい、私はまたすぐに眠りに落ちてしまうのだった。
0
お気に入りに追加
268
あなたにおすすめの小説
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
お酒の席でナンパした相手がまさかの婚約者でした 〜政略結婚のはずだけど、めちゃくちゃ溺愛されてます〜
Adria
恋愛
イタリアに留学し、そのまま就職して楽しい生活を送っていた私は、父からの婚約者を紹介するから帰国しろという言葉を無視し、友人と楽しくお酒を飲んでいた。けれど、そのお酒の場で出会った人はその婚約者で――しかも私を初恋だと言う。
結婚する気のない私と、私を好きすぎて追いかけてきたストーカー気味な彼。
ひょんなことから一緒にイタリアの各地を巡りながら、彼は私が幼少期から抱えていたものを解決してくれた。
気がついた時にはかけがえのない人になっていて――
2023.6.12 全話改稿しました
表紙絵/灰田様
《エブリスタとムーンにも投稿しています》
可愛すぎてつらい
羽鳥むぅ
恋愛
無表情で無口な「氷伯爵」と呼ばれているフレッドに嫁いできたチェルシーは彼との関係を諦めている。
初めは仲良くできるよう努めていたが、素っ気ない態度に諦めたのだ。それからは特に不満も楽しみもない淡々とした日々を過ごす。
初恋も知らないチェルシーはいつか誰かと恋愛したい。それは相手はフレッドでなくても構わない。どうせ彼もチェルシーのことなんてなんとも思っていないのだから。
しかしある日、拾ったメモを見て彼の新しい一面を知りたくなってしまう。
***
なんちゃって西洋風です。実際の西洋の時代背景や生活様式とは異なることがあります。ご容赦ください。
ムーンさんでも同じものを投稿しています。
好きな人の好きな人
ぽぽ
恋愛
"私には10年以上思い続ける初恋相手がいる。"
初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。
恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。
そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。
Catch hold of your Love
天野斜己
恋愛
入社してからずっと片思いしていた男性(ひと)には、彼にお似合いの婚約者がいらっしゃる。あたしもそろそろ不毛な片思いから卒業して、親戚のオバサマの勧めるお見合いなんぞしてみようかな、うん、そうしよう。
決心して、お見合いに臨もうとしていた矢先。
当の上司から、よりにもよって職場で押し倒された。
なぜだ!?
あの美しいオジョーサマは、どーするの!?
※2016年01月08日 完結済。
家族愛しか向けてくれない初恋の人と同棲します
佐倉響
恋愛
住んでいるアパートが取り壊されることになるが、なかなか次のアパートが見つからない琴子。
何気なく高校まで住んでいた場所に足を運ぶと、初恋の樹にばったりと出会ってしまう。
十年ぶりに会話することになりアパートのことを話すと「私の家に住まないか」と言われる。
未だ妹のように思われていることにチクチクと苦しみつつも、身内が一人もいない上にやつれている樹を放っておけない琴子は同棲することになった。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
けいこ
恋愛
「絶対に後悔させない。今夜だけは俺に全てを委ねて」
燃えるような一夜に、私は、身も心も蕩けてしまった。
だけど、大学を卒業した記念に『最後の思い出』を作ろうなんて、あなたにとって、相手は誰でも良かったんだよね?
私には、大好きな人との最初で最後の一夜だったのに…
そして、あなたは海の向こうへと旅立った。
それから3年の時が過ぎ、私は再びあなたに出会う。
忘れたくても忘れられなかった人と。
持ちかけられた契約結婚に戸惑いながらも、私はあなたにどんどん甘やかされてゆく…
姉や友人とぶつかりながらも、本当の愛がどこにあるのかを見つけたいと願う。
自分に全く自信の無いこんな私にも、幸せは待っていてくれますか?
ホテル リベルテ 鳳条グループ 御曹司
鳳条 龍聖 25歳
×
外車販売「AYAI」受付
桜木 琴音 25歳
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる