年上幼馴染の一途な執着愛

青花美来

文字の大きさ
上 下
7 / 33
第一章

忘れてくれよ-3(★)

しおりを挟む
「夕姫……」

「ん……」


私の身体に舌を這わす日向は、欲情しているのか少し息が上がっている。
さっきまで肌寒かった部屋の中も、すっかり温まり暑いくらいに感じていた。
でもきっとそれは、暖房のせいだけじゃない。


「ひな、た……」

「ん? なに?」


とろけてしまいそうなほどに甘い声と共に、胸の頂に舌が触れる。


「ひゃっ……」

「フッ……いい声」

「なっ、バカっ……」

「なんで、可愛いよ」


日向の手つきはとても手慣れたもので、今まで数多くの女性と身体を重ね合わせてきたのがわかる。
それなのに、


「ひなたっ……」

「ん? 痛かった?」

「ちが……そこ、だめ……」


甘い刺激に身体を跳ねさせるたびに、日向は私を心配してくれる。
壊れものを扱うかのように、優しく、柔らかく。


「ここ、きもちい?」

「うん……」


ゆっくりと、だけど確実にほぐされていく身体。
気が付けば上半身は服を脱がされ、下着も外されていた。


「あんま見ないで……」


まじまじと見つめてくる視線から逃れるように身体を捩るけれど、


「ダメ、隠さないで」


日向はそれを許してくれない。
いつのまにか日向も上の服を脱いでいて、ほどよく引き締まった身体が目に入る。

あれ……日向って、こんなに男らしい身体つきしてたっけ……?

そんなことを考える間も無く、一瞬にして唇を塞がれた。

最初は触れるだけだったのに、次第に啄むようなものに変わり、そして舌が入り込んでくる。
私の口内を駆け巡る舌と同時に、日向の指先が私の身体を撫でまわし、弱いところを何度も刺激した。


「ん……んぁっ……ひな、たぁ……」


キスの合間に息を吸おうにも、すぐに舌を絡め取られて頭がぼーっとしてくる。
私たちを繋いだ銀色の糸が解けて落ちた時、私は肩で息をしていた。


「はぁ……はぁ……」

「バテた?」

「だって、日向のキスやばい……」

「やばい? どんな風に?」


にやけた視線に"気持ち良すぎてやばい"なんて言えるわけもなくて、


「そんなこと言わせないでよ……」


恥ずかしくて顔を背ける。
だけどそんな反応が良かったのか、


「マジやばい。可愛すぎ……」


日向は嬉しそうにもう一度キスをした。

甘くて激しいキスに必死についていく間に、日向の手は胸からお腹、さらにはその下にまで伸びていって。
徐にスカートの中に入り込んだ手。
太ももの内側をさするように撫でてきて、


「んんっ……!」


そのもどかしさに無意識に腰が動き、その弾みで敏感なところに指先が触れてビクン!と跳ねた。


「ははっ……かーわい」

「やめて、言わないで」

「やだ。もっと夕姫のかわいいとこ見たい」


普段そんなこと言わないくせに、何かのスイッチが入ったのか日向は私をどろどろに甘やかしたいようだ。
スカートも脱がされ、全てを見られて恥ずかしいのに、そんなことを思う余裕もないくらいに次から次へと私の"イイトコロ"を刺激してくる日向。


「すっげ、もう溢れてる」

「やめっ……」


足を広げられた先、中心を指でかき回されて勝手に声が漏れていく。


「あっ……まっ、んんっ」

「我慢すんな。ちゃんと聞かせて」


手で口を押さえていると優しく取り払われてしまい、代わりに指の動きはどんどん早く激しくなっていく。


「あぁっ! ……ま、って……はげしっ……なんか変っ……」

「イキそう?」

「わかんな……」

「いーよ、イキな」


その言葉と共に、頭が真っ白になって何も考えられなくなる。


「あっ……」


数回快感に耐えるように痙攣した身体は、すぐに力が抜けた。
息も上がり少し休みたいのに、日向はそれをどうやら許してくれないようだ。


「夕姫」

「なに……?」


名前を呼ばれて、くらくらした頭のまま見上げる。
すると、珍しく余裕のなさそうな日向の顔。


「ちょっと俺、もう無理かも」


上気した頬。掻き上げた髪の毛から覗く、色気が溢れた甘い視線。
ベルトを緩める音と、ファスナーを下ろす音。
日向の手が私の手を取り、そこに持っていく。
そこははち切れそうなほどに膨らんでいて、ゆっくり撫でると


「やば……」


と日向がため息のようにこぼした。
その掠れた声が、私の胸を締め付ける。


「……いい?」


その声に頷いた後すぐ、先ほどの指とは比べ物にならないほどの快感が脳を突き抜けた。


「あぁっ……!?」

「やっば……きっつ……。夕姫、力抜いて……」

「む、り……待って、まだ動かないで……」

「ん」


薄い膜越しでもわかる、想像以上の大きさに私の身体がついていかない。
目の前がチカチカして、息を止めていないとこの快感にのまれてしまいそう。
日向にしがみつくように抱きついて、深呼吸を繰り返す。


「……そろそろ動くよ?」


頷くが早いか、ゆっくりと開始した律動。


「んっ……んっ……」

「痛い?」


返事もできなくて、ふるふると首を横に振った。


「ん。いい子」


嬉しそうに頭を撫でて、何度もキスをして。
部屋の中には私たちの呼吸といやらしい水音が響き渡る。
次第にその律動は早くなり、お互いの呼吸も乱れていく。


「待って、ひなた……はやいっ……」

「ごめ……むり、気持ち良すぎてとまんない……」


その言葉に、ギュッと身体に力が入る。


「っ……」


日向の眉間に皺がより、今までで一番激しく腰を動かした。


「待って、まって……やぁっ!?」


再び頭が真っ白になった時、私の体の中で日向も果てたのがわかった。
ドクンドクンと波打つのを感じながら、私の意識は遠のいていく。


「……ごめん、やりすぎた。夕姫……」


謝らないで。そう言いたいのに、うまく言葉が出ない。
意識を手放す寸前、


「────きだ」


私の髪の毛にキスをした日向が何かを言っていた気がするけれど、私にはよく聞こえなくて。
そのまま、眠りに落ちていくのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

禁断溺愛

流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。

初色に囲われた秘書は、蜜色の秘処を暴かれる

ささゆき細雪
恋愛
樹理にはかつてひとまわり年上の婚約者がいた。けれど樹理は彼ではなく彼についてくる母親違いの弟の方に恋をしていた。 だが、高校一年生のときにとつぜん幼い頃からの婚約を破棄され、兄弟と逢うこともなくなってしまう。 あれから十年、中小企業の社長をしている父親の秘書として結婚から逃げるように働いていた樹理のもとにあらわれたのは…… 幼馴染で初恋の彼が新社長になって、専属秘書にご指名ですか!? これは、両片想いでゆるふわオフィスラブなひしょひしょばなし。 ※ムーンライトノベルズで開催された「昼と夜の勝負服企画」参加作品です。他サイトにも掲載中。 「Grand Duo * グラン・デュオ ―シューベルトは初恋花嫁を諦めない―」で当て馬だった紡の弟が今回のヒーローです(未読でもぜんぜん問題ないです)。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

お酒の席でナンパした相手がまさかの婚約者でした 〜政略結婚のはずだけど、めちゃくちゃ溺愛されてます〜

Adria
恋愛
イタリアに留学し、そのまま就職して楽しい生活を送っていた私は、父からの婚約者を紹介するから帰国しろという言葉を無視し、友人と楽しくお酒を飲んでいた。けれど、そのお酒の場で出会った人はその婚約者で――しかも私を初恋だと言う。 結婚する気のない私と、私を好きすぎて追いかけてきたストーカー気味な彼。 ひょんなことから一緒にイタリアの各地を巡りながら、彼は私が幼少期から抱えていたものを解決してくれた。 気がついた時にはかけがえのない人になっていて―― 表紙絵/灰田様 《エブリスタとムーンにも投稿しています》

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

二人の甘い夜は終わらない

藤谷藍
恋愛
*この作品の書籍化がアルファポリス社で現在進んでおります。正式に決定しますと6月13日にこの作品をウェブから引き下げとなりますので、よろしくご了承下さい* 年齢=恋人いない歴28年。多忙な花乃は、昔キッパリ振られているのに、初恋の彼がずっと忘れられない。いまだに彼を想い続けているそんな誕生日の夜、彼に面影がそっくりな男性と出会い、夢心地のまま酔った勢いで幸せな一夜を共に––––、なのに、初めての朝チュンでパニックになり、逃げ出してしまった。甘酸っぱい思い出のファーストラブ。幻の夢のようなセカンドラブ。優しい彼には逢うたびに心を持っていかれる。今も昔も、過剰なほど甘やかされるけど、この歳になって相変わらずな子供扱いも! そして極甘で強引な彼のペースに、花乃はみるみる絡め取られて……⁈ ちょっぴり個性派、花乃の初恋胸キュンラブです。

駆け引きから始まる、溺れるほどの甘い愛

玖羽 望月
恋愛
 雪代 恵舞(ゆきしろ えま)28歳は、ある日祖父から婚約者候補を紹介される。  アメリカの企業で部長職に就いているという彼は、竹篠 依澄(たけしの いずみ)32歳だった。  恵舞は依澄の顔を見て驚く。10年以上前に別れたきりの、初恋の人にそっくりだったからだ。けれど名前すら違う別人。  戸惑いながらも、祖父の顔を立てるためお試し交際からスタートという条件で受け入れる恵舞。結婚願望などなく、そのうち断るつもりだった。  一方依澄は、早く婚約者として受け入れてもらいたいと、まずお互いを知るために簡単なゲームをしようと言い出す。 「俺が勝ったら唇をもらおうか」  ――この駆け引きの勝者はどちら? *付きはR描写ありです。 エブリスタにも投稿しています。

社長の×××

恩田璃星
恋愛
真田葵26歳。 ある日突然異動が命じられた。 異動先である秘書課の課長天澤唯人が社長の愛人という噂は、社内では公然の秘密。 不倫が原因で辛い過去を持つ葵は、二人のただならぬ関係を確信し、課長に不倫を止めるよう説得する。 そんな葵に課長は 「社長との関係を止めさせたいなら、俺を誘惑してみて?」 と持ちかける。 決して結ばれることのない、同居人に想いを寄せる葵は、男の人を誘惑するどころかまともに付き合ったこともない。 果たして課長の不倫を止めることができるのか!? *他サイト掲載作品を、若干修正、公開しております*

処理中です...