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Chapter3

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数日後。

仕事終わりに隼輔を迎えに行って寮に戻った私は、夕食を食べながら隼輔といろいろな話をしてみた。


"隼也のこと、好き?"

"バイバイするの、寂しい?"

"もし同じお家に隼也がいたら、どうかな?"

"……隼也が隼輔のパパになったら、嬉しいかな?"


聞き方を考えながら隼輔の気持ちを聞いてみる。
その度に


"うん、しゅーやすき"

"バイバイやだ"

"しゅーや、おうちくる?おえかき!"

"ぱぱ?しゅーやぱぱなの?"


会話が成立しない場面ももちろんあったものの、隼輔にとって隼也は友達のような、信頼できる存在になってきていることだけはよくわかった。

隼也の話をすると顔がぱあっと明るくなるのだ。

嬉しそうに隼也と一緒に遊びたいと言う隼輔は、パパという存在を知らないからか、隼也がパパだと言われてもあまりピンときていないようだった。

でも、一緒に住むことに大きな抵抗はなさそう。

ホッと一安心していると、隼也から連絡が入った。


"今週末、うちの実家に行こうと思ってるんだけど、一緒に来てくれないか?改めて舞花と隼輔を紹介したいんだ"


隼也が私の両親に頭を下げてくれたように、私も隼也のご両親にきちんと説明しなくてはいけない。

勝手に子どもを産んだことを、まず謝らなくてはいけない。


"もちろん、行かせてもらうね"


ふぅ、と深い息を吐きながらそう返事をしていると、横から隼輔が立ち上がって手を伸ばして、私の頭を雑に撫でる。


「ままぁ、いいこいいこ」

「……え?」

「まま、なかないで?」


ため息をついているように聞こえてしまったのかもしれない。

落ち込んで泣きそうに見えてしまったのだろうか。

必死に私の頭を撫でて励まそうとしてくれる隼輔のほうが今にも泣きそうな表情をしているのに。


「……うん、ありがとう隼輔」


健気な息子の姿に、思わず笑みがこぼれる。

安心したように微笑んだ隼輔をギュッと抱きしめる。


「隼輔のおかげて元気になったよ」


抱きしめたまま隼輔を褒め称えているうちに、心が晴れやかになって勇気が湧いてくる。

いつだって、この子が私の一番の原動力だ。
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