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日が暮れた頃、私は一と別れて夜ご飯を約束していた音己と待ち合わせしている駅前にあるベンチに座って待っていると、突然後ろから肩を叩かれて驚く。
「さき、お待たせ。」
と、私の胸が少し高鳴る声が背後から聞こえて振り向いてみるとそこには千空 音己がいた。
雅紀「ううん、今さっき来たとこ。」
私はベンチから立ち上がり、音己と一緒に海鮮が美味しいと話題なお店に行って2週間に一度あるかないかのデートをする。
音己「…え、これすぐ売り切れたやつ。」
雅紀「まさか、同じバスセット買うとは思わなかったね。」
プレゼント交換した私たちは紙袋も、プレゼント包装も、中身も同じものを渡したらしく、サプライズプレゼントを見て2人して驚く。
音己「けど、これだけ違うね。」
と、音己は優しげに笑いながらプレゼントの中に仕込んでいたメッセージカードを取り出した。
雅紀「そうだね。今読んでもいいよ。」
音己「じゃあ読んじゃおーっと。」
そう言ってまたプレゼントを開けるみたいにウキウキした顔を見せてくれる音己は中身を開けて目を見開いた。
音己「…チケット?」
雅紀「うん。音己と一緒にイルミネーション見に行きたいなって思ってるんだけど、どうかな。」
音己「行く!さきの空いてる日は…」
と、音己が言いかけると店員さんが可愛らしいデザートプレートを持ってきた。
「今日はレディースDAYなので、サービスでおふたり分のミニケーキとジェラートです。」
そう言って店員さんは私のことを一切男と疑わずに別卓にも同じプレートを運びにいった。
雅紀「こういうの、悪いなって思っちゃうんだよね。」
音己「んー…。でも、さきはさきだし、したいから髪の毛もロングで今日もワンピース着てるんでしょ?」
音己は全く気にすることなく、私を男とも女ともとらず“来未 雅紀”として扱ってくれる。
だから一と似た胸の高鳴りを感じるけど、どうしても一歩進みたくない自分がいる。
雅紀「…音己は彼氏にするとしたらどんな人がいい?」
音己「自分のやりたいこと、好きなことして伸び伸び生きてる人。」
こういうとこ。
本当に音己はいい人だと思うよ。
雅紀「見た目だよ。芸能人とか周りの人とか見た目でタイプの人いる?」
音己「……一かな。」
…それは、見た目じゃなくて一自身でしょ?
そう言いたかったけど、それは友達として付き合ってくれている音己には言えない。
雅紀「今のプリンの一と、しっかり金髪の一と、黒髪の一だったらどれ?」
音己「黒髪かな。カラー入れた後の匂い好きじゃないから。」
雅紀「そっか。じゃあ黒髪だけクリアだね。」
私は自分を指差してなぜか顔を曇らせる音己に少しでも笑ってもらおうとしたけど、愛想笑いくらいにしかならなかった。
雅紀「私、年末年始は29日から3日まで仕事休みにしてるからその間だったらどこでも大丈夫。」
音己「分かった。スケジュールちゃんと確認したらメッセージ送る。」
雅紀「うん。待ってる。」
今自分が出来る範囲で音己のそばにいれる方法を取ってるけど、あとどのくらいもつかな。
一と私のことを知ったらきっとこの関係は続けていけないし、2人ともずっと会えなくなるのは目に見えてる。
けど、まだこの温かい世界で2人と一緒にいたいと思ってしまうんだ。
ごめんね。
決断力がいつのまにかどこかに行っちゃった。
私はまた今日も一にしっかりと終わりを告げることなく1日を終えてしまった。
環流 虹向/ここのサキには
「さき、お待たせ。」
と、私の胸が少し高鳴る声が背後から聞こえて振り向いてみるとそこには千空 音己がいた。
雅紀「ううん、今さっき来たとこ。」
私はベンチから立ち上がり、音己と一緒に海鮮が美味しいと話題なお店に行って2週間に一度あるかないかのデートをする。
音己「…え、これすぐ売り切れたやつ。」
雅紀「まさか、同じバスセット買うとは思わなかったね。」
プレゼント交換した私たちは紙袋も、プレゼント包装も、中身も同じものを渡したらしく、サプライズプレゼントを見て2人して驚く。
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と、音己は優しげに笑いながらプレゼントの中に仕込んでいたメッセージカードを取り出した。
雅紀「そうだね。今読んでもいいよ。」
音己「じゃあ読んじゃおーっと。」
そう言ってまたプレゼントを開けるみたいにウキウキした顔を見せてくれる音己は中身を開けて目を見開いた。
音己「…チケット?」
雅紀「うん。音己と一緒にイルミネーション見に行きたいなって思ってるんだけど、どうかな。」
音己「行く!さきの空いてる日は…」
と、音己が言いかけると店員さんが可愛らしいデザートプレートを持ってきた。
「今日はレディースDAYなので、サービスでおふたり分のミニケーキとジェラートです。」
そう言って店員さんは私のことを一切男と疑わずに別卓にも同じプレートを運びにいった。
雅紀「こういうの、悪いなって思っちゃうんだよね。」
音己「んー…。でも、さきはさきだし、したいから髪の毛もロングで今日もワンピース着てるんでしょ?」
音己は全く気にすることなく、私を男とも女ともとらず“来未 雅紀”として扱ってくれる。
だから一と似た胸の高鳴りを感じるけど、どうしても一歩進みたくない自分がいる。
雅紀「…音己は彼氏にするとしたらどんな人がいい?」
音己「自分のやりたいこと、好きなことして伸び伸び生きてる人。」
こういうとこ。
本当に音己はいい人だと思うよ。
雅紀「見た目だよ。芸能人とか周りの人とか見た目でタイプの人いる?」
音己「……一かな。」
…それは、見た目じゃなくて一自身でしょ?
そう言いたかったけど、それは友達として付き合ってくれている音己には言えない。
雅紀「今のプリンの一と、しっかり金髪の一と、黒髪の一だったらどれ?」
音己「黒髪かな。カラー入れた後の匂い好きじゃないから。」
雅紀「そっか。じゃあ黒髪だけクリアだね。」
私は自分を指差してなぜか顔を曇らせる音己に少しでも笑ってもらおうとしたけど、愛想笑いくらいにしかならなかった。
雅紀「私、年末年始は29日から3日まで仕事休みにしてるからその間だったらどこでも大丈夫。」
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雅紀「うん。待ってる。」
今自分が出来る範囲で音己のそばにいれる方法を取ってるけど、あとどのくらいもつかな。
一と私のことを知ったらきっとこの関係は続けていけないし、2人ともずっと会えなくなるのは目に見えてる。
けど、まだこの温かい世界で2人と一緒にいたいと思ってしまうんだ。
ごめんね。
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私はまた今日も一にしっかりと終わりを告げることなく1日を終えてしまった。
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