6 / 15
Chunky
Now Loading…
しおりを挟む
塩バターポップコーン。
キャラメルポップコーン。
ダブルサイズのメロンソーダ。
これは昂と初めて映画デートした時と同じラインナップ。
始めと終わりが同じなんて最初からこうなることが決まっていたようで普段よりも昂といる時間が不安定でぐらつきを感じていると、それを悟ったかのように昂は片手にトレイ、片手に私のコートを持ってるのにも関わらずに私の手を取って不安定な足元を支えてくれる。
昂「Fの15と16…。」
そう呟きながら足元にある案内通りに進む昂はみんなと同じ人。
けど、蕾はわざわざ背もたれの後ろについている席番を確認していた。
その細める目が立ったまま寝ているように見えていつも笑っちゃってたな。
ふと、また思い出が蘇り、つい口角が上がってしまっていると、席について一安心した昂は私の顔を見て同じく口角を上げる。
昂「パンフレットに挟んどこ。」
そう言っていつも2人で映画を観に行った記念にとっておく映画の半券をパンフレットの最後のページに挟んだ昂はじっとポップコーンを見て1番キャラメルが絡んでいる1粒をつまみ、私の口の前に差し出した。
昂「美味しいやつあげる。」
瞳「…ありがと。」
私は気分じゃないけど、昂の厚意を無下にできなくてそのまま口に入れてパリポリする1粒のポップコーンを味わう。
昂「うん。俺、たったかトイレ行ってくる。」
と、昂はいつものように上映5分前に席を立って駆け足でトイレに向かった。
この1人の時間、頭の中に思い浮かんでしまうのはやっぱりあの日のことなんだよな。
環流 虹向/ピンヒールでおどらせて
キャラメルポップコーン。
ダブルサイズのメロンソーダ。
これは昂と初めて映画デートした時と同じラインナップ。
始めと終わりが同じなんて最初からこうなることが決まっていたようで普段よりも昂といる時間が不安定でぐらつきを感じていると、それを悟ったかのように昂は片手にトレイ、片手に私のコートを持ってるのにも関わらずに私の手を取って不安定な足元を支えてくれる。
昂「Fの15と16…。」
そう呟きながら足元にある案内通りに進む昂はみんなと同じ人。
けど、蕾はわざわざ背もたれの後ろについている席番を確認していた。
その細める目が立ったまま寝ているように見えていつも笑っちゃってたな。
ふと、また思い出が蘇り、つい口角が上がってしまっていると、席について一安心した昂は私の顔を見て同じく口角を上げる。
昂「パンフレットに挟んどこ。」
そう言っていつも2人で映画を観に行った記念にとっておく映画の半券をパンフレットの最後のページに挟んだ昂はじっとポップコーンを見て1番キャラメルが絡んでいる1粒をつまみ、私の口の前に差し出した。
昂「美味しいやつあげる。」
瞳「…ありがと。」
私は気分じゃないけど、昂の厚意を無下にできなくてそのまま口に入れてパリポリする1粒のポップコーンを味わう。
昂「うん。俺、たったかトイレ行ってくる。」
と、昂はいつものように上映5分前に席を立って駆け足でトイレに向かった。
この1人の時間、頭の中に思い浮かんでしまうのはやっぱりあの日のことなんだよな。
環流 虹向/ピンヒールでおどらせて
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
クリスマスに咲くバラ
篠原怜
恋愛
亜美は29歳。クリスマスを目前にしてファッションモデルの仕事を引退した。亜美には貴大という婚約者がいるのだが今のところ結婚はの予定はない。彼は実業家の御曹司で、年下だけど頼りになる人。だけど亜美には結婚に踏み切れない複雑な事情があって……。■2012年に著者のサイトで公開したものの再掲です。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる