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俺は合流した奏たちと夜に備えて花火の準備や夜飯に何を食うか考えながらスーパーに行き、買い物を終えて奏の家に帰ると昼前に会ったはずの音己ねぇが家からいなくなっていた。
一「音己ねぇは?」
奏「ん?…ああ、友達と遊んでから合流するって言ってた。」
俺は天とタクシーでぎゅうぎゅう詰めになってまで持ってきた浴衣がかけられているクローゼットを見ると、音己ねぇの浴衣とその友達の浴衣がなくなっていた。
あのサイダーが溶け出したような淡いブルーの色合いが好きだから、ここになくて残念だなと思っていると明が俺の手を引き音己ねぇが普段使ってるメイク台前に座らせた。
明「一の今日の気分は波模様?」
一「俺の波はいつでも大荒れ。」
明「そうなの?」
一「意外とはれんちおせんちなんだ。」
明「今日はなんだか素直子くんなの?」
一「昨日から友達には、のんピノキオ。」
明「だから音己ねぇが彼女でもちゅーしないの?」
と、昨日のピザパで俺たちの様子を見てたのか、ヘアセットをしながら聞いてくる。
一「音己ねぇは好きな人だから別枠。」
明「ふぅーんっ?俺は将といっぱいしてるよ。」
一「よかったな。デート行った?」
明「昨日行く予定だったけど、音己ねぇのS.O.Sが来てなくなった。」
一「…それはごめん。」
昨日はやっとJ ORICONNの呪縛が解けてそれぞれ思い思いに過ごそうとしてたはずなのに、俺のせいで潰してしまったんだな。
明「まあデートって言ってもジムだけど。」
一「ジム?」
明「クロールの泳ぎ方、教えてほしかったんだって。」
ジムだからてっきり将が明を指導するんだと思ったらまさかの逆だった。
一「まあ流れるプールでタイミング掴めなくて、20分上がれずにいたから相当だよな。」
明「それでも滝壺に夢衣さんと飛び込んだのカッコいいと思った。」
一「だから付き合ったの?」
明「それもあるけど、1番は自分の気持ち押し込めてまで俺たちと一緒にいてくれようとしたことかな。」
一「それって…」
明「俺、耳いいからいろんな言葉拾っちゃうんだ。ずっとこの耳好きじゃなかったけど、今は一たちに出会えて好きになれたよ。」
俺の背後にいる明がマカロンみたいな目をして俺に優しく微笑んでくれる。
明「初めて男と付き合うことになるけど、俺たちのこと優先しちゃう優しい将ならそういうの関係なくいいなって思うから付き合うことにした。」
一「…同性同士で付き合うってどんな感じ?」
俺は叶うことのない、姐さんが俺の恋人になってくれたときに備えて聞いてみた。
明「そんな変わんないじゃん?手繋いでちゅーしてデートする。そこら辺の中坊カップルと変わらない。」
一「ちゅーの先は…?」
明「俺は風俗で将はナンパしてる。」
一「…え?そうなの?」
明「やりたいのは女で、付き合いたいのは男だったってだけだよ。病気もらわないように注意はしてるけど。」
一「そういうのもありなんだ…。」
明「まあ話し合いだよね。人同士ってちゃんと話さないと分かり合えないし。」
そう話してくれた明はこの間見た将のように大人っぽくて俺はちょっと悔しくなった。
明「おけぴだねぇ。一の波模様いい感じじゃない?」
と、話してる間に俺のヘアスタイルを完成させてくれた明が鏡を見ながら俺の毛先で遊ぶ。
一「奏と音己ねぇにずっとこれでいろって言われたから、また時間ある時にアレンジ教えて。」
明「いいよっ!とりまヘアケアはちゃんとやっといてね。」
一「了解。ありがとう。」
俺はその場から立ち上がり、奏たちがいる涼しいリビングで夜が来るのをゆっくり待つことにした。
→ エモめの夏
一「音己ねぇは?」
奏「ん?…ああ、友達と遊んでから合流するって言ってた。」
俺は天とタクシーでぎゅうぎゅう詰めになってまで持ってきた浴衣がかけられているクローゼットを見ると、音己ねぇの浴衣とその友達の浴衣がなくなっていた。
あのサイダーが溶け出したような淡いブルーの色合いが好きだから、ここになくて残念だなと思っていると明が俺の手を引き音己ねぇが普段使ってるメイク台前に座らせた。
明「一の今日の気分は波模様?」
一「俺の波はいつでも大荒れ。」
明「そうなの?」
一「意外とはれんちおせんちなんだ。」
明「今日はなんだか素直子くんなの?」
一「昨日から友達には、のんピノキオ。」
明「だから音己ねぇが彼女でもちゅーしないの?」
と、昨日のピザパで俺たちの様子を見てたのか、ヘアセットをしながら聞いてくる。
一「音己ねぇは好きな人だから別枠。」
明「ふぅーんっ?俺は将といっぱいしてるよ。」
一「よかったな。デート行った?」
明「昨日行く予定だったけど、音己ねぇのS.O.Sが来てなくなった。」
一「…それはごめん。」
昨日はやっとJ ORICONNの呪縛が解けてそれぞれ思い思いに過ごそうとしてたはずなのに、俺のせいで潰してしまったんだな。
明「まあデートって言ってもジムだけど。」
一「ジム?」
明「クロールの泳ぎ方、教えてほしかったんだって。」
ジムだからてっきり将が明を指導するんだと思ったらまさかの逆だった。
一「まあ流れるプールでタイミング掴めなくて、20分上がれずにいたから相当だよな。」
明「それでも滝壺に夢衣さんと飛び込んだのカッコいいと思った。」
一「だから付き合ったの?」
明「それもあるけど、1番は自分の気持ち押し込めてまで俺たちと一緒にいてくれようとしたことかな。」
一「それって…」
明「俺、耳いいからいろんな言葉拾っちゃうんだ。ずっとこの耳好きじゃなかったけど、今は一たちに出会えて好きになれたよ。」
俺の背後にいる明がマカロンみたいな目をして俺に優しく微笑んでくれる。
明「初めて男と付き合うことになるけど、俺たちのこと優先しちゃう優しい将ならそういうの関係なくいいなって思うから付き合うことにした。」
一「…同性同士で付き合うってどんな感じ?」
俺は叶うことのない、姐さんが俺の恋人になってくれたときに備えて聞いてみた。
明「そんな変わんないじゃん?手繋いでちゅーしてデートする。そこら辺の中坊カップルと変わらない。」
一「ちゅーの先は…?」
明「俺は風俗で将はナンパしてる。」
一「…え?そうなの?」
明「やりたいのは女で、付き合いたいのは男だったってだけだよ。病気もらわないように注意はしてるけど。」
一「そういうのもありなんだ…。」
明「まあ話し合いだよね。人同士ってちゃんと話さないと分かり合えないし。」
そう話してくれた明はこの間見た将のように大人っぽくて俺はちょっと悔しくなった。
明「おけぴだねぇ。一の波模様いい感じじゃない?」
と、話してる間に俺のヘアスタイルを完成させてくれた明が鏡を見ながら俺の毛先で遊ぶ。
一「奏と音己ねぇにずっとこれでいろって言われたから、また時間ある時にアレンジ教えて。」
明「いいよっ!とりまヘアケアはちゃんとやっといてね。」
一「了解。ありがとう。」
俺はその場から立ち上がり、奏たちがいる涼しいリビングで夜が来るのをゆっくり待つことにした。
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