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「夢衣、行くぞー。」
俺はやっと気兼ねなく夢衣と呼べることが嬉しくて、レオさん家の玄関でのんびりと靴を履く夢衣を呼ぶ。
夢衣「待ってよー。」
レオ「また遊びに来いよ。」
と、レオさんは夢衣の頭を優しく撫でながら俺に笑いかけくれる。
一「はい!色々ありがとうございます。今度また呑みに行きましょう?」
夢衣「私も!」
レオ「おう!あとで空き日送っておく。」
俺と夢衣はレオさんにお礼を言い、昨日悠が言っていた呑み会に瑠愛くんが誘ってくれたので瑠愛くんの家に夢衣と一緒に向かう。
夢衣「みんなにたくさん迷惑かけちゃった。…嫌われたよね。」
と、悲しそうに夢衣は俺の手を握りしめた。
一「夢衣が大切だからみんなが動いてくれたんだ。嫌いだったら音己ねぇはあのワンピース貸してくれないし、海斗は車を出してくれない。奏たちだって俺がいなかった夜に会いに来てくれないよ。」
夢衣「…そうかな。」
一「そうだよ。優しい人が全員怖い人じゃない。夢衣のことちゃんと理解したいから大切にして優しさをくれるんだよ。」
夢衣「…明日、みんなにありがとうする。」
一「うん。明日の昼、最後の仕上げでみんな学校に来るから一緒に行こう。」
夢衣「うん。行く。」
そう言ってくれた夢衣はやっと笑顔を見せてくれた。
俺はやっと夢衣の可愛らしい笑顔を見れて俺たちの元に戻ってきてくれたことを実感した。
俺たちは徒歩15分の道を30分近くかけてゆっくり歩き、瑠愛くんの家に到着する。
瑠愛「わぁ!夢衣ちゃん元気そうでよかった!」
夢衣「瑠愛くんの顔…」
瑠愛「これは俺のせいだから!夢衣ちゃんは気にしなくていいよ!」
と、瑠愛くんは夢衣の心配そうな顔を見てすぐさまフォローを入れた。
瑠愛「ふんわりパーマロブがとても似合う夢衣ちゃんって言います♡」
瑠愛くんは夏と悠に夢衣を紹介し、2人の紹介も瑠愛くん自身がしていく。
そんな中、何度も2人の傷跡を見て心配する夢衣の話を瑠愛くんと悠は逸らし、明るい話題に持っていく。
それに気づいた夢衣はしばらくして聞くのをやめると、この呑みの場を楽しんでくれるようになってくれた。
瑠愛「夢衣ちゃん、オススメのドラマ教えて!夜明かせるやつ!」
夢衣「んー…と、Netfuerだったらローマの踊り子は?ヒューマンドラマだよ。」
瑠愛「いいね!それに決定っ♡」
瑠愛くんは夢衣がオススメした1話完結で12話あるドラマを何の迷いもなく選択し、流し始める。
俺たちはそれを見ながら思い思いに過ごしていると、夢衣は隣にいる俺の手を繋いできた。
…まだ、俺を必要としてくれるのかな。
俺はその手を握り返し、夢衣がまたいなくならないように掴んで側にいることを感じる。
夏「…夢衣さん?大丈夫?」
と、突然夏が夢衣に話しかけた。
俺はいつのまにか俯いている夢衣の顔を覗き込むと息が少し荒く、顔を赤らめていた。
レオさんがたくさん夢衣のためにしてくれたけど、それでもまだ治まりきらないらしい。
一「夢衣、きついか?」
夢衣「…ぅん。無理ぃ。」
と、どうしようもない自分の体の火照りに切ない声で訴えて俺を見つめてくる夢衣。
瑠愛「じゃあ俺とあっちの部屋行こうか?」
そう言って瑠愛くんは呑んでいたハイボールをテーブルに置き、夢衣と一緒に立ち上がる。
夢衣「でも…、悠さんが…」
悠「私は気にしないよ。」
と、悠はなんの表情も変えずに答えた。
夢衣「私は…、そういうの嫉妬しちゃう…。」
悠「私はしないよ。」
瑠愛「あーんっ。悠ちゃんちょっとは嫉妬してよ!」
悠「一緒にいれたらそれでいいもん。」
あの車に乗りこんだ悠は、瑠愛くんが夢衣と一緒に寝ても気にしないのか?
瑠愛「俺はダサいシャツの時から嫉妬してるのに。」
と、瑠愛くんは俺の知らない思い出を出し、拗ねた顔をする。
悠「んー…、強いて言うなら…」
急に悠は立ち上がり、夢衣の目の前に立ってキス寸前で顔を止めた。
悠「こんな可愛い子とちゅー出来ることに嫉妬しちゃう。」
「「「…え?」」」
瑠愛くん以外の3人でその発言に驚き、言葉が出せなくなる。
瑠愛「俺じゃないじゃん!」
悠「前から言ってるじゃん。男の人興味ないって。」
瑠愛「ああぁんっ!悠ちゃんのバカ!俺からちゅーしてあげないっ。」
そう言って瑠愛くんは拗ねたまま夢衣を寝室に連れてってしまった。
俺は残された夏と一緒になんとも言えない沈黙の時間を過ごし、酒を入れる。
けど、俺はどうしても悠に質問したくなり聞くことにした。
一「…瑠愛くん、怒ってたけどいいの?」
悠「帰ってきたら瑠愛くんから『ごめんね』してくれるよ。」
そう言ってグラスに注いだ酒を手に持つ悠。
夏「でも…、瑠愛くんちょっと可哀想。」
悠「なんで?」
分かってなくてあの発言なのか?
だったら瑠愛くんが可哀想すぎる。
夏「自分のこと興味ないって言われたみたいで傷ついたと思うよ。」
一「正直に嫉妬してるって言えばいいのに。」
昨日あんなに想いが溢れてたくせに嫉妬しないなんて嘘だ。
顔色を変えなくても少しはもやっとしたものがあるはずなんだ。
悠「…瑠愛くんだからいいの。男でも女でも犬だったとしても瑠愛くんだからいいの。」
と、少し本音を出した悠は少し拗ねた顔を見せてくれた。
悠「いろんな人と寝ても、私のとこに帰ってきてくれるからそれでいいの。独り占めは友達いっぱいで仕事人の瑠愛くんだから出来ないよ。」
それは嫉妬してないって言うんじゃなくて、ただの妥協だ。
そんな妥協だらけだったら瑠愛くんの周りの人間に悠が押しつぶされてしまう。
一「恋人になれたら自分優先にしてもらえばいいじゃん。なんで悠は瑠愛くんと付き合ったの?友達でも一緒にいれるのになんで恋人の仲を選んだの?」
俺は悠に気づいてもらうように質問する。
悠「友達の好きとは違う気がしたから。」
一「じゃあもっと悠が瑠愛くんに好きって伝えないと、瑠愛くん離れるかもしれないよ?せっかく好き同士で付き合えたならずっと一緒にいられるようにしようよ。」
大半の人が妥協ばっかで付き合うのに、悠は妥協せずあの夜動いたんだからこんなことで自分の気持ちを閉じ込めないでほしい。
悠「…分かったよ。やるだけやるよ。」
一「ちゃんとやる、だよ。気持ちが離れた時に後悔したって遅いんだから真面目に愛伝えろ。」
俺はまだ妥協しようとする悠の背中を強く押す。
悠「分かったよー…。ちゃんとする。」
と言って、悠は急に立ち上がった。
夏「…どこ行くの?」
悠「ん?瑠愛くんのとこ。」
一「え?今?」
悠「え?今じゃないの?」
「「違うと思うけど…。」」
俺と夏の声がシンクロして悠の行動に心臓が良くない脈を打つ。
悠「でも、嫉妬の話は本当のことって瑠愛くん分かってるから謝らないよ?」
と、悠はソファーに座りドラマのエンディングロールを飛ばす。
一「…夢衣のこと、タイプ?」
俺はあの日の朝感じた違和感を取り除くために質問してみた。
悠「目が可愛いって思った。」
確かに…、夢衣の目ってずっと見てたくなるんだよな。
ずっと俺のことを見続けてくれるあの目が唯一今でも好きなところ。
けど、その好きも諦めないと。
一「……分かる。」
俺は悠が見抜いた夢衣の目を思い出し、またあの気持ちが生まれかけるのを酒で殺す。
瑠愛「ひーくん来てほしいって。」
と、事を済ませたのか瑠愛くんは俺を呼びにきた。
一「分かった。」
俺は瑠愛くんの寝室で寝ている夢衣の元へ行く。
一「夢衣…?」
俺は真っ暗で何も見ない部屋の電気をつけると、だる着に着替えた夢衣が眩しそうにこちらを見た。
夢衣「ぎゅーして。」
一「…いいよ。」
俺は部屋を暗くして夢衣がいるベッドに寝転がり、お願い通り抱きつく。
夢衣「今日は何もしないで寝れるよ。…昨日、勝手にいなくなってごめんね。」
一「俺もごめん。夢衣がいかないでって言ったのに体が勝手に動いた。」
夢衣「…ううん。ひーくん悪くないよ。」
一「夢衣は悪くないよ。」
夢衣「ちゅーだけしていい?」
一「いいよ。」
俺はちゃんとした夢衣と久しぶりに唇を合わせて、一緒に眠りについた。
→ されど日々は
俺はやっと気兼ねなく夢衣と呼べることが嬉しくて、レオさん家の玄関でのんびりと靴を履く夢衣を呼ぶ。
夢衣「待ってよー。」
レオ「また遊びに来いよ。」
と、レオさんは夢衣の頭を優しく撫でながら俺に笑いかけくれる。
一「はい!色々ありがとうございます。今度また呑みに行きましょう?」
夢衣「私も!」
レオ「おう!あとで空き日送っておく。」
俺と夢衣はレオさんにお礼を言い、昨日悠が言っていた呑み会に瑠愛くんが誘ってくれたので瑠愛くんの家に夢衣と一緒に向かう。
夢衣「みんなにたくさん迷惑かけちゃった。…嫌われたよね。」
と、悲しそうに夢衣は俺の手を握りしめた。
一「夢衣が大切だからみんなが動いてくれたんだ。嫌いだったら音己ねぇはあのワンピース貸してくれないし、海斗は車を出してくれない。奏たちだって俺がいなかった夜に会いに来てくれないよ。」
夢衣「…そうかな。」
一「そうだよ。優しい人が全員怖い人じゃない。夢衣のことちゃんと理解したいから大切にして優しさをくれるんだよ。」
夢衣「…明日、みんなにありがとうする。」
一「うん。明日の昼、最後の仕上げでみんな学校に来るから一緒に行こう。」
夢衣「うん。行く。」
そう言ってくれた夢衣はやっと笑顔を見せてくれた。
俺はやっと夢衣の可愛らしい笑顔を見れて俺たちの元に戻ってきてくれたことを実感した。
俺たちは徒歩15分の道を30分近くかけてゆっくり歩き、瑠愛くんの家に到着する。
瑠愛「わぁ!夢衣ちゃん元気そうでよかった!」
夢衣「瑠愛くんの顔…」
瑠愛「これは俺のせいだから!夢衣ちゃんは気にしなくていいよ!」
と、瑠愛くんは夢衣の心配そうな顔を見てすぐさまフォローを入れた。
瑠愛「ふんわりパーマロブがとても似合う夢衣ちゃんって言います♡」
瑠愛くんは夏と悠に夢衣を紹介し、2人の紹介も瑠愛くん自身がしていく。
そんな中、何度も2人の傷跡を見て心配する夢衣の話を瑠愛くんと悠は逸らし、明るい話題に持っていく。
それに気づいた夢衣はしばらくして聞くのをやめると、この呑みの場を楽しんでくれるようになってくれた。
瑠愛「夢衣ちゃん、オススメのドラマ教えて!夜明かせるやつ!」
夢衣「んー…と、Netfuerだったらローマの踊り子は?ヒューマンドラマだよ。」
瑠愛「いいね!それに決定っ♡」
瑠愛くんは夢衣がオススメした1話完結で12話あるドラマを何の迷いもなく選択し、流し始める。
俺たちはそれを見ながら思い思いに過ごしていると、夢衣は隣にいる俺の手を繋いできた。
…まだ、俺を必要としてくれるのかな。
俺はその手を握り返し、夢衣がまたいなくならないように掴んで側にいることを感じる。
夏「…夢衣さん?大丈夫?」
と、突然夏が夢衣に話しかけた。
俺はいつのまにか俯いている夢衣の顔を覗き込むと息が少し荒く、顔を赤らめていた。
レオさんがたくさん夢衣のためにしてくれたけど、それでもまだ治まりきらないらしい。
一「夢衣、きついか?」
夢衣「…ぅん。無理ぃ。」
と、どうしようもない自分の体の火照りに切ない声で訴えて俺を見つめてくる夢衣。
瑠愛「じゃあ俺とあっちの部屋行こうか?」
そう言って瑠愛くんは呑んでいたハイボールをテーブルに置き、夢衣と一緒に立ち上がる。
夢衣「でも…、悠さんが…」
悠「私は気にしないよ。」
と、悠はなんの表情も変えずに答えた。
夢衣「私は…、そういうの嫉妬しちゃう…。」
悠「私はしないよ。」
瑠愛「あーんっ。悠ちゃんちょっとは嫉妬してよ!」
悠「一緒にいれたらそれでいいもん。」
あの車に乗りこんだ悠は、瑠愛くんが夢衣と一緒に寝ても気にしないのか?
瑠愛「俺はダサいシャツの時から嫉妬してるのに。」
と、瑠愛くんは俺の知らない思い出を出し、拗ねた顔をする。
悠「んー…、強いて言うなら…」
急に悠は立ち上がり、夢衣の目の前に立ってキス寸前で顔を止めた。
悠「こんな可愛い子とちゅー出来ることに嫉妬しちゃう。」
「「「…え?」」」
瑠愛くん以外の3人でその発言に驚き、言葉が出せなくなる。
瑠愛「俺じゃないじゃん!」
悠「前から言ってるじゃん。男の人興味ないって。」
瑠愛「ああぁんっ!悠ちゃんのバカ!俺からちゅーしてあげないっ。」
そう言って瑠愛くんは拗ねたまま夢衣を寝室に連れてってしまった。
俺は残された夏と一緒になんとも言えない沈黙の時間を過ごし、酒を入れる。
けど、俺はどうしても悠に質問したくなり聞くことにした。
一「…瑠愛くん、怒ってたけどいいの?」
悠「帰ってきたら瑠愛くんから『ごめんね』してくれるよ。」
そう言ってグラスに注いだ酒を手に持つ悠。
夏「でも…、瑠愛くんちょっと可哀想。」
悠「なんで?」
分かってなくてあの発言なのか?
だったら瑠愛くんが可哀想すぎる。
夏「自分のこと興味ないって言われたみたいで傷ついたと思うよ。」
一「正直に嫉妬してるって言えばいいのに。」
昨日あんなに想いが溢れてたくせに嫉妬しないなんて嘘だ。
顔色を変えなくても少しはもやっとしたものがあるはずなんだ。
悠「…瑠愛くんだからいいの。男でも女でも犬だったとしても瑠愛くんだからいいの。」
と、少し本音を出した悠は少し拗ねた顔を見せてくれた。
悠「いろんな人と寝ても、私のとこに帰ってきてくれるからそれでいいの。独り占めは友達いっぱいで仕事人の瑠愛くんだから出来ないよ。」
それは嫉妬してないって言うんじゃなくて、ただの妥協だ。
そんな妥協だらけだったら瑠愛くんの周りの人間に悠が押しつぶされてしまう。
一「恋人になれたら自分優先にしてもらえばいいじゃん。なんで悠は瑠愛くんと付き合ったの?友達でも一緒にいれるのになんで恋人の仲を選んだの?」
俺は悠に気づいてもらうように質問する。
悠「友達の好きとは違う気がしたから。」
一「じゃあもっと悠が瑠愛くんに好きって伝えないと、瑠愛くん離れるかもしれないよ?せっかく好き同士で付き合えたならずっと一緒にいられるようにしようよ。」
大半の人が妥協ばっかで付き合うのに、悠は妥協せずあの夜動いたんだからこんなことで自分の気持ちを閉じ込めないでほしい。
悠「…分かったよ。やるだけやるよ。」
一「ちゃんとやる、だよ。気持ちが離れた時に後悔したって遅いんだから真面目に愛伝えろ。」
俺はまだ妥協しようとする悠の背中を強く押す。
悠「分かったよー…。ちゃんとする。」
と言って、悠は急に立ち上がった。
夏「…どこ行くの?」
悠「ん?瑠愛くんのとこ。」
一「え?今?」
悠「え?今じゃないの?」
「「違うと思うけど…。」」
俺と夏の声がシンクロして悠の行動に心臓が良くない脈を打つ。
悠「でも、嫉妬の話は本当のことって瑠愛くん分かってるから謝らないよ?」
と、悠はソファーに座りドラマのエンディングロールを飛ばす。
一「…夢衣のこと、タイプ?」
俺はあの日の朝感じた違和感を取り除くために質問してみた。
悠「目が可愛いって思った。」
確かに…、夢衣の目ってずっと見てたくなるんだよな。
ずっと俺のことを見続けてくれるあの目が唯一今でも好きなところ。
けど、その好きも諦めないと。
一「……分かる。」
俺は悠が見抜いた夢衣の目を思い出し、またあの気持ちが生まれかけるのを酒で殺す。
瑠愛「ひーくん来てほしいって。」
と、事を済ませたのか瑠愛くんは俺を呼びにきた。
一「分かった。」
俺は瑠愛くんの寝室で寝ている夢衣の元へ行く。
一「夢衣…?」
俺は真っ暗で何も見ない部屋の電気をつけると、だる着に着替えた夢衣が眩しそうにこちらを見た。
夢衣「ぎゅーして。」
一「…いいよ。」
俺は部屋を暗くして夢衣がいるベッドに寝転がり、お願い通り抱きつく。
夢衣「今日は何もしないで寝れるよ。…昨日、勝手にいなくなってごめんね。」
一「俺もごめん。夢衣がいかないでって言ったのに体が勝手に動いた。」
夢衣「…ううん。ひーくん悪くないよ。」
一「夢衣は悪くないよ。」
夢衣「ちゅーだけしていい?」
一「いいよ。」
俺はちゃんとした夢衣と久しぶりに唇を合わせて、一緒に眠りについた。
→ されど日々は
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